【完結】死にぞこないの猟犬は世界を知る   作:オタリオン

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186:笑う道化師

 俺が指定したルートを進む輸送機。

 此処までは良い。敵の影は見えていないから。

 壁の外へと逃れた俺たちを待っていたのは無数のメリウスたちで。

 それらもあの無人機と同じものであった。

 兵士たちがすぐに迎撃に当たり、交戦状態となったが。

 SQたちとも合流していた事も大きかっただろう。

 俺やヴァンにライオットとドリスも加わる事で、何とか全員の退路を開くことが出来た。

 

 軍の輸送機に積んであったパルス兵器により。

 一瞬の隙を使って撃ちこむ事で、一時的にだが大多数の無人機の無効化にも成功。

 そのまま彼らは緊急転移装置を使って戦線を離脱。

 俺たちの輸送機にもいつの間にか積まれていたその装置を発見し。

 ミッシェルは何の躊躇いもなく使用して……何とか此処まで逃れた。

 

 今は少しだけ傷ついた機体の修理をミッシェルたちがしている。

 操縦を担当しているのはヴァンとイザベラで。

 次は自分も出撃すると意気込んでいた。

 

 船には目立った傷はない。

 此処までの航空路では敵はいない。

 現在、俺たちは北部地方の中を移動している。

 北部地方でのいざこざは現在でも続いているが。

 一部の航空路に関しては警戒が緩くなっている。

 互いに警戒はしているが、いたずらに兵士を消耗させてしまったせいで重要でないところは見過ごしているんだ。

 だからこそ、碌に基地も街もないこのエリアには兵士の姿は見えない……最も高度を上げ過ぎて目立つ行動を取ればすぐに兵士は来るだろうがな。

 

 今はただ低空飛行で身を隠しながら進むしかない。

 緊急用の転移装置では、あまり遠くまではジャンプできないから。

 途中からはこうやって自力で移動する他ない。

 仮想世界への入口は全部で三つ設置されている。

 そのどれもが許可が無ければ立ち入る事は不可能で。

 実質上は、此方が神に接触しない限りは安全だと言える。

 一時的にそこに身を隠し、大勢を整えてから神への対抗手段を講じる他ない。

 

 その為にも、一刻も早くこのエリアを抜けなければ。

 窓に近づいて外を見つめる。

 空はどんよりと厚い雲がかかり、陽の光は一切見えない。

 周りには高く聳え立つビル群が聳え立っている。

 かつて存在した都市建設計画。

 北部地方で行われる地方発展の大規模プロジェクトの名残だ。

 

 これが完成していれば、北部地方の人間たちも一つに纏まっていたかもしれない。

 だが、結果的にはこの都市の利権を巡り争いが起きて。

 この都市計画に関わっていた主要メンバーは何者かにより暗殺された。

 その結果、柱を失ったプロジェクトは空中分解し。

 後に残ったのは中途半端な状態で放置されたビル群と土地だけだ。

 今もこの土地の事で多くの国がもめている。

 元々の領土は自分たちのものだったと主張したり、出資を主にしていたのは自分たちだと言うものもいる。

 

 ……戦争なんてものは些細な理由で起こるものだ。

 

 例え子供の喧嘩の理由であろうとも、時には戦争に発展する。

 人は根本的に争いからは逃れられない。

 恐らくだが、神は人間のそういう部分をずっと見て来たんだろう。

 だからこそ、そういう野蛮な考えを起こさせない為に、自らの力で完璧な人間を生み出そうとしている。

 そして、それを管理するのは奴であり……だからこそ、奴はあの名前で呼ばれていたのか。

 

「……”マザー”か」

 

 ノイマンの情報から奴の本当の名を知った。

 人類すべての母となり、全ての人間を見守っていく存在。

 母の名を与えられた奴にとって、人類が全て滅ぼされた光景は相当な負荷になっただろう。

 だからこそ、奴は人の心や感情を排除し。

 機械としてシステムとして、人々を正しく導こうとした……だが、違う筈だ。

 

