仮面ライダーレイバ   作:夢野飛羽真

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第2話【衝撃】どうやらとんでもないことに巻き込まれたみたいです。

「で、とりあえず聞きたいんだけど、お前とかあのペガサス怪人の正体ってなんなんだ?」

 

温泉街付近の森に移動してきた龍生とキリンジ。

人があまり踏み入れない地にやって来ると、早速龍生はキリンジに彼らの正体に関して問いかけた。

 

「まあ、龍生達の世界の言葉で言えば宇宙人ってのが1番分かりやすいだろ。」

 

「宇宙人…?ってことは他の星から来たってことか?」

 

「ああ、俺とアイツらの出身は惑星レインってとこだ。」

 

キリンジとぺガスノイドが宇宙人であるという事実に驚きの表情を見せる龍生に対し、キリンジは自身の出自に関しての話を続ける。

 

「惑星レインってのはまあ、分かりやすく言えば機械の星だ。この地球とは違って自然とか植物とかそう言った部類のモンが存在しない星だ。」

 

キリンジは地球に来る前に、ある程度この星のことを予習していた。

それによって目の前にいる龍生に適切な言葉で自分達の星とこの星の違いを語ることができている。

 

「確かに、宇宙から来たってことなら喋るバイクとか機械とかは納得できるし…っていうか昔そんな映画あったような気もするし。」

 

宇宙から来た機械生命体と言う設定は海外の映画などでたまに見かける設定だ。

サブカルに関してもよく理解している龍生にとって、キリンジの話は受け入れやすかった。まるでフィクションのような話だが、先程ペガサスの機械怪人と戦い、自分も目の前のバイクと組んで変身し戦ったことからその話を現実であると飲み込むことができた。

 

「それで、その惑星レインってのは機械の星みたいだけど、どんな場所なんだ?」

 

「全てが機械でできている。地面も建物も、そしてそこで暮らす生命体も…惑星レインで暮らしてるのは俺達機械生命体レイスだ。」

 

「それがお前とかドローンみたいな喋る機械とか、さっきの機械の怪人とかか…」

 

「ああ、そうだ。俺達レイスは色んな姿、形をしている。」

 

既に何体もの機械生命体レイスをその目で見ていた龍生は、キリンジの話を理解しながら新たに脳裏に過った疑問を口にする。

 

「それで、その機械生命体レイスがこの地球に何の用で来たんだ?」

 

「俺達が暮らす惑星レインの中心部には、グレイテストコアってのがあったんだ。ここらへんで言えば太陽みたいなもんで、星に熱やエネルギーを供給していた。だが、度重なる戦争や酷使でそのグレイテストコアは寿命を迎えようとしていた。コアが停止すれば俺達は惑星レイスで生きることができなくなる。」

 

「太陽が無くなるって考えたら、確かに星の危機だな…けどなんで地球に?」

 

惑星レインで訪れている危機は、地球や周囲の惑星でも例えられるような事態だった。

太陽がなくなれば地球人も彼らレイスと同じ立場になってしまうだろう。

 

「俺達レイスはその危機を受けて大きく2つに分かれた。他の星を支配して新たな住処にしようとするドミネーターズと、グレイテストコアを復活させて惑星レインそのものを復活させようとするブレイブに…予め言っておくけど俺はブレイブの方だ。ドミネーターズを率いてるベイダーって奴はまあ、最低な奴だ。」

 

「なら良かった。ドミネーターズの方だったら俺達の地球を侵略しようとしてるってことだもんな。」

 

龍生は、自分が手を貸したキリンジのスタンスが分かると、少し安堵の表情を見せる。話を聞く中で、キリンジが侵略者側であれば、それに手を貸してしまったことが後に自身や地球にとって損害を及ぼす可能性があった。

 

「厳密には違う。ドミネーターズがこの星を狙う理由は他に2つほどある。」

 

「そうなのか?」

 

「勿論、支配する地の候補には挙げられてるだろうが、さっきのぺガスノイドが狙ってたのはドミネーターズの目的1の俺の確保だろうな。」

 

