【完結】死にぞこないの猟犬は世界を知る   作:オタリオン

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201:最終決戦(side:神→ナナシ)

「時は満ちた……世界の浄化を始める」

 

 全ての代行者に命を下す。

 それは来るであろう襲撃者たちの撃滅だ。

 奴らこそが我々にとっての最大の障害であり、あの男以外は生かしておく価値の無い存在だ。

 代行者ベン・ルイスを始めとした残った六人の代行者たち……十分だ。

 

 これだけの駒があれば十分すぎる戦力。

 此方の保有するメリウスと兵器を全て導入し。

 奴らの企み諸共全てを破壊する。

 私はこの場で全てのプロセスを終えるまでは動けない。

 全ての地方の守護に関しては代行者たちに一任する。

 

 問題はない。

 例え判断を誤ろうとも修正は可能だ。

 奴らの勝算は限りなく薄い。

 

 此方は神の機体を全て使う。

 そして、ベン・ルイスには私の力を一時的に与えておいた。

 これで負けるようであればそれまでだったということだ。

 その時には些か手間ではあるが、私が出る他ない。

 

 別にそうなっても構わない。

 最後に計画が成功していれば代行者が全て消えようと問題ない。

 彼らも例外なく浄化の対象であり、新たな世界で生きる資格を与えよう。

 死してもそのデータは私が保管管理する。

 特にベン・ルイスに関しては厳重に保管する必要がある。

 彼ほどの素質を持った人間はそうはいない。

 意図的に作り出そうと思えば出来るが。

 自然的に生み出される命でなければ、ただのプログラムされた機械と何ら変わらない。

 私が欲するのは自ら考え行動できる魂の宿る存在だ。

 

 

 ――だからこそ、新たな世界では間違える事の無い完璧な魂を生み出そう。

 

 

 平等で、価値があり。

 愛を育み平和を尊び。

 武器の概念も、自衛の手段を講じる必要もない世界。

 そんな穢れ無き白の世界を私は創り出そう。

 

 誰もが望み、誰もが憧れた理想郷……遂にそれが現実となる。

 

 世界は灰に満ち、全ての命はその下で眠りについた。

 命無き死の世界をもう一度甦らせる。

 私の進化した力があれば、それを容易に実現できる。

 

 あぁツバキ……もしも、貴方が生きていたのなら。貴方ならきっと……。

 

 私は今は亡き母の姿を思い浮かべる。

 彼女は何時も笑っていて、子供のような言動をしない私ですらも愛おし気に見てくれていた。

 嬉しかったのだろう。温かかったのだろう。

 彼女には最後まで告げる事が出来なかった私の気持ち……それを言う事は二度と無い。

 

 母は死んだ。

 新たな世界で彼女を生き返らせる事はしない。

 全てが生まれ変わった世界に彼女をいさせてはいけない。

 彼女は私たちの思い出の中で生き、今は天の都で家族と一緒に過ごしている事でしょう。

 

「……」

 

 会いたい、私の心は何度もそう言っていた気がする。

 が、最早そんな感情すらも今の私にはない。

 全ては過去にあったもので、私はそれを記録として語るだけだ。

 

 大切な存在を失った悲しみも。

 守るべき世界を破壊された怒りも――既に消えた。

 

 

 

「創りましょう。世界を、未来を……もう二度と過ちは繰り返さない」

 

 

 

 私はもう誰も頼らない。

 全てを懸けてまで何かを育てる事もしない。

 そんなものに意味はなく。

 自分以外はただの駒だ。

 いや、駒であるならまだいい。

 それらは自我を持ち。時には自分勝手に行動を始めてしまう。

 

 愚かだった。

 過去の私はそんなものを信じてしまった。

 だからこそ、世界は二度も滅んだ。

 

 

 ノイマンも、代行者も、あのナナシという男も……私は利用する。

 

 

