はくのんIS(更新停止しています)   作:天神神楽

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日本政府は衰退しました。
ここもオリジナル設定ありです。
生暖かい目でご覧下さい


はくのん、名前を呼ぶ

寝言ではないんだけどなー。

クリスカの恥ずかしくなってしまうような台詞を聞こえないふりー。

眠っている(ふりをしている)間、クリスカはずっと頭に手を置いていてくれた。頭を撫でるのは好きだが、撫でられるのも好きだ。なかなか撫でてくれる人はいないが、私のメイドさん達は、私がして欲しいことを一杯やってくれる。

お腹の空き具合から、そろそろお昼か。起きなくっちゃね。ありがと、クリスカ。

「む? 起きたか。丁度いい時間だぞ」

イーニァも起きて?

「うにゅ。あ、ハクノー」

ぎゅーっとされた。こっちもぎゅー。

「ほら、行くぞ。遅れてしまう」

ほら、クリスカもぎゅー。

「ぎゅー♪」

「は、早く行くぞ!」

あら、照れちゃって。

「照れちゃってー」

「イーニァまでからかわないで……」

ごめんね?

「ごめんね?」

 

 

 

よーるーごーはーんー。

お昼はイーニァと一緒にクリスカにあーんをして織斑先生に怒られた。

しかし、私は退かぬ! 媚びぬ! 顧みぬ! いや、媚びるけど。

今の席順は、鷹月さん・相川さん・私・のほほんさん・イーニァ・クリスカだ。

今私は相川さんにあーんをしている最中です。はい、次はお新香。あーん。

「あ、あーん。……は、恥ずかしい……」

次はお刺身。わさびはつける?

「ちょ、ちょっとだけ」

了解。はい、あーん。

「あ、あーん」

ん。つぎはー。

「次はわたし~」

おぉ。素直な子にはカワハギだ。あーん。

「あ~んっ♪ おいし~」

か~わ~い~い~。鷹月さんも。主張あ~ん。

「あらあら……あ、あ~ん」

ふふふ、鷹月さんも可愛いです。じゃあ、お隣の谷本さんにも゛っ!?

「バカ者。席を出歩くな」

ハーレムタイムはおしまいのようだ。あ、織斑先生もあーん(食べないと部屋にキアラを連れて行く、という眼差し)。

「……(パクッ)」

……私はやり遂げたっ!!

周りからざわめきと称賛の拍手が。ありがとーありがとぉ゛っ!? わ、我が生涯に一片の悔い無し!

「全く……。織斑、お前も妙な真似はするなよ? こうなりたくなければな」

こう(←プラトーンのポーズ)。男なら、負けると分かっていても、戦わねばならないときがある。そうであろう! 織斑一夏!

「いや、岸波は女だろ……」

しかし、お前は男であろう織斑一夏! 男なら、オルコットさんにあーんをしてみせい! たとえ、負けると分がっ!?

「分かっているな、織斑?」

「「「イ、イエス、マム!!」」」

大広間の心が、今、一つに……ガクリ。

……ムクリ。まぁ、そろそろ自分も食べないとね。カワハギ、ウマー。

「千冬姉の一撃を受けて何ともない、だと?」

本当なら相川さんたちにお返しのあーんして欲しかったのだが、公安の織斑先生にマークされているので、今の所は諦めよう。

「はくのん聖帝みたい~」

それは織、なんでもないっす。

 

 

 

波瀾万丈ハーレムタイムな夕食のあと、お風呂で色々な子と洗いっこをしたあと、私はこっそり旅館をでて、人気のない浜辺にいた。うん、夜の潮風は火照った体に心地いい。

で、博士はお風呂に入ったんですか?

「んーん。軽くシャワーを拝借しただけ。それでも気持ちいいね」

いつの間にか後ろにいたのは篠ノ之博士。どうやら、昼から来ていたらしいが、今日会うのはこれが初めて。

「それより、凄かったね。あれじゃ、《紅椿》が霞んじゃうよ」

そんなことないです。《聖杯》は反則ですから。それよりも、異常なほど凄い《紅椿》こそ、正当な第四世代機でしょ?

「そうだね。《聖杯》はもはやオーバーテクノロジーの域だよ。少なくとも、《紅椿》じゃ、あんな城は出せない。こっそり撮ろうとしていた衛星は何故か故障したみたいだし、他に見せないで正解だよ」

何故か故障していましたか。良かったです。でも、あれはホントに特別です。というか、ちょっと反則技を使わせてもらいましたから。

「《空想具現化MODE:SERVANT》も反則。全く、これじゃ、また構想を練り直さないと」

また、新しいの作ってるんですか?