 もしも、奴が本当に人間の汚れたところを消したいのであれば。

 アイツが生み出した俺たちが、こうやって戦っている筈が無いんだ。

 失敗作、偽物、贋作。どう言おうとも、アイツは人間の心を消さなかった。

 

 ……きっと奴の中にはまだ迷いがあるのかもしれない。

 

 人間の心や感情を否定する事は、人間そのものを否定する事と同じだ。

 だからこそ、この世界で生きる人間たちには正しく感情と心がある。

 例えそれがプログラムされたものであろうとも、アイツは心を捨てる選択をしなかったんだ。

 その事実だけは俺はしっかり認識している。

 だからこそ、奴と再び会い問いかける必要がある。

 

 

 本当に人間たちを変えてもいいのか。

 本当にお前が望む人間たちには正しさだけで良いのか。

 

 

「……」

 

 奴は絶対に肯定する。

 それが真理だとアイツは言うだろう。

 そうなったのならお互いにやるべき事は一つだけだ。

 

 ギュッとグローブ越しに拳を握る。

 奴がシステムとして全ての人間を消し、別の存在として表の世界へと導くと言うのなら――俺たちはそれを全力で阻止する。

 

 この世界を消させはしない。

 この世界に住む人々の記憶を失わせはしない。

 

 戦え。戦って勝ち取るんだ。

 未来を希望を――俺たちの愛した世界を。

 

 決意を新たにする。

 そうして、ヴァンたちを見れば前を見続けて輸送機を操縦し――!

 

 システムが警告を発した。

 ヴァンは舌を鳴らしながらレーダーをチェックした。

 すると、此方に向かって高速で接近する敵影が確認できた。

 

「ナナシ! 行けるか!?」

「あぁ! すぐに出る!」

「任せた。俺も……よし、オートパイロットで迎撃システムを起動」

 

 ヴァンはパネルを叩き迎撃ステムを起動した。

 オートパイロットにより、輸送機に内蔵された高性能AIに操縦権が譲渡される。

 イザベラも立ち上がりぼきぼきと拳を鳴らしていた。

 

「腕が鳴るねぇ」

「ナイト。危ないから仮眠室のベッドに入っているんだ」

「わん!」

 

 ナイトの頭を撫でる。

 すると、ナイトは元気に吠えてから駆けだした。

 俺は三人で格納部へと走っていく。

 

「敵影は先頭が三機。後続からは合計で十五機……先頭の動きが速かったから。たぶん、代行者かもしれねぇ」

「最悪なケースだが、やるしかない」

「そうさ。皆まとめてあの世へ送ればいいだけさ。気張っていくよ」

 

 ハッチを開けて滑るように梯子を下りる。

 二人も降りてきて、俺たちは整備を終えたミッシェルたちに声を掛けた。

 既にライオットドリスは機体に乗り込んでいる。

 俺たちもヘルメットを被ってから、それぞれの機体へと乗り込んでいった。

 

 通信が繋がる。

 相手はヴァンであり、どうしたのかと聞いた。

 

《そういえば説明してなかったと思ってな。俺の乗る機体の名前は”暁”だ。言葉の意味は……まぁお前のアンブルフと似ているらしい。こいつはお前たちのサポートに特化している。機動力と精密な射撃が売りだ。俺は”アンダルライフル・カスタム”二丁と”電磁吸着式拡散小型エアマイン”で出る。聞きたい事は?》

「いやいい。俺はアサルトパックで出る……お前とこうやって戦える日が来るなんてな……心強いよ」

《……やめろよ! 恥ずいだろ!?》

「ふふ」

 

 俺はシステムのチェックを手早く進める。

 すると、イザベラも通信を繋いできて「イチャつくのは後だよ」と言ってくる。

 