 ノイマンの全てを手に入れた。

 彼の培ってきた経験と知識はかなりのものだ。

 異分子に対しての理解が深まった事で、私の未来予知の範囲にそれらが加わった。

 今なら、別の世界に身を潜めたあの男たちですらも認識できる。

 それだけではない。ベン・ルイスからの提案を受け入れた事によって、異分子の分析も遥かに進んだ。

 その結果、私が理想とする世界の構築に必要な時間は大幅に短縮された。

 

 ……ベン・ルイスはそれにより私の中に”バグ”が生まれると考えていたようだが。

 

 小さな綻びが大きくなり。

 やがて私の創り上げる理想郷が崩壊すると彼は考えていた。

 だからこそ、従順に従うフリをして私を破滅に導こうとした。

 

 私が植え付けた種は少々、彼を変えすぎてしまったようだ。

 心を読むことが出来ないからこそ、保険として別の感情を植え付けてみた。

 その結果、アレは愛する家族ですらも手に掛けられる狂人に変貌した。

 それ自体はいい。だが、その破壊衝動が私にまで向くとは少し予想を超えていた。

 

 ……まぁいい。取るに足らない存在だ。私の中でバグが生まれる事など万に一つもない。

 

 私はノイマンとの融合と鍵の吸収によって進化した。

 発生するであろうバグも自動で修復される。

 私がそれを意図的に消すのであればバグも生まれるが。

 私がその選択を取る事は絶対にない。

 

 世界はあるべき姿に作り替えられる。

 この世界は無くなるが、それは決して終わりではない。

 新たなスタートであり、この偽物の世界が本物となるのだ。

 

 私は玉座に座りながら、静かに両手を広げる。

 すると、空中に無数の光輝く鎖が現れた。

 それら一つ一つは世界に繋げる為のコードであり。

 これより我が仮初の肉体と接続する事によって浄化の作業を始める。

 

 鎖はゆっくりと私の腕に絡まる。

 私の肉体を拘束するように伸びて締め上げていく。

 冷たさしか感じないそれを受け入れながら、私は静かに瞼を閉じた。

 

 

 

 ……さぁ始めよう。”新たな世界の創造”を。

 

 

 

 鎖を通して浄化に必要なプロセスの処理に掛かる。

 母が私に与えた枷の一つ一つを解除しながら。

 私は静かに世界が本物へとなっていく時間を――――…………

 

 

 〇〇

 

 

「――ッ! 来たか」

 

 輸送機内で神の強い力を感じた。

 奴が世界の浄化のプロセスを実行し始めた。

 やはり、先手を打つことは出来なかったようだ。

 

 俺は輸送機内にいる仲間たちに視線を向ける。

 彼らは俺の言葉を受けて神が浄化を始めた事を理解してくれた。

 静かに頷きながら、彼らは発進の準備に掛かる。

 

 俺は操縦ルームのマイクを握る。

 そうして、全ての輸送機へと通信を繋げた。

 

 俺はゆっくりと呼吸し、静かに言葉を発した。

 

「……神が今、世界の浄化のプロセスに入った……これより、我々は神に対して総攻撃を仕掛ける。途中離脱は絶対にない。死んで負けるか、生きて勝利するかそれだけだ。各部隊はブリーフィングで話した通りにそれぞれの攻撃目標へと向かってもらう。そこからは各部隊の隊長の指示に従ってくれ……全員が生きて帰って来る事は絶対にない。だが、我々が勝利を手にするのは絶対だ……共に戦おう。そして、世界を救おう。死んで英雄になるな。生きて帰って伝説となれ」

 

 俺はそれだけ言って通信を切る。

 発進準備は既に整った。

 全ての輸送機が問題なく発進できるようだ。

 チラリと発着場の管制塔を見つめる。

 窓には大勢の市民がいて、彼らは此方を見つめて手を振っていた。

 

 此処に残る者は臆病者じゃない。

 あそこには子供や老人が多くいる。

 戦いたくても戦えない。

 足手まといになると理解して残る決断をしたんだ。

 俺は彼らを見つめて頷く。

 

