二ヶ月経ってこんにちは。
ダークガーリー衣装のアカネちゃん性癖にぶっ刺さったんだけど可愛すぎるでしょ。解釈一致だわ、推せる。元から推してるけど。個人的に二代目もいいですね、普段グッズは仮面ライダーやウルトラマン買ってるせいで金なくて買わないけど買いたいと思ってます。
ところでこの作品で一番悩む部分が出てきました、サブタイトルが難しすぎる! (書いてないけど)フォーゼよりかはマシなんですがね…
案の定、裕太くんたちが聞いてきたのは昨日の事だった。
学校が壊れてたこと、街が壊れていたこと、何より怪獣の存在。
こっちに来る前に他のクラスメイトに聞いたら誰も覚えてなかったらしく、俺に聞いてきたようだ。
『少年、友達居たんだね!』
なんか凄い失礼なこと言われた気がするんだけど。
頼むから俺の頭痛を増やさないでくれ…待て、頭痛増やすってなんだよ。
「ちゃんと覚えてるよ。それで?」
「それでって…」
「いや、明らかにおかしいだろ!? 何も思わないのかよ?」
「なんか知ってる?」
「や、知らないです。知ってたら話すよ…で、ニュースとかには?」
「それもないな…誰も怪獣やグリッドマンを覚えていない」
未だに調べてなかったが、情報を得られた。
残念だが、頭が痛すぎてガチでやばいので考える力は無い。
ひとまず深く掘り下げることは出来ないから聞いて思いついた言葉だけを述べていくしかない。
「世界そのものがリセットされてる……か。パソコンを初期化したように、街も全部元通りになっているのかもね。この場合は、バックアップでの復元って方が正しいかもだけど」
「だから誰も覚えてないってこと?」
「流石に分からないよ、ごめん」
「いや、奏くんは何も悪くないから」
「なんでそんなことになってんの?」
「ネットにも特にないしな……」
大きな声で言えることじゃないからか、他人に聞こえないように距離を少し近づけながら小声で話す。
「もしかしてグリッドマンが元に戻してくれたということ…?」
「…さあ」
「俺は違うと思うけどな」
「じゃあなんで…」
「……さあ?」
俺の中で立てた推察と矛盾するが、俺は六花さんの言葉を否定した。
グリッドマンがやったとしたら、記憶なんて消す必要はない。街の修復はあっても、記憶はそのままであるべきだ。
あくまで個人的見解だけど、怪獣の存在なんて覚えてもらっていた方が良い。じゃなきゃ人間、咄嗟の判断が出来なくなってしまうだろう。
怪獣が出ました。パニックになりました。将棋倒しになって被害増えましただなんて、洒落にならない。
人は未知を恐れる。
怪獣なんて、それこそ未知そのものだ。ウルトラシリーズで何度も恐れられてきたように。
「てかさ、変なんだよ。机の数少なくね?」
「?」
残念ながら言われても分からない。
俺がまともに学校に通ったのは昨日の一日だけだ。そんな机の数や生徒の数なんて覚えない。
何より頭が痛い。本当に、マジで。
「何その怖い話。誰か居ないの?」
「ホントだ……問川とかといこたちの机無くない?」
その言葉に俺は今更気づく。
バレーボールをぶつけられただけあって、流石に記憶には残っている。
本人たちは居ないようだがそう言われたら、ないような気がする。
「六花おはよ〜」
「お、今日も男たち囲ってるし」
「それマジでやめて。それよりさ問川とかといこたちの机ないような気がするんだけど…」
親しげに二人の女子生徒が六花さんに話しかける。
昨日も一緒に居た二人か。マスクを付けている黒髪の女子と明るくお転婆といった感じの茶髪の女子。
誰かは知らないが、その様子から六花さんの友達というのは分かる。
からかうような言葉や声音に優しさがあるからだ。
「トンカワ? トイコ? 誰それ…?」
「誰って、だからバレー部の…」
「うちのクラス、バレー部なんて居ないじゃん」
「誰の話してんの…?」
「……」
こればかりは俺も驚きを隠せない。
怪獣も街も学校もグリッドマンの存在も納得出来る。
あれは日常じゃなく、非日常の出来事だ。
だがこればかりは、どういうことだ?