「お前、お尋ね者なのか?」

 

対立する陣営の者を追うのはあり得る話ではあるが、遠く離れた星までやってくるのはキリンジがかなりの重要人物なのだろうかと考える。

 

「さっきも使った仮面ライダーレイバの力。あれは俺達の星の秘宝なんだ。それを使ってる俺ってことならまあ、狙われてここまで追われるのも納得だ。」

 

「なるほど…で、ドミネーターズのもう1つの狙いって何なんだ?」

 

仮面ライダーレイバに実際に変身した龍生からすれば、敵がその力を狙いたくなる気持ちも十分に理解できた。

 

「それは、俺がこの地球に来た理由でもある。この地球に俺達の星で生まれた伝説の聖獣達が眠ってるからなんだ。」

 

「レイスの聖獣が…?けど、なんで地球に…」

 

「今から数千年前、レイスで生まれた四聖獣が全宇宙のピンチを救うために大いなる戦いに挑んだ。そして、戦いの末に彼らは自然豊かな星地球で眠りについたって伝説があるんだ。その力があればグレイテストコアを復活させられるかもしれないし、他の星を支配することもできる。」

 

「つまり、どっちの陣営も欲しがってる物が地球にあるんだな…」

 

自分の目の前で巻き起こり、自分自身も巻き込まれた戦いの全容に龍生は驚きつつも理解をする。

 

「だったら、俺もキリンジに協力させてくれないか?」

 

そして、改めてキリンジと共に戦いたいと申し出る。

 

「確かに、レイバの力をあそこまで使いこなせる奴に会うのは難しいから、その協力はありがたい。けど良いのか?危険な戦いになる。長い間家に帰れなくなるかもしれないんだぞ?」

 

「けど、もしドミネーターズが四聖獣の力を奪ったらこの地球が支配されるかもしれないんだろ?それは絶対に嫌だ!俺が愛した景色が、破壊されるのを黙って見てられない!それに、俺は冒険するのが大好きだからな!色んな景色見れるのが楽しみだ!」

 

この星がドミネーターズに支配される。それ即ち龍生が愛し、動画に載せて来た景色などが破壊されてしまうかもしれないということだった。日本の風景や、自身を応援してくれる視聴者を守るために大いなる戦いに挑む覚悟を決めたのだった。

 

「龍生、良い覚悟だな!そこまで言うならよろしく頼むぜ。相棒!」

 

「おう!じゃあ今日は1晩ここで泊まって、明日から行動開始だ!」

 

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その日はまた旅館に泊まり温泉を堪能した龍生は、翌日キリンジに跨り新潟を出て東京方面に向かっていた。高速道路上を走りながら、運転手である龍生とバイク自身であるマシンキリンジは言葉を交わしていた。

 

「なあ、もしかして龍生。俺のこと交通手段として使おうとしてないか?」

 

「一昨日の嵐で大きい道塞がってるし、電車も使えないから仕方ないだろ。」

 

数日前の大嵐が原因で新潟から龍生が住む東京に帰る手段が失われている龍生にとって、キリンジの存在は救いの一手であった。バイクに乗って高速道路を走って帰ることができるようになり、公共交通機関を使うよりは負担はあるがなんとか東京に向かうことができた。

 

「一昨日に嵐が起きてたのか?」

 

「ああ、一昨日の夜に急に大雨降って土砂災害とか起きて、あの温泉街で孤立するところだったんだよ…」

 

「待て、それもしかしたら俺が原因だ。」

 

「どういうことだ?」

 

嵐の原因が自分であると語り出すキリンジに、龍生は少し困惑気味だ。

 

「実は惑星レインから他の星に移動する装置、まあワープ装置のギャラクシーブリッジってのがあるんだけど…たまにバグって到着予定地に嵐を起こすんだ。」

 

「迷惑過ぎるだろ!それ!」

 

「着いた場所も地球の中でもあんま知らない場所だったし、まだまだ改良が必要だ。」

 

