「…………うぅ……っ、私のお胸はいつか凹んじゃうんだぁぁぁぁ……!」
……悲しい。ただでさえつるぺったんなのに!
「いや、さすがに凹みはしないわよ……」
「ホントっ!?」
「アンタもそのうち、おっきくなるわよ……イヤでもね。うてなだってそれなりに以上にあるでしょうに」
おぉ……希望が見えてきたっ! 姉のおっぱいは目下急成長中ではあるが、私はそれが自分に起きるとは楽観視していないが、きょぬ~な真珠ちゃんに言われるとその気になってくるなぁ!
「……ん? イヤでもってなぁに?」
きゅぬ~であればあるほどいいと思うんだけど……。
「……肩が、ね……凝るのよ、すごく。あと、踊るときには邪魔だし、痛い! アンタ、運動好きな方だろうし、どっかのタイミングで絶対に『何だこれ、邪魔!』ってなるわよ……」
……あぁ~……確かに真珠ちゃんが躍るとばぃんばぃんしてるし、ブラだけじゃ支えられずに真剣に痛いんだろうな……。
だが、それは持てるものの感想!
「……でも、ないウチからそんな心配はしないよっ!」
「……まぁ、そうね」
私はきょぬ~を目指すのだっ! 真珠ちゃんやキウィちゃん程とは言わん! せめて、姉と同じくらいは欲しいっ!
……ぺたぺた、と自分の胸を触ってみる。
ふにふにすらしない……胸骨の硬さがダイレクトに返ってくるよ!
おかしいなぁ……姉と同じものを食しているんだから、同じくらいは育ってもいいと思うんだけど……。
私は、ちらり、と真珠ちゃんのおっぱいに視線を送る。
「……何食べたらそんなにおっきくなるのかなぁ……」
「……そんなに特別な物なんて食べてないわよ……むしろ、つぼみたちの方が栄養価的にはいいもの食べてるんじゃないの? アンタ、凝り性だし……」
いちお~栄養は気にしてはいるけども……。
「……なら、どうして、私はこんなに育たないんだ……っ!」
気にしているのは胸だけではない! 身長もちっちゃいんだ!
同級生の中でも、私とこりすちゃんは低い方……それはいい。だけど、圧倒的な差があるコレは一体どういうことなんだっ!?
「……育たないって言うより、つぼみの運動量が多過ぎるんじゃないの? そりゃあ、脂肪を蓄える余裕もないでしょ?」
「なん……だと……っ!?」
ぺた、と真珠ちゃんが私の二の腕を触ってくるが……。
「……あれ? ふにっ、とはしてないけど……思ったよりも固くない、って……あれ、ウソ!? すごく固くなった!? すごぉい♡」
むん、と力を入れると、私の腕はかちかちになる。
「……筋トレとか別にしてないんだけどなぁ」
「いや、あんだけ色々やってたら、筋トレなんかしてなくてもこうなるでしょ……」
まぁ……柔道、空手もやったし、弓道、剣道、薙刀、馬術……水泳に新体操に、挙句の果てにカバディ。運動系は一通りやったけども……一つに絞るれない、というか、あんまり興味が持てないから、長続きしないんだよね……体力落としたくないから、ジョギングはしているけど。
「……インドアなうてなに合わせて献立考えてるんじゃないの? 年齢差を考えても、アンタはうてな以上に食べなきゃ、そりゃあ他に回す栄養も少ないでしょうよ」
「……うぅ」
た、確かに……! 姉を優先するあまり自分のことはあんまり考えてなかったのは否定できない事実である!
「アンタのことだから、ちょっと食べたところで太ったりしないでしょ? もっとちゃんと食べなさい……それにしても、ホントに痩せてるわね。うらやましいくらいに細いんだけど」
……私は真珠ちゃんのおっぱいがうらやましいよ!
「う~ん、腹筋が割れているわけでもないのに、ちゃんと固くて……胸がないって嘆いているけど、きっちりくびれはあるのよねぇ……」
……上から下まですっとんとんな体形だったら、嘆きを通り越して絶望しかなくなるからね! お腹ぽっこりな幼児体形じゃないのがせめてものなぐさめである。
お返しに、とばかりに私は真珠ちゃんのおっぱいに手を伸ばす。
「……おぉ……っ!」
「……んっ♡ ちょっとぉ……♡」
こりすちゃんの控え目なふにふにとは異なるずっしりとした手応えと、むにむに、むちむち、と返ってくる感触!
「……ふぅ、む? 姉ともキウィちゃんとも違う……重みと柔らかさのバランス!」
いいなぁ! 私もこんなん欲しいなぁ!!
