【完結】死にぞこないの猟犬は世界を知る   作:オタリオン

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218:終焉に導く獣(side:SQ)

 弟と視線を交わす。

 アイツは決意を込めて頷いた。

 そうして、互いに何も言わなかった。

 アイツはそのまま変化する都市へと進み。

 白亜の塔へと迫っていった。

 そんな弟を見つめながら、私は静かに呟く。

 

「……ナナシ……頼んだぞ」

 

 弟の背中を見つめて――消えていった。

 

 弟は行ってしまった。

 異分子たちの願い。そして、この世界の人間たちの最後の希望として役目を果たしに行った。

 私ではアイツの代わりにはなれない。

 理解していた。アイツはそうではないと否定するだろうが。

 今になってはアクセスの力を完璧に使いこなせるのは……ナナシ以外にいない。

 

 大丈夫だ。アイツは誰よりも強い。

 そして、私たちは見えない絆で繋がっている。

 私たちが諦めない限り、ナナシが倒れる事は無い。

 そう信じているからこそ、弟に何も言わずに見送った。

 

 作戦通りに動いていた。

 弟は今から世界で最も力のある存在に挑みに行く。

 我々の仕事はそんな弟の勝利を信じ、神がこの世界に解き放つ――”獣”を倒す事だ。

 

 セントラル・カメリアの姿が徐々に変わっていく。

 仲間たちに緊張が走り、私も武器を構えた。

 すると、都市から手足のようなものが生えて来た。

 大きく地面を揺らしながら、それが大地に亀裂を走らせる。

 

 

 巨大な獣――四足歩行の怪物だ。

 

 

 大きく裂けた口に、危険な色を放つ赤い瞳。

 全ての人間を威圧し、恐怖を振りまくような顔つきだ。

 大きく開かれた口からは灰燼のようなエネルギーが迸っていた。

 視界を埋め尽くすほどの巨体であり、天を見上げるほどの大きさだった。

 

 デカい……想像以上の大きさだった。

 

 千メートル。いや、それ以上でありあまりの規格外の大きさに皆が言葉を失っていた。

 空を覆い隠すほどの巨体は、都市一つが形になったと思えば頷ける大きさだ。

 しかし、それが今敵として目の前に存在し遥か頭上から目を光らせている思えば絶望に近い感情が芽生えそうだった。

 圧倒的な大きさであり、一歩動くだけで地面が大きく揺れていた。

 地響き一つだけで仲間たちの間に緊張が走る。

 銀色の怪物であり、これから私たちはこの化け物を倒さなければならない。

 

 後ろを見れば、今も少しずつ仲間たちが集結していた。

 生き残ったメリウス乗りを乗せたバトルシップが到着し。

 此処にて待機していた他のバトルシップと合流を果たす。

 オープン回線にて彼らの動揺は息遣いだけで伝わって来た。

 

 機体の大きさだけではない。

 あの機体全体を見れば嫌でも分かってしまう。

 機体内から途轍もないエネルギーを感じている。

 まるで太陽の如きエネルギーであり、それによってあの巨体を動かしていた。

 無尽蔵に沸き上がるかのようにその量には一切の変化が無い。

 あまりの大きさに溢れ出したそれが稲妻のように機体の表面を走っていた。

 ライオンにも狼にも見えるそれは天を仰ぎ見て咆哮を上げる。

 

「――ッ!!」

 

 びりびりと空間が激しく振動する。

 思わず耳を塞ぎたくなるような鳴き声だ。

 本能から恐怖という感情を呼び覚ます獣の声で。

 この場にいる全員が強く歯を噛み締めて逃げようとする意志を抑え込んでいた。

 

 勝てない。勝てるヴィジョンがまるで見えない――それがどうしたッ!!

