【本編完結】ガンダム種運命 RTA ザフト軍人チャート 作:Damned
クリスマスなので初投稿です。
ひとり自室で、ハイネは壁に身体をあずけていた。
──終末へのタイマーが動きだしているのを止められはしません。私にも、貴方にも、誰にも。
通信越しで聞こえたアンヘラの言葉は、残酷な程に静かだった。驚愕に問いをかけるデスティニーを置いて、彼女は基地の中に消えてしまったし、最後の言葉も「次にあったら殺す」というものであった。
一体、どこまでが真実で、どこまでが嘘なのか。
ダイダロスにビームを放ったのを、デスティニーのコクピット越しに、ハイネは目にしていた。まだ基地が落ちるとは思えない、スクランブルがかかったタイミングで、だ。
証拠を隠滅するにも敗北の色は出ておらず。そんな状況で、友軍であり最終兵器の一つであろう衛星兵器を破壊する必要などない。
それならば、アンヘラはなぜ、連合に弓引くような行為をしたのか。彼女が基地の主力部を焼いたことで、司令官のいなくなったダイダロスはあっさりと陥落した。それが目的だったのだろうか。
それで得をするのはザフトのみだ。だが、ロゴスのスパイである以上、理由が見当たらないのだ。
彼女の真意が、理解できない。
あの言葉を発したのも、自らに殺すと宣告した意味も。
助けて欲しかったのか、動揺を誘ったのか。現実的に考えれば、後者である。アンヘラはロゴスのスパイなのだから。しかしそうなると、やはり行動に矛盾が出てくる。
「アンヘラ……お前、一体何考えてんだよ……?」
デュランダルがアンヘラに濡れ衣を着せ、その結果として陣営を渡ることとなった──などという荒唐無稽な事実を、ハイネが知っているはずもなく。
空虚に、その問いは広がっていった。
一方で、同じくアンヘラのことを測りかねている人間はもう一人いた。
ザフトを離反することとなった経緯は聞いた。しかしそれ以外の言動が、シン・アスカの思考を占有している。
彼女は、自分の身を案じてくれて、再会した時には泣く程度には気にされていて。でも、自分の家族の仇──の妹で、戦争もエクステンデッドの事も止めなくて。それを平然と口にする程度には、非道で。どれがアンヘラなのか分からなくなる。
否、理解してはいるのだ。
──人には、多面性と言うものがある。それは相手や立場、状況によって変わるものだ。
シンは、彼女の一部しか知らなかったのだろう。そして、それ以外を知らなさすぎた。穏やかで、いつも自分たちを見守りながらも真っ当に導いてくれる、ある種母のような存在。それだけの人間が、月から離れてまでザフトに入隊するわけがない。
彼女が自暴自棄に笑ったあの時、ようやくそれに気付いたのだ。
勿論、自分たちに見せていたあの姿が偽りとは思わない。彼女は「劣等感に付け込んで扇動する最低最悪の人間」と自らを称していたし、どういう理由があれどブルーコスモスだ。その一方で、エクステンデッドの存在に否定的で、健康的な肉体に戻すための手段を探し出してくれた。
エクステンデッドの『製造』も、コーディネイターを『産む』ことも、彼女は否定した。自らもコーディネイターでありながら。
そして何より──二年と少しの付き合いでも、わかる。ブルーコスモスなのかと尋ねた時の言動は、自身にヘイトを集めるための偽悪的なそれだ。
直情的に見えて聡いシンは、振り返ることが出来てすぐ、彼女の行いを理解できた。
家族を殺し、故郷を焼いた作戦を纏めていたという
悪の中でもより悪く。まさに巨悪だ。その兄の行いを止めなかったアンヘラも、差異はあれど悪に分類されるのだろう。
だが、作戦というのは組織のいちトップだけでは決められない。もっと上の、大局を見ている存在があるはずだ。それに歯向かうことなどできはしない。だから、止めないのではなく止められなかったとも考えられる。
それが分かっていても、折り合いがつけられない。彼女の言葉だけでなく、整理のつかぬ自身の感情にも苛立って、それをぶつけてしまいそうだった。彼女にどんな言葉を叩きつけてしまうのか分からない。今は少なくとも、アンヘラに顔を合わせたくない。
食い込むような勢いで自らを抱いて、シンは俯いていた。しかし、通路の先から聞こえた言葉に、すぐに先程の言葉を翻すこととなる。
コペルニクスでお買い物するRTA、はっじまるよー! ──と言いたいところですが、外出の許可をもぎ取る所から始まります。
ほら見てください、アークエンジェルの皆に絶対服従です(エセTNTN亭語録)。えっマジ? 速攻で許可降りたんですが。ぐぅ……この艦長走者を喜ばせるつもり? これぞ和、俺も誇らしいよ。
>……私が逃亡したり、ブルーコスモスの人間に彼女の居場所を暴露するとは思わないのですか?