俺は確かに、昨日昼休みにバレーボールによって鼻をやられたわけだ。このクラスで、この場所で。
割と鼻血が出たことも覚えているし、痛みも覚えている。
周りが騒然となるほどの出来事があったのに、忘れている? それどころか、この言い方じゃまるで…
ああ……ダメだ……。
「どうなってんの…?」
「わっかんねぇ……」
「……頭痛い」
裕太くんも内海くんも分からないといった様子。
俺は考える気がなかったのに考えてしまったせいで酷くなってしまい、今度こそ力尽きた。
「せんせー六花がやばいんだけど!」
「ああ、そう……」
『先生来たよ? って、先生があんなのでいいの!?』
「…さあ」
「いやホントに知らない人の名前連呼してて〜!」
「座れよ」
「えっと…欠席は…”無し“ね……」
もう寝る寸前だったが、やっぱり問川たちの存在は無かったことになっているようだった。
考えたくないことだが…あの怪獣に殺されて、リセットの影響を受けたのかもしれない。
そんなゲームみたいなこと……ある、かな……。
『少年!? 授業始まるよー!?』
やっぱり耐えきれなくて、俺の意識はあっさりと闇に堕ちた。
危うく寝かけた俺ではあったが、幽霊さんの呼び掛けと裕太くんのお陰で目を無理やり覚ました俺は一限目の休み時間にコーヒーを飲んで、何とか頑張った。
それよりも移動教室だ。
眠い、めっちゃ眠い。
「この状況はやばい…放課後グリッドマンに聞いてみよう」
「うん、何か分かるかも」
『ちょ、ちょっと大丈夫?足取りがおぼついていないよ?』
裕太くんの後ろでふらふらしながら歩いていると、幽霊さんが心配してくる。
その心配は嬉しいが、ただの寝不足だ。問題ない。
「ちょっと、今日お店休みなんですけど」
「えーじゃあ開けてよ」
「…今日予定あるんだけど」
「この状況で危機感無さすぎでしょ。おかしいと思わないですか〜」
「いや思いますけども…ええ〜」
「待て待て、確かに状況は状況だけど、プライベートを潰してまで決める権利は俺たちにないだろ…何より今日は勘弁してくれ、俺がヤバい」
あまりに強引な言い方に、理由は納得出来るがどうかと思った俺は止めに入った。
もちろん、今の自分が考える力がないから今日はやめて欲しいという理由もある。
さらに情報増えてみろ、パンクするぞ。
「いや、けどなあ。こういうのは早めに行動した方がいいというか、何かが起きてからじゃ遅いだろ?」
「別に今日でも明日でも、一日くらいは変わらないんじゃないか。第一、俺たちが何かを知ったって出来るわけじゃない。”グリッドマン“になれるのは裕太くんだけだからな。怪獣が出るようなことがあれば開けてもらえばいいだろ?」
流石に正体を大きい声で言うわけにはいかないので、最後の部分だけは潜めて言う。
こういうのはバレたら命を狙われるかもしれない。黒幕が人ではない、だなんて可能性は無いし。
それにこれも事実。
元凶を知ったところで、何かが起きてると知ったところで、俺たちは何も出来ない。
やれるのはグリッドマンと裕太くんだけだ。
「それはそうだけど……」
「ま、まぁまぁ…奏くん体調悪そうだし、今日はやめた方がいいかもしれないよ…ほら、また倒れたりしたら大変だし昨日の件もあるから無茶はさせない方が……」
「……あー、分かった。分かったよ、明日からならいいってことだよな?」
「その辺は俺は決めれないというか…六花さん、譲歩できるかな」
引き下がる様子がなかった内海くんだが、裕太くんが援護してくれたので今日のところは避けることが出来た。
もしかしたら昨日の件で罪悪感とか感じてたりするのかもしれない。あれは俺のせいだから関係ないぞ、裕太くん。
でもありがとう。
ただこれ以上交渉は無理そうなので、六花さんにそのことを聞く。
これで断られたらもうどうしようもない。多分内海くんはあれこれ言って交渉するだろう。
「えー……まあ…それなら……」
『おぉ、少年は交渉上手だね〜自分の状態まで利用するなんて恐れ入ったよ!』
渋々ではあるが、交渉は上手くいったようだ。