 俺は操縦用ガンドレッドを装着。

 足の調子も確かめてから、緊急出撃プロトコルを開始した。

 ミッシェルたちは既に操縦ルームへと行った。

 赤い回転灯が回りながら、輸送機内にサイレンが鳴る。

 そうして、何時もよりも早くに下部のハッチが展開されて。

 後方のライオットたちが先に出撃し、次にヴァンたちの機体が出て――ガコリと固定アームが外された。

 

 少し機体が揺れる。

 が、そのままスラスターを噴かせて空中を飛んだ。

 輸送機を外から確認し、そのまま敵機のいる方向へと視線を向ける。

 すると、遥か遠くから無数の敵影を確認した。

 

「ライオット、ドリス。お前たちは輸送機の護衛を! イザベラとヴァンは俺と一緒に代行者の迎撃に当たるぞ!」

《了解!》

《了解しました!》

《はいよ!》

《分かった!》

 

 それぞれに指示を出す。

 輸送機を見れば機体の各部が展開されて、取り回しのいい銃座が現れた。

 そこにはミッシェルやベックが座っており――彼女は親指を立てる。

 

 俺は静かに頷いて、ヴァンたちと共に敵の迎撃に向かう。

 機体のスラスターを全力で噴かせながらぐんぐんとスピードを上げた。

 

 此方のメリウス数は五機。

 対して相手は代行者を含めて十八機……確実に仕留めに来ている。

 

 どうやって俺たちの航行ルートを割り出したのか。

 神が力を使ったとしても、こうもすぐに発見されるものなのか。

 やはり、ノイマンの情報通り奴は異分子たちを……っ。

 

 この事はまだ伝えるべきではない。

 恐らくは、SQたちでさえ知らない情報だ。

 シャンドレマの異分子ではないとはいえ、同胞たちの身に何があったのか。

 それを皆が知ればどうなるか。

 俺はそれを少しだけ恐れながらも、気を引き締めて敵へと銃口を向けた。

 

「遠距離――タイプ1」

《タイプ1――分裂鉄球弾》

 

 弾丸が生成される。

 ガシャリと音がして分裂鉄球弾が装填された。

 銃口が開口しその隙間に激しい電流が迸った。

 黒い銃の装甲には青いライン状の光が流れて電力が供給されいく。

 磁気の力が高まっていった。

 輪っかのようになった電気の輪が幾つも生成され――

 

「――シィ」

 

 ターゲットへのロックオンが完了。

 そのまま銃弾を放つ。

 音を置き去りにして、遅れて鋭い音が響いた。

 真っすぐに進んだ一条の光は空中で分裂し。

 複数に分かれた小さく細い線が敵に襲い掛かった――避けたか。

 

 分裂鉄球弾を初見で回避する事は不可能。

 だが、奴らは一瞬でその軌道を看破し、一体を除いて少し掠めただけに終わる。

 まともに喰らった一体だけは体に風穴を開けて、そのまま廃墟へと突っ込み爆散した。

 轟々と炎を立てるそれを一瞥し、そのまま散開した敵を睨む。

 

 先頭の代行者と思わしき機体。

 その気配は禍々しい。

 

 少しくすんだ青と赤の機体。

 両脇にいるそれらは脚部が太く長い。

 目に見えるものでいえば、脚部の後ろへと延びる三つの筒状のブースターらしきもの。

 足の中心から真っすぐに伸びるのは鋭利な刃で。

 盾のような装甲と一体化した両腕に関しては俺の勘が危険だと告げている。

 兎のように長い頭部の両側から伸びたアンテナ。

 センサーは前面タイプであり、青く発光していた。

 種別で言えば中量寄りの軽量級か……肉弾戦に特化している可能性が高い。

 

 そしてもう一機。

 その中心にいるのは黒をベースにところどころを白く塗った機体。

 角ばった頭部に、センサー部には奇妙なマスク型の装甲がある。

 小さく開けられた穴の奥では真っ赤な光が見えていた。

 奴は空中を飛行しながら、両腕を広げてクローのようになった変わった形のブレードを展開した。

 奴の背部にはスラスターらしきものは見えない。

 代わりに中心から伸びる銀状の突起物が伸びていた。

 

