悪の女幹部にあこがれて   作:MIA

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50,000UA 突破しました。ありがとうございます!
フィナーレまでもう少しお付き合いいただければ幸いです。


44 作戦成功!

「……あ、私にはどうかお構いなく……どうぞ続けてください♡」

 

 マジアベーゼ×うてな

 

 何だコレ!? 最高か!?

 

 遠目で見たときは、おねぇを助けなきゃ、と思ったけど、推しと好きな人が絡んでる姿からは目が離せないし、もっとピンチになってから助けた方がいいかな、とか下衆なことも考えたけど、近寄って見れば、アレは姉じゃないし、じゃあ、放置でいいや、とか思いつつも、本人じゃなくてもえちぃ姿は何か興奮するし、コレの仕組みもとても気になるので、どうやって解析して再構築しようかな、とか考えながら、考察してるだけで、やましい気持ちは何もないですよ!? 無いったら無いですよ!?

 

 でも、このシチュ考えたの一体誰!? 神過ぎる!? さすがの私もコレは思いつかなかった!!

 

 ……くっ! しかし、惜しむらくは、本物の姉はもうちょっとかわいい! ついでに、胸とお尻をちょっと盛り過ぎだ! いや、作った人はサービスのつもりかもしれないけど、そうじゃないんだよ!? おねえちゃんのお胸もお尻もあの感じが丁度いいんだよ!! わっかんないかなぁ!? わっかんねぇだろうなぁ!?

 

 あとは匂い!! おねえちゃんの匂いが無くて、無臭じゃちょっと画竜点睛を欠くよ!! 映像作品ならいいけどさぁ!? ……あ、レオパルトが撮影しているから、後でデータくれないかなぁ?

 

 うーむ……突っ込みたいところは色々あるけど、その着想の斬新さに花丸満点あげちゃうぞ!

 

「……まさか、本当に釣れるとは……」

 

 ベーゼ様はちょっと呆れ顔だが、本能のなせる業か、手はしっかり姉(偽)のいいところを責めている。

 

「……あ、ぁ、ぁん……♡ はぁぅっ……♡」

 

 ……こっちは何か攻められ慣れている感じがして、これはこれで!

 

 姉はどっちかというと攻めのような気もするけれど、攻めっ気ある方がたまに受けるときのかわいらしさってあるよね!

 

「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………ヴォワ・フォルテ!!!!」

 

 すんごい溜息と若干の怒りの混じった音の衝撃。

 

 ロコムジカの仕業というのはすぐに分かったが、完全に油断していた私はもろに食らって吹き飛ばされた。

 

 ……まぁ、魔力の違いのせいか、全然痛くも痒くもないんだけど。

 

 ……いいところを邪魔をされたのは、イラッ、とするなぁ……?

 

 くる、と体を回転させながら、ぎろ、とロコムジカを睨むと、彼女は顔を引き攣らせて、顔色を青くした。

 

「……ちょっ!? レオ、アンタ、コレ、ホントに大丈夫なんでしょうね!?」

 

 わたわた、と私に対して構えるロコムジカ。

 

 ……ちょっと順番が変わってしまうが仕方ない。

 彼女から頂くことにするか、と私は笑みを浮かべ……。

 

「……大丈夫。……もうハマった」

 

 ぽつり、とレオパルトの声が響く。

 その言葉の意味を紐解こうとしながら、着地……と同時。

 

「ぶっ飛べマイン!!」

 

 ……足元で魔力が爆ぜた。

 

 だが、威力は大したことはない。

 これで一体何をしようと……?

 

「……」

 

 吹き飛んだ先、にや、と笑みを浮かべたネロアリスがドールハウスを構えて待ち構えていた!

 

「……あは。一本取られたね」

 

 ……ずぉ、と私はドールハウスの中に引きずりこまれた。

 

◇◆◇

 

「……っし! 計算どおり~!!」

「……!」

 

 いぇい、とレオパルトが両手を上げて、ネロアリスとハイタッチを交わす。

 

「……まさか、こんなに上手くいくとは……」

 

 解せぬ、とマジアベーゼは首を捻った。

 ベーゼにして見れば、マジアアトラが何故あそこまで隙だらけになって、マジアベーゼ×うてなを眺めていたのか、まるで理解できない。百歩譲って、アトラがベーゼに執着しているらしいことを理解したにしてもだ。

 

「でも、これで……!」

 

 ……アトラに打つ手はない。

 