 

 勝てないから逃げても、我々に安息の地は最早ない。

 戦う選択肢を取った時点で、我々には戦って勝つか死ぬかしか無かった。

 それを理解した上で、皆は此処に立っているんだ。

 だが、今にして絶望を前にして皆の心が揺らいでいるのが分かる。

 

 山どころか星と言っても過言ではない。

 私であっても恐怖が無いなどとは言えない。

 これはそれだけの強さと力を秘めている……何だ?

 

 それの背中からぬるりと何かが姿を現す。

 それは人の形をしていた。

 が、巨大なメリウスでも無ければ人でもない――アレは魂の集合体だ。

 

 無数の赤黒い魂の光が集まって形を成している。

 どろどろとしたヘドロのようなものが纏わりついていて、無理矢理に魂たちを纏めている。

 それらの魂は叫ぶような感情を露にしていた。

 頭が割れんばかりの苦痛に満ちた声が私にまで届いて来る。

 

「……くっ!」

 

 ゆるりとそれから手が伸びていく。

 まるで手と胴体がある人間のように蠢いていた。

 頭は無い。人間のようでそうではない何か。

 神の産み墜とした失敗作のように感じた。

 

 だが、アレには実体がなく。

 膨大なエネルギーを秘めているが。

 一つ一つは生まれも育ちも全く違う魂たちだった。

 無理矢理に繋ぎ合わせているだけの、ただのエネルギーとしての役割しかない……手段は選ばないか。

 

 記録し保管している魂を奴は使っている。

 それにより無限にも等しいエネルギーをあれは得ている。

 強大な敵であり、その体は都市そのものを使ったからこそ普通の山以上に大きい。

 そんな化け物を見て、仲間の中に怯える奴もいた……無理もない。

 

 しかし、此処で逃げる事は許可できない。

 私たちは戦う道しかない。

 此処で命を懸けて戦わなければ、待つのは滅びのみだからだ。

 

 私はブレードを構える。

 その切っ先を怪物に向けながら、私は高らかに宣言した。

 

「これが最後の戦いだ。死んでも生きても――我々は勝つッ!!!」

《オオォォォ!!!》

 

 部下たちが声を張り上げる。

 それを聞きながら、私は機体にエネルギーを駆け巡らせた……っ。

 

 ずきりと心臓が痛みを発する。

 機体は概ね復元できたが、やはり体まではどうにもならない。

 痛み止め程度では、この傷は収まらないらしい。

 私は小さく笑って――カッと目を見開く。

 

 

 

「総員――攻撃開始ッ!!!!」

《オオォォォ――ッ!!!》

 

 

 

 仲間たちが一斉に飛び掛かる。

 イザベラ達も天高く舞い上がり、エネルギーのチャージを開始した。

 それを一瞥し、私もブレードを構えて突撃する。

 無数の炸裂音が響き、怪物の周りに爆炎が広がった――が、効いていない。

 

 奴は周囲に薄い膜上の障壁を展開している。

 それが奴へのダメージを遮断していた。

 アレでは接近戦を仕掛けても意味は無い。

 私は仲間たちを散開させて、一か所に固まらないように指示を出す。

 彼らはその指示を聞いて変則機動によるかく乱を始めた。

 私も奴の視線を惑わすように飛行し、ブレードに纏わせた流天を放つ。

 斬撃として飛ばされたそれが奴の障壁に阻まれて――散らされる。

 

 私は舌を鳴らす。

 そうして、SJと通信を繋ぎ弱点を探る事を提案した。

 

《よし、なら俺は側面を探る。お前は上部を探れ》

「了解した」

 

 二人で作戦を纏め、SJは側面へと攻撃を仕掛ける。

 目にもとまらぬ速さで宙を翔けて。

 連続して攻撃を放つものの、それら全てが防がれる。

 SJは等間隔に斬撃を飛ばしており、私は一気に上方へとブーストにより飛ぶ。

 上から見れば、怪物の背についている魂の集合体が天を仰ぎ見ていて――!!