 瞬時に敵の外見的特徴から特性を分析する。

 そうして、向かってくる敵にもう一発放つ。

 しかし、代行者たちはブーストし弾丸が爆ぜる前に前進。

 そのまま白黒の敵がクローによる攻撃を仕掛けてきた。

 

 俺は機体を操作し、そのクローから逃れる。

 甲高い音を立てて閉じられたそれ――危険だな。

 

 切れ味は本物だろう。

 一度掴まれれば、二度と生きては帰れない。

 そんな予感をさせながら、俺たちは一定の距離を保ちながら攻撃を仕掛けた。

 

「中距離――タイプ2」

《タイプ2――貫通特化弾》

 

 スティールワンの形状が一瞬で変わる。

 銃口の長さが縮まり、余分な装甲が周りに回転しながら装着された。

 青いライン状の光りが強く発光しながら、精製された弾丸が装填されたのを確認。

 敵は俺の銃の形状の変化を確認し、不規則な動きで機体を動かし始めた。

 

「くっ!」

 

 予想がつかない。

 狙いが定まらなかった。

 敵は踊っているようにではない。

 子供が人形を振り回しているかのような出鱈目な動きをしていた。

 あんなにも急な加速や停止を繰り返せば、中の人間は無事では済まない筈だ。

 しかし、確かに中から生きた人間の魂を感じる――何だ、この違和感は?

 

 不快な気配。

 相反した何かを感じる。

 不規則な動きの敵はそんな俺の動揺を感じ取り、連続して攻撃を仕掛けてきた。

 俺はそれをギリギリで回避。

 奴は機体を柔軟に曲げながら、出鱈目な攻撃を続けた――このッ!!

 

 至近距離から貫通特化弾を放つ。

 奴はそれを頭部スレスレで避ける。

 そのままクローを突き出して攻撃してきて、俺はブーストにより後方に飛ぶ。

 

 が、僅かに機体に触れてコックピッド内が揺れる。

 

 俺は揺れに耐えながら姿勢を制御し。

 ヴァンたちの援護がない事を疑問に思った。

 すると、彼らはあの青と赤の機体に此方への支援を妨害されている……露払いか。

 

 一対一でやろうと言う事らしい。

 俺は奴の狙いに気が付いて舌を鳴らした。

 

《そう、苛立つことはありませんよ……ナナシさぁん》

「――ッ! お前は……待て、その声は……まさか!」

《きひ、きひひひひ――さぁ誰でしょうねぇぇ!!》

 

 奴は不気味な笑い声をあげながら襲ってくる。

 先ほどよりも速く。更に不気味な動きで攻撃を行ってきた。

 

 距離を離そうとする――が、一瞬で肉薄された。

 

 奴のクローは真っ赤に赤熱していた。

 普通の熱力武器じゃない。

 周りの空間が歪むほどの熱であり、明らかに温度が高すぎる。

 コックピッド越しに奴の武装を感じるほどだ。

 そんなクローの攻撃が不可能な動きで連続して襲ってくる。

 

 当たらないようにするので精一杯だが。

 何とかして攻撃を放つ。

 奴はまたしてもひらりと機体を回転させてそれを避ける。

 そうして、回し蹴りの要領で脚部による攻撃を仕掛けてきた。

 

「ぐぅ!!!」

《ははは! どうしましたぁ!!? 私が受けた痛みは――こんなもんじゃないですよぉぉ!!》

 

 衝撃で脳が揺らされる。

 しかし、力を使う事で痛みや不快感を和らげた。

 そうして、そのままクローでとどめを刺そうとしてきた奴の攻撃を避ける。

 俺はバランスの崩れた奴の機体に下から銃口を向けて――撃つ。

 

 貫通に特化した弾丸が、下から奴の機体の左半分を抉っていた。

 ばらばらと残骸が宙を舞う。

 これでクローによる攻撃の手数は――!!

