まったりだらだら過ごしていたらあっという間にお昼になった。
……今日は暑いので素麺だ。柊家も御多分に漏れず、夏場は素麺が多い……貰い物で余ってるし。
そこはそれ。『え~!? また素麺!?』と言われないように工夫が必要である。
とは言え、今日はまだ初日。
まずは、普通の素麺つゆ。これでスタンダードに味わう。
次にごまだれ。場合によっては、食べるラー油とか足しても良い。
最後にうめだれ。ちょっと酸っぱいがその感じが爽やかで食欲を刺激する。
ネギやミョウガといった薬味を置きつつ、ぶっかけで食べるようのオクラやトマト、わかめ、ツナ、きゅうり、納豆なんかも用意しておく。
「「……ちゅるちゅる」」
二人で思い思いに素麺を食べる。姉は普通の素麺つゆからスタートしたが、私はぶっかけスタイルだ。用意していたものを全部のっけして、うめだれで食べる。野菜も食べれるからヘルシーなんだよ!
……梅のさっぱり感で食べ過ぎてしまうのが難点だけど。
姉はちょっとずつ味わって、最後は私と同じ〆かな?
私は自分の分を食べ終えると、洗い物を始める。
食べるのが遅い姉はまだゆっくり味わって食べているが、酸っぱ! みたいな顔して口を、きゅう、ってすぼめている姿がかわいい♡
……その後、姉も満腹になったのか、食べ終わった食器を持ってくる。
「……つぼみ、午後はどうするの?」
「ん~……? 特には……」
……そういや、こりすちゃんからのお誘いもないな。最近のあの感じだと特攻してくると思ったんだが、こりすママが家族サービスでもするのかしら?
「私、皆とお出かけの予定なんだけど……つぼみも一緒にどう?」
……姉からのそんな誘いは珍しいな。
姉の言う『皆』とは、キウィちゃん、こりすちゃん、ネモちゃん、真珠ちゃんのことだろう。
いつもだと、この四人とお出かけのときは、私を誘うことは少ないんだけどなぁ? 誰かが欠けていれば誘ってくれることもあるんだけど……。
……まぁ、でも、断る理由もないし。
何なら姉とキウィちゃんと一緒にいれるのは嬉しい。
「行く行く! わはぁ♡」
どんな服着ようかな!? 多少露出多めでもいいよね!?
……あ、それよりも!
「……おねぇは服、どうするの?」
「……え? この間のワンピ……」
「あり得ないんだけど!? またおんなじ服とかあり得ないんだけど!?」
……って言うか、私が別の服の姉を見たい!
「真珠ちゃんと服買いに行ったりしたでしょ!? 何で着ないの!?」
「……あ、いや……だって、あれ……おへそ出てるし、足も凄い出てるし……」
しおしお、と姉のあほ毛が萎んだ。
……自信なさ過ぎでしょう、おねえちゃん……。
身内びいきかもしれないが、姉は地味目だけどかわいいよ?
元々私と同じで肉付きがいい方ではないので、華奢な方だが、最近はお胸の成長も著しいし、お尻も結構えちぃ感じにあるし♡
たれ目で、たぬき顔って言われそうだけど十分にかわいらしい顔だし、インドア派のせいか肌もすごく白いしね。
姉に任せると地味な服しか着ないし、買いもしないが、先日、真珠ちゃんが姉に色々買わせたらしい。
真珠ちゃんのセンスは中々だ。姉が絶対に自分では買わないであろう服を、しかし、似合うであろう服を結構強引に買わせたらしい。……えっちぃ下着とかもね♡
外に着ていく勇気はないのか、何度か着ようとして断念しつつ、キウィちゃんと出かけて行った姿を見ている私からしたら……。
……いや、着なよ!? キウィちゃんも絶対きゅんってするよ!?
……っていう思いが募りますよ。
……あ、あと、単純に私が視姦したい♡
「……おねえちゃん♡」
にこ、と私は微笑む。
「な、なに……? つ、つぼみ……その笑顔は……? ……その手は!?」
わきわき、と私は指を動かす!
涙目で姉が後ずさるが、身体能力は私の方が上だ!
「……うひひ♡」
……じゅるり。
「……ひぃぃぃぃん!?」
おねえちゃん……
……にげてもむだだよ♡
◇◆◇
「……ね、ねぇ……やっぱり、コレ……似合ってなくない?」
未だに涙目の姉は、胸やらおへそやらを気にして、更にはスカート丈が気になるようだ。
……普通だと思うけどなぁ?
「……むしろ、真珠ちゃんやキウィちゃんと比べたら露出は少ないよ?」
「で、でも……! こ、こんなの……! 見え……!」
「見えない、見えない。だいじょーぶ、だいじょ~ぶ♡」
……いや、見えるかもだけど。それはそれでサービスですよ?
あと、渋るから一応アンスコも履きましたよね? そのままの白パンでいいのにっ!
「……う~……!」
がるるぅ、と姉が私を威嚇しながら涙目で見てくる。
……うむ。かわいい♡
私が姉の様子をご満悦に見ながら頷いていると、小さな足音が聞こえてきた。
……足音からするとこりすちゃんかな。
……とて、とて。
……ってってってって!
ととととっ! だんっ!!
「うぼぁっ!?」
振り返ったところに、こりすちゃんが私のみぞおち目掛けてダイブ!!
年頃の少女が上げてはいけない声を上げつつ、私は突進してきたお姫様を受け止める!
……本当は勢いを殺しつつ、私が倒れてしまう方が楽だ。
しかしながら、それをしてしまうと、私もこりすちゃんもケガをしてしまうかもしれない。
だからこそ、耐える!
(威力が強いなら衝撃を逃がせばいい! 正面から受けるんじゃなく、エネルギーを反らすんだ!)
右足を引いて、こりすちゃんの脇に両手を入れる。
体はこりすちゃんの衝撃を受け入れて、くる、と回る。そして、それに逆らわずにステップを踏む。
くるくる、と私が回るような形でこりすちゃんを受け止め、勢いが弱まったところで足を止める。
慣性で、ふわり、と浮いたこりすちゃんが、ぽすん、と私の両腕の中に落ちた。
「……こりすちゃん、危ないよ」
「♡」
って言うか、私じゃなかったらケガするね、絶対!
当のご本人は私にお姫様だっこされてご満悦だけども!
「お~……よく受け止めたな、つぼみ~」
……こりすちゃんはキウィちゃんと一緒に来たらしい。
「……見てたなら、ちゃんと止めてね、キウィおねえちゃん」
「わり~、わり~。こりすがお前を見つけるなり、走っ……て……?」
……キウィちゃんが固まった。
まぁ、何故かはわかる。
普段露出少な目の姉が。肩を出していることすら稀な姉が。
肩出し、へそ出し、足出しで!
「……う、うてなちゃん……!」
「あっ……キウィちゃん。や、やっぱり、ヘン……だよね……? き、着替えてこようかな……」
もじもじした姉が、踵を返そうとする……が。
がしっ、とキウィちゃんが姉の肩を掴んだ!
「うてなちゃんうてなちゃんなにそれいつかったのすっごくかわいい! あ、写真撮ろ、写真! いぇい!!」
……うむ。キウィちゃんもお気に召したようで何よりだ。
「……あら? うてな、やっとソレ着たの? せっかく買ったのに全然着ないんだもん」
「……お前らよくそんなカッコできるよな~」
自分の選んだ服を着ている姉を見てご機嫌な真珠ちゃんと、自分はそんなのゴメン、とばかりに、うぇ~、と舌を出したネモちゃんが登場した。