旅させてくれないから家出したわwww 作:ガチャ石は貯めない
────ユウキは、全力で戦った。
チャンピオンサトシとのバトルを、己のポケモンと共に全てをかけて戦った。
───しかし、それでも敵わない時も、まだあるのだ。
「─行け、グライオン!ギガインパクト!!」
──!?警戒しろジュナイパー!!躱せ!!
「逃がすか!そのまま追いかけてシザークロス!!」
──はぁっ!?ジュナイパー!!剣の舞!!
何とか、サトシの策に対応しようとするユウキ。しかし、その程度で倒せる相手ではない。
「そこだ!!」
「ぐらいおー!」
「ジュっ───!?」
剣の舞で回避しようとしたジュナイパーを、的確に捉えてシザークロスを叩き込むグライオン。その一撃で、ジュナイパーは瀕死にまで持っていかれた。
──嘘だろ…!?戻れジュナイパー!……すまない。俺が油断したせいだ。……行け、ガオガエン!!
「よくやったぞグライオン!まだまだ行けるか?」
「ラァイオン!!」
「よし、このまま行くぞ!」
相性が多少不利であっても、今までのユウキなら何とかして来ただろう。
しかし、ここまで連戦であるユウキの集中力は、既に限界になりつつあった。
否……たとえ万全であってもこの結末は変わらないだろう。
「グライオン!?」
「ぐらぁ……」
──いいぞガオガエン!!
「ガゥ!!」
例え、追いついたとしても、ユウキの集中力はどんどんと削れていく。………このアローラ地方のポケモンリーグはその日に四天王からチャンピオン戦まで全てを行われる。
それ故に、どのような場面でも冷静でいられる強靭な精神と、無限にあると思わせるほどのスタミナが必要なのだ。
しかし、それも島めぐりを
────そう、カントージョウトのポケモンリーグに挑む為とはいえ、RTAのような事は、本来はしないのだ。
島めぐりとは、何十日とかけてやる、盛大な儀式のようなものなのだから。
「ガオガエン!!」
──アシレーヌ!!
ユウキは、サトシがガオガエンを繰り出した事で、アシレーヌに交代。
しかし、それでも相打ちに持ち込むことしか出来なかった。
───ユウキのスタミナは、既に尽きていた。
それでも、サトシに食らいついているは
───トレーナーとしての意地であり、ポケモン達と勝ちたい一心で、我武者羅に抗っているのだ。
「決めろピカチュウ!!ボルテッカー!!!」
「ピィカァ──チュゥゥウウウ!!!!」
「決めろガオガエン!!フレアドライブ!!!」
「ガルゥ───ォオオオオオオ!!!」
最後の二体による、最後の一撃がぶつかり合う。その衝撃で、ユウキは吹き飛びそうになるが、必死に踏ん張り、その結末を見届ける……。
「───────」
「──ピィ……ピィ……。」
ドサッ
先に倒れたのは
──……………っ…………………………っっ…………………………ありがとう、ガオガエン。
ユウキの、ガオガエンだった。
チャンピオンサトシVSチャレンジャーユウキのポケモンリーグ最終戦
勝者 チャンピオンサトシ
「やったなーピカチュウ!!」
「ぴっかぁ!!」
──…………。
チャンピオンと、その相棒が笑顔で称えあっている。その様子を見ながら、ユウキはガオガエンをボールに戻した。
──…………………………。
戻した後、声が出せなかった。いや、出すことすらできなかった。
ユウキには、何も聞こえてなかった。目の前も、殆ど真っ白に見えていた。
涙すら流れず、意識がどんどんと、遠くなっていく感覚が強くなっていく。
しかし、それでも───。
──……………ありがとう、お疲れ様。
何とか、動くことすら出来ない体を動かし、手持ちが入っているボール全てに触れて、そう呟いた。
──────まだ、終わっていない。
──………対戦、ありがとう、ございました。
ユウキは、サトシに一礼した。この戦いは、これにて本当の終わりを告げたのだ。
─────ま、だ………
「──ああ!またやろうな!」
「ピィカチュウ!」
サトシは、既に、色々言ったあとだったのだろう。しかし、ユウキには殆ど聞こえてなかった。それでも、サトシの最後の言葉を聞き、ユウキは笑顔で、その部屋を後にした。
────ま、、、だ、、、
ポケモンリーグを出て、ポケモンセンターに向かう途中………。
切れた体力、そして既に限界すら超えて燃やしていた気力は、戦いが終わった瞬間になくなっていた。
それでも、何とか外に出て、ポケモンセンターに向かっていた。ただ無意識に。
ポケモン達を回復させる為に。その身体を酷使しようが構わないと、最後の意地を、燃やして。
そして、
「こんにちは、トレーナーさん!ポケモンを回復させま───ラッキー!!!」
「ラキー!!」
「彼を医務室に!!彼のポケモンも!!」
「ラキ!!」
ポケモンセンターのジョーイさんの元に行き、ポケモンを預けた後………
「………ここまで、事切れるまで、歩いてきたのね。………確か、この子は……。」
その後、レッドたちが駆けつけ、様子が変だと思っていたサトシも駆けつけた。
しかし、ユウキが目覚めることはなかった。
それからしばらくして……レッド、リーフ、グリーン、そしてサトシとピカチュウがユウキの病室に居た。
サトシのピカチュウは、ユウキの近くで丸まって大人しくしていた。
「………。」
「……もしかして、彼は……あの時には、もう……?」
「……あの時?何があったんだ、サトシ。」
「うん。彼とのバトルが終わった後、俺さ、めっちゃくちゃ楽しかったから、色々と話したんだ。」
ーー回想ーー
その時の俺は、めちゃくちゃ興奮しててさ。凄く強くて、すごく楽しかったから、もっとやりたいって思ったぐらいで……。ずっと話しかけてた。
『──凄かったぜ!君と君のポケモンたち!!凄く練り上げられた技ばっかだったし!俺の戦略を何度も超えて来たし!』
『それに、俺のポケモン達とのぶつかり合いに、何度も挑んできては、どんどん強くなっていってた!!俺、めちゃくちゃ驚いたし!めちゃくちゃ楽しかった!!』
『それに、君の戦略も凄かった!!見ていても対処できなかったのがいっぱいあってさ!凄く凄く楽しかった!!』
『なぁ!!またバトルしようぜ!!今度はもっと色んなポケモンで!!それで───』
その後、彼は、ユウキは『ありがとうございました。』って、一礼してきてさ。
俺も、『またやろう!』って言ってさ。その後、ユウキはそのまま帰って行ったんだ。
ーー回想終わりーー
「………けど、その時のユウキは、なんと言うか、登ってきたよりもずっとフラフラしてた。もし、あの時に俺が異変に気がつければ……」
「……………!」
「そうだぜ、サトシ。初対面のやつの様子を、すぐに見抜けって言われても無理だろ。……それに、バトルの後にフラフラになるやつは少なからず居るからな。」
「そうよ。ユウキ、バトル前は元気だったんでしょ?負けてぐったりしてるだけって可能性もあったし、仕方ないわ。」
「………うん。」
その後、サトシとピカチュウは帰って行った。レッドたちは、時間ギリギリまでユウキのそばに居たが、ジョーイさんの言葉に帰らざるおえなくなった。
─────それから、ユウキは一週間ほど眠っていた。
その間に、カントー、ジョウト地方のポケモンリーグが開催されたが、ユウキは参加出来なかった………。
…………悲しいけど、これもまた運命なのでね。
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