悪の女幹部にあこがれて   作:MIA

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微エロ注意


22 巣の中のマジアアトラ

「……あぁ……♡ いいっ……♡ とっても、良い格好ですよ、マジアアトラ♡」

 

 マジアベーゼは、いい感じに縛り上げたマジアアトラを芸術品でも眺めるかのように、うっとりした表情で見つめている。

 

 アトラはやや幼めな体付きではあるが、年の頃は自分たちと同じくらいに見える。

 

 少女らしい柔らかさが少なく見える、薄く華奢な体。

 しかし、骨ばっているのかと言うとそうでもなく、絶妙なバランスで肉が乗っている。

 筋肉質というわけではないが、必要十分な運動能力を秘めている野鳥のような美しさであった。

 

 ベーゼは、ぺろ、大きく舌を動かして、唇から零れそうになる自分の涎を舐めとる。

 

 羞恥のせいか、桜色に色づいた肌。

 たれ目で迫力はないが、こちらを睨んでくる瞳。

 か細く漏れる吐息。

 

(……なんて……なんて、なんてなんてなぁぁんておいしそうなんでしょう!?)

 

 ぱっと見ただけでは、アトラに色気なんて感じない。

 

 マジアアズールのように起伏に富んだ虐め甲斐のある体でもなく。

 マジアサルファのように気が強く屈服させたい感じでもなく。

 マジアマゼンタのようにその純真さを汚したくなるようでもない。

 

 だから、本来、彼女に魅力を感じるわけがない。

 

 だが。しかし。

 

 アトラには彼女たちにはない危うさがあった。

 

 わずかに顔を見せた、年相応の……いや、それより幼い素の彼女。

 かわいそうと感じてしまうほどの細さ。

 その内面はともかく、清楚に見えてしまう黒く艶のある髪。

 触れてしまうこと自体がいけないことに思えてしまう小さな胸。

 

 それぞれが、絶妙なバランスで、今、この瞬間しか感じられないような美しさ。

 

 ……そう、花咲く前のつぼみを手折るような悪戯心と罪悪感を刺激する。

 

 ……端的に言うと、めっちゃエロい。それに、イケナイことをしてる感がまた……♡

 

「……んくっ……ふぅっ……!」

 

 苦悶の吐息を漏らすアトラの目には、薄っすらと涙が浮かんでいる。

 

(……あぁ……どうして? どうして、こんなに虐めたくなるの?)

 

 常であれば、強者であるように振舞っている彼女が、今は気丈に涙を堪え、苦痛に耐え……しかし、抗えない快感に震えている。

 

「ふふっ♡」

 

 ぴん、と糸を弾く。

 

「んぁぁぁぁ!? ……はぅ……はぁ……♡」

 

 ふっ、ふっ、と短い息を吐いて、アトラが快感に耐えようとしている。

 

「……こ・こ♡ ……気持ちいいですよねぇ?」

「んぃぃっ♡」

 

 今度は股の間に張ってある糸を、くぃ、くぃ、と引っ張る。アトラの体はまるでそういうおもちゃのように、がく、がく、と体を震わせる。

 

 ……つーっ、と糸に粘っこい液体が伝い落ちて、長く、糸を引きながら、ぴちょ、と地面を濡らす。

 

「……おやおや♡ 体は正直ですね、マジアアトラ?」

 

 くすくす、とベーゼは楽しそうに笑う。

 

「…………ん……ぅ……♡」

 

 恥ずかしそうに顔を赤くしながらも、アトラの瞳は折れていない。

 

 反撃ができないように拘束こそしているものの、やはりアトラは危険だ。

 

 左手で魔法を分解、解析、吸収し、右手で再構築、放出。

 

 一応、そのように当たりはつけているものの、それが本当かどうかなどアトラ以外にはわからない。

 

 前回がそうであったように、油断してうっかり近寄ろうものなら、こちらの魔力を吸い尽くしにきてもおかしくない。

 

 ……しかし、だからこそ、ベーゼは無防備に近寄って、その肌に触れる。

 

 足に絡みついた糸を辿り、肉に食い込んでいる部分の谷間に指を這わせる。ふる、とアトラが僅かに身を捩った。

 

「……ふふっ♡」

 

 焦らすように、徐々に指の位置を上に持っていく。太もも内側をゆっくりと撫でた。

 ぴちゃ、と指が水音を立てる。

 

「……お辛そうですね、こんなに汗をかいて」

 

 よく見れば、アトラの衣服は汗で透けていた。必死で体の自由を取り戻そうとしているのだろう。

 

「……ふっ……ぅ……!」

 

 ぎり、ぎり、と糸が音を上げる。しかし、いくらアトラが力を入れようとそう単純に切れるような作りにはなっていない。

 

「……無駄ですよぉ、マジアアトラ♡ あなたの力程度で千切れるようにはできていませんから……」

 

