「捕獲かんりょー♡ ……ごちそうさまでした♡」
ひくっ、ひくっ、とわずかに体を震わせるイミタシオのお尻を一撫でして、私は自らの唇を、ぺろり、と舐めた。
魔力に別に味はない……ないんだけど、感覚的に質が良いか悪いかはわかる。
質の良い魔力を吸収できれば、気分が良いが、質の悪い魔力を吸収すると気分は下がる。
甘いとか、苦いとか、酸っぱいとかの表現ができないだけだが、あえて、イミタシオの魔力を表現するのだとしたら、良くサシの入ったサーロイン、と言ったところだろうか。
上質に練り上げられた魔力。真化に至るほどに熟成された魔力。加えて言えば、彼女の魔力の質が私に近いことも、私が質の良い魔力と感じた理由だろう。
……まぁ、私は悪食なので? ゲロマズな魔力だったとしても喜々として吸収しに行くんですけどね? ちなみに、ゲロマズなのは、影の魔物である。おそらくは、クリーチャーの魔力に毒されているからじゃなかろうか。でも、出てくるからには、ちゃんと頂くのが私の主義。お残しはしませんよ?
ぐったりとしたイミタシオは浅く呼吸をしてはいるが、目は開いているものの、どこを見ているかわからないし、力なく開いた口からは、つぅ、と涎がしたたり落ちている。涙は既に枯れたのか、彼女の頬をぐっしょりと汚しているだけ。……ついでに、下半身の方はというと……まぁ、お見せできないくらいにはデロデロである。色んな液体が彼女の白い太ももを汚し、彼女のユニフォームのその部分は様々な液体のせいで変色している……白だから余計に目立つよね♡
「……っ、……♡」
戦闘が終わった私を見つけて、ネロちゃんが駆け寄ってきた。
腕に抱いているのは……ベルゼルガの人形?
(……大体、何されたかは想像つくけど……)
ネロちゃんは大事そうに抱えているけど、それってぬいぐるみと同じ取り扱いなわけで、ぎゅう、って抱きしめられたら……。
(……………………こっわ……………………)
さっきの私の内臓ぐちゃぐちゃにされる痛みどころじゃないくらいにヤバイのでは?
いや、あの状態のベルゼルガに痛覚があるのかどうかはわからないけど……。
『……!』
物言わぬベルゼルガのぬいぐるみが『たすけて』と言ったような気がする。……いや、あるいはイミタシオの状態を見て、『……シオちゃん!? お願い、シオちゃんをたすけて!?』なのかもしれないけど。……もしくは、その両方かも?
「……さすがネロちゃんだねぇ♡」
「♡」
よしよし、と頭をなでると、むふぅ、とネロちゃんがドヤ顔をした。
(かぁいい♡ ……でも、能力はちょっと怖いな。『玩具を操る』から相手を『玩具にする』能力への進化か。…………いよいよもって、手が付けられないのでは?)
正しく<暴君>である!
「……さて、この二人は、しまっちゃおうねぇ☆」
イミタシオに向けて、私は蔦を巻き付け始める。蔦が這うたびに、意識のないイミタシオの体はそれでも、反射的に、びくんびくん、と震えた。
(んー……効きが強かったかな……? 後で実験しよう)
幸いにも、好都合な実験材料が二人もいるわけだし♡
しゅるしゅる、とイミタシオを覆った蔦は、徐々に姿を変え、つぼみのような姿に変わった。
私はネロちゃんからやんわりとベルゼルガの人形を取り上げると、イミタシオのつぼみと一緒に虚空に投げ入れた。
「……後で様子を見に行こうね、ネロちゃん♡」
「♡」
くふっ、と互いに微笑み合う。……お互い碌な事考えてないのがわかる当たり、私とネロちゃんの相性の良さがわかるというものである。
「……んで、シスタは……?」
きょろ、と彼女の姿を探すと、彼女は五体満足ではあるが、いつもよりも悲しげに、ぐすぐす、と泣いていた。
「……逃げられちゃいましたぁ……!」
……まぁ、そんなことだろうな、とは思っていたけど。
「だから、警戒しなさいって言ったのにぃ。……う~ん……できればパンタノペスカの身柄は押さえておきたかったんだけどなぁ」
「……そんなこと言うなら、女王様が戦えばよかったじゃないですかぁ!?」
「……そうすると、あなたの相手が、イミタシオよ? 勝てる?」
「……うぅっ!? じ、じゃあ、ネロ様ではぁ……?」
「あんな歩く有害図書みたいな相手とネロちゃんを戦わせるわけないでしょ!? ついでに言えば、ラブポーション#13とか、えろえろにするイミタシオも不可っ!!」
……これらの事情と相性も踏まえて、それぞれが戦った相手にぶつかったのだ。
パンタノペスカの相手をしたら、十中八九、なんやかやエロい目に遭いそうだし、そうじゃなくても、ヤツの創作意欲を掻き立てかねないから、汚れてもいいシスタギガントにやらせたのである!
暗黒真化してロリ化してようが、彼女は立派な成人女性ですからね! 同様にイミタシオにどんだけえっちぃことしても、あれも成人女性だからセーフ!
「……ま、パンタノペスカに逃げられたのは痛いけど。彼女一人なら然したる脅威ではないし。それに規定の魔力も吸収できた。シオちゃんズもイミタシオとベルゼルガを捕獲したから、事実上の壊滅……上々の首尾といったところね」
「……~っ」
ネロちゃんは私の腕に抱き着いて、若干不満気にしているが……「まだ遊び足りなぁい♡」と言ったところだろうか。どうやら暗黒真化した力をもっと使ってみたいらしい。
……とは言え、次に彼女が遊ぶまでにはまだ時間がある。
(……機嫌はとっておかないとなぁ……)
……ちゅ♡
「……ネロちゃんは、これで少し我慢してね?」
「♡♡♡」
ネロちゃんの機嫌は急上昇した! ほっぺにちゅ~くらいでこれなら安いものだろう。
「あ~!? ネロ様、ずるいですぅ!? 女王様、私にはぁ……?」
……何故かシスタが物欲しげな目で私に迫ってくるが……。
「……あなたと私はそんな関係ではないでしょう? この駄肉っ!!」
何か目の前で、たゆんたゆん、ぷるんぷるんしている双丘にイラッとしたので、ぐにぐに、と揉みしだいておく。
「……んぁん、んっ♡ しゅごい、ご褒美ですぅ……っ♡」
……シスタは何故か喘ぎ声を上げて悦んだ!
(……さぁて、これが本気か、演技かはわからんけど……)
「……っ☆」
面白そう、とばかりにネロちゃんが参戦する! ぷよん、ぷよん、と下から持ち上げてその重量を楽しんだり、つんつん、してその弾力を楽しんだり、ぱふぱふ、と顔を押し付けてみたりと……う~ん……実にフリーダム!!
「……はぅ……♡ ネロさまぁ……♡ 好き勝手ぇ、……っ、遊ばないで、っん、くっ……♡ く、くださぁい、……っ♡」
私は顔を僅かに蕩けさせているシスタの姿を見ながら……。
(……さぁ、どう出る、クリーチャーども? 勝負は私の頭が一つ抜けたぞ?)
……黒幕たちの次の動きを考えていた。