 アリスのドールハウス内は、魔力の霧散と魔法封印が施されている。あの中にいる限り、アトラは『吸収』の能力は使えないし、彼女の膨大な魔力も徐々に消えていくハズだ。

 

「……それは楽観が過ぎるだろう、マジアベーゼ。()()マジアアトラだぞ? 自分の能力が封印されたときのことや貯めた魔力を散らされたときのことを考えていないとは思えん。ここからどうするかを考えるべきだ」

 

 イミタシオの言葉にベーゼは、うーむ、と考える。

 

 アトラが体を乗っ取られていたとき。彼女がただ体を乗っ取られるわけがない、とは思った。実際、そうだったわけだから、どんな打つ手のない状況にあったとしても、彼女が盤面をひっくり返してくることは想定して然るべきではある。

 

 ……しかし、この状況を仮に覆されたのだとしたら、こちら側も本当に打つ手がないのだ。

 

 あの状態のアトラは、エノルミータ、シオちゃんズ、トレスマジアの全員を同時に相手取ったとしても圧倒し得る。中身がアレであれば、それでも勝ち目はあったのだが、本物のアトラが相手では正直手に余る、というのが実際のところだ。

 

「……んなもん、決まってんだろ~? 中に入ってぶん殴る! それしかね~だろ~?」

 

 両手を頭の後ろで組んだレオパルトがごく当たり前のことのようにそう答えた。

 

「レオちゃん!? 危険すぎるよ!?」

 

 ぎょっ、としたベーゼがそう声を上げた。

 

「……止めてくれるなよ、ベーゼちゃん。この作戦はアタシの発案なんだから、最後までアタシがやんよ……それがケジメだからな」

 

 腰に手を当てたレオパルトが、にぃ、と獰猛な笑みを浮かべる。

 

「じ、じゃあ、アリスちゃんに、中の設定を弄ってもらって、レオちゃんは魔法を使えるように……」

 

 しかし、レオパルトは真剣な顔をして、首を振った。

 

「……それはダメだよ、ベーゼちゃん」

「で、でも!!」

「アトラのことだから、設定を変えてる瞬間狙って、アリスのドールハウスごと『吸収』されたって、おかしくない。何なら今のままでも、解析されてるかもしんねーよ?」

「……そ、それは……!」

 

 ……確かにありそうな話ではある。

 そう考えると時間的余裕もさほどのないのかもしれない。

 

 むざむざと危険なところにレオパルトを送り込まなければならない。

 ……ベーゼは唇を噛んだ。

 

「……それに、ひきょーだろ~? 同じ舞台で、堂々と、ガチンコで決めてやんねーと、どうせアイツは納得しねー……なら、アタシがきちんと引導渡してやんよ!」

 

 きひひ、とレオパルトは笑った。

 

「……勝算はあるんだろうな、レオパルト?」

 

 イミタシオが睨み付けるようにしながら、レオパルトを見る。

 

「……逆にアタシ以外適任者がいんのかよ~? まぁ、癪だけど、サルファがいたならアイツでも良かったかもしれないけどな?」

 

 ……しかし、トレスマジアが来る様子はない。

 

 まさか死んではいないだろうが、アトラに敗れた、ということは間違いない、と判断できた。

 

「ベーゼちゃん、近接できる? イミタシオ、その体でガチンコやる? ロコ、お前、ケンカできんの? ルベルだって似たようなもんだろうし、ペスカはそもそも近接無理だし、アリスにはドールハウス維持してもらわなきゃだし……ベルゼルガ、お前、やる?」

「……いい」

 

 レオパルトの言葉にベルゼルガは興味無さそうに首を振った。イミタシオがどうしても、と言うなら、彼女が参戦する可能性はあったが、イミタシオとしてもそこまで推す気はなさそうだ。

 

「……ほら、結局、アタシにお鉢が回ってくることになるだろ? それに……」

「……それに?」

 

 レオパルトの言葉に、ベーゼが小首を傾げて、先を促した。

 

 す~は~、と深呼吸をしたレオパルトが、宙を睨むようにしながら答える。

 

「……たぶん、今、アイツのことを一番理解しているのはアタシだ。アイツを倒して、救えるのはアタシしかいない」

 

 その強い眼差しを見て、ベーゼが、ぽぽっ、と頬を染める。

 

「……レオちゃん……♡」

 

 うる、と目を潤ませたベーゼの顔を見て、レオパルトは確信した。

 

(……惚れ直しただろ、ベーゼちゃん!!)

 

 きり、と顔を引き締めて、レオパルトはこれが無事に終わった未来のことを考え、内心ではだらしなく笑みを浮かべた。

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