……これを好きにできるネモちゃんがうらやましいなぁ!
むにゅんむにゅん♡
「ちょっ!? 遠慮なく、揉みすぎぃ……っ♡」
「あ、ごめんごめん。つい……」
……揉んだ私が悪いんだけど……でも、真珠ちゃんは真珠ちゃんで感じ過ぎじゃない?
「……そっかぁ、ネモちゃんもおっぱい好きなんだねぇ♡」
「……なぁ、っ!?」
いやぁ、ネモたまの性活が垣間見えましたね♡
「……そういうアンタもこりすと随分イチャイチャしてるじゃない?」
「んぐっ!?」
「ここからも見えてたわよ、イロイロと♡」
ふふっ、と真珠ちゃんが悪戯っぽく笑う。
「………………どうしてこうなった……?」
うぅ……っ、私はこりすちゃんと親友になっただけのつもりだったのに!
「……まぁ、こりすの様子を見るに、もっと前からあこがれはあったんじゃないの? それで最近距離が近くなったし、そりゃあ……ねぇ?」
「こんな性格破綻者のどこにあこがれる要素があったんだぁ!?」
はぁ~~~~~、と真珠ちゃんが大きくため息をついた。
「……あのねぇ。成績優秀、運動神経抜群。音楽芸術だって何のその。顔だって普通以上で、欠点らしい欠点なんて小柄なことくらい? 大体、アンタ、外面はいいんだから、小学生が性格破綻者って見抜くのは無理があるでしょ? そりゃあ、あこがれの対象にされて当然よ。……まぁ、アンタは自覚なかったみたいだけど?」
「……だって、私だよ? そんなにいいとこなんてないよ?」
「そういうところは姉妹よねぇ……自分を卑下するところはうてなとそっくり」
ぽふ、と真珠ちゃんが私の頭に手を置いた。
「……つぼみがシスコンだろうと、割と考えなしでアホの子だろうと、終末思想持ってそうなアレなヤツだろうと……それでも、皆、アンタのいいところをちゃんと見ているものよ? ……自信を持ちなさいよ。アンタがどれだけ、アレでも、たぶん、うてなよりマシだし……」
……なぐさめてくれてる?
……何か姉と一緒にディスられた気もするんだけど。
「こりすは直感に優れているし……つぼみのイヤなところだってちゃんとわかってるハズよ? それでも、アンタのことをすきって思ってる。……まぁ、アンタがうてなのことを色んな意味で大すき過ぎるのは知ってるけど。それでも、ちゃんと向き合って考えてあげなさい。……それに、アンタ、満更でもないでしょ?」
「……うぐっ!?」
……そうなんだよなぁ!? 姉やキウィちゃんに向ける感情とは違うけど、こりすちゃんに対する好意自体はあるんだよ……。
それがなければ、あんなスキンシップなんて許すわけないし……。
「いやぁ……うてなとキウィとおんなじよねぇ? 友情を優先しちゃってるから、そういう好意に向き合えない感じ? ホント、この姉妹は……」
そ、そうかぁ~……姉とキウィちゃんの関係と同じように見えちゃうんだ、私とこりすちゃんって……。
………………ん? あれ? もしかして、私たち以外の皆、はよくっつけ、とか思ってる??
「……ブレーキがない分、こりすの方が先かなぁ、コレは。キウィはアレでヘタレだし」
……面白そうに、によによ、と笑みを浮かべる真珠ちゃんを見て、私は確信する。
(……マジでそう思われてるっ!?)
とほ~……、とちょっと涙目になる。
こりすちゃんのことは嫌いじゃないし、むしろすきなんだけども! 私は私ですきな人がいるわけで! そっちの攻略をしてるからちょっと待ってほしいというか! 考える時間が欲しいというか! 正直、これ以上、ぐいぐい来られても困るというか! ……うれしいけども!
「…………水風呂入ってくるぅ…………」
サウナの中で湯だった頭じゃうまく考えられない。ちょっと水を浴びてさっぱりしよう! …………そして、忘れよう!!
「はいは~い、頑張ってね~♡」
くっ……自分は相手がいるからと、余裕かっ!?
「……………………真珠ちゃん、サウナはいくら入っても、水分が抜けるだけで、痩せないからね?」
……私が悔し紛れにそう言い残すと。
「なん……だと……っ!?」
……がくっ、と真珠ちゃんが倒れこんだ。
……やべぇ、衝撃の真実過ぎただろうか?
「ちょっ!? 真珠ちゃ~~~ん!?」
………………倒れた真珠ちゃんは、水風呂にどぼんしといた。