「現状維持は停滞だからね。ともかく、《紅椿》の改修案も出来たことだし、お礼を言わせてもらうよ」

キアラに言った方がいいんじゃないですか?

「絶対、いやだ」

分からなくもないです。あ、《紅椿》といえば、篠ノ之さんとは話したんですか? あれ、篠ノ之さんのISですよね?

「うっ、まだ……」

もぅ……姉妹揃って奥手なんですから。良ければこれから会いに行きますか?

「今はちーちゃんと一緒にいるからダメかな。ほら、見てみる?」

差し出されたモニターを見ると、織斑先生とおりむラヴァーズがお話ししていた。この場には行けないですわ。

まぁ、こんなこともあろうかと。浴衣の中にレターセットをご用意しております。さあ、書け。

「で、でも……」

ほら、まずはお姉ちゃんから歩み寄らないと。

「うー、わかったよー」

まぁ書きながらでいいから聞いて下さいな。

「う~ん……箒ちゃん可愛い、箒ちゃん愛してる、ラブリーアイラブ箒ちゃん」

はい、二枚目。篠ノ之さん、今悩んでるみたいですよ? 色んなことで。

「……私のことででしょ?」

それも。ISのこととか、織斑君とのこととか。ねぇ、篠ノ之博士。先ずはワンステップです。篠ノ之さんに素直な心情を書いてあげましょ?

「でも……」

でも、じゃありませぬ。書けといったら書くのです。

「うー、ちーちゃんみたいー」

アレは呂布です。もしくは聖帝。最強の類いです。

「否定はしないけどー。うーん……」

でも、どうして姿くらませちゃったんですか?

「んー、色々あったの」

色々ですか。

「うん。あの頃の私に対する勧誘、凄かったの。いっくんのも凄かったけど、それ以上。知ってる? その時ね、人口が普段の二倍になったんだよ。しかも、それが三ヶ月。国に文句を言おうとしたら、日本に帰属しなきゃ助けないだって。だからね、仕返しに、世界中の政府の不祥事探したの。そしたらね、箒ちゃんの誘拐の計画を立ててたの、日本政府が」

キアラに教えてもらったISの歴史の中で、世界中の政府の大混乱があった。その中で、一番被害を被ったのが、他でもない日本。未だに行方不明の議員がいる。キアラからの情報では、日本政府は博士について、口出しを出せないとのこと。その真相は不祥事隠しというわけか。

「だからね、私は日本政府を叩き潰した。表面上は私を追ってるけど、絶対に私の言うことには逆らえない。箒ちゃんが受けた保護プログラムは、普通よりも数倍ランクが高いものなの。その証拠に、私の親は、年に一度程度。箒ちゃん以外の親族との連絡もそれほど制限されてないの。でも、私が世界で一番大切にしている箒ちゃんは、世界から狙われていた。日本と違って、本気も本気。その道の天才たちが、本気で狙ってたの。いくら上をつぶしても、いくらチームをつぶしても、執拗に狙ってた。私でも潰しきることが出来なかった」

いくら天災と言われようとも、その道のプロにとってはまだまだ子どもだろう。しかも専門外。文字通り土俵違いの畑違い。だから、姿を消して、篠ノ之さんから目をそらさせたんですね?

「そして、異常なレベルの保護プログラムを組んだの。あれは政府主導なんかじゃない。私が主導していたの」

やっぱりそうか。篠ノ之博士を狙っているのに、絶好の餌になる篠ノ之さんをタダで保護するのはおかしい。

「箒ちゃんが剣道の全国大会に出られたのは、もうIS学園に入学することが決まっていて、それをIS委員会に認めさせたから。あそこに背く真似をしたら、私が世界中のコアを全停止させるっていったから。そんなこと出来るわけ無いのに、出来ないなんて知らない奴らはやっと諦めたの。まあ、表面上だけだろうけど」

そりゃそうだろう。篠ノ之博士がどこかに所属すると宣言しない限り、止まらないだろう。正確にはそれ以降も続くだろうけど。

「あとは、箒ちゃんがどこかに所属するかにもよるかな? 委員会所属が一番現実的かな。あとは、キアラに預けるか。……気にくわないけど」

たしかに、世界で最も安全なところだろう。逆らえる生命体はいない。

「ロシアの裏の支配者だってことは、各国首脳陣にはよく知られているからね。政治に口を出していないだけど。あぁ、《聖杯》を作るときだけは本気を出してたよ。委員会とか政府役人に何人かの脳みそとろけてみたいだけど」

……あとでよく言い聞かせておきます。

「それが出来るのははくのんだけだよ。ま、多分箒ちゃんはロシア所属になるだろうね。正確には《カリス社》所属か。そう言えば知ってる? 《カリス社》がロシアに本社に置いている理由」

いや、イヴァンさんロシア人じゃないですか。しかも、絶対やんごとなき人でしょ?

