はくのんIS(更新停止しています)   作:天神神楽

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ここから数話オリジナル話です。
一夏達はお休み


はくのん、ロシアにいく

色々あった臨海学校も終わり、あっという間に夏休みになった。臨海学校以来、箒さんともよく話すようになった。何度か一緒に買い物にいったり、一緒に織斑君を振り向かせる算段を話し合ったり。

ともあれ、夏休みだ。イベント一杯。そして、そんなイベント第一弾は。

「そろそろ飛行機が到着しますが、何か忘れ物はありませんか?」

今いるのは空港のVIP専用のラウンジ。これからロシア旅行である。ちなみに《カリス社》専用機で行く豪華な旅行だ。用意は完璧です。洋服とか以外はヴィーラさん達が用意してくれたので。

「それならよかったです。では私はすこし外しますので、ゆっくりしていて下さいね」

キアラが離れると、ラウンジの人がジュースを持ってきてくれた。ちなみにロシアンビューティー。ありがとうございます。お礼を返すと、ニコリと笑顔を返してくれる。なんか、ラウンジの職員さんの好感度が高いような?

「それは、白野様がロシアに来て下さることを歓迎しているからです」

あ、ヴィーラさん。大げさじゃないかな、それ?

「いいえ。あちらでは皆白野様が来られるのを心待ちにしていますわ。新たな英雄の誕生ですもの」

何だか恐ろしいような、なんというか……。

「ハクノ! おかしもらった! いっしょにたべよ!」

お菓子を抱えたイーニァがこっちにやってくる。クリスカも一緒だ。ちなみに今の二人はメイド服である。綺麗で可愛いメイドさんが三人。写真撮ってもいい?

「えぇ。もちろん」

パシャリ。ふふふ、後で皆に自慢してやろ。

「あ、あまり見せびらかすな」

ふふふ、クリスカもとっても可愛いよ。ほら、よく見せて?

「うぅ……」

恥ずかしがりながらも、くるりと回ってくれるクリスカ。クリスカは美人さんだから、何を着ても似合うけど、メイド服だと可愛くなる。イーニァ? 国宝でしょ。

「白野様。飛行機が到着したようです」

おっと、じゃあ乗らないとね。そういえば、キアラにサインを書くと喜ばれるっていわれたけど、そうなのかな?

「えぇ。もちろん」

じゃあ……お世話になった職員さんにあげてみよ。でも、これ〈はくのんサイン〉だけどいいのかなぁ……?

サインを何枚か職員さんに預けて飛行機に搭乗する。おぉぅ、ソファがある。こ、これはっ。クリスカ、ここに座って!

「な、なんだ……。なっ!? んくっ……んぅ……あぁぁ……」

流石は人をダメにしてしまうソファさん。クリスカもメロメロだ。

とても綺麗にテイクオフ。とても優雅な空の旅だ。しかもメイドさん付き。これ以上の贅沢はない。

そう言えば、初日はパーティーがあるんだよね?

「はい。首相と大統領も出席いたします。《カリス社》経営のホテルで行うので、リラックスして下さいね」

いや、国家元首が来るパーティでリラックスとか……。あら、でも確かロシアのその二人って。

「はい。ユリエヴィチ・ヴィッテ首相とゾフィー・アウグステ大統領です。二人とも稀代の盟主と言われ、イヴァン社長を合わせて現在のロシアの成長を象徴するお三方です」

だから、そんな人たちを前にして緊張するなと言われても。

「ふふふ。ご安心下さい。お二人ともとてもお優しい方です。それに、今回のパーティーは完全に報道陣をシャットアウトしていますし、政治的な話は無いものとなっています」

そんなこと可能な……あぁ、キアラか。

「はい。キアラ様が厳選した方のみが出席なさいます。お二人とも孫を迎える気分だと仰っているようですよ?」

いや、それはそれでプレッシャー。

「ホテルのシェフ達も、腕によりをかけて待っているそうです。それにゾフィー様は、ご自分で料理を作って待っていらっしゃるみたいですね」

それは楽しみだけど……。まぁ、なるようになれか。そう言えばヴィーラさんって、ロシア出身じゃないよね?