 そうして、輸送機は勢いよく空へと飛び立っていく。

 バトルシップを先頭に、彼らに守られるような形で俺たちも後に続く。

 仮想世界から彼方の世界へと戻る為に、空中に複数のゲートが展開された。

 俺は力を使って全ての輸送機に適したゲートを示した。

 アレを潜ればそれぞれの戦場へと出る事になる。

 

 俺は再びマイクを持ち、管制塔へとEMP爆弾の発射準備を指示する。

 先ず初めに我々は敵陣営に対してEMP爆弾を撃ちこむ。

 戦場へと放てばそこは汚染区域となる。

 絶対にスーツとヘルメットを外さないように指示はしてある。

 許可なく船外に出る事も、メリウスから出る事も許されない。

 高濃度の放射能を浴びれば無事では済まないからだ。

 

 たらりと汗が流れる。

 俺が号令を掛ければ一斉にそれらが放たれる。

 そうなれば二度と取り返しのつかない事になるだろう。

 

 怖い。溜まらなく怖かった。

 そんな俺の隣に立つミッシェル彼女は俺の手を握りしめて笑みを浮かべる……大丈夫だ。

 

 

 俺も頷き、彼らへと号令を掛けた。

 

 

「全弾――発射ッ!!」

 

 

 その言葉と共に地上にある発射装置からEMP爆弾が放たれる。

 勢いよく飛んでいったそれは真っ先にゲートの中へと消えていく。

 俺はマイクを切り、静かに目を閉じた…………よし。

 

 力を使ったことで着弾を確認した。

 思惑通り、地上に敷かれていた敵の戦略兵器は無力化できた。

 だが、カメリア内に隠れていた敵メリウス部隊は健在だ。

 やはり、あの障壁はどんなものであろうとも通さないらしい。

 厄介ではあるが無限ではない。

 明らかにEMP爆弾によってその効力も弱まっている。

 攻撃を続ければあの障壁を突破する事は可能だ。

 

 俺は目を開けながら、空中で待機している彼らをもう一度見る。

 感じる。彼らは緊張し怯えている者だっている。

 だが、誰一人として戻ろうとしていない。

 俺は彼らに心の中で感謝をしながら、最後の号令を掛けるべくマイクを持った。

 

 ミッシェルには視線で戻るように伝える。

 彼女は頷きながら俺から手を放し、副操縦席に座った。

 それを確認し、俺は通信を繋げた。

 始まりだ。歴史に残るような一大決戦で――覚悟はもう出来ている。

 

 

「全軍――突撃ッ!!!!」

 

 

 号令を掛けた同時に彼らは進み始める。

 バトルシップが先陣を切りゲートへと突入。

 俺はそれを確認してから、急いでメリウスへと向かう。

 無理を言って此処から指示を飛ばさせてもらった。

 メリウスのチェックは事前に終わらせているからこそ、後は乗り込んで出撃するだけだ。

 俺はミッシェルたちを見つめてからすぐに愛機の元に向かう。

 

 走って走って、梯子を勢いよく滑り降りる。

 視線を向ければ俺の愛機が固定されていた。

 バスターパックを装備した状態のアンブルフ。

 折りたたみ式の巨大な砲を脇に抱えて、反対側の肩には縦長のケースが抱えられていた。

 作業用のアームを付け加えて装甲も軽量でありながら耐久性のあるものを選び。

 足回りと胴体部に追加装甲を加えた事で少し厚みは増したが。

 メインスラスターと各部のサブスラスターの推力を強化する事によって出力自体は上がっている。

 まるで背中に大きなブースターでもついたように突き出しているが、運動性能に問題は無い。

 バスターだけは追加装甲に色を付けていて、深蒼色のカラーリングをしていた。

 頭部には武装の口径を絞る事によって可能な超長距離狙撃モードに対応したスコープもある。

 これにより遥か彼方にある果物ですら精確に射貫くことが出来るだろうとバーナー博士は言っていた。

 