「特に嵐が起こる不具合は何とかしてくれ。大迷惑だからな。てことで責任もって東京まで送ってくれ~」

 

「仕方ないな…」

 

キリンジが地球に来る際に発生した嵐によって、龍生は温泉街に取り残されてしまっていた。

そして公共交通機関が使えなくなった都合でその状況が数日続く可能性があったが、キリンジの存在によって長期滞在と言う事態は避けられた。

 

「ところで、四聖獣ってのはどんな奴らなんだ?」

 

「朱雀、青竜、白虎、玄武の4体がいるらしい。」

 

「成る程、四聖獣に麒麟…なんか聞いたことあるな。そういう四聖獣の伝説。アニメとかゲームでもたまに使われてるな…」

 

キリンジが口にした聖獣達の名は龍生ら地球人にも聞き馴染みのあるものであった。

朱雀、青竜、白虎、玄武は中国の伝説上の神獣であり、四神として知られており、アニメなどのフィクション作品でも用いられることがある。龍生も四神のことと、同じく伝説上の生き物である麒麟のことをよく知っていた。

 

「そうそう。4000年前に地球の殷ってとこで俺のご先祖様と四聖獣が戦ったことあるって聞いたぜ。」

 

「ふむふむ。それじゃあその時の話が中国で伝説として今まで伝わって来てたってことか。」

 

殷というと4000年近く前の中国のことであり、その地で嘗て戦ったレイスの四聖獣が今も中国で伝説の生き物として語り継がれていても不思議ではない。そして伝説上の生き物である麒麟と、それに似たマシンキリンジの関係性も自然と結びつく。

 

「てことは、四聖獣の力を手に入れるために俺達中国に行かないといけないのか?」

 

「いいや、実はそうでもない。それなら最初からギャラクシーブリッジで中国に行ってるさ。今ある情報では、四聖獣はこの日本に眠ってるらしい。」

 

「日本に!?」

 

「まあ、なんやかんやで中国から移動して日本で眠りについたらしい。」

 

四聖獣は中国の伝説の生き物ではあるが、現在は日本にいるとのことだ。キリンジがギャラクシーブリッジを使って新潟に来たのも、日本国内で聖獣達を探すためであった。

 

「なら探す手間は少ないし、日本国内は俺の庭だ!色々と詳しいし案内も任せてくれ!」

 

「頼りになるな…頼んだぜ。」

 

旅行動画で日本全国を飛び回っている龍生にとって、国内の地理はよく分かっていた。

龍生の頼もしさを感じつつ、2人はさらに目的地である東京に近付いていく。

 

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『ということで、本日のリュウセイチャンネルは以上です!今回行った宿の情報や電車のチケット情報は概要欄まで!それじゃあまた、次の動画で会おう!ぐっば~い!』

 

ベッドに腰かけテレビ画面を見つめる1人の女性がいた。部屋にはテレビ台とベッドの間にちゃぶ台の様な机があり、他にも生活用品や衣類などを入れる棚や生活に必要最低限な家具がある如何にも1人暮らしの部屋と言う様相だ。ただ彼女の部屋でも特徴的なのは棚の上に幾つかのカメラがあることと、作業用の机の上に大型のディスプレイ2つと高性能キーボードが置いており、それに大型のデスクトップPCが繋がっている。

 

「今日もリュウセイさんの動画面白かったな~」

 

部屋の様子から、部屋内のスマートテレビで動画を見ているその女性も動画配信者であると思われる。青色の瞳と赤いポニーテールの髪型が特徴的で、服の上からでもわかる健康的な体つきの女性は龍生よりも年下と言う印象だ。

 

「私も動画撮りに行かないと。」

 

彼女の名は川村美月。ミツキチャンネルというチャンネルでハ―チューブで活躍している女性だ。

龍生が6年近く動画活動をしているのに対し、彼女は活動を始めて1年目である。内容はバイクを使って旅をするというものであるが、1年目にして登録者数2万人の期待の新人である。

 

「ん?SNSにDMが届いてる?誰からだろう…?」

 