>ええ。
ウッソだろお前まだ二日くらいだゾ。どこでそんな信用勝ち取ったんや(困惑)。なんか起きても俺悪くねえよ……俺悪くねえからなぁ?
魔乳浣腸の横にラスクラクスもいるんですが、そっちもノータイムで許可出しましたね。なにこれは。
>アンヘラさんには、よろしければわたくしが服をお貸ししますわ。
あざざます(深い感謝)。あんまりいい感情はないらしいですが、そこは大人。割り切ってお話していますね。
借りた私服はパンツスタイルで、変装を兼ねて髪を降ろしているので全然印象が違います。なんなら眼鏡っ娘が眼鏡を外すという唾棄すべき行いも……こんなの法律違反じゃない?(過激派)
それじゃ行ってきまーす! シンちゃんはレズちゃんとの関係が終わってますし、メイリンも誘ったんですが今回は行かないみたいです。原作メンバーからメイリンを抜いてアンヘラを入れただけですね。どうして……。
>わたくし、コペルニクスは初めてですわ。あなたは?
>ほとんど戻らないですが、家がありますので。
>あら。もしアンヘラさんがよければ、お招きいただけませんか?
ここからは街中を探索したり、女性陣の試着という名のファッションショーがあります。アスランには断固拒否されますが、キラくんの服を見繕う事も出来ますので通常プレイではやってみてください。私はふりふりのワンピースを着せました。可愛かったですね(女装は最も男らしい行為)。
今回はひたすら決定連打ですね。ある程度の試着をしていると、ミーアのハロがメッセージを咥えてやって来ます。最短三回、長くても八回です。今回は五回目……普通だな!
>助けて殺される、ラクス様……。
>どう見ても罠ですね。
アスランは早く戻れと言うんですが、ここルート分岐不可能で絶対に付いてくるんですよねラクス。なのでこちらも便乗仏教して可能な限りやり取りを少なくします。
>いざと言う時は一丁貸してください。
アスランから拳銃貸与の許可を得られたのでOK! それじゃあイクゾー! デッデッデデデデ(カーンッ)
ここからは一悶着ありますが、ムービーの後本編通りにファイトが始まるためそれまでは放置です。その間に、ここからの行動を説明させていただきます。
まず、襲ってくる敵は全員殺しましょう。死に際の足掻きで誰かが負傷する可能性があります。
次に、ミーアに関しては可能な限り連れ帰ります。理由としては、『議長が偽物のラクスを仕立てや……仕立てあげてやんだよ。偽物のらくしゅ……様にしたんだよ! 偽物のラクスにしてやるよ(妥協)でプラント市民を扇動した』とバレ、やる気の失せたザフトの皆さんのおかげでかなり短縮できるからです。みんなが好きなのはデュランダルじゃなくてラクスだからね。ミーアのコスプレして、どうぞ。
失敗したら諦めてほんへをなぞるだけです。難易度がミーア生存の倍くらいになりますがまぁ問題ありません。だって裏でストフリもインジャも完成してる上、通常の自由もPテセもいるんだもん……。
>何人だっ。知ってるか!?
>わ、わかんない、サラしか!
