ありがとうございます。
思っていたよりも感想もたくさん頂けており、嬉しいです!
気まぐれ更新と言いつつ、なんだかんだと毎日更新がんばってよかったなー。
ペースがどれくらい続くかは分かりませんが、できるだけがんばります!
本話からちょこちょこえちぃシーンがまた入りますw
「……おや? シオちゃんズでしたか」
闇色の門を潜ったマジアベーゼたちを待ち受けていたのは『シオちゃんズ』だ。
エノルミータ壊滅を目的に集まった魔法少女である。
顔の半分を覆った仮面。軍服とレオタードを混ぜたような服。小柄な体にその身長ほどもある大きな大剣を持ったイミタシオ。
包帯を巻いたようなドレスと色素の薄い長い髪。血色の鎌を構えたベルゼルガ。
図書館の司書をイメージさせるふんわりとしたドレスと帽子に特徴的なモノクル。手には巨大な本でできた槌を抱えたパンタノペスカ。
常に真化した状態であり彼女たちの戦闘能力は極めて高く、エノルミータから見れば、単純な脅威度はトレスマジアより上だ。
しかし、エノルミータとシオちゃんズの関係性は単純な敵味方とは言い難い。
マジアベーゼとイミタシオ……柊うてなと田中みち子はある種の共犯関係にあるからだ。
かつて、エノルミータの幹部のロードエノルメとして活動していた田中は、ロード団を結成し、エノルミータから離反。その後、マジアベーゼたちに鎮圧されるも、紆余曲折あり、現在、魔法少女イミタシオとなっている。
イミタシオとしては、絶対に世間に知られてはならない事柄である。その一方で、ベーゼたちの正体を知っている、というイニシアチブも存在している。
認識阻害は看破されれば、その効力を失う。故に、互いに正体を見知っているというのは致命的な弱点であると同時、互いに踏み込んではならない領域である。
そのため、個人の感情はともかくとして、うてなも田中も、悪の組織のマジアベーゼと魔法少女イミタシオとして対峙するという密約が存在していた。
そして、現状、シオちゃんズはエノルミータ壊滅を目標に掲げているものの、トレスマジアと異なり、本気でエノルミータを壊滅させる気はない。
何故なら、そうしてしまえば、彼女たちの活躍の場がなくなってしまうからだ。そして、それは逆も同じ。故に、互いが互いを生かさず殺さず、しかし、真っ当に戦い合うのである。
(……このタイミングは、彼女たちもマジアアトラが気になる、ということですか)
現状、マジアアトラは正体不明であり、その目的も不明だ。
シオちゃんズとしても面通しは必要であろうし、可能であれば、彼女が何者で何を目的としているのか探りを入れたいというのは仕方のないことであろう。
「悪の組織、エノルミータ! 今日こそ倒してやるの☆」
笑顔でそう告げるイミタシオには、過去の復讐に囚われた様子はなく、魔法少女然としている。
(……彼女であれば、私なんかより的確にマジアアトラを分析できるかも?)
かつてはエノルミータを率いていた彼女は、結果、いいように使われていただけにも見えるが、謀略や分析については、真面目にやっていた分ベーゼよりも上だろう。……ネーミングセンスは終わっているが。
何より、魔法少女側の視点で分析したマジアアトラの情報が得られるなら、ベーゼとしても欲しい。イミタシオが情報交換に応じてくれるか微妙な線ではあるが、彼女が危険と判断するなら、ある程度こちらに情報を流しもするだろう。
ベーゼとしては、魔法少女に対してフェアではありたいと思うものの、裏で大きな陰謀が動いている可能性もある。裏道を使うようで、気を咎めるが、背に腹は変えられない。
「……イミタシオは私が。レオちゃん、パンタノペスカを。アリスちゃんはベルゼルガをお願いしてもいいですか?」
ベーゼの指示で、レオパルトはパンタノペスカに襲い掛かる。
「おらぁ! 死にさらせ、エロメガネぇぇぇぇ!!」
……どうやら、以前に彼女の能力で、マジアベーゼ×マジアアズールのLIVE中継をしていたことをまだ根に持っていたらしい。とても殺意が高かった。
「ちょっ!? レオパルトさま、本気で殺す気でして!?」
直接戦闘があまり得意ではないパンタノペスカは、レオパルトの接近を嫌って、土人形を盾にしながら、距離を取っていく。
「……」
ネロアリスが一歩前に出て、ベルゼルガに対峙すると、ベルゼルガはちょっと困惑気味であった。しかし、アリスがぬいぐるみを動かし始めると、ベルゼルガも少し笑みを浮かべて、鎌を持ち直した。