「社長はお飾り。まぁ、経済活動に関しては私レベルの天才だけどね。理由は簡単。ご飯が美味しいから」

……はい?

「まぁ、それもはくのんが理由だろうけどね。美味しいものを食べるのが好きなんでしょ?」

まぁそうですけど。……え、マジで?

「マジもマジ。フランスとで悩んだみたいだけど、国土広いし、色々実験できるからロシアにしたんだって。だから、ロシアの経済、過去最高で、未だに右肩上がり。実際はユーラシア大陸はほとんど《カリス社》のお膝元だね」

それどんな《西欧財閥》。というか、どんだけ広いお膝元だ。

「来年から、日本を拠点に色々やるみたいだけどね。ホントにはくのん一筋の企業なんだから。あ、今ロシアははくのんフィーバー起きてるから」

ホラと言われて渡された雑誌を見ると、まさかの表紙に《聖杯》を着た私の写真。え、これ丸々一冊私特集? 私特集組めるほどこっちに来て過ごして無いんですけど? あ、ラトロワさんとかヴィーラさんの対談が載ってる。あ、イヴァンさんもいる。……このヒモ水着写真、いつ撮ったの? あぁ、そう言えばキアラに着た写真欲しいって言われたっけ。

「この間、ちーちゃんの対戦相手を破ったんでしょ? その人、国家の英雄らしいから、超新星が現れたって大興奮なんだって」

……あとでロシアいってボルシチ食べようと思ってたけど、やめようかなー。

「あれ、さっきキアラが夏休みにロシア行くって言ってたけど。今、国を挙げて準備中らしいよ」

逃げ道はないようだ。

もー! 私のことよりも手紙は書けたんですか!

「うっ、もうちょっと……」

全く先生に見せてご覧なさい。

「どこから眼鏡を出したの?」

購買で買いました。うん、しっかり書かれてますね。

「でしょー?」

でも、肝心な博士の気持ちが書かれてないですね。

「だって……」

博士、ううん。束さん。しっかりと箒さんに気持ちを伝えてあげて? そうすればきっと通じますから。

「はくのん……。うん、恥ずかしいけど、大変だけど、書いてみる」

うん。私は少し離れてますから。ゆっくり書いていて下さい。

一度束さんから離れて、一人で海岸を歩く。お昼の騒がしいのとはうって変わって、聞こえるのは波の音だけ。空には綺麗な月が浮かんでいる。月に隈とは上手く言ったものだ。こんなにも綺麗な月をみると、ムーンセルを思い出してしまう。

「白野さん、無断外出はいけませんよ」

キアラ。ふふ、許して。ちょっとしたホームシックなの。

「あら、では抱きしめて差し上げましょうか?」

大丈夫。その代わりに一つ聞かせて欲しいな。

「なんでございましょうか?」

キアラ。

「はい?」

キアラは、「岸波」キアラ? それとも、「殺生院」キアラ?

「私は間違いなく岸波ですわ」

そっか。ならそれでいいよ。それより、明日はどうするの?

「白野さんにもいくつか新しい武装を試してもらいますわ。《ヴォジャノーイ》にも使うものですので、《聖杯》のコンセプトは少しずれてしまいますが、その分使いやすいものです。水をモチーフにした特殊武装ですので、面白いと思いますよ」

それは楽しみだ。《聖杯》も武装がふえるよ! おぉぅ、喜んでる。

「そろそろ戻りましょうか。それともウサギさんとお茶会でもしますか?」

どうやらキアラは知っているらしい。ならばお言葉に甘えさせてもらおう。

「織斑先生には私のお使いと言っておきますが、あまり遅くならないで下さいね」

ありがとう。じゃ、またね。

キアラと一端別れ、束さんの所へ戻る。どうやら書き終わっているようで、海の方を眺めていた。束さん、書き終わりました?

「あ、はくのん。うん、これ」

束さんに数枚の手紙を受け取る。じゃあ、可愛い封筒に入れてっと。しっかりと箒さんに渡しておきますね。

「うん、よろしくね。あ、でも」

分かってます。他の人に見られないように渡します。大丈夫ですよ、私、篠ノ之さんと部屋一緒ですから。ちなみに他はクリスカとイーニァ。あの二人を任せられるのは私だけらしい。織斑先生直々のお達しだ。箒さんも同様らしい。

「えっ!? じゃあ、箒ちゃんのおぱんっ」

じゃ、渡してきますねー。

 




チート揃いの《カリス社》。
この世界の首脳陣は、色々弱みを握られているのでしょう。
だって、相手が束とキアラだし。
ちなみに、はくのんにかかれば、束もちょろいん化。
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