大人虎杖悠仁先生が美少女ばっかりの世界に行くようです 作:モチモチの木に魅せられたバカ
最初は変な人だと思った
便利屋のドアを蹴破って自らを『先生』と名乗る彼
少し子供っぽいそれでいて大人な一面もある
そんな彼をみんなは最初歓迎していた
社長はウキウキで経営顧問にしようとしていたし
ムツキはどんな悪戯をしようか考えてそうだった
ハルカはオドオドしてたけどちょっと楽しそうだった
でも私はあまりいい印象を抱かなかった
彼を一目見た瞬間ゾワッとした、
何か得体の知れないものを見るような…
でもそんな感覚はすぐに無くなっていった
この顔が原因で職質を受けた時は助けてくれたし
一緒に趣味を共有したりした、
流石に、雨の中猫の様子を見てて気づいたら横に居た時は驚いたけど、
それでも私は彼はキヴォトス外の人で私達より弱いと思ってた、
あんなことが起こるまでは……
とある日のこと、
その日は特に何もなかった、俺は仕事を忙殺されそうだったけど、当番のカヨコに手伝ってもらって夕方前くらいには終わって、カヨコと楽しく談笑していた、ただカヨコの肩に呪力がマーキングされていたことが気になる
正直カヨコのことを聞いた時からこうなることは分かっていた、カヨコはどうやら他人から顔が怖いと見られるらしい、俺はそうは思わないがこれが神秘といわれるものに由来していると俺は思っている、だが問題はそこではなくその特性によって呪力を集めやすく呪霊がつきやすいことでマーキングされたことが俺は気掛かりだった、
だからこそ、このキヴォトスに来てから生徒達が呪霊に襲われないように俺の呪力が込めてあるお守りをカヨコにも渡している
「なぁ、カヨコ最近何かあったりしないか?例えば体の調子が悪いとか」
もしカヨコに影響が出てるなら何かしらの対策をしなければならないが
「どうしたの先生急に、別に特に何もないよ、強いて言えば最近依頼が少なくて便利屋の家計が火の車ってことぐらいかな」
それもそれで問題なのだが…… まぁカヨコに影響がないだけ良しとしよう
安堵していたところでカヨコのスマホから着信がかかる
カヨコらしいロックの音楽の着信音、どうやらカヨコの様子を見る限り便利屋からのようだ
「先生ごめん、急になんだけど社長に呼ばれちゃったから行くね」
そういって、カヨコが慌てながら荷物をまとめて事務室を出ていった
◇
急に来た電話に出ると社長からだった、内容からして私抜きで受けた任務で問題が発生して追われているとのこと
「はぁ、社長らしい」
ため息を一つ吐く、便利屋にとってはかなりの確率で問題が起こるのだがカヨコがいない時はほぼ毎回起こっている、そんな慣れた状況なのでカヨコは警戒などしていなかった、
「確か発信場所はこの辺のはず……」
シャーレから小走りで30分程度、問題が起きたと言ってもあの三人ならなんやかんやどうにかなってることが多い、だからこそカヨコは焦らず愛用のハンドガンであるデモンズロアのセーフティを外す
社長からの発信場所はこの薄暗い路地裏の奥、ただでさえ夜になり暗い中、スマホを取り出して片手で照明としてライトを点けながら前進する
「社長…こんなところまで行って、いったい何やらかしたの?」
普段の社長ならこの手の場所は入らないと思っていたが、よほど焦っていたのだろうか
「ここ、かなり奥まで続いてるね………」
この時、カヨコは少し焦っていた、まず人の気配がないこと、そして便利屋の三人が使う銃の薬莢が落ちてないこと、そして
「なんだろう……すごくイヤな予感がする」
普段、便利屋の参謀として動いているカヨコが感じた本能的な反応、普段なら気にしないが今は便利屋の三人が危機に陥っている可能性がある以上カヨコは止まらない
暗い暗い路地それを一回、二回と突き当たりを曲がり奥へ奥へと進んで行く、ただでさえ少ない青白く光る蛍光灯すら無くなり、本当にいるのか不安になっていた
「もうすぐ行けば行き止まりな筈……」
「(ここまで来ていない…?流石におかしい…引き返す?いやでもここまで来たら確認しないと……)」
あと一回曲がれば行き止まり、ここまでで居ないのならこの奥にいる以外ない、改めてカヨコはデモンズロアを握り直す
「(落ち着いて、大丈夫こんなのなんてことない、今さら暗闇が怖いなんて……’)」
思考ではそう思っていても実際のカヨコの体は浅い呼吸を繰り返し、冷や汗が流れている
「3…2…1…今!!」
曲がり角を勢いよく飛び出す、今までにない緊張感を持ってことにあたるカヨコが見たものとは……
「は?」
誰もいない通路だった、
「えっ?いや……えっ?」
奥に光るブルーライトのスマホ
カヨコにとっては見慣れている社長、陸八魔アルの物
カヨコはそれを手に取る、スマホを落としてある程度立っていたのだろう、その液晶は冷たかった
