はくのんIS(更新停止しています)   作:天神神楽

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こちらは久しぶりです。
はくのんメイドになるは番外編で。



はくのん、暴れる

ご奉仕計画も無事に終わり、いよいよタッグマッチトーナメント当日。朝ご飯をしっかり食べて、イルフリーデさんとトーナメント表を確認しに行く。

「さてと、初戦は誰かしらね」

うーん、個人的には簪さん達と戦いたいけど。織斑君と戦うのも面白いしね。

「ふふ、そうね。でもまぁ、こればっかりは運だもの。さてと、誰となのかしらね……あら」

へぇ……。これはこれで凄く楽しそうだね。

「優勝候補筆頭、ね。会長さんと箒さん。ロシア国家代表と第四世代機とは、中々に面白いわね」

うん。これは血が滾るってもんだよ。

「私も同感よ。しかも初戦とくれば、楽しまないわけにはいかないわね」

あ、会長さん。今日は私が勝って簪さんのお姉ちゃんになるので、そこんとこよろしく。

「む、そんなことさせないわよ。簪ちゃんのお姉ちゃんは私よ」

それは勝負に勝ってからにしてくださいな。

「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。

「全く……何をしているのやら」

「あら、でも楽しみなのは本当じゃない。箒さんにも負けないわよ」

「あぁ。かく言う私も武者震いがしていてな。白野と全力で戦える機会など滅多にないからな」

「なら、私も全力で行かせてもらうわ」

あ、箒さんとイルフリーデさんが青春ラノベみたいなことしてる。会長さん、行きますよ。

「おうよ!」

―――ズドォォォォン!!!

……会長さん仕込みでもしてたんですか?

「……そんなわけないでしょ」

突然の爆発音。その後すぐに室内の明かりが赤くなる。

さて、出動ですかね。

「えぇ。行くわよ」

会長さんと共にISを起動させる。箒さんもイルフリーデさんもISを起動させている。

それに、今日は最強の助っ人さんもいるし、例え《四〇機》の正体不明機が来ていても大丈夫だろう。

じゃあ、行きましょうか。

頼りになる先輩との共演。不謹慎かも知れないけど、とても楽しみだ。

 

Another side ヴィオリニスタ

 

アリーナの貴賓席。皆様避難は完了していたが、そこには私も含めてまだ人がいる。

「さて、委員会からの許可は下りました。皆様も大丈夫ですよ」

ジークリンデ様が委員会の了解を取って下さり、準備が整う。

「しかし、どんなバカ者がこんなことをしたのやら」

「ISを持っていけと指示されたときは何事かと思いましたが、こういうことでしたか」

ラトロワ様、スィーリア様もISスーツに着替え終えており、後はISを展開させるのみ。

「織斑の指示も入ったことだし、行くぞ」

フィーカーツィア・ラトロワ《パクファ》。

ジークリンデ・ファーレンホルスト《タイフーン》。

スィーリア・クマーニ・エイントリー《リヒト》。

そして、私ヴィオリニスタ・クラヴィア《ルサールカ》。

キアラ様が私に授けてくれた第三世代IS。……《パクファ》同様いつの間に作っていたのやら。しかし、私達にしっくりくる機体である。

「それにしても、もの凄い装備だな」

展開した《ルサールカ》を見て、ラトロワ様にそんなことを言われる。確かに《ルサールカ》は四門の三連装砲を持っている。第一世代を連想させる仰々しい外観ながら、六つのスラスターがその外観からは想像が出来ないくらいの機動力を誇る。

一言で言えば、ゴツイ。

「ふふふ、昔の貴女の復活ね」

「……あまりそのことは」

私は機動部門のヴァルキリーである。しかし、もっとも適正があったのは格闘部門であった。まぁ、何というか、戦うより飛び回る方が楽しかったのである。

「お話はその辺にしておきましょう。行きますよ」

話が逸れかけていたのをジークリンデ様が正す。

白野様達六組だけでは四〇機の敵を相手することは厳しいであろう。ならば、あの方達には一組一機ずつを担当していただければいい。

「ならば、残りの三十四機は私達が相手取りましょう。後輩に相手をさせては申しわけありませんから」

スィーリア様が騎士の槍を構える。その姿はまさしくヴァルキュリアの如く凜々しさであり、戦いの前なのに見惚れてしまうほどだ。

かくいう私も惚けてはいられない。何せ、愛する主人との初めての共同戦線なのだから。不謹慎かも知れませんが、とても楽しみだ。

 