とその時、彼女のスマートフォンからSNSの通知音が鳴る。

女性配信者である彼女は多くのDMが来るため、相互フォローのアカウントからのDMしか受け付けない様になっている。DMが来る場合は他の配信者か企業からのDMであり、美月はDMが来たときは必ずチェックするようにしている。

 

「え、リュウセイさんからDM!?緊急で来て欲しいってどういうこと?」

 

元々リュウセイチャンネルのファンであった美月は、配信者としてのSNSアカウントを始めてすぐに彼のことをフォローしていた。そして活動開始から暫くして龍生から彼女へのフォローが帰って来た。この時にかなり歓喜したことは彼女の記憶の中に色濃く残っており、何度かやり取りをしてはいたがDMで突然呼び出されたのは初めてであった。

 

「一体どういう…確かここは私もよく動画で使ってる…」

 

その呼び出しの内容は、彼女が普段動画で使っている東京都西側の方にある道の駅に来て欲しいというものであった。

 

「まあけど、リュウセイさんからの呼び出しなら行くしかないでしょ!」

 

ちょうど動画撮影に出掛けようとしていた彼女は、用意していた荷物を手に持ち部屋を出て、自身が住むワンルームマンションの駐車場に停めている愛車のSUZUKIマローダー250に乗って件の道の駅まで向かうのであった。

 

「おー!来た来たー!こっちだ~」

 

美月がバイクで走り、しばらくして東京都西部にある道の駅に着くと、既にそこについていた龍生が彼女に向けて大きく手を振っていた。龍生の隣には青色のマシンキリンジが停められていている。

 

「は、初めましてッ…!わ、私…」

 

「知ってるぜ。ミツキチャンネルのミツキだろ?突然呼び出して悪い!」

 

初めて憧れの人物と対面することに緊張し、美月は上手く言葉が出ないのに対し、龍生は気にする様子もなく笑顔で話し返す。

 

「い、いえ!その…呼び出した理由ってまさか…コラボですか?」

 

「いやーコラボって訳じゃないんだどさ、ちょっとバイクについて色々と教えて欲しいなって思って。」

 

龍生がここに彼女を呼び出した要件は、バイクに関する事であった。

龍生は免許こそ持ってはいるが、配信者になってからは乗る機会はほぼなかった。

今後キリンジを運用していくにあたって少し不安があるので人に聞く事にした。

 

「バイクですか?」

 

「ほら!ミツキってバイク何時も乗ってるじゃん!俺がミツキ知ったのもバイクで四国お遍路の動画きっかけだし!」

 

そこで白羽の矢が立ったのが美月であった。彼女がバイク系の旅行動画を配信していることを龍生は認知していて、美月なら色々と教えてくれるかも知れないと思い連絡を取った。

特にキリンジの出自の件などもあり、相談相手もある程度絞る必要があり、元々自分のファンであった彼女なら問題ないだろうと判断していた。

 

「りゅ、リュウセイさんにそこまで言っていただけるなら…私!頑張ります!困ったことがあったら何でも言ってください!」

 

「ありがとう!それじゃあ早速なんだけど…バイク旅ってどういう道具が必要なんだ?ああ、まずは紹介しよう。これが俺の新しいバイクだ。」

 

「このバイクですか…フムフム、あまり見たことないですね…どこの店で買ったんですか…?」

 

(ま、マズイことになった!)

 

キリンジと同じ姿形のバイクはこの世に存在しない。同じようなタイプのバイクや近い形のものはあるが、麒麟を模した装飾が付いているのは彼だけだ。他の星から来た機械生命体故仕方のない事である。それをどう誤魔化そうかキリンジが焦りつつも考えを巡らせていた。

 

「ああ、これ?旅先で貰ったんだ。なんかバイク改造するのが趣味みたいな人に会って、それで色々あってもらったんだ!」

 

(ナイス~)

 

自分の姿形に関する問題を龍生が上手く誤魔化してくれたことに、キリンジは内心ほっとする。

 

「それで、このタイプのバイクに合うとなると…」

 