「はぁ……びっくりした、社長こんなところに落として……」
先程までの緊張感は何処へやら、カヨコはホッとする
「はぁ今頃社長の焦っている顔が目に浮かぶよ」
「(この感じだと社長達はもう戻ってるかな…ムツキなら)」
ひとまず安心したカヨコは便利屋の三人に対し社長のスマホがあったこと、そして帰るのが少し遅れることを電話しようと連絡をする、数回コールがかかったあと誰かが出たらしい、
「は〜い、もしもし〜カヨコちゃんだよね?」
少し子供らしい声、便利屋68の爆弾魔 浅黄ムツキである
「そうだよムツキ、ごめん、今日は遅くなる」
「大丈夫だよ〜、アルちゃん今スマホ無くした!!って大慌てだからねぇ〜」
「そのことなんだけど、社長達が問題が起きたって電話してくれた場所に落ちてたよ、今からこれ持って帰るね」
何気ない会話、カヨコと便利屋の日常的な会話、しかし次の一言で全てがひっくり返る
「私たち今日カヨコちゃんに電話してないよ?」
◇
事態の深刻さに気づいたのは、アル達から電話が掛かってきたからだった、
今日の業務を連邦生徒会に提出し、シャーレの事務室を整理していたところ、一本の電話が掛かる
「こんな時間に誰だ?」
不審に思いつつスマホからその電話に応答する、すると聞こえてきたのはアル達の焦った声だった
「先生!!、あっ急に大きな声でごめんなさい……でも緊急事態なの!!」
開口一番にアルの口から出る緊急事態という言葉そして先程から感じる嫌な予感
「どうした?」
「カヨコが消えたの!!」
◇
話を整理しよう、
まず便利屋はカヨコを抜いた三人で依頼を受けその帰りにアルがスマホを落とした、その後シャーレの当番が終わったカヨコがアルからの救援要請の電話を受け取り、現場に迎えに行きその場でアルのスマホを発見そのままアル達に電話する、この時アル達が電話をかけた事実はなかったがカヨコはアル達から電話があったと言っていたと……
俺はこの話をアル達から聞いた時一つ確信したことがある、
十中八九呪霊の仕業だと言うこと
手口としてはそこらにある怪談とさして変わらないが、少なくとも呪霊の仕業である可能性が高い、そしてそうなった場合カヨコの命が危うい
「アル、今カヨコのスマホが何処にあるか分かるか?」
もしGPSが途切れている場合、アロナにやる探知を使用しなければならないが……
「ちょっちょっと待って頂戴!!…………あったわ!!D.U.の裏路地にいるみたいよ」
良かった…恐らく今回の呪霊は待ち伏せ……路地裏の複雑さ、薄暗さ、そして人通りの少なさを見てもそれでほぼ間違いない
「よし…アル今から1時間後にその場所に集合だ!」
アル達というより百鬼夜行の生徒以外は呪霊の存在を知らない、だからこそアル達が来るまでに終わらせなければならない
「ええ分かったわ、すぐに行くわ」
そういって電話を切った、切り際にドタドタ音がしていたから焦っているのだろう、それほどカヨコが大事だということが伝わる
「久々の本業だな」
そう久々、かつて高専で死ぬ程祓った呪霊、まさかキヴォトスに来てまでもいるとは思わなかったが……
「アロナ、消灯を頼む、それとカヨコの場所までのナビも頼みたい」
「はい!!今回も先生に完璧なサポートを約束しますね!!」
とても頼りにしてるがおそらく今回は出番はないだろう、むしろ俺が頑張らなきゃならない
◇
シャーレを出てから15分くらい経って
「ここか」
例の路地の前まで到着した、アロナの調べ通りならここを進んだ先にカヨコがいるが、、
「いるな……こういう場合は路地の方から声が聞こえてきてそれについていったらみたいなのが多いみたいだけど」
切り替える、"先生"から"呪術師"へと……
「いいぜ乗ってやる、俺の生徒に手を出したこと後悔させてやる」
◇
裏路地に一歩踏み入れた虎杖悠仁、すぐさま違和感に気付く
「(これは……生得領域か?いやそれにしては薄すぎる、おそらく少年院の時より領域として不十分なのか、ただそのおかげで一般人が入ってもさして違和感に気付かないだろうな)」
一歩一歩慎重に進む、相手の姿、実力が分かってない以上下手に突っ込むのは悪手だが……
「いや、カヨコが心配だな……少し怖いが走って行くしかない」
暗い裏路地を進んでいく、角を一個一個曲がるたびに気配が強まる
注意しつつも五個目の角を曲がったとき、カヨコの姿が見えた
その姿は酷く、身体の様々な箇所に傷があり、口からは血が出て、地面には嘔吐の跡もある
「カヨコ!!大丈夫か?!アル達から居なくなったって聞いて…」
「先生……私から逃げて!!」
次の瞬間、デモンズロアから放たれた弾丸が俺の頰を掠めた
「!!?カヨコどうした!?」
「わからない!!ただ体の制御が効かないの!!……」
「このままじゃ先生を殺しちゃう!早く逃げて!!