Another side out

 

うむ……中々面倒だね。

「白野、大丈夫?」

うん。私は大丈夫だけど、他の人達は大変かな。まぁ、万一のことはないと思うけど。

ちらりとシールドギリギリの上空を見やる。そこではヴィーラさんを初めとした先輩方が無双をしていた。

「……ジークリンデさん達も妨害を受けているはずなのにね」

私たちは《熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)》で無理矢理防いでいるが、織斑君達は苦戦している。ISは絶対防御があるため、物理的な盾はあまりない。だからこそ、今のようにそこを突かれると不利になる。

「私達も早々に倒してしまいましょうか」

《ヴォジャノーイ》の新装備である《サスーリカ》で《ゴーレムⅢ》を氷で足止めをしてくれるイルフリーデさん。そのまま止めてて。

「分かったわ。その間に、止め、頼むわよ!」

合点承知! AUO! 財宝使わせて!

『……まぁ、そのような不良品の木偶など存在は我も許さぬ。が、無闇矢鱈に使わせるのも酌だ。そのような木偶人形にはこれがよかろう』

いや、これって……。いや……たしかにゴーレム相手にはいいかもしれないけどさ。

『ハハハ、一撃のみだ。それで仕留めるが良い』

切りやがった。…………これは上空にしか撃てないなぁ。

《大英雄討ちし終止符の矢(ヒュドラ・ァーセニック)》。

ギリシャの大英雄ヘラクレスの弓矢。レルネーのヒュドラの毒が塗られた弓矢。自身をも滅ぼす宇宙最強の猛毒。絶対防御であっても浸食する猛毒。

イルフリーデさん、離れて。それと先輩方。上にゴーレム集めて下さい。

『む、何か秘策があるのだな。承知した』

『《聖杯》の力見せてもらうぞ』

『ロシアの英雄の宝具、いかほどでしょうか。ふふふ、楽しみですね』

ラトロワさんとスィーリアさんとジークリンデさんの三人が銃撃と技でゴーレムを上空に上げてくれる。

『白野様、私が動きを止めます! とどめを!』

「私もやるわよ!」

ヴィーラさんの水を、イルフリーデさんが凍らせてくれる。これなら外すはずもない。

この一撃は、神をも滅する一撃。ギルガメッシュは一撃しか許さないと言ったが、一撃で十分だからこそだ。

私が放ったのは小さな矢。しかし、それがゴーレムの固まりに触れた瞬間、見るだけで浸食されてしまいそうに禍々しい毒が溢れた。そして、そのままゴーレムたちの動きは停止し、次々と地面に落ちていった。

「うわぁ……禍々しいわね」

うん、それは否定しない。ヴィーラさん、動いている機体はあとどれくらい?

『こちら側にいるゴーレムは全て機能停止しています。後は一年生の方々が相手している機体のみです』

それじゃあ、そっちは任せようか。《聖杯》もお疲れみたいだし。イルフリーデさんもそろそろエネルギーギリギリでしょ?

「えぇ。普通の戦闘くらいなら大丈夫だけど、流石にあのゴーレム相手ではちょっと厳しいわ」

なら、私はシールドに穴でも空けようか。織斑先生、どこか安全な所はありますか?

