だって、叶わなかった時『やっぱりな』って言えるもん。
俺が小1の頃の話だ。
俺の住んでた地域の小学校は出席番号が誕生日順だったり、水泳の時の着替えが男女混合だったり(但し1、2、3年のみ)した所為もあるだろう。俺は比較的性差への考えが薄い子だった。
当時住んでた家の周りの同級生も男女の比率は半々で、小1なんてまだ性別による力の違いなんて微々たるものだったし、田舎に住んでたのもあったと思う。
俺達は男女混合5人位のグループで竹林の中で鬼ごっこしたり、桑の木に登っては枝に腰掛けて並んで実を食べたりと、それは健全な少年時代を過ごしていた。
田舎だから当然学校も遠くて、俺とグループの連中は小1ながらバス通学していた。
当時の俺は学校へはバスで行くもんだと思ってたくらいだ。今考えれば可笑しいんだが。
○
さて、俺は小1ながらマセ餓鬼だった。この年で好きな子が居たんだ。
仮に名前を{兎}としようか。
兎は太っては無いけど丸顔で可愛くて、皆から仲良くされとる人気者、みたいなそんな奴だった。
昔は顔面差別なんて無かったお陰もある。性格だけは一流の俺もそこそこ皆から人望あったし、自然、兎ともよく話していた。
時は進み、今となっては季節も思い出せないある日の事。
当時クラス委員長をやってた俺と兎は、多分何かの用事で学校に残っていた。いつものグループ面々は先に帰ってしまったので、俺と兎の2人で帰る事になった。
兎と俺は家も近かったので、当然バスの方向も降りるバス停も同じ。
バスの運転手さんに見送られてバスを降りてから、仲良い無邪気な当時の俺達は手を繋いで家路を辿ってた。
道を7割位まで進んだ所で、兎の動きがおかしくなりだした。両の太腿を仕切りに擦り合わせたり、俺の手を握る手は汗ばんでくる、目線はあっちこっちを彷徨ってと、言ってしまえばだいぶ挙動不審だった。
そりゃ、理由が分からないとはいえ気になる。
「どうしたの?」
って俺は聞いた。そうしたら、兎は顔真っ赤にして、俺の手を握ってるのとは反対の手でスカートの裾を握り締めて、小さな声でこう言った。
「おしっこしたい……」
そりゃテンパった。
何せ十年以上前の田舎だ。見渡せばコンビニがあるような地域じゃ無いし、相手は子供ながらに好きな子だ。そこらですればいいだろー。なんて、口が裂けても言えなかった。
戸惑って青くなる俺と対照的に、どんどん羞恥と我慢で真っ赤になっていく兎。
周りには少ないとはいえ人通りはあるし、家まで距離がある中お漏らしはマズイ。
でも俺にはどうしようもなかったよ。
○
兎は覚悟を決めるみたいに目をきつく瞑って、口を真一文字に引き締めてから、俺の耳元で囁いた。
「こっち……来て……!」
俺達は道の脇にあった椿の垣根を葉っぱまみれになりながら潜って、その中まで入っていった。
垣根は結構厚みがあって、外から見れば俺達の姿は完全に見えなかったと言っていい。
「もう、我慢出来ないから、ここで……する……」
そう言って兎はスカートをたくし上げた。
子供ながらに驚いた。女の子のトイレは入っちゃダメって、当時の先生に言われてたから。トイレが男女別になってる理由なんて、当時の純粋な俺は知らなかったんだが。
動揺して顔真っ赤な俺を気にしつつ、そのまま兎はパンツを足首まで下ろした。
兎の股には、俺にあって兎に無いものがあった。何が、なんて言わなくても分かるだろ?
「んっ……」
恥じらいながら股から水を流す兎に俺が驚かなかったと言えば嘘になる。
だって無いんだぜ?アレが無いのに何処から水が出てくるんだと、当時の俺は下心無く興味津々だった。
「……ふぅ……」
兎から出た水は、地面に一瞬水たまりを作って染み込んでいく。
それを横目に、俺は今なら考えられない爆弾発言をした。
「ねぇ、それ触ってみてもいい?」
興味があれば取り敢えず触ってみたい。当時の俺はそんな単純な心理で聞いたんだ。兎も最初は汚いよー、と拒否していたが、俺が後で洗うから大丈夫、と説得したら触らせてくれる事になった。
何も大丈夫じゃない。大問題である。
結局、俺は小1女児の秘部に触れた。
ぷくっとした割れ目を指で撫で、何となく指を押し込んでみたら、兎が痛そうな反応をしたのでそこでやめた。
その後兎はパンツとスカートを元に戻し、俺は取り敢えず手を持ち合わせのハンカチで拭いてから、椿の垣根から脱出した。
二人共気恥ずかしさからか無言で家まで歩き、兎の家の前まで着いた。
「今日のは、皆にはヒミツだからねっ……」
別れ際、耳元でそう呟き、兎は玄関へと吸い込まれていった。
俺もその後自分の家へ向かい、取り敢えず手を洗いましたとさ。
○
兎は小2の頃に福井だったかに転校しちまって、俺もその1年後に転校。
もう会うこともないかもしれないけど、もし会えたら…。
昔みたいに笑って遊びたいね。
さて、本編スタートです。