アリスとベルゼルガは意外に仲もいいし、ベルゼルガがいくらイミタシオ以外比較的どうでもいいと考えていても、アリス程小さな相手には一応躊躇してしまったらしい。アリスから攻撃を始めたことで、一緒に遊ぼう、程度の気持ちにはなったようだ。
「……それでは、私たちも楽しみましょうか、イミタシオ?」
「いい度胸なの、マジアベーゼ☆」
ベーゼは
イミタシオの能力はある種の毒物を生成する。よって、近づけたくはない。
……しかし、戦闘経験という意味では、イミタシオはこの場の誰よりも経験豊富だった。
イミタシオは大剣でメナスヴァルナーを切り落としながら、着実にベーゼに向かって前進し始める。
……だが、これは、ベーゼにとってもイミタシオにとっても既定路線。
ベーゼがイミタシオの瞳を凝視すれば、楽しそうな色の中に、さぁ、ここからどうする、との問いが込められる。
これがマジアアトラを呼ぶためというなら、いずれかの時点で、シオちゃんズには苦境に陥ってもらう必要がある……ただし、あまり不自然にならないように。
しかし、それは、ベーゼにとってはこれまで見せていなかった隠し玉を見せることにもなりかねないので、本来あまり使いたくはないが……。
(……已むを得ませんね)
「
いずれにしろ、イミタシオ相手では、真化前の状態で戦い続けることは困難。ある程度であれば、知恵を絞り、策を練り、連携をとれば、対応はできなくはないが、一対一なら話は別。
真化には真化で対応するしかない。
夜蜘蛛の帳、その姿へと変じたベーゼは魔力で編んだ糸を蜘蛛の巣のように張り巡らせる。『マリスネスト』と名付けたベーゼの技の一つである。
しかし、これはイミタシオは見たことがある。迂闊に近寄れば、その糸に絡めとられて動けなくなる。故に、距離を取ろうとするが……。
「……よく見なきゃダメじゃないですか、イミタシオ♡」
ベーゼはその動きを読み、イミタシオが下がった先には、既に『マリスネスト』が仕掛けられていた。
イミタシオは少しでも動ける内に反撃しようとする。
「ラブポーション#13!」
触れれば、暴力的なまでの快楽の虜となるイミタシオの魔法は、しかし、数瞬早くベーゼの糸で遮られる。
中途半端では危険、と判断したベーゼは、更に糸を絡ませ、反撃ができないほどにイミタシオを拘束し、やがて、イミタシオは、お尻と突き出すような形で縛り上げられた。
そんな小さなお尻を満足そうに眺めたベーゼはゆっくりとそのお尻を撫でていく。
「ひぃあっ……お尻はぁ……お尻はやめっ!?」
イミタシオの言葉の途中、ぱぁん、とベーゼがイミタシオのお尻を大きくたたいた。
「あ、あ、ああぁぁぁ!?」
おしりぺんぺんにトラウマのあるイミタシオにとって、この攻撃は屈辱以上のダメージがある。
痛さ、気持ち悪さ、恥ずかしさ……そして、その先。認めたくはないが快感もある。
「おやぁ? かわいい白いお尻が赤くなってしまいましたねぇ? ゆっくり撫でてあげましょう♡」
ベーゼの指がまるで労わるようにイミタシオのお尻は撫でていく。
「んっ……んぁ♡ ……やめ、ろぉぉ……♡」
口ではやめろと言いながらも、イミタシオの声は甘くなる。徐々に気分が乗ってきたベーゼは、にたぁ、と大きく口を開き……。
……しかし、頭上から迫ってくる大きな魔力に気づいて、後方に飛びずさった。
きぃぃぃん、という高い音とともに、黒い奔流が落ちてくる。
どがぁぁぁん!
まるで、隕石でも落ちてきたかのような爆音。だが、その震源地では、ベーゼの拘束を断ち切ったらしいイミタシオが横たわっており、
(ふふっ……何とも派手な入場ではないですか、マジアアトラ)
おそらくは『滅殺光線シュトラール』を自分の体に纏わせ、加速しつつ、ベーゼたちが捕捉できないほどの超高度から落ちてきたのだろう。
「……イミタシオ、限界でしょう? そこで寝ていなさい」
「……う……くっ……半分はお前のせいなの……☆」
辛うじてイミタシオが体を起こす。
そうすると、そこには、レオパルトが、髪の毛がアフロ状態になったパンタノペスカをぶん投げ、ベルゼルガは肩で息をしながら、後退してきた。
「……シ、シオちゃん、大丈夫?」
「大丈夫なの、ベルゼルガ☆ それよりも……」
イミタシオはふらつく体で大剣をベーゼに向ける。
「私もまだ行けるの☆ マジアベーゼ、覚悟はできてるの?」
その言葉から察するに、アトラと連携をとるつもりらしい。
アトラは嫌そうな顔をしているが。
「……正直、邪魔なのですが」
「アナタだけでは無理なの☆ わかるでしょう?」
む、とアトラの顔が少しだけ硬直した。