しかし状態を利用するって…まるで手段を選ばないと思ってるのだろうか。
これに関しては偶然だし、裕太くんの援護射撃がなければまず無理だったと思う。
そこまで考えてなかったからな。
「…って、ちょっと待って。もしかして
「おお、それはそうだろ? グリッドマン同盟の秘密基地だしな!」
「何、グリッドマン同盟って---きもちわるっ」
「はぁあ!? 気持ち悪くは無いだろ!」
「うお、叫ぶなよ…頭痛くなる…」
「大丈夫?」
『大丈夫?』
いつの間にか毎日行くようになってることやいつグリッドマン同盟になったのか疑問には感じだが、頭が痛くなってそれどころではなかった。
まともに心配してくれる裕太くんと幽霊さんには感謝しとこう。
あれから四限目までうつらうつらしていたが、移動教室ではないときの休み時間を睡眠…というより目を瞑ってただけなのだが、それで頑張った。
もし裕太くんが途中で肩を揺らしてくれなければ寝ていただろう。居てくれてよかったと思う。
ただでさえ記憶が無いんだ。学校の授業を受けねば、俺は記憶を取り戻したところで高校一年生を再び一からやり直すことになってしまう。
つまるところ、留年である。そんなの嫌に決まっている。
皆が進級して一人だけ後輩の中に先輩が混じるだなんてぼっちが加速するだろう。
こればかりは記憶喪失を言い訳に出来ない。嫌でも勉強はする必要がある。
休みの日は、図書館行かないとな…。
それは休日に考えるとして、今は昼食時だ。
教室を出たところまではよかったのだが、気づいてしまった。
購買部って何処だろうか。
残念ながら裕太くんも内海くんも教室にいなかったのだ。多分俺が授業終わって少しダウンしてる間に行ったのだろう。
体調悪いのは知ってるだろうし、気を遣ってくれたのかも。
『少年早く〜。声掛けてくれたのに、寝るからだよ! もう!』
「寝てない。意識が途切れて目を瞑ってただけだ」
『それを寝てるっていうの! お腹空いたよぉ…』
「それに関しては同感だな」
昼時となると、腹は減ってくる。
しかも俺は弁当を持ってきていないのだ。移動教室の際はついて行けばよかったが、まだ学校二日目で全く覚えてないのに購買部の場所を把握しろってのは無茶だ。
まず色んなことが起きすぎなのが悪いと思う。
とにかく購買部なら騒がしいはずだ。
騒がしいところを目当てに歩くことにすると、少しずつ騒がしい声が聞こえてくる。
『おー、ここだね。はー…普通!』
「…失礼すぎないか?」
普通の何が悪いんだ。
見た感じ汚れてるわけでも妙に豪華そうなわけでもない。
学校の購買なんてこんなものだろう。まず普通が一番いいに決まっている。
もし購買が煌びやかなら買う気は失せるし、庶民が買えるのがなさそうだ。
それよりも人が多い。
『私見てこよーっと』
「………」
ふわふわ、と浮遊して人混みを飛んでいく幽霊さんの姿。
なんだろう、ちょっと羨ましいと思ってしまった。
俺は俺で頑張って前に行くしかないか。
まさかここで体を張る必要があるとは。
自身の身体能力が高いことを願って俺はパンを買うために人混みの中に突撃していく。
物凄く体が重く感じる。
余計な体力を消費してしまったせいで体調がより酷くなった気もするが、俺は入手したパンを持ちながらその辺を彷徨く。
『どこで食べるの? はっ!? まさか少年、便所飯というやつを---』
「いやそれはしないから。虐められてはないし…多分、きっと。なんか話しかけられないだけだ」
『私は嫌いにならないからね……』
何故か可哀想なものを見る目で同情されてしまった。
そこまで気にしてないが、裕太くんは話しかけられてたのに俺は避けられてるんだよな。何故だ、同じ記憶喪失のはずなのに。
『少年の髪色目立つしね〜染めてる? あっ、瞳は綺麗だと思うよ』
「小さい頃からそうだったみたいだし恐らく地毛だよ。瞳は…なんだろうな」
言われて思い出すが、俺みたいな人物は居ない。だいたいの人の目は青で、他には黄色とかだった気がする。
なのにも関わらず、これもまた俺は元から翠色である。何か言われたことはないが、もしかしてこれのせい?
