【完結】死にぞこないの猟犬は世界を知る   作:オタリオン

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最終話:全ての想いを乗せた拳

 白い空間を駆け抜けていく。

 遥か彼方では奴が両手を広げて無数のエネルギーを練り上げていた。

 それが一瞬で放たれて迫って来る。

 俺とヴァンは互いに視線を躱し、更に速度を上げた。

 

 機体を回転させながら、それを紙一重で避けていく。

 回避、回避、回避――全て避ける。

 

 見える。見えている。

 全ての攻撃の軌道と奴の狙いが分かる。

 いや、それだけじゃない。

 体が機体と一つになって、羽のように軽いんだ。

 ヴァンの心が伝わって来る。

 アイツから俺は勇気を貰い、俺自身もアイツに勇気を送る。

 俺たちは互いの意思をめぐり合わせて――翔ける。

 

《――ッ!!》

 

 ヴァンと共に無数の光を超える。

 そうして、ヴァンはブレードを展開した。

 俺もエネルギーの刀を振るい奴へと攻撃をする。

 奴はその場で俺たち二人の攻撃を掌で受けて――後方へと飛ばされた。

 

 衝撃を殺し切れていない。

 いや、俺たちの攻撃が奴の予想を上回った。

 力が溢れてくる。絶望的な力の差があろうとも、心の中から勇気が沸き上がる。

 

 俺は逃げる奴を追う。

 奴は空間を操作し、エネルギーの竜を放ってきた。

 俺はそんな竜の攻撃を避けて、竜は俺を執拗に追ってきた。

 このままでは追いつかれて――!

 

《ナナシッ!!》

「ヴァンッ!!」

 

 ヴァンが竜に接近し、その背中に深々とブレードを突き刺す。

 彼の中に駆け巡るエネルギーがその中へと流し込まれて。

 竜はもだえ苦しみながら、その色を一気に変えていった。

 危険な虹の光が白銀へと変わり、それが分裂し俺とヴァンの体に入って来る。

 凄まじいエネルギーが機体を巡って、俺は頷きながら更に機体を加速させる。

 

《馬鹿なッ!!! その力はお前に――まさかッ!!》

《そうさ。俺はお前が身勝手に切り捨てた失敗作なんかじゃない――俺はヴァンッ!! お前の想像を超えた男だッ!!》

 

 ヴァンの体が輝きを増す。

 彼の機体は形を一気に変えていった。

 その機体はまるでカラスのように見えた。

 が、エネルギーで形作っているからか何処か歪で――いや、綺麗だ。

 

 白銀のカラス。

 自由の翼をはためかせて何処までも飛んでいける。

 彼の機体からはそんな強さと輝きを感じた。

 彼の手には銀色の剣が握られていた。

 俺の手にもそれが握られていて――俺は頷く。

 

 俺は笑いながら、ヴァンと視線を交わす。

 

《さぁ――行くぜッ!!》

「あぁ! 行こうッ!!」

 

 俺たちは機体を光に変える。

 白い空間を常識も法則も無視して翔けた。

 奴もそれに合わせるように機体を加速させる。

 俺たちは互いに光となってぶつかり合い――奴を弾き飛ばす。

 

《ぐぁ――押し負けただとッ!?》

 

 奴が困惑を露にしている。

 そんな奴へと一気に迫り正面からブレードを突き立てた。

 奴は両腕をクロスさせてガードをする。

 俺たちは互いに叫びながら、更に力を込めて――奴の両腕に亀裂が走る。

 

 奴は危険を察知し、エネルギーを一気に噴き出した。

 その衝撃で強引に機体を離される。

 奴はその隙に更に上へと上昇した。

 そうして、自らの影を十体生み出した。

 

《何処まで私を――この死にぞこないどもがァァァッ!!!!》

 

 奴が腕を振るう。

 瞬間に神の機体の影が迫って来た。

 奴らの力はオリジナルよりも劣るがその機動力は本物だ。

 俺たちは互いに別れて飛んでいく。

 俺の方に五体、ヴァンの方にも五体。

 奴らは残りのエネルギーを全て攻撃に回して放ってきた。

 視界を埋め尽くすほどの光弾を回避していくが――ぐぅぅ!!