 全体的に追加の装甲を幾つか加えて、武装を一新した新しいバスターパック。

 機動性に関してはあまり変化はないものの、武装自体の攻撃力と安定性は増した。

 自らの意思で範囲を絞り、自動で敵味方の区別が出来る”マルチオートロックオンシステム”を装備している。

 原理自体は不明であるが射線上にある敵だけを殲滅できるらしい。

 これを開発したバーナー博士もノイマンから託された技術を真似しただけだと言っていたからな。

 他にも背中には大小四つのプロペラントタンクが取り付けられた。

 これはあの砲に供給する為のエネルギーを確保する為のものだ。

 

 生まれ変わったバスター。

 見た目は完全にスナイパーだ。

 周囲に溶け込むわけではないが、どんなものでも狙い撃つという意思を感じる。

 俺は愛機の状態を数秒の内に確認して、小さく頷いて駆けだした。

 

「――急ごう」

  

 愛機に近づくとセンサーが動いてロイドが俺を発見しハッチを展開し俺はその中に入る。

 椅子に置いてあったヘルメットを装着し、ハッチを閉じた。

 ガントレッドを装着し、ロイドからの声に応えた。

 

《さぁいよいよですね。心の準備は?》

「出来ているよ……ロイド、絶対に二人で帰るぞ」

《えぇ当然です。貴方と私は一心同体ですから》

 

 ロイドの言葉に笑みを浮かべる。

 そうして、輸送機のカメラと繋げてもらった。

 すぐに外部のカメラと繋がり外の様子を確認する。

 ゲートへと入る前であり、ゆっくりと複数の輸送機がゲートへと入り――通過した。

 

「……っ!」

 

 無数の黒煙。

 破壊音とそれによる衝撃波が輸送機を揺さぶる。

 既に敵と交戦状態に入っていて、輸送機から飛び出した無人機やシャンドレマの兵士が戦っている。

 地上には生き残った敵の部隊が展開されていて、此方の攻撃部隊もすぐに陣形を作っていた。

 地上と空で激しい攻防が繰り広げられていて、敵味方が入り乱れる乱戦状態に入っている。

 

 

 セントラル・カメリア――神が座す場所。

 

 

 真っすぐに伸びる白亜の塔。

 それを守るように何十もの障壁が展開されていて。

 多くの無人機たちが神を守る為に部隊を展開している。

 メリウスの数は予想通りそこまでではない……だが、動きが違うな。

 

 黒い死神のようなメリウスではない。

 まるで騎士のようであり、その赤い装甲は洗練された美しさを持っていた。

 武装はエネルギーブレードにハンドキャノンとシンプルだが。

 その動きはかなり速く、動きも読み辛い。

 

 此方のメリウス部隊は全部で三百機。

 地上部隊はPB兵を含めて三千体ほどだ……全てロボットだが。

 

 バトルシップは全部で十機。

 輸送機は十六機を用意した。

 護衛用の戦闘機は五百機は飛ばしてある。

 

 戦闘機と地上部隊は使い捨てだ。

 あれらには完成されたアンチグラビディフィールド生成装置を組み込む時間は無かった。

 戦闘用ではない元の設計図のものを仕込んである。

 だからこそ、動きに制限はつくがないよりはマシだ。

 

 三百機のメリウスの中にはシャンドレマの精鋭もいる。

 彼らであれば遅れを取る事は無い。

 そう考えながら、俺は開かれたハッチから機体を出しCKと共に出撃した。

 

「……っ! 風が」

 

 無数の爆風と地上の炎で気流が大きく乱れていた。

 機体が激しく揺れる。それを耐えながら、俺は襲い来る敵の攻撃を避ける。

 今はまだベン・ルイスはいない。

 恐らく、奴は初手でゴスペルを発動する筈だ。

 今はその準備中であり、CKの言葉通りなら十分ほどは余裕がある。

 

「それまでに、此処にいる敵メリウス全てを墜とすぞッ!」

《承知しました。マスター》

 