 

 全身の毛が逆立つ。

 その瞬間に、私は全力でブーストを敢行した。

 凄まじいGが全身を襲う中でそこから飛びのき――瞬間、背後から凄まじい光が走った。

 

「ぐぅぅぅぅ!!」

 

 機体全体が激しく揺れる。

 姿勢を維持しながら機体を回転させてみれば。

 魂の集合体が既存の兵器では出せないほどの出力でエネルギー弾を天に向かって放っていた。

 私はすぐに嫌な予感がして、仲間たちに大きく横へ飛ぶように指示をする。

 瞬間、怪物は体を揺らしてその極太のエネルギーは周りへと飛んでいく。

 

 大質量の破壊であり、逃れられなかった味方は一瞬で蒸発する。

 射線に入っていたバトルシップたちは一気に前方に障壁を展開した。

 一瞬でも触れただけで障壁に罅が入ったが、彼らは何とか耐え忍んでいた。

 光が消えた世界には、その怪物の破壊の痕跡が大地に続いていた。

 まるで、地面を雲をも突き抜けるような巨人が乱暴に手で掻き抉ったような跡だ。

 

 恐ろしい――肝が冷えた。

 

 たらりと汗を流し正気に戻る。

 怪物を見れば静かであり、アレは連続して放つ事は出来ないのだと理解する。

 各自に警戒を呼び掛けながら、私は再び怪物の上部へと移動する。

 そうして、先ほどのお返しと言わんばかりにエネルギーを溜めて斬撃を放つ。

 真っすぐに飛翔する三つの斬撃――が、やはり阻まれる。

 

 途中で動きを止めたそれ。

 ガリガリと何かを削りながらも、少しずつ勢いを弱めていき消えていった。

 それを確認し、SJに通信を繋げば彼方も弱点が見つからないと言う。

 

 ……まずい。有効だが見つからなければ、作戦の建てようが……何だ?

 

 何かが接近してくる気配を感じた。

 見れば遥か彼方から何かが此方へと迫っている。

 脅威はまるで感じない。それはただの戦闘機であり――あれは!

 

 誰かが此方に通信を繋ごうとしてきた。

 それに応えれば、若い女の声が響く。

 

《SQ!! 俺だ!! ミッシェルだ!!》

「何故お前が此処にッ!! 危険だ。すぐに退避をッ!!」

《アイツの弱点が分からないんだろうッ! 俺が奴を解析するッ!! 絶対に弱点を見つけ出してやるからッ!! 信じろッ!!》

「――! そんな事が出来るのか?」

《あぁ……と言っても、災厄戦が終わった後に教わった方法を試すだけだけどな……だが、絶対に成功させる!! だから》

「分かった。お前たちを全力で守る」

 

 奴にそう伝えれば「ありがとう!」と言って通信を切る。

 あの戦闘機に中からは二人の生命反応を感じる。

 恐らくは、ミッシェルとベックという男だろう。

 私はすぐにSJに通信を繋ぎ、ミッシェルの作戦を伝える。

 すると、奴はすぐに状況を理解して動き始めた……恐らく、奴の狙いは私だ。

 

 私はミッシェルから離れるように動く。

 先ほどの攻撃も此方を狙ったような攻撃だった。

 だからこそ、ミッシェルたちの護衛はSJに任せて。

 私は怪物の注意を逸らす。

 自らの役目を定めなながら、私は地面スレスレを飛びながら連続して斬撃を放つ。

 奴の足元を狙ったそれはバチバチと音を立てて散らされる。

 それを確認しながらも、連続して奴へと攻撃を見舞う。

 

 すると、奴の動きがまた一変し。

 今度は見えなかったはずの障壁が一瞬だけ姿を現した――何か来るッ!!