 

 何発かが被弾する。

 装甲に亀裂が走って、白銀を纏おうとも限界が近いと悟る。

 

《ナナシ様――問題ありませんよッ!!》

「ロイドッ!!」

 

 ロイドが復活する。

 そうして、システムを瞬時に動かして――これは!

 

 破損した個所と無事な部分を一瞬にして再構築。

 それにより死んでいた機能の一部が復活する。

 スラスターの音色が更に高くなり、俺はロイドに礼を言う。

 

《期待していますよ――貴方からのお礼をッ!!》

「あぁ、任せろ!」

 

 俺はニッと笑う。

 そうして、更に羽を広げて羽ばたいた。

 敵たちも速度を上げるが俺たちの全力についてこられていない。

 そんな奴らをチラリと確認しながら、俺は機体の全身に白銀のエネルギー駆け巡らせた。

 何重にも重ね合わせて、より円錐形に形成して――方向を一気に変える。

 

 九十度に角度を変えながら、ノンストップで突き進む。

 その方向からはヴァンの機体が迫っていた。

 俺たちは互いに視線を交わし笑みを深めて――スレスレを通り過ぎる。

 

 俺たちはそのままブレードを突き出し、互いに迫っていた敵の群れに突っ込む。

 奴らは攻撃を放つが、俺たちは速度を上げて強引に突っ切り――全ての敵を貫く。

 

 残骸がバラバラと散らばって黒い影に戻り消えてなくなる。

 そうして、そのまま――機体を光にした。

 

《――ッ!!》

 

 一瞬。ほんの一瞬で奴は俺がいた場所の空間を大きく歪めた。

 俺はその先へとギリギリで飛び、奴の反応がある場所に突っ込む。

 奴は両腕を俺に向けながら、放射線状に広がるエネルギーの波を放つ。

 それを受けた事によって回避は間に合わず。

 一気に速度が落とされて奴はにやりと笑い俺の機体を圧縮しようと――

 

《させるかよォォッ!!!》

《――こ、のォォッ!!!》

 

 ヴァンの死角からの攻撃。

 奴はそれを察知し、俺への攻撃を中断しアイツをブレード事弾いた。

 奴はそのまま加速し、白い空間の中を翔けていく。

 俺たちも奴を追いながら、更にエネルギーを高めていく。

 

《何故だッ!!! 何故、お前たちは分からないッ!! 何故、理解しようとしないッ!! お前たちの選択しようとしている事は何れ世界の崩壊を招くんだぞッ!! 人間は過ちを繰り返し己が選択によって滅んだッ!! 異分子たちもそうだッ!! 私の手から離れれば、何れ奴らも勝手に互いを食い殺していくッ!! 私だけだッ!! 私だけがお前たちを正しく導けるッ!!! 滅びの結末を回避し、真の幸福を与えてやれるんだッ!!! 受け入れろ、そうすれば世界は真の平和を手に入れらるんだッ!!!》

 

 奴は叫ぶ。

 そうして、周囲に羽の一部を飛ばす。

 それが奇妙な機動を描いて迫って来る。

 俺たちはその軌道を読み――両断する。

 

 俺は奴を見つめる。

 奴の全てを見つめながら、俺は叫んだ。

 

「それは違うッ!! 浄化を受け入れる事が正しいんじゃないッ!! お前は後悔しているんだッ!! 大切な人たちを失ったから、もう二度とそんな未来が来てほしくないと願っているんだッ!!」

《そうだッ!! だからだッ!! お前たちの未来を絶やさない為に私は》

「それでもッ!!! 俺たちは俺たちだッ!!! 愚かでも馬鹿でもいいッ!! 俺たちは自分で道を選んで、自分で未来を創っていくッ!! お前に管理される必要も、お前が道を作る必要も無いんだッ!!!」