キリンジの希望通り、美月は自分の出自の話から動画機材に関する話をしていく。

 

「見つけたぞ!マシンキリンジ!」

 

だがその時。野太い声がキリンジの名前を呼びつける。

 

「アイツは…!」

 

「我が同志、ぺガスノイドの仇を討たせてもらおう!」

 

そこにいたのは昨日龍生達が遭遇したぺガスノイドと同様に、馬の様な頭部を持つ人型の怪人であった。だが、ぺガスノイドとは違い体色は緑色で背中には翼が生えておらず、代わりに頭頂部に1本の角が生えている。右手にはその角を模したランスが握られている。その姿を形容するならユニコーンの怪人という言葉が相応しいだろう。

 

「リュウセイさん…あれは?」

 

「とにかく今は逃げろ!」

 

龍生が美月にこの場から走り去るように叫ぶと同時に、ユニコーンの怪人が連れてきたと思われる全身灰色の鉄の鎧を着た戦闘員達が現れて、その光景を恐れた周囲の人々が逃げるように走り出す。

 

「何が、起きてるんですか…」

 

美月もその場から走って離れ、物陰に隠れながら龍生とユニコーンの怪人を見つめる。

 

「なあ、あの灰色の連中は何なんだ?」

 

「ドミネーターズの下っ端連中だ。確か名前はトループノイドだ。で、あそこの緑色の奴はユニコノイドだ!」

 

「あのバイク、リュウセイさんと喋ってる…」

 

喋るバイクの存在に美月は首を傾げながら身を潜め、その様子を見ている。

 

「なるほどね。昨日に引き続きドミネーターズのお出ましってことか。それじゃあ、やるか!」

 

「おう!」

 

ユニコノイドらを迎撃すると決めた龍生の腰にレイバドライバーが出現する。

 

『ヒーロー!』

 

『ローディング!』

 

ヒーローコアディスクをレイバドライバーに装填すると、龍生は右拳を握って前に突き出してからその拳を自身の頭部付近まで引き寄せてから人差し指と中指を立てる。

 

「変身!」

 

『アップロード!ザ・ヒーローパワー!』

 

そしてベルトのレバーを引くと、龍生とキリンジの身体は仮面ライダーレイバのものへと変化する。

 

「リュウセイさんとバイクが変身した!?」

 

先程まで龍生がいた場所に機械の騎士が立っている現状に、美月は混乱しているがそんなことも露知らずレイバは戦いに挑む。

 

「我が同志の恨み、ここで晴らす!」

 

ユニコノイドがランスを空に向けて突き上げると、トループノイド達がレイバらに襲い掛かる。

 

「さあ、戦闘開始だ!」

 

レイバ専用の2本の剣、レイズブレードを手に持ち迫り来るトループノイド達に向かっていく。

 

「ハァッ…!!」

 

小型のナイフを手に持ち、振り回すトループノイドに対し、レイバはリーチが長いレイズブレードを横薙ぎに振るう。トループノイドのナイフがレイバの身体に達する前に、横薙ぎに振るわれるレイズブレードの刃がトループノイドの腹部や胸部を切り裂く。

 

「エイヤッ!」

 

自身に向かってくるトループノイドのナイフの刃を、レイズブレードで叩き落していく。その動きを左右両方の剣で器用に遂行しながら、間合いに入ったトループノイド達をレイズブレードで切り伏せていく。

 

「どけどけー!!」

 

一方でキリンジの方は自立走行しながら、レイバをサポートするためにトループノイド達にぶつかっていく。

 

「あのバイク、自分で動いてる…」

 

人を乗せていないバイクが自分で走り、戦闘員達を次々と轢いて突き飛ばしていく光景に美月は驚きを隠せず、思わずカメラを向けてその光景を撮影してしまう。彼女の中の動画作成者魂が燃えてしまっている。

 

「雑兵ではダメか!ならこの攻めのユニコノイドが相手してやる!」

 

次々と倒されるトループノイド達を見て、ユニコノイド自身がレイバ達に攻撃を加える。

 

「おっと、こいつはヤバいな。」

 