「曾祖父の代にイタリアから移住してきたと聞いています。なので生まれも育ちもロシアです。でも、イタリアの料理も勉強していますので、今度作って差し上げますね」

それは楽しみだ。ロシアと言えばたくさん観光名所もあるしね。見られるかな?

「はい。サンクトペテルベルクなどにも行く予定になっています。エルミタージュ美術館などもありますから、ご満足してもらえるかと」

どうやら、なかなか高尚な旅行になりそうだ。とはいえ十時間ほどの長旅だ。イーニァと一緒に映画を見たり、件のソファで遊んだりして時間を潰した。

「白野様、白野様」

うにゃ……。どうやら眠っていたようだ。その間に到着していたようだ。着陸の衝撃で起きないとか、私って。

「ふふふ。では参りましょうか。外に車を用意してあります」

入国手続きを済ませて空港を出ると、リムジンが待ち構えていた。リムジンに揺られること三〇分ほど。到着したのは《カリスホテル》。まんまである。

案内された控え室で、ドレスに着替えるが、いつ作ったのか、怖いくらいにピッタリである。真っ赤である。凄い派手。

「お似合いです!」

「とてもお綺麗ですよ」

こちらに待機していたらしいメイドさんたちが絶賛してくれるが、いまいち自信が持てない。動きやすいとはいえ、照れる。

「みな、白野様がこのドレスを来て下さると聞いて張り切っていましたよ。やはり、白野様にピッタリです」

あ、メイドさん達が作ってくれたんだ。ありがと。

「似合っているじゃないか」

あ、ラトロワさん。おぉぅ、セクシー。

「こんなのは柄じゃないんだがな。お二人の主催のパーティーだ。着飾らないわけにもいかないらしくてな」

ラトロワさんもドレスである。すげえ似合ってる。

「今日は私がお前のエスコート役だ。ほら、いくぞ」

うん。よろしくお願いします王子様。

「バカ者。では行くぞプリンセス」

やっぱり格好いい。惚れてしまいます。

ラトロワさんのエスコートでパーティー会場に入る。もう中には皆揃っているようで、大きな拍手で迎えられた。

大統領、首相の後という鬼畜な順番で挨拶をすることなり、何とか終えて壇上から降りると、その二人に迎えられた。ラトロワさんが心の支えです。

「あら、緊張なさらないで。ふふふ、こんなに可愛らしい女の子がラトロワを倒しただなんてビックリね」

「イヴァンから話は聞いているよ。なに、緊張することはない。どうせここにいるのは君の為に働けることを心から感謝している連中だからね。勿論私たちもだ」

お、恐れ多いっす……。

「そうだわ。ボルシチを作ったのよ。食べていただけるから?」

確かに食べたいとはいったけど。キアラェ……。あ、美味しい。ホッとする味。

「私の家に代々伝わるレシピなのよ。ヴィーラにも教えたから、帰っても食べて頂戴ね」

「はは、稀代の盟主と言われる君がまるで祖母のようじゃないか」

「それをいうならあなたもでしょう? まるでお祖父ちゃんみたいじゃない」

「もちろんだ。白野、今度ロシアに来ることがあったら私の祖母から教えてもらった家庭料理を振舞わせてもらうよ。大統領だけでは悔しいからね」

前にテレビで見たときはキリッとしていたお二人だが、今は本当にお祖父ちゃんやお祖母ちゃんといったご様子。大統領に至っては、お祖母ちゃんと呼んでと言われたが、流石にそれは恐れ多いので、ゾフィーさんと呼ぶということで妥協してもらった。それでもだけど。

「おっと。私たちがここにいては他の者が話せないな」

「そうね。このままずっと話していたいけど、独り占めしてしまっては議会が解散させられてしまうものね。じゃあ、またいずれ。ロシアでの日々、堪能してちょうだいね」

そういうと、お二人は私から離れていった。はふぅ、緊張した……。

「私でもあんなにフランクなお二人を見るのは初めてだよ。相当気に入られたな。良かったじゃないか」

それはそんなんですけどね。そういう問題じゃないというか……。

「分かっているさ。さ、挨拶巡りはこれからだぞ」

うへぇい。

その後も色々な人と挨拶をする。政治家の人は勿論、開発者の人、芸術家や音楽家、歌手の人やデザイナーの人なんかとも挨拶をしたが、皆私に対して凄く優しい。挨拶だけで一時間弱である。一通り終わった後はラトロワさんに助けられて一休み。

「お疲れ様です、白野様」

あ、ヴィーラさうぉぉぉぅ! ヴィーラさんドレス姿ちょーセクシー!