確かに他の人たちと違うのはおかしいもので、関わりづらいのかも…いやもう一人違う人が居たか。
俺の目の前にいる幽霊さんは、新条さんと同じ赤い目だ。
初めて見たとき、既視感を感じたのもそれが理由だろうか。彼女はどこか
しかしそもそもカラーコンタクトが存在するのだから、目の色など気にする必要はないだろう。
『私は好きだよ、その眼!』
「…そうか」
『あ、照れた? 照れてるー?』
「……照れてない」
『え〜? ちょっと顔赤いよ〜?』
「照れてないし赤くもなってない。太陽のせいだ」
『ふふふーそういうことにしとこうかなー? 可愛いなぁ、もう!』
出会ってそんなに経っていないが、この幽霊さんは美少女だ。
そんな人物に褒められて嫌な男は、悔しいが居ないと思う。
目の色なんて自分で気にしたことは…少なくとも記憶がなくなってからはないし、この目のことを真っ直ぐに好きだと言われたこともない。
もしかして俺って女性に対する耐性低いんじゃないだろうか、とふと思った。
あの時だって、新条さんに耳元で囁かれて---忘れよう。熱くなってきた。
それよりも飯だ飯。教室でぼっち飯は嫌だし、トイレは論外。
屋上…は無理でも、その手前とか大丈夫かな。
階段を登ってみると、屋上は閉まってある。
施錠は…されているか。
仕方がない、戻ってたら時間なくなるし今日ここで食べよう。明日からはどうするか考えるか。
正直ぼっち飯は我慢出来るが、教室で食べて幽霊さんに声を掛けてしまえば俺は十中八九痛いやつ認定されてしまう。ただでさえ避けられてるのにこれ以上はまずい。居場所がなくなる。
「今日はここにするか」
『はーい。少年は優しいね〜』
「藪から棒だな」
『だって教室で食べたらいいし誰かと話せない性格ってわけでもないのに、わざわざここまで来たでしょ? 私を気遣って人のいないところで食べようとしてる。お姉さんうれしいよ!』
「別に…話すことがないってのもある。利害の一致ってやつだよ」
『ツンデレさん!』
「誰がツンデレだ」
『でも少年は私のことは気にしなくていいんだよ、少年はちゃんと自分の人生を謳歌しなきゃ。そりゃ、話せないのは寂しいけどね。それでも私は死人だし自分を優先してまで邪魔するつもりはないから!』
そう言われてじゃあ戻る、だなんて言うわけもない。
俺にしか見えず、俺としか話せないのが今ここにいる俺に取り憑いた幽霊さんらしい。
ずっと一人だったのに唯一コミュニケーションが取れる俺まで彼女を放置したら寂しいだろう。
誰かと会話してる時ならまだしも、まず俺自身誰かと話したいという気持ちはそんなにないのだ。
学校に居ても家に居ても、不思議とぽっかりとした虚しさだけが残っている。
誰かと話してたら無くなるのか、と言われたらそういうわけでもない。むしろ周囲の顔色を窺う必要があるのは大変だ。
ただ出会って数時間程度でしかないが、嘘を吐く必要のない彼女と居るのは悪くないとは思っている。絶対に言わないが。
「…まぁどっちにしても、避けられてるんだから仕方がないしな。俺は俺の好きでここに居るだけ」
『…そか。だったらいいけど! この話はおしまい! パン食べよ!』
「そうだな、どれにするんだ?」
『私はこれー』
「はいよ」
コロッケパンを指差したので、袋を開けて取り出す前に俺は自分が食べる用のタマゴサンドを開封しておく。
それからコロッケパンを手に持つと差し出せば幽霊さんは両手を合わせてからパクっ、と一口食べていた。
