遊戯王の世界に転醒したけど握ってるデッキがバトスピだった 作:みかんこ、アーイイ。実にイイ。
「やあ、随分と調子が良かったじゃないか。もしかして君、経験者だったりするのかい?」
軽く汗を拭ってDボードから降りると、出発前と変わらない好青年ぶりで勇講師が話しかけて来た。気安い態度からは、冗談でもデッキ否定なんて言葉を吐くような人物には見えない。
が、
この嫌な気配のする眼と雰囲気が、きっとまだ表に出していない本性と言ったところなのだろう。
「ストリートで少し遊んでたくらいだよ」
嘘だ。
本当は朝陽とトリックを決められる程度にスピードデュエルはやっている。目の前の相手に言う理由は二重の意味で存在しないが。
「そっか、それでもスピードデュエルに興味を持ってくれるだけ嬉しいよ!」
表面上はキラキラした笑顔を受け取りながら、頭の中でデュエルの算段を立てていく。
以前までの融合を主軸としたデッキの場合、勝ち切ることには自信しかない。だが今の、未知のカードを交えた
黒野が言っていた通り、曲がりなりにも相手はプロ。ひと足先に、グレード1級の相手へ通用するのか、試金石にするとしよう。
「さあ、始めるとしようか!」
向こうがDボードに乗ったのを見てから、改めて俺自身もコースに入る。互いにスピードを得、風を切り裂いて疾りながら遂に──
「「デュエル!!」」
デュエルの火蓋が切って落とされた。
「一応先達の義務として、スピードデュエルについて軽く説明をしておこうか!」
先行する勇プロが、こちらを振り返りながら口を開いた。
「スピードデュエルはクラシックなデュエルと違い、メインフェイズ2が存在せず初期手札は互いに4枚!
メインデッキは30〜40枚、EXデッキは最大6枚までの限定構築戦!
そして最大の特色として、各々のデュエリストが《スキル》というデュエル中1度のみ使える必殺の刃を胸に秘めている!」
加速を始めた勇プロに合わせてこちらも加速してみるが、流石にちょっと追いつけそうにない。学校の貸出備品とプロのカスタムメイド、比較をするまでもなくDボードの性能が違いすぎる。
「そしてライディングデュエルのルールに準拠し、先行はファーストコーナーを先取した者が得る!」
言っている間に、向こうはすでにコーナーへ差し掛かっている。ふーん……
「先行、あたし達に譲る気はないみたいだね」
その様子を見て冷めた視線でトアが言う。
さもありなん、自分が勝つことしか考えていない。少なくとも、初心者側にいる自分としてはそう見える。他者から見てどうかは知らないが、少なくとも初心者からそう見える時点でナシだ。
「講師としては落第でいいんじゃないか?」
「どーかん」
「僕のターン!」
悠々と先行奪取の宣言をするOBの姿は、先程までよりも燻んでみえた。
「僕は手札より
効果により勇者トークンを攻撃表示で特殊召喚し、デッキより[運命の旅路]をフィールドに置く!」
光り輝く魔法陣の中から、いかにも勇者と言わんばかりの人型が現れる。
使用デッキは敢えて聞いてこなかったが、これならアイツらが負けるのも理解できた。
「そのまま[運命の旅路]の効果を発動!
