金田一少年の事件簿 救済シリーズ   作:キラトマト

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File.30.5 不動高校学園祭殺人事件

 まずい……まずいぞ。金田一の世界に行っちまったかもしれねェ。しかもこの学生証……不動高校じゃね? 

 

「おれの人生終わりだァァあああああ!!!」

 

 ひとしきり自分の部屋で叫び終えた後、冷静に自分の置かれた状況を分析することにした。

 

「おれ確か誰かに殺されてその後……」

 

「てかちょっと待て。おれ1回殺されてんだろ? なら……別に2回も3回も一緒じゃん! よし!」

 

 ひとまず日付を確認する。よしじゃあまずはあの"事件"だなこの日付だと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 と、いうことでおれだけスマホです。

 

「不動高校裏サイトと……」

 

 調べたらすぐにサイト自体は出てきた。でも学籍番号ねぇ……

 

「お! これかぁ、てかよくスマホ使えるよなぁ。んで名前は……と」

 

「多那加!? おれの苗字多那加なの!?」

 

 その平凡な読みと特異過ぎる漢字におれは金田一少年の世界の住人であるということを嫌でも実感させられた。

 

「ほい、多那加(にのまえ)……と」

 

「よし入れた。丁度今日……だよな」

 

 些細とは口が裂けても言えないような事件をきっかけに起こった殺人事件。今回おれが関わるのはこれだ。

 

「六野冬花……」

 

 不動高校 写真部部長兼盗撮魔 伊志田純。(このクズ)が学校裏サイトにばらまいた六野冬花の着替え及びヌード写真によって彼女は自殺してしまったのだ。そこから彼女の恋人である教師が伊志田を殺すのだが……まぁそもそもそんな事件起こさせないし自殺もさせない。

 

「ま、この俺にかかれば……」

 

 IPアドレスから写真の発信元を特定、更にそのパソコンにトロイの木馬を……。

 

「っとその前に……」

 

 やらなければいけないことがあったことを思い出したおれは、ひとまず学校へ急いだ。

 

「おれのクラスは……ゲッ金田一と同じクラスじゃん」

 

「おっ(にのまえ)ようやく来たか!」

 

「おはようはじめ! おっ、草太も千家もおはよ!!」

 

 あれれ~? まだ草太がいるのに千家もいるぞ~? ヨシ! 彼女のこと聞くのはまた今度ということで……。ということで放課後!! 

 

「写真部の部室は……あった! 伊志田が仕掛けたカメラも発見!!」

 

 フッフッフッフ、こいつで撮ってたんだな? あのクズは。おれはカメラを触る前に手袋をし、生徒指導室へと持っていく。どこの高校でも校長より生徒指導の先生の方が怖いのだ。

 

「失礼しまーす。せんせーいますか?」

 

「お、どうした多那加」

 

「写真部の部長の盗撮していたカメラです」

 

「はぁ?」

 

「本人から聞いたんですよね。女の子騙して着替え盗撮してそれを裏サイトにあげてるって」

 

 当然嘘だ。でもなぁ!! 

 

「当然アイツのパソコンも持ってきました。このカメラは……」

 

 と、動いたものに反応しシャッターを切るカメラであることを説明し、偶然映っていた伊志田本人が決め手になり、彼は停学処分に。そして写真に対し冷やかしコメントを送っていた不特定多数の中から1人をピックアップ!! そいつが書いたコメント全てのスクショをそいつの住所宛に今巷を騒がせている殺人鬼の名前とともに送り付けておいた。

 

「んでしめはこれだな……」

 

 報告が済んだあと、すぐに俺はある住所へと向かった。

 

「二階建てだが……まぁこのくらいなら!」

 

 ジャンプして屋根をつかみそのまま二階の窓を開ける。

 

「……鍵空いてんじゃんラッキー」

 

「キャァァァアアアアアア!!」

 

 小さなつぶやきは、中にいる女性の悲鳴でかき消された。

 

「だ、誰……」

 

 そしておれに対してそう言った彼女の手には小さなカミソリが握られていた。てか誰か……。おれの名前なぁ……、あ! 

 

「地獄の傀儡師、高遠遙一です。以後お見知り置きを」

 

 やっべ、顔隠すもの隠すもの……あった! ちょうどよくバッグに入っていた郷土のお土産の仮面! 

 

「祭沢先生が悲しみますよ? そんなことをしては」

 

「ッ……でも……」

 

「あの写真の発信元はあの先生のおかげで停学になりましたし、いずれ自主退学するでしょう。それにあなたに心無い言葉を送った者も1人を生贄にしたらめっきりなくなりましたし」

 

 やべぇ……こんなんぜってぇ言わないでしょ高遠遙一(あいつ)……。

 

「ま、後は貴方の判断に任せます。これ以上はやめるにせよやめないにせよ無駄でしょうしね。では……」

 

「あれ……誰だったんだろ……って窓開けっぱだったの私!? やば!! あ! そうだそうだ先生にお礼言わないと!!」

 

 そうやってやるべきことをしているうちに死ぬなんて大層なこと、忘れてしまった冬花であった。




短編は楽勝だ
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