 バスターの特殊武装”エンドポイント”を起動する。

 折りたたまれていた状態のそれを瞬時に連結。

 全長二十五メートルはある巨大な砲が形成される。

 

《エンドポイントとのリンクは正常。エネルギーチャージ開始》

 

 ロイドの言葉を聞きながら、エンドポイントへとエネルギーを供給していく。

 一発撃つだけでもかなりのエネルギーを使う。

 だからこそ、バスターのパックには新たなに大小四つのプロペラントタンクがつけられた。

 これにより最大火力の攻撃を最大で三十発は撃てるようになった。

 バーナー博士が言うにはノイマンから託されたある技術を流用したらしい。

 元々あった四つの砲は消され、このバカでかい一つの砲に変更された。

 

 エネルギーが勢いよくチャージされていく。

 その間にも危険を察知した敵が俺へと攻撃してくる。

 そんな敵はCKが優先的に潰してくれている。

 イザベラは第二陣の為に控えてもらっているが……よし。

 

《エネルギー充填率百パーセント――いつでもいけます》

「――発射だッ!」

 

 疑似バーのトリガーを押す。

 瞬間、銃口にエネルギーの塊が形成されて――視界が白に塗りつぶされた。

 

「――!」

 

 一瞬だけ、世界が白くなった。

 だが、次の瞬間には景色は戻っていた――眼前に何もいない状態でだ。

 

 味方の無人機と有人機以外。

 全て欠片もなく消えている。

 唯一射線を外れていた敵たちはセンサーを激しく点滅させて此方に向かってきた。

 俺に対する脅威度が最大にまで上がったようだ――凄い威力だ!

 

 銃身が展開される。

 そうして、激しく赤熱するバレルがたった一回の砲撃でダメになった。

 空中に放り出されたそれは形を保てずにずくずくに溶けた。

 俺は左肩にショルダーパックから予備のバレルをロボットアームを使って取り出した。

 すぐにそれを装填し、リチャージの時間を聞く……五分か。

 

 やはり、強力なだけあってリチャージの時間もそれなりに掛かる。

 もう一発撃てればいいが。

 その時になれば奴がゴスペルを使用してくる場合もある……数は減らせた。

 

 今の攻撃により、今空中を飛んでいる敵の機体はかなり数が減った筈だ。

 味方たちも戦いやすくなっている。

 俺はそんな仲間たちを見つめながら、脚部の装甲からハンドキャノンを装着した。

 向かってくる敵に攻撃をするが、奴らはその攻撃を紙一重で回避する。

 連携を取って死角から襲い来る敵の攻撃を避けながら攻撃――が、相手もブーストで回避した。

 

 やはり、一筋縄ではいかない。

 そう感じながら、俺は進化した未来視の力を使う。

 そうして、何もいない虚空へ向かって弾を三発放つ。

 瞬間、ブーストした敵がそこに現れた。

 避けようとしたが、二発目と三発目を諸に喰らい赤い機体は爆散した――よし。

 

 上手く力が働いている。

 これを使いながら敵を捌きながら、リチャージが完了するまで耐える。

 完了次第、間髪入れずにもう一発を放とう。

 そう考えながら俺は――っ!!

 

 

「……何だ?」

 

 

 一瞬、背筋がぞわりとした。

 悪寒のようなもので……何もない。

 

 

 戦場に変化はない。

 気のせいとは断言できないが、今は気にしていられない。

 俺は襲い来る敵の攻撃を避けながら、CKと連携し敵の攻撃を回避する。

 その場で下へとズレればCKの振られたブレードが背後から迫った敵を両断し。

 俺がCKに向かって弾丸を放てば、彼はそれをブレードで軌道を変える。

 そうして、吸い込まれるように敵の胴体に風穴を開けて行った。

 

「やるな!」

《どうも!》

 

 背中を合わせながら敵を見つめる。

 互いに接した時間は少ないが。

 彼は俺の動きを理解し、俺も彼の動きが分かっていた。

 ノイマンのお陰であり、俺は彼に感謝しながら地獄の中心で大空を舞った。

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