デッキより[流離のグリフォンライダー]を手札に加え、[聖殿の水遣い]を墓地へ送る」
「チェーンはない」
「ならばそのままグリフォンライダーの効果を発動し特殊召喚! このタイミングで再び[運命の旅路]の効果、デッキより[光の聖剣ダンネル]を勇者トークンに装備させる!」
勇者トークンの手元へ雷が落ち、輝きの中から聖剣が現れる。
グリフォンライダーも背後に控え、一瞬だが水遣いの姿も見えた。勇者御一行、正にそういうべき盤面である。遺跡の魔鉱戦士? 純構築か焔聖騎士くらいでしか彼の活躍の場は……うん。
流離のグリフォンライダー「クケェ!」
DEF2800
勇者トークン「ハァッ!」
ATK2000→2500
「ねぇ遊陽、ダンネルってなんだっけ?」
「勇者系装備魔法の1つだな。騎竜ドラコバック、光の聖剣ダンネル、
「あたし、ドラコバックしか見たことないや」
「同感」
基本的に勇者というテーマは、他のテーマと組み合わされることが多い。よって必然、一番汎用性の高いドラコバックが最もよく見るカードになる。
「さらに僕はカードを1枚セットして、ターンエンド!」
Prayer:勇 手札:1
LP:4000【Tern1】
①:伏せカード
②:運命の旅路
③:光の聖剣ダンネル
④:流離のグリフォンライダー
⑤:勇者トークン
LP:4000
Prayer:遊陽 手札:4
だが、ここまでの動きから予測できる構築は出張型じゃない。
間違いなく相手のデッキの構築は──
「純勇者かー……」
呟きながらざっと思い返す、20余枚の関連カード。
どれが何枚、どういった形で採用されているかは不明。
相変わらず融合ギミックは来てくれないが、それでも手札は悪くない。
なら、捲りきれる。
「俺のターン、ドロー!」
まずは見える妨害から踏んでいこうか。
「スタンバイ、メイン。俺は手札から[闇の誘惑]を発動! 効果により2枚ドローしたい」
「させる訳がない! [流離のグリフォンライダー]の効果、このカードをデッキに戻し発動を無効にして破壊する!」
闇色の力がデッキからカードを捲りかけた瞬間、飛んできたグリフォンライダーが闇を散らして帰っていく。
「くっ……」
悔しそうな顔をしつつ、頭は冷静に。
慢心してくれれば儲けもの。
グリフォンライダーを先撃ちということは、手札に握っているカードは[灰流うらら]じゃない。いや、迷いなく先撃ちをした辺り、恐らく手札誘発でもないか。
「どうしたんだい? まさかこれで終わりなんてことは──」
「多分通るな。続けて手札より永続魔法[旅団の摩天楼]を発動!」
「──なにッ!? 何だそのカードは!」
「発動時の効果処理として、フィールド・墓地に同名カードの存在しないレベル4以下の幻想魔族モンスター1体をデッキから手札に加える」
チェーンは? と促すが返事はない。
そのまま進行させてもらう。
ずらりと、手元に表示されたデッキの中身。
本当ならここから[コーンフィールドコアトル]→[ミラーソードナイト]と繋げてキマイラ融合からリーサルを取るルートがあるのだが……
「……やっぱり、まだ駄目かぁ」
3枚ずつ採用している筈の2種類は、揃って6枚デッキボトムに固まっていた。ガゼルやバフォメットも中段くらいで纏まっている。一番下じゃないだけ、許されてきてて少し嬉しい。
ではなく。
効果で無理やり引っこ抜くことも出来なくはないが、そうした場合の後が怖い。ただでさえ拗れているデッキとの関係を、こんな相手のために悪化させる理由はない。
「効果解決、俺はデッキより[ナイトメア・ヴィジョンズ]を手札に加える!」
よって当初の予定通り、
何かトアがメチャクチャに目を輝かせてるが、そんなに珍しいカードだろうか? マジシャンズ・ソウルズの幻想魔族版。30円くらいなんだが。
「そのままヴィジョンズの効果を発動!
発動コストとしてデッキからレベル6以上の幻想魔族……
ソウルズと違い、ヴィジョンズの除外効果には欠片も汎用性がない。いつか化ける、いつか化けると言われながら、埋もれて日の目が出なかった過去を持つ。地元じゃストレージの常連だった。
「俺はヴィジョンズ自身の特殊召喚を選択!」
チェーンはなし。
わざわざ攻撃力を上げるダンネルを装備した以上、恐らく伏せはあのトラップ。1対1交換を嫌ったか、或いはこっちの使うカードの知識が不足しているか。
どちらにせよ好都合!
「続けて魔法カード[
LPを1000支払うことで、手札・墓地・除外ゾーンから[幻惑の魔術師]1体を特殊召喚する!」
遊陽 LP4000→3000
幻惑の魔術師「フン……」
ATK2500
やれやれと言わんばかりの雰囲気で、黄金の衣を纏ううちのエースか降臨した。
トアは無音ながら外人4コマみたいに盛り上がってる。
なぜぇ……?
「続けて[
「何が使われるかは分からないが、これ以上好き勝手はさせない!