ムービーが終わりましたね。アスランから拳銃を一本むしり取って逆サイから攻めます。殺した敵の銃を奪ったら帰りましょう。
ここはアスラン一人でも制圧できますので、確実に護衛することを選びます。メイリンがいる場合は彼女に任せて、最速で破壊することを選べるのですが。今回はいないので諦めましょう。躊躇無く数発入れたり敵の死体を肉盾にしたり、挙句の果てにはジム投げじみた行いをしているので、アスランとミーアがドン引きしていますがてめぇら生きていられるんだから上等だろ。
ちなみに、ここのタイムを測る基準はアカツキが来るタイミングです。今回は若干早いですが、良くも悪くも誤差です。
あっ、一人だけ生き残りがいました。無駄だよ死ね(直球)。コロラド撃ちで仕留めます。このゲーム、キルログが戦闘終了まで出ないのでたまに討ち漏らすんですよね(いっ敗)。
おっさんはラクスとミーア連れて帰ってね。じゃあ俺らも、徒歩で帰るから。
──で、帰宅したのがこちらです。同じ顔が二人いることに困惑されますが、ここまでくれば安全です。彼女らといると……というかラクスといるとレズちゃんがトラブルを誘発しかねないので、後はみんなに任せて戻ります。
(シミュレーターもないしテセウスには乗せて貰えないからやることは)ないです。こういうストーリーが動く前後の期間って、どうしようにも短縮できないんですよ。最低限やらせてもらえる掃除なんかをして時間を潰しましょう。
その中でも特に天使湯の掃除はおすすめです。たまにアビリティが拾えます。その確率が最も高い一番風呂に入る権利も得られますし、まあまあ時間が経過しますので回数をこなしましょう。
>──今、私の中にも皆さんと同様の悲しみ、そして怒りが渦巻いています。
議長の演説が始まりましたね。残念ながらアビリティは貰えませんでしたが、今回は運がなかったということで。ミーアのムービーよりは短いですが、それなりに時間があるのでここで水分補給やお手洗に行くのもおすすめです。
これが終わったら、しばらく待ったあとにキャットウォークへ行きましょう。通常プレイなら人数の多いブリッジなのですが、これはRTA。最低限人がいるそちらにします。
今回いるのは……ちょっと待ってくださいシンちゃんです。どうしよう。諦めて帰りま──あっ、向こうから声をかけてきました。
>さっきの議長の言葉。……あんたは、どう思うんだ。
>共産主義じみていますね。
「共産主義?」
その意味を知らない、訳では無い。財産を私有ではなく、社会的所有とすることで貧富の差をなくすことをめざす思想、であるはずだ。
「デスティニープランも共産主義も、個人の「役割」を国家・社会が定めて割り当てる。根底こそ違えど、自由意志ではなく適性や効率を求めます。
どちらも理論的な支柱によって正当化されているのがタチが悪いですね。そうして秩序と安定がある代わりに、夢を選ぶことも、遺伝子に逆らうことも許されなくなるでしょうから。ただ、決定的に違うところもあります」
静かになった格納庫を眺めながら、アンヘラは続ける。
相変わらず視線は交わらぬまま、どこか苛立ったような声色だった。
「デスティニープランは技術的なアプローチなのに対し、共産主義は平等な分配を求めます。それから、デスティニープランは導入という名の強制的なものですが、共産主義は下から底上げするような革命思想です。それにしても」
──面白いことを言うものですね、議長は。
「……面白いこと?」
「デスティニープランだなんて。議会は何をお考えなのでしょう」
「どうしようもないから、最後の防衛策って言ってた通りのものじゃないのか?」
アンヘラの口元が、緩く吊り上がる。少し前に見たそれとも、今までに見てきたものとも違う、鋭い笑みだった。
「だってその真意、気になるじゃありませんか。普通は言いませんよ、『人類存亡をかけた最後の防衛策』だなんて」
「俺は議長が、平和のためにやろうとしてるって信じたい。でも……」
「でも?」
「あんなやり方で皆を騙して、アスランとメイリンに濡れ衣を着せた人間を、俺は信用出来ない。しちゃいけない、と思う」
「……ふ」
若いな、と思う。感情論も交えたその回答に、思わず笑いが込み上げた。
「軍人の口から出るとは思えない言葉ですね。まあ、盲目的に命令を受け入れるただの『駒』よりは、余程いいと思いますけれど」
それを聞いて、シンも問いを返す。少し前にも感じたが、彼女は、こんな皮肉げな喋りをする人間であったか。
「そうですねぇ……もうどうでもいいからでしょうか」
「……なんで」
それだけ絞り出したシンだったが、自分の働いた狼藉も平然と受け入れていた彼女を思い出し、押し黙る。自分がテセウスに撃墜される直前まで、アンヘラは強い芯を持って行動していた、ように見えた。
ロード・ジブリールを殺すことだけが、彼女の目的だったのだろうか。だからこそ今、ひどく厭世的なのか。
「私にはもう、生きる意味がありませんから。議長を殺したらぜーんぶおしまいです。償うって言っても限界があります。エクステンデッドの技術も、あの小物を殺したのですからじきに消えるでしょう?」
「それは……」
「あのレクイエムなどという兵器も、押収されて撃たれることもない。私が壊したのでね。仲間もいない、とるべき舵も無い。いいでしょう、根無し草としては最高の出来です」
「何でそんな事言うんだよ。ルナもメイリンも、みんないるじゃないか。やめろよ」
彼の言葉は、本当に青い。オノゴロをくぐり抜けてきても、なお。きっと彼は愛されて生まれて、愛されて育てられてきたのだ。
だからこそ、そんな彼が羨ましくもある。
「生まれた役割を、全うできないんです」
「……役、割?」
「戦闘用コーディネイターなんですよ、私」
返せる言葉が、シンにはなかった。