 くふ、とベーゼは笑いながら、指を更に上へ……そして、途中で気づく。汗ではない別の液体が、ふとももまでびっちょりと濡らしていることに。

 

「……う~ん? マジアアトラ、これは何ですかねぇ♡」

 

 ベーゼはアトラに見せつけるように、自分の指を彼女の眼前に掲げ、親指と人差し指をくっ付けた後、ゆっくりと開いていく。

 

 にちゃ、と粘度の高い液体が二つの指の間に橋を架けた。

 

「……っ」

 

 アトラが恥ずかしそうに顔を伏せた。

 

 アトラのそんな様子に気を良くしたベーゼは、見せつけるようにしていたその指を今度は自らの口元に近づけ、すん、と軽く匂いを嗅いだ後、口を大きく開いた。

 

「……あ~ん♡ ……ちゅ、ちゅぅ、ちゅる……♡ とぉってもえっちな味がしますねぇ♡ ねぇ、マジアアトラ、これは何ですか?」

 

 指を舌で舐ってアトラから出た液体を丹念に味わう。ぬる、とした感触とわずかな塩気。

 口から指を抜くと、上唇についたそれを、ぺろ、と舌で拭い取る。

 

「……答えられませんか? まさか、知らないなんていうことはないでしょう? 大勢に見られているというのに、こんなにしてしまうなんて……イケナイ子ですねぇ♡ イケナイ子には、ちゃぁんとお仕置きをしないと♡」

 

 ベーゼが、くすくす、と楽しそうな笑みを浮かべながら、鞭を取り出して、その柄を下腹部に向けてそれを近づけて……。

 

「…………同感です」

 

 にぃ、と笑みを浮かべたマジアアトラがそう呟いた。

 

(来るっ!!)

 

 絶対に何か仕掛けてくる。

 ベーゼはそう信じていた。

 

 どんな苦境にあったとしても。絶望的な状態であったとしても。

 アトラは強者でなければならない。彼女がそう決め、そう演じたから。

 

 ばち、ばちぃ、とアトラの体に黒い電が迸り……。

 

「『黒霆』!」

 

 黒く激しい雷撃が、アトラの右手から放出され、自らの体ごと飲み込んでいく。

 

 更にその雷撃は、マリスネストを食い尽すように走っていく。それに気づいたベーゼはいち早く、自分の体に繋がっている糸を放棄する。

 

(自分へのダメージなどお構いなしですか!?)

 

 以前もそうだったが、彼女はその辺り全く考慮している様子がない。

 

「……ま、マジア、アトラ……貴様、周りを巻き込むな、なの……☆」

 

 ……今回はイミタシオも巻き込まれているが。

 

 しかし、これでイミタシオの拘束も解けている。

 体が痺れているらしい、イミタシオはすぐに戦闘へ参加できる状態ではないのが救いか。

 

 そして、問題はもう一つ。

 

(……マリスネストは最終的に吸収されましたね。魔法の効果、とも言えるのかもしれませんが、左手でしか吸収できない、というのは、やはりブラフである可能性が高い)

 

 右手での再構築、というのも当然怪しい。

 

 ……もっとも、彼女のことだ。少しずつ、力に慣れている、という演出をするために、いきなりこの制限を外す、ということはしないだろうが。

 

 ベーゼは黒い翼を広げたアトラを睨む。

 

 服が全て焼け落ち、裸のままの彼女の素肌は、ところどころ、黒く煤けていた。

 自分へのダメージも相当なものであるだろうに、彼女はまったく臆した様子がない。

 

「……ふむ」

 

 アトラは、ちら、と周りを見回すと、一対の翼で体を覆うと、ぱぁ、という黒い光とともに、自分の衣服を復元させた。

 

(……魔力も回復している? とすると、あの翼は外付けの魔力電池のようなもの? 常時展開していないのには、何か理由が……?)

 

「さぁ……お仕置きの時間です、マジアベーゼ!」

 

 アトラの掲げた右手に黒い放電が始まり、ベーゼに向かって振り下ろす。

 

「『黒霆』!」

 

 かっ、と黒い光がベーゼの目を焼く。

 

(……直撃はマズい!)

 

 刹那の瞬間にそう判断していたベーゼは、アトラの魔法に向かって魔力の糸を飛ばし、片側を地面に接着させる。

 

 即席の避雷針。

 

 ずがぁぁん、という音とともに、落雷が地面を抉り、爆風が周囲を薙ぐ。

 

「……くっ、ああぁぁぁ!?」

 

 雷の誘導に成功し、直撃こそ免れたが、側撃雷から逃れることはできず、ベーゼは電撃と爆風により、地面を転がった。

 

 ふわり、とベーゼの側に着地したアトラが、ベーゼを見下ろす。

 

「……味合わせてください、あなたを」

 

 うっとりとした瞳のアトラが、ベーゼに向かって手を伸ばした。

 

 

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