…いや、本当に一人で良かった。傍から見たら何も無い空間に差し出してるヤバいやつにしか見えないし、パンが突然消えるとかいう騒ぎになるであろう現象が起きてるわけで、これは会話よりもやばいな。
会話ならまだ独り言で誤魔化せるが。
『ん〜♪』
「…いただきます」
美味しそうにしている姿を見ながらタマゴサンドを口にしつつ、喜んでるならいいかと納得した。
幸せそうな顔をされれば、この程度ならどうでもよくなる。
ただやっぱ、絵面がなぁ…どうにかならないものか。
ちょっと急ぎ気味に廊下を歩く。
パンを無事に食べ終わったのはいいが、迷子になってたのもあって時間がやばい。
数分掛けて教室が見えてくると、時間を確認。
まだ三分はあった。
なんだ、ウルトラマンが地球上で活動するくらいはあったか。
『実際に三分なのかなーあれ』
大人の事情に突っ込むのは良くない。絶対三分以上経ってるとかいうのは野暮だ。夕暮れだったのに夜になってるとか朝明けてるとか突っ込んではいけない。
というか、なんで心を読めるんだ。
『顔に出てるよ? あと、取り憑いてるからかちょっとは分かるんだよね。エッチなこと考えてても分かっちゃうよ!』
そんな分かりやすく顔に出てるだろうか?
確かにパス的なものが繋がってるなら思考が多少読めても不思議ではないか。
正直霊に詳しくないから分からないし。
あとそんなことは考えたことない。
しかしいくら3分と言えど、教室に入らなければ意味が無い。
俺は教室に入るためにも扉の前に行こうとすると、人を待つように壁に持たれている者が居た。
「新条さん?」
知り合いだったのもあって声を掛けると、彼女は俺の存在に気づいたように顔を挙げると射抜くように見つめてくる。
なんだろうか、笑顔はなくてちょっと不機嫌そうというか…不満そう?
「何処に行ってたの?」
「え、ああ…えっと購買部でパン買って、屋上前で食べてた…けど?」
「なんで?」
「それはほら、教室だと居づらいというか…食べづらいというか、なんか避けられてるし。俺自身、記憶喪失だからって同情されたいわけでもないから。だから多分、これからも誘われない限りは教室外で食べると思う…かな」
嘘をつく意味もないため、思ってることをそのまま伝えた。
無論、幽霊さんがいるからという理由もあるが見えないなら話しても意味は無いだろう。
実際に避けられてるからって理由は大半を占めてる。
それこそ裕太くんが誘ってくれたなら教室で食べるけど。
「じゃあ、しょうがないね」
「新条さんこそ、何かあった?」
「んー、特に何かあったってわけじゃないかな〜」
「そっか、ならいいけど…誰かを待ってたのかなって」
「あ〜まぁね。でも、もういいや」
「時間無いか…」
「いや…ううん早く戻ろっか」
「?」
元々ギリギリだったのもあって残り一分を過ぎてしまった。
俺は新条さんと教室の中に入っていくが、会話の中で引っ掛かりを覚える。
新条さんは間違いなく誰かを待っていた。
じゃあ、誰を?
教室の前で待つということはこのクラスしかいない。そして外で待っていたということは、教室にいる誰かではないということで…新条さんは俺にどこに行ってたのか聞いてきた。
でも、もういいと言っていた。
時間がないからという可能性もあるが、それならば残る3分もないのに待つ意味は無い。
となると、勘違いだったら死にたくなるが……もしかして、俺を待っていた…とか?