 

 全員にその場から離れるように指示をする。

 すると、その数秒後に奴の周辺の空間が歪み始めた。

 何が出るのかと注意深く観察し――絶望した。

 

 

 

 するりと現れたのはメリウスだ。

 

 ひどくボロボロのメリウスたちで。その機体は今にも崩れ落ちそうだ。

 

 その機体は様々であった。

 

 しかし、この場にいる誰もがそのメリウスたちの事をよく知っている。

 

 何故ならば、それらのメリウスはシャンドレマの兵士たちが使うメリウスで――ぶつり頭の中で何かが切れた。

 

 

 

「――この腐れ外道がァァァ!!!!」

 

 

 

 皆が皆、怒りを覚えた。

 我々の仲間を此処へと戻し、我々の敵として動かしている。

 アレらは偽物でも、その中に宿る魂は本物だ。

 彼らは無理矢理に現世に呼び戻されて、神の死兵として働かされてる。

 

《痛い、痛いよぉ》

《苦しい、苦しい……誰か、助けてぇ》

《母さん、父さん、俺は此処だよぉ、此処にいるよぉ》

「――っ!」

 

 彼らの声が聞こえる。

 ノイズ混じりの声ではあるが確かに聞こえていた。

 仲間たちはひどく動揺して、襲い来る彼らへの対処を迷っていた。

 攻撃する事が出来ない。何故ならば、彼らは同胞で――だが、決断しなければならない。

 

 私は仲間たちに通信を繋ぐ。

 

「あれらはまやかしだ。偽物だ。全力で打ち払えッ!!」

《りょ、了解ッ!!》

 

 仲間たちは私の指示を聞いて納得した。

 本当は嘘であり、アレらは間違いなく同胞だが。

 此処で判断を誤れば全滅を招く恐れがある。

 

 ……咎は後で幾らでも受ける……今は何とかして繋げるんだッ!!

 

 自分にそう言い聞かせながら、襲い来る同胞たちの亡骸に攻撃を当てる。

 無数に湧き出るそれらは数こそ多いものの。

 碌な統率も攻撃手段も持ってはいない。

 だからこそ、ブレードで打ち払えば簡単に消えてなくなる。

 これは神の攻撃でも何でもない……私たちの動揺を誘う為だけの一手だ。

 

 何処までも合理的で、何処までも冷徹な女だ。

 その効果は確かであり、兵士たちは納得しているものの動揺は目に見えて分かる。

 統率に乱れが生じていて、攻撃にも集中できていない……まずいな。

 

 ライオットやドリスはまだ大丈夫だ。

 彼らはシャンドレマに長く在籍はしていなかったからな。

 彼らは動揺して回避が間に合わない仲間たちを積極的に助けている。

 今は彼らの働きに期待する他ない。

 誰であれまやかしだと分かっていても、同胞たちの姿をしたものを好き好んで攻撃できる筈がない。

 私もそうであり、必死になって同胞たちを一撃で仕留める事に専念していた。

 

 チラリとSJたちの方へ視線を向ける。

 すると、彼らはあの怪物の周りを飛びながらサーチを繰り返していた。

 何度も何度もセンサーを光らせながら、怪物の周りを飛行している。

 襲い来る敵たちはSJが倒しており、ミッシェルたちは安全に分析を進めていた。

 

 ……このまま何事もなく分析が終わればいいが……っ!!

 

 怪物の気配に揺らぎを感じた。

 すると、宙に浮く死んだ同胞たちが苦しむような声を上げていた。

 彼らは頭を抱えながら悶え苦しみ――その機体を紅蓮の炎に変えていった。

 

《何だアレはッ!!》

《おいっ!! 近づくなッ!!》

《え――あああぁぁぁ!!!?》

 

 苦しむ同胞に近づいた瞬間。

 仲間のメリウスに一瞬で接近したそれが抱き着いた。

 その瞬間に炎は燃え移り、一瞬にして仲間の機体は灰となって消えた……嘘だろ。

 

 亡者たちの目の光が変わる。

 血に飢えた獣の様に赤く発光させながら、勢いのままに機体を加速させる。

 仲間たちに指示を出し、絶対に近づくなと命令する。

 アレに触れれば最期であり、遠距離からの攻撃以外に対処の術は無い……やってくれたなッ!!

