こっそり忍び込んで部屋に戻る。部屋には他の三人は揃っていたが、まぁ、会話はない。箒さんにダイレクトアターック。イーニァもとつげーき!
「え、う、うんっ!」
「ちょっ!? いきなり何だって、胸を揉むな!」
おぉ、柔い。じゃ、次はクリスカー。どーん。
「どーん!」
「や、やめろ! イーニァも止めて! んぁ……」
二人のお山を登頂し、非常に満足。ついでに、浴衣を乱して汗を流している女の子をみて満足。むふぅ。
「むふぅ」
「い、いきなり何をするんだ……」
ちょっと箒さんに用事があって。
「私を巻き込む必要がないだろうが……」
まぁまぁ。じゃ、ちょっと箒さん借りてくね。じゃ、ちょっとロビーに行こっか。
「あ、あぁ。って、引っ張るな!」
はいはい。こっちこっち。
箒さんを引っ張って、ロビーの目立たないところに行く。キアラにメールで頼んでいるので、一時間くらいは誰も来ない。
「全く、何のようだというのだ」
箒さんにお手紙。はい、どうぞ。
「手紙……?」
うん。箒さんのことを世界で一番大切に思ってくれている人からのお手紙。
「こ、これは、姉さん!? どうして、岸波が!?」
《聖杯》関連で、つながりがあるの。さっき話して、手紙を書いてもらったの。
「……今更こんなものを渡されても、困る」
そうかもしれないけど、読んであげて? 束さんの素直な気持ちが書かれてるはずだから。箒さんも、向き合ってあげて?
「姉さんのことを名前で呼ぶのだな。それに私のことも、いつの間にか、名前で呼んでいるし」
嫌だった?
「いや、そのままでいい。そこで、待っていてくれるか?」
うん。最後まで一緒にいてあげる。キアラに頼んでるから、ゆっくり読んで。
そこから、箒さんは束さんの手紙を読み始める。一気に読んでしまった箒さんは、無言で腕をだらりと下ろした。そこから数分して箒さんが口を開く。
「岸波はこのことを知っていたのか?」
政府に関することはキアラからいくつか。束さんが言っていたことは初めて知ったよ。
「そうか……ちなみに手紙の内容は?」
三枚目くらいまでは知ってるけど、そこからは知らないな。あ、一枚目はノータッチだよ。
「ははっ、だろうな。……岸波はどう思う?」
どのことについて?
「姉さんがしたことについて、かな」
そうだね……不器用なお姉さんだよね。でも、いいお姉さんだとも思うよ?
「でも、それで、私と一夏は離れ離れになったんだ……六年、六年もだ!」
当時小学生だった箒さんにとって、いきなり理不尽に、織斑君と引き離されたことは許しがたいことだろう。しかも、六年間転校を繰り返していたのだから、辛かったのだろう。
でも、それでも。束さんの気持ちを知って、どう思った?
「……姉さんが、私のことを守ろうとしてくれていたことは分かった。でも、でもっ!」
ほら、ぎゅー。いきなり仲直りしろなんで言わないよ。でも、少しずつでもいいから、束さんのことも考えてみるのもいいんじゃないかな?
「でも……」
手始めに、はい。お手紙セット。お返事書いてあげて? 恨み言全部ぶつけちゃえ。
「うん……」
箒さんは手紙にいくつかの言葉を並べていた。二枚ほどの短い手紙だが、箒さんにとっては大きな一歩となるだろう。
「では岸波、よろしく頼む」
ううん。箒さんが直接渡してあげて。そっちの方が、束さんも喜ぶと思うから。
「……うむ。そうしよう。その、なんだ」
ん? なぁに?
「ありがとう岸波」
ノンノン。名前で呼んで?
「ふふっ。では白野。ありがとう。まだ、整理はつかないが……頑張ってみようと思う」
うん。それでいいの。いつでも束さんの秘密基地に連れて行ってあげるから。
「そ、それは千冬さんに怒られてしまうから遠慮しよう」
あら、残念。じゃあ、そろそろ戻ろっか。クリスカたちも待ってるだろうし。二人のこと紹介してあげる。
「う、うむ」
その後、箒さんとクリスカをイーニァと一緒にいじくり回して、お顔を真っ赤にさせてじゃれついた。織斑先生に怒られました。しょぼん。