「白野様に合わせて、青のドレスを仕立てていただきましたが、どうでしょうか?」

可愛らしくポーズを決めてくれるヴィーラさん。グッジョブです! 反則です!

「ふふふ、ありがとうございます」

「ちょうどいい。写真を撮ってやる。機動部門のヴァルキリーと未来の英雄さんとのツーショットだ。これで明日の一面は決まりだな」

ポーズ。む、それをいうならスリーショットだ! 逃がしません。

「わ、私はいい」

そうはいきません。

「そうですわ。ラトロワ様も一緒に撮ってもらいましょう?」

「全く……、私はメディアに載ることはないんだがな」

ブツブツ言いながらもやってくれるラトロワさんはいい人。これはいい記念になりますね。

私たちが写真を撮っていたからか、今度は撮影ラッシュ。一杯の人と写真を撮りました。一番ビックリなのは首相とゾフィーさんとのスリーショットである。もう一面これだろ。

まぁ、色々驚いたが、楽しいパーティーはおしまい。今日はここに止まるらしいので、そのまま部屋に移動させてもらった。

ドレスから用意されたパジャマに着替える。リラックスリラックス。

「お疲れ様でした。軽いお食事をお持ちしました。シチューとカーシャです」

パーティーではあまり食べられなかったので、ありがたい。あ、これも優しい味がする。

「私の家に伝わるレシピで作らせてもらいました。お口にあえばいいのですが……」

凄く美味しいよ。ヴィーラさん家の味なんだ。お母さんから習ったの?

「はい。母から教わったものです。私が疲れているときによく作ってくれました」

そっか。ねぇ、今度私にも教えてくれる?

「もちろんです。帰りましたら一緒に作りましょう」

うん、約束。ふぅ、ごちそうさま。

「今日はもう予定はありません。お風呂の後にマッサージなどいかがですか?」

勿論お願いします。

 

 

 

お風呂も終わり、ヴィーラさんのマッサージを堪能した。今はヴィーラさん(夜のメイド服Ver)と一緒にお話タイムである。

そういえば、クリスカたちはどうしたの?

「あの二人はラトロワ様とご一緒です。白野様の御相手は今日は私です」

そっか。そういえば、ヴィーラさんと二人きりなのも、前に《カリス社》にいったとき以来だっけ?

「そうですね。あまり時は経っていませんが、久しぶりなような気がします」

ヴィーラさんも学園に来られればいいんだけどな。

「ふふふ、私もそうしたいのですが、流石に無理でしょうね。でも、こうしてたまにでも一緒にいて下さるだけでも、私は幸せなのです」

そう言われると照れちゃうけど、嬉しいな。私もヴィーラさんといる時が一番ホッとするな。

「そう言っていただけること、嬉しく思います。……そろそろ、いいお時間ですね。そろそろ横になられますか?」

うん。ヴィーラさんも一緒に寝てくれる。

「もちろんですわ。さ、どうぞ」

ヴィーラさんと一緒にベッドに入る。あぁ、やっぱりヴィーラさんが一番ホッとするね。

「私も同じです。白野様とお休みなるときが一番心安らぎます」

ふふ、ヴィーラさん、お母さんみたい。

「ふふ。まだ若いと思っていましたが、白野様の母とは光栄ですね」

ごめんなさい。お姉さんかな?

「それも素敵ですわ。たとえどのような存在であっても、あなたについていきます。私の愛しいご主人様に」

私も一生一緒に生きていくよ。愛しいメイドさんに。

「あら、情熱的ですね」

ヴィーラさんこそ。お休みなさい、ヴィーラさん。

「はい。どうかごゆっくりりお休み下さいませ」

やっぱり、ヴィーラさんはいいにおいがする。とても優しくて温かいお日様のような香りだ。この心地よい香りに包まれて、私はスッと眠りに入ってしまった。

 

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