GODZILLA・REBOOT   作:トライアゲイン

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やっと吹き飛ばす要素が出てきた…


第9話 ショックウェーブ

「アンタのロミオはなんて名前なの」

 

オードリー・ティモンズはルーシー・パロッティからの質問を受けていた。オードリーは棒付きキャンディーを口から離して答えた。

 

「ニック・タトプロス」

 

「変な名前。だから振ったの?」

 

ビクターが返答する。オードリーは否定し、彼とは学生時代に4年ほど付き合っていたと付け加えた。

 

「へー。それだけ付き合ってどうしてプロポーズされなかったのよ」

 

「違うの。…ちゃんとしたのよ…!?」

 

オードリーが答えたとき、店が大きく揺れた。オードリーを始めとした店の客や従業員は最初地震じゃないかと考えた。

 

「何?またパレードか何か?」

 

ルーシーがそう言ったが、再び店が揺れた。エバート市長は支援者に向けた大規模なパレードを行う人として有名だが、これほどにまで大きな揺れがこんなに連続して続くのは妙だ。

 

「嫌…これパレードじゃない…一体何が起こったんだ?」

 

ビクターがそう言った時、またしても店が揺れた。ニュースではこの原因不明の揺れについて臨時ニュースを流していたが、未だに詳しい情報が入っていないらしく曖昧な報道をするばかりだったが、突如としてテレビが砂嵐になった。

 

すると窓の外では木々が突如として倒れ、大勢の人々が必死で何かから逃げていた。オードリーとルーシーが声も出ず呆然としていると、外に巨大な二本の足が歩行しているのが見えた。

 

そうか、これは足音だったのか。店の中のものが全員納得したとき、店のすぐそばに落とされた脚の衝撃で窓が割れ、店の中に降り注いだ。

 

オードリーとルーシーはパニック状態になり、悲鳴を上げたがビクターは二人を落ち着かせると店の外に飛び出していった。

 

「ビクター!!バカなことしないで!」

 

ルーシーの叫びに耳を貸さず、ビクターは雨の降りしきる外へと出ていった。巨大なそれは長い尻尾を振り乱しながらウォール街に向かって進んで行っていた。

 

「何だありゃ!すっげえ、恐竜だ!!ビルよりでかいぞ!」

 

ビクターは横倒しになっていたテレビ局の車の後部座席をあけ、中からカメラとマイクを取り出し、カメラの中にテープをセットするとその巨大な物体に向かって走って行った。

 

ーーーーーーーーーーー

ビクターは怪物の歩いていった場所を辿りながら追いかけていく。マイクで実況を始めようと思ったが、マイクの電源が入らなかった。

 

「この!なんだよどうなってんだこのマイクは!!電源速く入れってーの!!」

 

ビクターは腕でマイクをガンガン叩いた。するとなんとか電源が入ったので再び走り出しながら実況した。

こりゃあ皆が欲しがるぞ。ビクターは内心そう思いマイクに口を近づけ言った。

 

「ええ、テレビをご覧のみなさん。見えるでしょうか!?眼前にわが目を疑う光景が広まっております。この世界有数の大都市ニューヨークに突如巨大な恐竜が現れました!繰り返します、巨大な恐竜が現れました!」

 

ビクターはカメラで撮影しながら必死で怪物の後を追いかける。怪物はどうやら特定の目的をもって行動しているわけではない。少なくともビクターにはそう見えた。

 

その時、ビクターのすぐそばにいた自動車が踏み潰された。

 

「あ!今自動車が踏み潰されました!ああ、誰も乗っていないことを願います。ご覧の皆様、これは断じて劇でも映画でも、空想科学小説でもありません。全て現実の光景なのです。恐竜は今、ウォール街を北上しています。一体どこに向かうのでしょうか?」

 

怪物は何やら品定めでもするかのように地上をジロジロと眺めている。その顔を撮影しようとビクターは全力で走って怪物の目の前に躍り出た。

 

それは確かにビクターが想像している恐竜そのものだった。一体こんなやつが今までどこに、何の用でニューヨークに来たんだろう。ビクターはそう思いながらカメラを構えた。

 

やがて怪物はパークアベニュー・メットライフビルが遠くに見える場所にまでやってきた。ビクターは踏み潰されないように距離を取り、尚且つ怪物の顔がよく見えるようカメラを調節しながら進んでいた。だが突如怪物は動きを止めたのだった。

 

「??」

 

一体何事だとビクターが近づこうと思った時、怪物は突然走り始めたのだった。

これまでとは比べ物にならない速さだ。どんどんこちらに接近してくる。よく見ると怪物のすぐ近くにあった街路樹や車、人が次々と宙を舞っている。

ビクターはたまらず逃げ出し始めたが、怪物はあっという間にビクターに追いつき、そして追い抜いていった。やがてビクターの体も宙に浮き始めた。

 

「わあ嫌だ!」

 

ビクターは慌てて両足をばたつかせたが、時すでに遅し。ビクターはビルの屋上が下に見える距離まで大きく飛ばされたのだった。

空中でカメラを壊さないように必死に抱えていたビクターは、怪物がメットライフビルを突き破り何処かに去って行っくのを目にした。

 

やがてビクターは木の枝の真上に落下した。

 

後でわかったことだが、怪物は時速480キロで走り、その時衝撃波が発生した事がビクターが飛ばされた原因だった。

 

つづく

 

 

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