僕は
「チェーン、幻惑の魔術師の効果を発動」
ヴィジョンズの効果はよく見ている。が、流石にこちらを侮りすぎだ。こんなタイミングで、見える最後の妨害を吐くなんて。
「ばかな、そんな効果は幻惑の魔術師にはない筈──!」
「[
フィールドに降り注いだ雷の雨が、揺らめくオーロラに阻まれる。
「逆順処理によって、デッキから[幻惑の眼]を手札に加え[旅団の摩天楼]をデッキの一番下に戻す」
これで相手の伏せはなし。
墓地効果は水遣いのみ。
手札は推定誘発じゃない。
……妨害は踏み切れたか?
「続けてヴィジョンズの効果。除外されている魔法・罠カードを2枚までデッキの下に戻し、その分だけデッキからドローする。今回は1枚ドロー!」
メイン戦場がクラシックルールの身としては、強烈に違和感があるが……
「カードを2枚セットし、ヴィジョンズ1体でリンク召喚[リンクリボー]!」
……バトルフェイズに入る前、忘れずにカードをセット。役割を終えたヴィジョンズもリンクリボーへ変換。
「バトルフェイズ!」
リーサルは取れないが、盤面はこれで荒らし切れる!
「[
「迎え撃て、僕の勇者!」
紫の炎を浴びながらも、聖剣を支えに懸命に勇者トークンが耐える。
勇 LP:4000→3500
が、しかし。
「このバトルでは双方のモンスターは破壊されず、バトル後に幻惑の魔術師の効果が起動。勇者トークンのコントロールを奪取する」
ふらふらとした足取りで、勇者トークンかこちらのフィールドに移動する。聖の操っていたドラゴンと違い、人型だからか目がなんか危ない感じになっている。主に霊使いやエクソシスターとかがしたら、男性デュエリスト的に不味そうな眼だった。
「続けて[勇者トークン]でダイレクトアタック!
この瞬間、幻惑の魔術師の効果を発動。1ターンに1度、このカード以外のモンスターが攻撃するアタックステップ開始時、場のカードを1枚破壊できる……選ぶのは[運命の旅路]!」
仲間との絆を砕きながら、勇者トークンが元のコントローラーへ突撃する。聖剣を高く掲げ、一閃。
LP3500→1500
「ぐ、ぁぁぁぁ!!」
その衝撃で、大きく勇プロが体勢を崩した。
先行していたリードがなくなり、そのままこちらへ迫ってくる。
先ほど敢えて明言していなかったスピードデュエルのルールとして『コースでクラッシュした場合・デュエル中にボードから降りた場合は敗北となる』というものがある。主に安全面から制定されたルールだが、プロのデュエルでは互いにそれを狙いつつの攻防も見所になる……らしい。
それ狙いの半クラッシュ。あまりにも大人気ない。
「まあ見せ場にさせて貰うけど、なっ!」
Dボードの推力を急上昇。リンクリボーのアシストを受けながら、クラッシュした相手を飛び越えるように空へ飛ぶ。
その際に、ボード後ろ側を
「続けて、リンクリボーでダイレクトアタック!」
デュエルの腕が思ったより大したことない辺り、こういった盤外戦自由でやられたクラスメイトも多い筈。ということで、仇討ちとさせてもらう。
「ちっ、避けたか……!」
勇 LP1500→1200
そう思ってのクラッシュ狙いのダイレクトアタックだったが、曲がりなりにもプロだったらしい。体勢を崩し切ることは出来ず、平然と耐えられてしまった。
「ターンエンド!」
最後に大きく円を描くように進路を反転。
ターンを譲り渡した。
Prayer:勇 手札:1
LP:1200
③:光の聖剣ダンネル
❷:リンクリボー
⑦:勇者トークン
⑧:幻惑の魔術師
⑩ ⑫:伏せカード
LP:3000
Prayer:遊陽 手札:2
「君、僕を騙したなッ!?」
クラッシュから復帰、追いついてきた勇プロの進路をブロックしている時。ふと、そんな恨み節が聞こえた。
振り返ればそこにあったは、先ほどまでの好青年の皮を脱ぎ捨てた剥き出しの感情。勝利を求めて歪んだ、見知った斜陽のデュエリストの顔があった。
「騙したって?」
「シラを切るな! 妨害の打ちどころを知っているカード知識、こちらのカードに対する理解、そして効果確認のタイミングを取らせないテクニック! その全てが、他の補習が必須な雑魚どもとは違う!
確実に、僕らプロ側の存在だ!」
「はははは! ご冗談を。俺はこの通り、8戦2勝程度の雑魚ですよ」
「くっ、僕のターン!」
ディスクへ表示させ見せびらかした公式の戦績を見て、歯を食いしばって勇プロが引き下がる。だがどうせなら、ここで詰めきる!