《何故、何故、何故何故何故何故何故何故何故何故――滅んでも良いのかッ!!》

 

 奴は怒りを露にして叫ぶ。

 機体を停止させて俺たちに先ほどのようなエネルギー波を飛ばす。

 俺たちは強制的に速度を落とされて――ヴァンが笑う。

 

《ははは!! 滅ぶって? いいや!! 滅ばねぇ!! 例え滅んだように見えたって、人類はしぶとく生き続けるッ!!!》

《何を根拠に》

《お前だよ――お前が俺たち人類を作ってくれたッ!!! 俺たちの未来はッ!!! 滅んじゃいねぇッ!!!!》

《――っ!! お前たちが、人類を名乗るなど――ッ!!?》

 

 俺たちは白銀の輝きを強くする。

 そうして、スラスターの出力を上げて――突き抜ける。

 

 奴へとブレードを叩きつければ、奴はそれを再び両腕で受けた。

 奴の機体事前へと押し進みながら、俺は叫ぶ。

 

「俺たちは人間だッ!!! 例え、お前が失敗作の烙印尾を押そうとも、俺たちは本物の人間だッ!! この世界で生きる人たちを、この世界で紡がれた歴史を、全ての命の想いを――失敗だなんて言わせないッ!!!」

《ぐぅぅ、あああぁぁぁぁ!!!!》

 

 奴は頭を左右に振る。

 そうして、奴の中の虹がどす黒くなっていく。

 全てを飲み込み浸蝕する破壊の黒で。

 奴は周囲にそれを振りまけば、白い空間が淀み始めた。

 奴の絶望の光を受けて俺たちは大きく弾かれる。

 

 

《ナナシッ!!》

「……!!」

 

 

 ヴァンの心を読み取る――分かった!

 

 

 俺たちは互いにエネルギーの刃をぶつけ合う。

 すると、そこを起点として凄まじい光が周囲に広がる。

 流石の神も何も見えなくなり――俺たちは翔ける。

 

《舐めるなァァァァッ!!!!》

「――っ!!」

 

 奴が叫ぶ。

 瞬間、全てを包み隠すような白銀の光が掻き消される。

 奴は俺たちの方に突っ込んで、俺は回避も間に合わず弾き飛ばされた。

 奴はヴァンの機体を執拗に追いかける。

 そうして、ヴァンの機体を追い込みその機体を光の鎖で拘束した。

 

 ヴァンが必死に藻掻く。

 しかし、その拘束が解ける事は無い。

 ヴァンはそのまま――機体を貫かれる。

 

 遥か天井に行われた事。

 俺はそれを見つめながら、ブレードを後方に向ける。

 

《お前さえ、お前さえ消せば……全ては、終わるッ!!!》

《へぇ、そうかなぁ?》

《――お前はッ!!》

 

 ヴァンの機体に穴が開く。

 その機体はカラスのような機体ではない。

 俺の”バスター装着時のアンブルフ”であった。

 

 

 奴が此方を見ようとした――が、俺は既に奴の間合いに入る。

 

 

 ヴァンの機体に偽装したエネルギーが解除された。

 それを銀の剣に纏わせながら――

 

 

《止まれッ!!!!!》

「――ッ!!!」

 

 

 無数の鎖が俺の機体を貫く。

 

 装甲に穴が開き動きを止められた。

 

 銀の剣も破壊された。

 

 奴は笑みを深めて――

 

 

「――まだだッ!!!!」

《――ッ!!!》

 

 

 強く叫ぶ。

 瞬間、俺の強化外装は一気にはじけ飛んだ。

 追加装甲が弾けて、最初に出会った時のアンブルフにになる。

 あぁこれだ。この姿が一番――しっくりくるッ!!!