レイバは突き出されるユニコロイドのランスを後方に飛び退いて回避する。

地面に突きだされたユニコロイドのランスが突き刺さり、アスファルトにひびが入って大きく抉れる。

 

「俺の力!見せてやるぜ!」

 

そのランスを再び引き抜くと、今度は上から下に振り下ろしてレイバに叩き付けようとする。

レイバは2本のブレードを交差させて重い一撃を受け止めると、再び後退する。

 

「まだまだァ!」

 

だが、後退するレイバに対してユニコロイドがさらに追撃をしていく。強化された脚力で地面を蹴ってレイバに迫り、大型のランスを振って攻撃を仕掛けていく。スピードとパワー両方を兼ね備える敵の攻撃を2本のブレードで上手く受け流して防いでいくが、レイバは徐々に防戦一方になっていく。

 

「任せろ!」

 

だが、レイバは1人ではない。周囲の戦闘員達を一通り倒したキリンジがプラズマ砲を放ってユニコロイドを吹き飛ばし、レイバと敵の間に距離ができる。

 

「助かったぜ。キリンジ!」

 

「おう!このまま俺に乗れ!」

 

「分かった!」

 

レイズブレードを鞘に納め、レイバがキリンジに跨りそのハンドルを握る。

 

「そいつに乗ろうと関係ない!この俺の槍を受けてみろ!」

 

大きなランスでレイバ達を貫こうと突き出すユニコロイドにの攻撃を防ごうと、キリンジは後輪を支点にして前輪を上げるウィリーの様な体制になると、後輪を中心に体を振るって突き出されるランスの先を前輪で横方向に殴って弾き攻撃を防ぐ。

 

「パワーでは俺の方が上だろ!」

 

力任せにランスを振るうユニコロイドを、キリンジは自身の車体を振るって攻撃を弾いて防ぐ。

 

「喰らえ!」

 

レイバがキリンジのハンドルを捻ると、エンジン部が唸りマフラーから火を噴きながら前進してユニコロイドに向かっていけば金属製の重量感ある車体が激突して弾き飛ばされた怪人の身体が地面を転がる。金属でできた怪人の身体がアスファルト上を転がり、緑色の装甲は所々黒く汚れてしまう。

 

「このまま逃がすな!」

 

だがここから攻撃の手を緩めるという判断をレイバはしなかった。キリンジのハンドル部を捻り、地面に膝を付いて立ち上がろうとするユニコロイドに突進して再びボディを突き飛ばすと、横向きに停車してプラズマ砲で再び敵を撃つ。

 

「よ、容赦ない…」

 

敵に休む間もなく攻撃を加え続けるレイバの戦いに驚きつつも、美月はその様子をカメラと自身の目に焼き付ける。

 

「貴様らァ!」

 

再び立ち上がってランスを構え、レイバらに突進を繰り出すユニコロイド。

 

「次はこれでどうだ!」

 

レイバは右手にハンドル、左手にレイズブレードを握るとキリンジが敵に向けて走り出す。

 

「喰らえ!」

 

ユニコロイドの眼前で止まったレイバとキリンジに向けて、ユニコーンの角を模したランスを振り下ろすが、レイバはその一撃をレイズブレードで受け止める。重い一撃を受け止めるのにもう1本のレイズブレードも使う必要があるほど、ユニコロイドのパワーは強い。

 

「おお!中々いい腕だ!」

 

「俺の自慢のロボットアームだぜ!」

 

だが、その一撃をレイバは剣一本とそれを持つ左腕で受け止めていた。正しくは、キリンジの後部にあるタンク部分から展開されているロボットアームと共に受け止めている。

 

「それ!」

 

敵の攻撃を自身の左腕と剣一本に加えて、キリンジのロボットアームで受け止めることができている。それによって空いた右手でレイズブレードを鞘から引き抜き、その刃でユニコノイドの腹部を切り裂き火花を散らす。

 

「その武器奪っちゃえ!」

 