「ならこのドローフェイズ、スタンバイ移行前にスキル発動!」
これこそが、スピードデュエルの本懐。
各々のデュエリストが持つ、必殺の隠し札。
「スキル発動【オープン・アイズ】!」
自分自身、正直かなり陰湿だし見栄えが悪いのは分かってる俺の固有。その効果は──
「カード名を1つ宣言して発動できる。相手の手札に宣言したカードが存在している場合、そのカードを墓地へ送る。存在しない場合、俺は手札を1枚墓地へ送る。宣言するカード名は『強欲で金満な壺』!」
スキル【オープンアイズ】
2ターン目以降、自分・相手ターンの任意のタイミングで発動可能。
カード名を1つ宣言して発動できる。相手の手札に宣言したカードが存在している場合、そのカードを墓地へ送る。存在しない場合、自分の手札を1枚墓地へ送る。
所謂ピンポイントハンデス。
1ドロー1000LPと言われるデュエル・モンスターズにおいて、かなり珍しい部類の効果。決まれば強いがしかし、この効果の本質はそこではない。
「僕の手札に該当のカードはない、自分の手札を捨てるがいい!」
実質的にこちらがメインの効果になる。
「手札のカードは[おろかな埋葬]と[遺跡の魔鉱戦士]……確認した。俺は手札から[モコモッコ]を墓地へ送る」
そしてこの時点で、スキルという不確定要素を除けばこちらの勝利が確定した。
「好き勝手に動きやがって、僕のターンだぞ!」
「この程度なら動いてねぇよ!」
罵倒を聞き流し効果を処理。
さて、あとは相手のスキルと埋葬先次第だが……
「スタンバイ、メイン!
僕は魔法カード[愚かな埋葬]を発動!」
「通しで」
「効果によりデッキから[ネクロ・ガードナー]を墓地へ」
相手が展開を行う場合、必須となるのは[アラメシアの儀]だ。けれどこちらの場には魔法をターン1で無効にできる幻惑の魔術師がおり、相手の抱えている札にそれを防ぐ手立てはない。
よって詰みだ。
「墓地の水遣いの効果。デッキからアラメシアの儀を手札に加え、ターンエンド」
プロである以上サレンダーはしない筈なので、あとは精々派手に散って貰うだけ。
それに向こうも気付いたのだろう。
信じられないといった様子で叫んだ。
「……ふざけるな! 僕は1億以上を稼いだプロデュエリストたぞ!」
「残念ながら。お前の目の前にいるのは、3億は稼いだプレイヤーだ」
とりあえずトアのカンペ通りに言ってみたけど、こんな感じでいいの? OK? そう……
「──ッ! そうか思い出したぞ、去年のクラシック戦線で活躍したデュエリスト!
竜王、ジェイルクイーンの2人と最後まで接戦を繰り広げた、クラシック三巨星最後の1人!」
「残念だけど」
2つ名を言い切られる前に、無理やり言葉をねじ込んだ。
思い返すのは、先ほどサーチのために開いたデッキの状態。キーカードが軒並みボトムに沈んだ、正しく死んだデッキの姿。
「あんたの言うデュエリストは、半年前に死んだよ」
失われてはいけなかったものと一緒に。
とっくの昔に。
「ドロー、スタンバイ、メイン経由でバトルフェイズ。
勇者トークンでダイレクトアタック」
「ネクロガードナーの効果、戦闘を無効にする!」
「続けて[幻惑の魔術師]でダイレクトアタック!
勇 LP1200→0
最後の一撃はあっけなく通り、決着のブザーが鳴り響く。
けれどそれを聞く胸の内は、数瞬前までの燃え上がる興奮は消え失せて。嫌なほどに凪いで、冷え切っていた。
「そういえば。昼のデュエル前にトアが言いかけてたことって、結局何だったんだ?」
夕方。
クラスの奴らとラーメン屋に立ち寄り祝勝会をした帰り道。人もまばらな帰路を歩きながら、気になっていた事を尋ねた。
「え? 言いかけてたこと──って、
あーーーー!!!」
キーンと耳に響く絶叫。
そしてだらだらと汗をかくトア。
案の定、重大な案件でかつ伝えるのを忘れていたらしい。
「そうだった! そうだった!