有無を言わさず続いて二発、俺の両足を狙って放たれる
「クソっ!!術式か!?今俺が……」
ギリギリで避けるが、次の瞬間、後ろから気味の悪い笑い声と共に俺の体が動かなくなる
「(なっ…体が動かない……これは……)」
◇
数十分前
「私たち今日カヨコちゃんに電話してないよ?」
「は?」
よく分からない、というか訳が分からなかった、あの電話はなんだ?社長の声は?疑問が尽きない、だがそんなことは些細なことだ、問題は私の背後で鳴っている、ペタペタとする足音だ
背筋が凍る、恐怖が頭を支配する、私の頭は足音を明らかに人ではないと認識している、論理的でもなんでもないただの感、だが私はこれを頭の何処かで確信していた
「(怖い怖い怖い怖い)」
人かもしれないそんな考えも出来なかった、いつの間にか社長の電話の音もなくなり、無音、あの気味の悪い足音しか耳に入らない、額から嫌な汗が流れる
手が震える、頭の中では危険信号が鳴り響いている
「(逃げないと…!)」
頭では分かってる、だけど体が動かない
「(なんで動かないのよ!!)」
そう思った瞬間、自身の意に反して体が思いっ切り背後を向く、
「は?」
思わず口から情けない声が出る、別に体が勝手に動いたことじゃない
振り向いた先には"化け物"がいたのだから
思考をする前に鈍い音が鳴る、それと共に私は壁に叩きつけられる
「ぅつぅぅ…オエェ」
私の胃で原型を留めなくなった先生の手料理が食道を通って吐き出される
思考が定まらない、けれど向こうはそんなの関係なく、私の髪を掴んで殴る蹴るの暴行を加える、最早私は死を覚悟していた、私の頭は恐怖で支配されて体も以前動かず、どうしようもなかった
「(せめて、最後は先生に会いたかったなぁ……)」
そう思いつつ私は意識を手放した
時は戻って
おそらく、この簡易領域は互いの行動を不可にするのみ効果が適応されてる…本当はここに何かしらの要素があったんだろうが……なんでか分からないが敢えて不可侵だけを強制させてやがる。
俺が祓うならまずこの簡易領域が解かれないといけないが…
そうなると奴が隙を晒す瞬間…少なくともカヨコが俺に銃弾を当てなきゃならない…術式で操られてるなら行動を封じられてる今確実に当てられる。
次に何処を狙うか、俺を仕留めるつもりなら頭か心臓を狙うが……もし奴が俺の考えてるようなやつなら……
「先生……?何をしてるの…早く逃げないと私先生のこと殺しちゃう……」
デモンズロアの照準が虎杖悠仁の足へと向けられる
「助けて…もう何が何だか分からないの」
悲痛な声が俺に突き刺さる、生徒に俺を打たせることへの罪悪感、カヨコにここまでのことをさせることになった俺に対する自己嫌悪、その全てが俺を蝕む
ごめん、カヨコ、でも絶対祓うから
「カヨコ!俺は大丈夫だから、俺を信じてくれ!」
瞬間、一発を弾丸が俺の右脚を貫く、素早く次弾を装填、カヨコは顔をゆがめながらも俺の左脚に照準を定めそのまま一発、
脚の痛みが神経を伝い全身に回るまもなく、簡易領域が解かれる
『赤血操術 赤燐躍動』
すぐさま術式を発動し、背後からの一撃をガード、
カウンターの一撃を呪霊の腹に叩き込む
「(少し硬いな、少なくとも一級はある)」
呪霊は術式を発動し、心臓を狙った銃弾を放つ
「先生!!」
それを左半身を左後ろに捻り、その銃弾を避ける、
そのまま避けた際に生まれたエネルギーを保ったまま身体全体を捻り
ガラ空きの胴体に回し蹴りを叩き込む
「(もう手札はで切ったな……ならこれで終わりだ)」
壁にめり込んだ呪霊に触れる、呪霊は抵抗しようとするがその前に術式を放つ
『捌』
かつて自身に刻まれた呪いの王の術式が呪霊を格子状に切り裂いた
◇
「少し、このままでいさせて、」
呪霊を祓ったあと、俺はすぐさまカヨコに抱きつかれた
「あの……カヨコさん?ちょっと苦しいんですけど……」
割と強めなのでちょっと痛い
「先生を殺すところだった…守らなきゃって思ってた先生をこの手で」
瞬間俺は理解した、彼女にとても辛いことをさせたこと、そして
彼女が関わることの無いことに巻き込んでしまったこと