 

 俺は限界を超えて加速。

 奴の懐へと入り、奴が放ってきた掌を避けて――拳をその腹に打ち込む。

 

《拳、だと――こんな、攻撃、など――ッ!!!?》

 

 奴の手からヴァンが離れる。

 奴は両腕で俺の腕を掴んだ。

 しかし、俺の腕が引き抜かれる事も破壊される事も無い。

 

 

 

 この腕は、この拳は――俺たちの全てだ。

 

 

 

 今まで出会って来た多くの人たちとの思い出。

 既にこの世にはいない人間たちから託された願い。

 全ての人間との思い出が力になる。

 

 

 

《――ナナシ!》

 

 

 

 世界で一番格好いい女性。姉御肌な先輩パイロットの声が響く。

 

 

 

《――ナナシぃぃ!!》

 

 

 

 出会った時から俺を気にかけ、互いに愛するほどの存在な大切なメカニックの声が聞こえた。

 

 

 

《――ナナシ!》

《――ナナシさん!》

 

 

 

 友人として出会い。時を重ねて頼れる傭兵となった後輩たちの声が聞こえた。

 

 

 

《――ナナシさぁん!!》

《――ナナシ》

《――ナナシ?》

 

 

 

 いつの間にか仲間になっていたアフロと不思議な双子。彼らは何時だって空気を変えてくれた――俺は笑う。

 

 

 

《ナナシ――ナナシ――ナナシさん――ナナシ!!》

 

 

 

 聞こえる。

 全ての人々の声が、仲間たちの声が。

 SJにSQ。そして、もういない筈のノイマンの声も聞こえた。

 CKもクラウンさんも、おやっさんも――皆が近くにいる。

 

 それらの想いが俺に無限の力を与えてくれる。

 俺は奴へと拳を突き出しながら、スラスターに更に力を注ぐ。

 

 

 

《――ナナシさん!》

「――!」

 

 

 

 聞こえた。彼女の声が――ユーリの声が。

 

 

 

 生きている。彼女の魂が見えた。

 俺はそれに喜び、歯をむき出しにして笑う。

 

 

 胸のペンダントから熱を感じた。

 温かくて、力強くて、鼓動のようなものも感じて――彼女もいる。

 

 

 もう何も怖くない。

 もう何も恐れる必要はない。

 さぁ最後だ。これがクライマックスであり――叫ぶしかない。

 

 

 俺は静かに息を吸う。

 そうして、カッと目を見開き拳のエネルギーを高める。

 奴は必死に藻掻いて逃れようとする。

 だが、もう遅い。

 俺たちの想いを、全てを――拳に載せろッ!!!!

 

 

 

「――ロケットオオオオォォォォォォ!!!!!!」

《やめ――やめろ――あり得ない。あり得ない。こんな事、真実などと――ッ!!!》

 

 

 

 スラスターの音色が極限に達する。

 白銀がマントのように広がり、翼が大きさを増した。

 ゆっくりと落下していくヴァンは、指を突き出して叫ぶ。

 

 

 

 

《行けェェェェェナナシィィィィィィ――――ッ!!!!!!》

 

 

 

 

 俺は大きく目を見開き声を高らかに――叫んだ。

 

 

 

 

「パアアアアアアアアアァァァァァァァァンチィィィィィィィィィィィィッ!!!!!!!!!!!」

《――――ッ!!!!!!!!》

 

 

 

 

 奴の機体に大きく亀裂が走る。

 スラスターから噴き出すエネルギーが俺たちを天高く押し上げる。

 奴は機体を折り曲げながら声にならない叫びをあげた。

 そうして、俺の拳は熱く光り輝き――奴の機体を貫いた。

 

 奴の体を突き抜けて、奴の機体の残骸がばらばらと散らばる。

 はじけ飛んだ残骸はゆっくりと下へと落下していく。

 俺は全身から汗を流しながら、荒い呼吸を沈めていく。

 そうして、遥か下を見ればヴァンの機体がほろほろと溶けて行っていた。

 彼はゆっくりと手を上げて親指を立てた。

 俺も彼に親指を突き出して笑う。

 

 機体を下へと落としていく。

 奴の残骸の元へと歩いていけば……生きているな。

 