デュエルが楽しくて忘れてたけど、こんなことしてる場合じゃなかった」
「どうどう」
「落ち着いてなんてられないよ!
だってこのままじゃ、人類は滅亡する!」
「な、なんだってー⁉︎」
思わず古典的な反応をしてしまったが、トアの目はマジだ。本気と書いてそう読む方の。
「あたしのデッキに居た12枚の精霊。12宮のカード達は、遥かな過去から星に存在した力のある
「それはまたなんともご大層な」
けれどまあ、トアのいた場所と同じような話は知っている。
いつか蘇るデュエルの王や、世界の終末に現れるという時を戒める神の逸話。天の地の錠前を外すことにより現れるという赤き竜の神話。光と闇の決戦による滅亡の予言。魂のランクアップ、AIの暴走。
真偽はともかく、あげればキリがない。
「遊陽やライバル君、あとはデュエルチェイサーの人たちクラスの力があるなら、溢れる力の余波にも耐えられる。勿論、それでも心が不安定だったりすると別だけど……それでも。だからあたしも安心して、腰を落ち着けて探す方針でいたの!」
「でも、実際は違ったと」
「強さの基準が、あのプロ辺りが平均だって言うなら────」
と、話しながら大きな交差点に足を踏み入れた瞬間。
────パキン
なにか、硬いモノが砕ける音がした。
「こうやってカードの精霊に呑まれる、と。あの時の聖みたいに」
なるほど厄介な話だ。
まさか1週間も経たない間に2回目を経験するなんて、思いもしなかった。
「トア、デュエルする力は残ってるか?」
「……ううん。ごめん、まだ煌臨出来るほどじゃない」
「マジか」
急激に景色が塗り変わっていく。
市街の大通りが青い結晶に侵食されていく。
既に人の姿はなく、聞こえるのは結晶が砕ける奇妙な音。
そして──遠くから聞こえる、Dボード特有の機動音。
「ただ、
ううん、やってみせる。
だから!」
一呼吸置いて、真剣な眼差しでトアが叫んだ。
「勝って、あたしの契約者!」
「なるほど、分かりやすくなった!」
近づく機動音をBGMに、デュエルディスクを展開。
闇のゲームを受けるのはあの日以来、半年ぶりだが……もう、あの時の俺とは違う。いい意味でも、悪い意味でも。
けれど1つだけ、はっきりしていることがある。
「こんなところで、立ち止まっていられるか」
たった今、予定外の光明も見えたのだ。
トアは以前『勝つことが仕事』と言っていたが、俺も『負けることは許されない』。
「契約の巫女、トアの名において命ずる」
「「ゲートオープン、界放!」」
そんな決意をしかと刻み、俺たちは戦場へと飛び込んだ。
【今週のキーカード紹介!】
《ナイトメア・ヴィジョンズ》
闇 レベル1 ATK0/DEF0
幻想魔族・効果
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが手札に存在する場合、デッキからレベル6以上の幻想魔族モンスター1体を除外し、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードを特殊召喚する。
●このカードを除外する。その後、「幻惑の魔術師」1体を自分の除外ゾーンから特殊召喚できる。
②:自分の除外ゾーンから表側の魔法・罠カードを2枚までデッキの一番下に戻し発動できる。自分はデッキに戻した数だけドローする。
③:このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その2体はその戦闘では破壊されない。
《
通常魔法
このカードの①②の効果をそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:LPを1000払って発動できる。手札・墓地・除外ゾーンから「幻惑の魔術師」1体を特殊召喚し、そのモンスターは以下の効果を得る。
●1ターンに1度、相手が魔法・罠の効果を発動した時に発動できる。その効果を無効にする。
②:墓地のこのカードを除外して発動できる。自分のデッキから「幻惑」魔法・罠カード1枚を手札に加え、その後手札・場のカード1枚を選んでデッキの1番下に戻す。
一見強そうに見えるデザイナーズコンボとも取れるカード達だけど、前者はコストになるカードの汎用性が皆無なこと。加えて除外を経由することによる①②共に活用が難しい悲しみ。
カーテンは弱めの未来龍皇と言えなくもないが、加速する現代デュエルで1000LPも払って召喚範囲にデッキがないこと、サーチにそもそも対応していない致命的な欠点があるぜ!
サラッと登場する謎のオリジナルカード(ナイトメア・ヴィジョンズ等)は
-
あり
-
なし
-
わたしは一向に構わんッ!