「……ごめん、俺が悪いんだ、カヨコにはひどいことをした」
少なからず慕っていたであろう相手に引き金を引くこと、それがどんなに重いことか俺には分からなかった
少しの沈黙の後……
「ごめん先生、もう大丈夫だから、それよりも先生の足が……」
そう言って離れたカヨコにも怪我があった
「俺は大丈夫だから、それよりもカヨコの怪我の方が心配」
すると、カヨコが物凄い顔をした、
「……先生、私足に二発も打ったんだよ?、いやでも、先生なら……
はぁ、ごめん色々なことが起こりすぎてまだ頭が追いついてないかも」
「とりあえず、その様子だと大丈夫そうだね、」
そう言って、カヨコが怪我の場所を教えてくれたので反転術式で治してあげた
「!すごいね、先生って」
みるみる治る傷口を見て、目を見開いて驚いていた。
「(反転のアウトプット……しょうこさんに教わった通りなら相性が良ければ上手くいくらしいけど、好感度も関係あるのか?)」
そうして治していると、
「先生、一つ聞いていいかな?」
「なんだ?」
「あの化け物は何?、先生は知ってるような感じだったけど、」
あまり聞かれたくない質問だった、少なくとも百鬼夜行の生徒じゃない子たちには、呪霊の存在は知らせるべきではないし、知ってほしくもない、彼女達に呪術の世界は暗すぎる
「……確かに俺はアレが何なのか知ってるし、アレの祓い方も知ってるだけど、カヨコ達には教えられないな」
聡明な彼女ならこれで分かってくれるだろう
「先生……顔に聞いて欲しくないって出てるよ」
「えっ、嘘」
咄嗟に頬を触ってしまう
「ふふ、やっぱり先生は面白いね、でも分かったよこの件は無かったことにしようか、」
ちょっとした冗談が言える程になっているカヨコを見て俺は安心する
「ありがとう、カヨコ」
「ねぇ先生、もしかしてだけど、社長達呼んでない?」
「あっ」
そういえばそろそろ約束の時間……
「カヨコ!!先生!!」
噂をすればなんとやら、陸八魔アル、浅黄ムツキ、伊草ハルカがそれぞれの愛銃を担いでやってきた、
「二人とも大丈夫?!!」
「クフフ、カヨコちゃん、わたし達に内緒で先生とイチャイチャしてたの?」
「お、お二人共大丈夫でしょうか?」
三人が来たことで空気が軽くなるのを感じる
「あぁアル達が来る前に片付けておいた」
「えぇでもカヨコも多少怪我ようだし、何があったの?」
しまった、アル達から聞かれた時の言い訳を考えてなかった
「あぁ、ええっと、俺が……
「私が油断して不良達に、やられそうになったのを先生が助けてくれたの、多分依頼でやられた奴らじゃないかな、便利屋に恨みありそうだったし」
咄嗟にカヨコが言い訳を言ってくれた、こう言うところがカヨコが便利屋の頭脳として動いている証拠だろう
「そうなら良かったわ、社長の私の居ないところで社員が乱暴を受けたとあったらただじゃおかないわ」
真剣な顔でアルはそう言い放つ、
「(こう言うところがカヨコがアルに着いていく理由なのかな)」
俺は素直に感心してしまった、
「ア、アル様、これからもしかしてその方々に挨拶に行くんですね?」
ん?流れ変わったなぁ
「わ、わたし頑張ります!!」
そう言ってハルカは如何にもな赤いボタンを取り出す
「んー?ハルカちゃん、それなーに?」
「えっ、えっと、その、私が今日設置した、爆弾の起爆装置です」
その発言にカヨコは頭を抱えて、ムツキは大笑いしている
俺はまだまだこの騒動が続きそうだと感じ
「アハハッ!ハルカちゃーん、それってクライアントのところじゃない?」
「なっななななんですってーーー!!???」
アルは
便利屋のオチの付けやすさは異常
どうも作者です、長い間お待たせしました、この2ヶ月の間に作者の私生活が忙しくなり、原作の方では虎杖のヤケクソ強化が入ったお陰で私のプロット君が息を引き取ったりと色々なことがありました。
次回からはメインの方を進めたいと思いますので、気が向いたら見ていただけると幸いです
曇らせは書いてもいいか否か
-
YES:曇らせは常識、早く書け
-
NO:曇らせ勢は僕が殺します(乙骨風)