それなら言動が一致する。
理由までは分からないが、だとしたら悪いことしたかな……。
『素直に言ったからか、怒ってはなさそうだねー』
俺には女性の気持ちは分からないが、同性である彼女がそう言うなら怒ってはないのだろう。
けど何か、埋め合わせしないと……帰りでも誘ってみる、か? いや、難易度高すぎて無理だな、とすぐに思った。
結局何があったというわけでも怪獣が出たということもなく、帰りを誘うことも出来なかった俺は学校が終わったら買い物して飯食って風呂入った(幽霊さんはリビング待機)あとに寝て、ようやくまともに頭が動くようになった。
風邪というわけでもなかったのは良かったと思う。睡眠の重要性を思い知ったが。
昨日のことを思い出す限り、今日は六花さんの家に行くんだったか。
今の状況、記憶がなかったり街が直っていたり居たはずの人物が居なくなっていることをグリッドマンに聞いてみよう…となっていたはず。
そう簡単に事が運ぶなら苦労しないし、あまり期待しない方がいいだろう。
とにかく学校行く必要もあるし、朝食作るか。
そう思って立ち上がった俺は横目で隣を見た。
普通にスルーしていたが、やはり夢ではないようだ。
一日過ぎたら変わってるということもなく、幽霊さんは制服姿で寝ている。
学生で、美少女と言えるくらい整った女性が俺の部屋で寝てるだなんて考えるだけで理性が削られそうなものだ。
生きていたなら俺は間違いなく別の部屋で寝ていただろう。俺の身が持たない。
世の中の男子生徒は彼女みたいな美少女と居ても平常で居られるのだろうか。もしそうなら、凄いな、と思う。
ただなんというか…幽体といえど彼女はあまりに無防備だ。
意味がないと分かっているが、露出している脚など目のやり場に困ったので毛布を胸辺りまでかけると扉を出る。
リビングに入ると、早速朝食を作った。
先に食べるわけにもいかないのでラップしておくと時間が出来てしまった。
テレビでも付けようかと見てみれば、相も変わらず散らばっているウルトラシリーズ。昨日新条さんと話したのもあって、気になった俺はウルトラマンメビウスのDVDを手に取った。
---ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟。
これは映画か。
ウルトラ兄弟というのは様々な功績を挙げたウルトラマンに贈られる栄誉ある称号らしい。
計11名でいわゆる超絶エリート集団のようだ。この映画に出てくるのは時期的にも11人ではなく、9人。
その中でレオやアストラ、80を抜いた6人みたいだが。
このウルトラマンメビウスというのも今ではその一員と。
こうまであっさり思い出せることを察するにウルトラシリーズに関しては長いこと繰り返して見てきたんだろうな、というのは想像できる。
今だって内容が一気に頭に浮かんできた。
復活したヤプール、メビウスが地球防衛の任につく20年前にそれを封印したウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャック、ウルトラマンエース。
そして20年後に封印が解かれ、Uキラーザウルス・ネオとの戦いに駆けつけたウルトラマンゾフィーとウルトラマンタロウを加え、全員が合体して生まれたメビウスインフィニティーが打ち倒したとか。
『この映画も神作なんだよねー』
「うおっ!?」
『全員がウルトラマン〜エースまで全員人間体で出てきて本人だし! 敵もザラブ星人、ガッツ星人、ナックル星人、テンペラー星人にヤプールと超獣といったウルトラ兄弟が戦ってきた宇宙人や怪獣だけがちゃんと出てるんだよね。メビウスインフィニティーの強さや板野サーカスも映画館で見た時は迫力あったなー』
幽霊さんも知っていたのか興奮気味に内容を語ってたがそっちよりも急に耳元で囁かれたことに驚いた。
いつの間に起きていたのだろう。
『あ、少年おはよ〜』
「…おはよう。朝食作ってるから食うか」
『やったー!』
朝から元気なことで、嬉しそうにテーブルに向かう彼女の後ろをついて行った。
その元気は一体どこから出てくるのだろうな。
割と人生…幽霊生?楽しんでるようでなによりだ。
一応今までの話からも分かる通り、主人公はまあまあ頭いい設定。というよりも鋭いというべきですかね?
ちなみに教室前のアカネちゃんは担任とぶつかるイベントは発生してませんが、イライラしてたので教室に居づらいこと伝えてなかったら死です、危なすぎる。
あと主人公のせいで『彼』との合流イベントが消えてます、お前なにしとんねん