 もうほとんど力は残っていない。

 しかし、辛うじて生きている。

 もう攻撃は出来ないが意識はあるようで……俺は奴に声を掛けた。

 

「……俺たちの勝ちだ……表の世界でも、お前の生み出した存在が消えていくのが分かる」

《……その、ようですね……そうですか……私は、負けた、のですね……》

 

 奴はバラバラになった機体をカタカタと揺らす。

 機体を復元しようとして、それらが静かに転がる。

 奴は自嘲的に笑いながら、静かに息を吐く。

 

《認めましょう……後は、貴方方の好きなように、しなさい……この先、何が起きようとも……私は……》

「……俺はお前を殺さない。俺たちにはお前が――必要だ」

《……? 何を言って……私が管理する必要は、無いと……》

「違う。お前に人類を管理させない……お前には人々を生み出した象徴とし生きていて欲しい」

《……また……奇妙な事を……まぁ、いいでしょう……ですが、貴方は……何れ、その選択を後悔する……私を此処で消さなかったことを、何れ……》

 

 奴は俺に忠告した。

 まるで、此処で消した方が最善だと教えるように……俺は笑う。

 

 

 

「俺は後悔しない――これが正しいと信じている」

《……つまらない……馬鹿に言葉は……通じない、か……》

 

 

 

 俺は静かになった奴を見つめる。

 全ての力を使ったことによって一時的に眠りについたのだろう。

 俺はそんな奴の状態を確認してから、ゆっくりと両手を広げて目を閉じる。

 

 機体のハッチが独りでに開いて、俺は機体の外へと流される。

 そのまま地面に足をつけながら、俺は存在するもう一つの世界の情報を手に入れる……あぁ、そうか。

 

 神がやろうとしていた事を理解する。

 そして、用意されていた別のプランも確認した。

 俺はそれらが使えるものだと認識し、アクセスの力を全て使って行動を始めた。

 

「……この時だけは……俺が神の代わりになる……死んでいった同胞たちの魂を……無駄にはしない」

 

 彼らの魂のデータは保存されていた。

 それを一つ一つ確認していきながら、俺は神が用意していた”器”と繋ぐ。

 無数の光が白い空間を走っていき飛んでいった。

 

 この世界で命を奪われた彼ら。

 もうこの世界に蘇らせる事は出来ない。

 大量の人間をこの世に戻せば、致命的なバグが生まれてしまう。

 例え出来たとしても、彼らの魂全てが正しく存在できるかは分からない。

 全てを完璧なまま、彼らをこの世に戻す事は俺でも神でも出来ない。

 

 紛い物でもコピーでもなく。

 正しく本物のままの魂として、彼らを新たなる世界に導く。

 オリジナルのデータをそのまま器に送り込む。

 俺は旅立っていく命の流れ見つめながら、静かに涙を流す。

 

 

 ……大丈夫。俺もすぐに行く……お前たちだけに、苦労はさせない。

 

 

 新たなる世界に希望はほとんどない。

 人類が滅び、死の灰が降る世界だ。

 冷たくて暖かさの無い世界で、彼らはこれから生きる事になる。

 だけど、絶対に彼らをもう一度、この世界に連れてくる。

 

 

 ――約束だ。君たちの故郷を守り、君たちを再び此処へ連れてくる。

 

 

 流れ星へと願いを込める。

 俺はそんな星のような光を見つめて笑う。

 戦いは終わり、未来が始まる。

 人類が滅びた世界と、別の人類が生きる仮初の世界。

 俺にとってはどちらも本物だ。

 

 

 俺はこの二つを繋ぐ――”架け橋”となる。

 

 

 心の中に戻って来るヴァンの魂。

 それを感じながら、俺は彼に声を掛ける。

 

 

 

「行こう……世界を見に」

《あぁ、行こう》

 

 

 

 命の光は全て行ってしまった。

 俺はゆっくりと両手を下げて、ヴァンと共に笑みを浮かべながらそれを見送った。

 

 

 

 此処から始まる。未来が――――”夜明け”が――――…………

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