前輪を支点にキリンジの車体が回転して後輪部でユニコノイドを殴打しながら、バランスを崩した相手のランスをタンクから伸びるロボットアームが掠め取る。

 

「俺の槍を返せ!」

 

「返す訳ないだろ!」

 

ランスを取り返そうとするユニコロイドに向けてキリンジが突進し、怪人の身体が突き飛ばされて地面を転がる。

 

「このままトドメだ!」

 

「分かった!」

 

『ヒーローパワー!フルバースト!』

 

バイクにまたがった状態でレイバがドライバーのレバーを引くと、ヒーローコアディスクのパワーが解放されてレイズブレードに流れ込む。2本のレイズブレードはキリンジのヘッド部分にある2本の角と重なり、エネルギーを纏う刃と角が前方に突き出される。

 

『ヒーロー!ブレイキングフィニッシュ!』

 

レイバがキリンジのバイクのハンドルを捻り、突き進み始める。キリンジが加速しユニコロイドに達するとともに、エネルギーを纏う2本の刃がユニコロイドに突き刺さり、突進したキリンジとレイバがユニコロイドを貫く。

 

「ここまでか…!」

 

キリンジに跨るレイバの一撃を受けたユニコロイドの胸部には大きな風穴が開き、地面に倒れると共に爆散する。

 

「よし、勝ったな。」

 

「お疲れさん。」

 

敵を倒し終えて、安心した龍生が変身を解除してキリンジから降りる。

 

「リュウセイさん!こ、これは一体どういうことですか!?」

 

素顔を晒す龍生に、この戦いを陰から見ていた美月が驚きの表情を見せながら歩み寄って来る。

 

「え?ミツキ!?さっき逃げてたんじゃ…もしかして戻ってきた?どこから見てた?」

 

「リュウセイさんが変身するところから全部見てました。」

 

「おっと、こりゃまずいぞ…龍生。」

 

自分達が変身して戦っているところを見られてしまった龍生とキリンジは焦りを見せる。特にキリンジからすれば自分達宇宙からの来訪者の存在がバレてしまうことはかなり危険な話だ。

 

「どうする?キリンジ…こういうのって他の人に見られるのは…」

 

「ああ、かなりまずいぞ。」

 

「あ、あの…」

 

この状況をどうしようかと相談する龍生達に、美月はさらに歩み寄って突然頭を下げる。

 

「私、リュウセイさんにずっと憧れてて、何か力になりたいんです。だから私にも、戦いを手伝わせてください!」

 

「え?」

 

もしかしたら彼女に自分達の秘密を暴かれたり、宇宙人の存在を世間に広められたりするのではと焦っていた彼らからすれば予想外の言葉が彼女の口から出た。

 

「なら、良いぞ。」

 

「ええ!?」

 

そして彼女からの申し出に対する龍生の答えもキリンジにとって驚くべきものであった。

 

「俺が戦ってること皆に言うとかだったら焦ったけど、仲間になってくれるってことなら良いじゃん!」

 

「そ、そうだけどよ…」

 

「それに旅は仲間が多い方が良いじゃん!よろしくな!」

 

「はい!」

 

「ちょ、ちょっと…」

 

こうして、龍生の戦いの旅のパーティーに美月が加わった。

と言うより、加わってしまった。

一先ずこの場は警察が来て捜査に時間を取られるだろうと言うことで2人はバイクに乗って家の方に向かうのであった。




マシンキリンジ
CV浪川大輔
容姿
ベースバイクはHonda NT1100
伝説の生き物麒麟に似た龍のような顔がバイクのヘッド部分に付いていて金色の角のようなパーツが前向きに生えている。車体の色は青色で金色のラインが所々に入っている。
キャラ詳細
宇宙より飛来したバイク型レイス。熱血な性格の持ち主。
人間のことが好きで、ドミネーターズの野望を阻止しようとしている。
特殊なコアディスクが搭載されていて、万能なバイクとしてのスペックが兼ね備えられているだけでなく、他者と組むことで自信とその人を強化する力を持つ。
タンク部分からは自身の行動をサポートするロボットアームを展開する。
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