『……避難が完了している観客席ならば安全だろう。しかし、破るのはシールドだけにしろ。出来ないのならば、そこで待機だ』

ふふん、それくらいのことが出来ないとでも? 分かりました。じゃあA区画の観客席のシールドをぶち抜きます。メルト、借りるね。

『はいはい。たまには違う使い方もいいかしらね』

ありがと。あとでマトリョーシカあげるから。送れるかは分からないけど。

さて、せっかく許しを得たのだから、早速使わせて貰おう。

――《弁財天五弦琵琶(サラスヴァティー・メルトアウト)》。

溶けて、消えて。

『これは……あの時の』

ラトロワさんの言うとおり、以前使ったメルトの宝具だ。最凶最悪の宝具だけど、今回に限っては効果抜群だ。大きく穴が空いた。

「凄いわね……」

うん。とりあえず、イルフリーデさんも休憩しよっか。ヴィーラさん、私は一足先に。

『了解いたしました。どうやら他の方々も終わりに近付いているようですね』

ちょっと会長さんたちがピンチだけど。そこは頑張って貰わないと。

『あら、随分スパルタですのね』

意外そうな声のジークリンデさん。まぁ、エネルギー不足っていうのもありますけど、これくらいは乗り切って貰わないと。織斑君には特に。

『あら、では私達はもしもの時に備えて待機しています。白野さんたちはそのまま機体の調整などを。イルフリーデ、白野さんのフォローをして差し上げなさい』

「は、はい。白野、それじゃあ行きましょう」

うん。それじゃあ皆さん、よろしくお願いします。

後を皆さんにお願いして、私達はピットに戻る。そのまま《聖杯》の調子を確認すると、案の定オーバーヒート寸前である。後でキアラにお願いするとして、取り敢えず応急手当しておこ。イルフリーデさんのも一緒に見てあげる。データ解析してあげるよ。

「それじゃあお願いしてもいいかしら? あ、もちろん《聖杯》の後でいいからね」

了解。それじゃ《聖杯》ちゃん、ちょっとしみますよー。

「……しみるの?」

まぁ、気分だけどね。うん、取り敢えずダメージは殆どなかったからこんな所でいっか。

「も、もう終わったの?」

うん。ダメージは少なかったからね。さ、イルフリーデさん、《ヴォジャノーイ》貸して。

「え、えぇ。お願い」

ほいさ。んー、あ、イルフリーデさん色々能力上がってるね。今日の実戦で更に上がったみたい。不幸中の幸いだね。

「そ、そうなの? 喜んでいいのか分からないけど、良かったわ」

じゃあ、後で一緒に近接戦闘の訓練しようね。今日のお礼に色んな剣技を見せてあげるね。

「ははは、それを聞いたらヘルガが泣いて喜びそうね。ヘルガ、まんま騎士だから」

そっか。なら、ヘルガさんにセイバーの丸見えスカート履いてもらおうかな。似合いそう。

「それ、馬鹿にしているんじゃないのよね?」

うん、褒め言葉。さて、と。

どうやら外の騒ぎも収まってきたようで、軽い整備を終え、私達もアリーナの方へと戻る。アリーナの地面はぼこぼこになっており、特に一箇所は大きく抉れていた。おぉ、これは随分派手に。

「ゴーレムは“全て”コアまで破壊されたようです。かなり頑丈でしたので、私達もコアを狙って攻撃しましたから、ぐしゃぐしゃになってしまったようです」

「不思議なほどに頑丈だったからな。丁度いい機会だから、新しい武装を試させてもらったよ」

ニコニコするジークリンデさんや良い笑顔のラトロワさん。どうやらそういうことらしい。まぁ、大騒ぎになっちゃうもんね。それにしても、《パクファ》と《ルサールカ》、かっこよかったですね。それに、ロマンたっぷりですし!

「はは、完全にキアラの趣味だろうな。《カリス社》には優秀な研究者が多いが、こういうのを作れるのはアイツしかいないよ」

「本当に。キアラ様ったら、私達も知らないうちに二機も新機体を組み上げていらっしゃるんですもの。ふふふ、流石、なのでしょうね」

あれは人外ですから。それじゃあ後で皆さんで会長さんのお見舞いにでも行きましょう。

「久しぶりに更識の顔も見ておきたいしな」

あれ、ラトロワさん、会長さんとお知り合い?

「アイツは国家代表だからな。ロシアでアイツの訓練を担当したのは私だ」

会長さんが逆らえない人追加。しかし、つくづく《カリス社》に弱い人だ。

「私も挨拶しておこう。彼女の評判は聞いているからな」

会長さんが以下略。まぁ、過去最高の生徒会長ならば優しいだろう。……魔性菩薩と軍人さんに比べれば、数億倍も優しいだろう。スィーリアさん、ホントに優しいし。

「ではその前にここを片付けてしまいましょうか。イルフリーデ、あなたも手伝いなさい」

「は、はいっ」

その後、ヴィーラさん、ラトロワさん、ジークリンデさん、スィーリアさんというとんでもないメンバーと共に、穴だらけとなったアリーナを修復したのだった。

 




ここから先はしばらくオリジナル展開になるかと。
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