 

 バラバラに砕けた残骸。

 外れた腕が宙を舞っていた筈だ。

 しかし、未来視により俺はその場からブーストして距離を取る。

 一瞬胸部に何かが当たった。そうして、ロイドが”ダメージ”を報告してくる。

 

 呼吸を整えながら、静かに奴を睨む。

 

《ナナシ様。あの機体のデータは……残念ながらありません》

「分かっている……何だあれは」

 

 奴の機体を見る。

 すると、破損した筈の腕が宙に浮いていた。

 そうして、切断面へと延びていき、残骸を取り込んで――元に戻った。

 

 奴は手を開け閉めして感覚を確かめていた。

 あり得ない。吹き飛んだ筈の腕が元に戻るなんて……どういう事だ。

 

《きひ、きひひ……教えてあげましょう……これは貴方を調べて作られた試作機体……完全自動修復プログラムを積んだ。”神の機体”の一つなのですよぉ》

「神の機体だと……まさか、あのオラースと同じ」

《……なぁんだ。そこまで知っているんですか……だったら、分かりますよね? この私は不死身になったんです。貴方に殺され不死鳥の如く蘇り――こんなにも素晴らしい肉体を手に入れたんですよ!》

 

 奴は機体の両手を広げる――この肉体ッ!?

 

 奴はつまり、機体と一体化したという事か。

 そうでなければあんなにも滑らかな動きが出来る筈もない。

 つまり、あの機体は奴そのもので……イカれている。

 

 アンドレー・バッカス。

 エマを殺した張本人であり、俺にとっては因縁の相手だ。

 イザベラは確かに死んだと言っていたが……やはり、生きていたか。

 

 こいつが死んだ姿を直接見るまでは安心なんか出来なかった。

 まさか、代行者になってあんな姿になるとは思わなかったが。

 それでもまた会えたというのなら――今度こそ、この手で殺す。

 

「醜いな。お前は世界で一番……哀れな男だ」

《醜いぃ? 哀れぇ? きひ、きひひ――てめぇが言うんじゃねぇよぉぉぉ!!!》 

 

 奴は怒り狂って襲ってくる。

 攻撃を回避し、そのまま奴へと攻撃を浴びせる。

 連続して弾丸を放てば、奴は回避ではなく進んできて。

 両腕が吹き飛ばされたが、それは奴へと戻っていく。

 空中に浮遊する二つの腕を振り回して、奴は出鱈目な攻撃を仕掛けてきた。

 上から振り下ろされて半身をずらして回避。

 横からの薙ぎ払いは、銃弾を浴びせる事で弾けさせた。

 散らばった残骸がぐにゅりと動きながら塊となる。

 それを腕へと吸収しながら、奴は復活した腕を突き出してきた。

 

 俺はブーストで回避。

 空中を激しい動きで移動しながら、たらりと汗を流す……勝てるヴィジョンが浮かばないな。

 

 どんなに攻撃を当てようとも、奴の傷は一瞬で治る。

 いや、それどころか両腕と両足を吹き飛ばそうとも、奴はすぐに復活するだろう。

 もしも勝てるとすれば奴の心臓部――コアを破壊するしかない。

 

 だが、本当にそうなのか。

 メリウスはコアを破壊すれば機能が停止する。

 どんなに優れた機体であろうとも、エンジンとなるものが無ければ動けないからだ。

 

 しかし、あんなものはメリウスとは呼べない。

 歪な何かであり、死を拒むような醜い何かだ。

 だからこそ、本当にコアを破壊すれば止まるのか――いや、やるしかないッ!!

 

 今は考えても埒が明かない。

 兎に角、やれる事をやるしかない。

 

 どんなに不死身を装っても。

 無限に傷を癒せる存在なんている訳が無い。

 攻撃を当て続ければ何れ限界が来る。

 例えコアを破壊して復活しても――何度でも殺してやるッ!!

 

 吐き気を催す邪悪。

 この世で俺が最も忌み嫌う男。

 そんな相手との再会を呪いながら、俺は銃口を奴へと向け続けた。

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