 

 これで我々は怪物への集中砲火を断たれた。

 仲間たちのほとんどは亡者たちの接近を警戒しなければならない。

 倒しても倒しても次から次へと湧き出てくるんだ。

 倒すこと自体が時間の無駄であり、一刻も早く弱点を見つける他ない。

 

 飛び掛かって来る亡者たちから逃げる。

 そうして、斬撃を飛ばして打ち払う。

 パラパラと残骸が火の粉になって飛び。

 その中を突破するように別の亡者たちが襲い掛かって来る。

 火の玉となって襲い来るそれから逃れながら攻撃を続けて――まだか!!

 

「ミッシェルッ!! 急いでくれッ!!」

《分かってるッ!! もう少しで……っ!!》

「どうしたッ!? 何か分かったのかッ!!」

 

 ミッシェルが息を飲むような音が聞こえた。

 私は何が分かったのかと彼女に聞く。

 すると彼女は、弱点らしきものは見つけたと報告してくる。

 

《ただ、その弱点が……常にうごいていやがるッ!!》

「何ッ!? 弱点が動いているだと……それは一体」

《分からねぇ。ただ弱点はあの本体の中にある。あのエネルギーの中を漂う一つが弱点だ……よし》

 

 ミッシェルは何かを確かめて送って来る。

 それは彼女たちの場所から移した写真だった。

 彼女はその中の一つに印をつけていた……これは!

 

《分かるか? 多くの光の玉の中に、ほんの少し色味が違うもんが混じってる。それがエネルギーを纏め上げているもの。メリウスでいうコアだ。そいつの周りにだけは僅かに障壁が薄い。恐らく、そこを起点にバリアを張っているからだろう……ただ》

「分かっている。アリの眉間に目掛けて遠くから弾丸を撃ちこむようなものだ……だが、私ならやれる」

《……そうか。なら、頼むぜ。私も常にそれの位置を追う。なるべく早くにケリをつけてくれ》

 

 ミッシェルはそう言いながら私に希望を託してくれた。

 通信を切りながら、ミッシェルの情報を頼りに奴の本体にサーチを掛ける。

 すると、今までは気づかなかったが僅かに反応の違う魂が存在していると分かる。

 それは常に動いており、展開されている障壁もそれに合わせて変わっていた。

 此方の視覚から情報だけでは足りないが、ミッシェルとの接続により常に多角的な情報が流れ込んでくる。

 それと照らし合わせる事によって、何とかその隙を割り出す事が出来る。

 

 だが、敵からの攻撃を警戒しながらそれへと攻撃するのは至難の業だ……いや、やってみせる。

 

 背後から襲い来る敵を切り払う。

 そうして、四方から迫ったそれの包囲網を抜けた。

 斬撃を飛ばしそれらを破壊しながら、私は隙が確実に見える位置まで飛ぶ。

 怪物はそんな私へと警戒するような姿勢を作っていた。

 確実に攻撃を当てるのであれば奴の視線を逸らさせる必要がある……だったら。

 

 私は通信を繋ぐ。

 繋げる相手はHQであり――繋がった。

 

「HQッ!! 何処にいるッ!! お前の気配はするが見えないぞッ!!」

《あぁ!? いや、悪い!! 機体を調整していたんだ!! もうすぐ着く!! で何だ!?》

「お前に頼みたい事がある!」

《だから何》

「――でかいのをかましてやってくれッ!!」

《――!! へ、お安い御用ッ!! すぐに行くッ!!》

 

 HQはそう言って通信を切る。

 私はHQの切り札であれば確実に奴の視線を逸らす事が出来ると考えている。

 彼女の到着を待ちながら、私は不穏な空気が漂う戦場を舞う。

 怪物は私を見つめて動かない。

 その冷たく赤い目からは――怒りと憎しみしか感じなかった。

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