この下りが終わったら臨海学校編です。
教員たちとの夕食会を行った次の日。私はお弁当作りに精を出していた。何故かというと、昨日織斑先生たちにご飯を作ったことがのほほんさんにバレたから。まぁ、そんなに大したことじゃないけど。つまみ食い禁止。
「あいたっ」
つまみ食いは禁止なのです。お昼まで待っていなさいな。
「ぶー、は~い」
いいこいいこ。代わりに朝ご飯はこれ食べてね。
「わ~、おいしそ~」
はいはい。これ食べてゆっくりしてなさいな。時間はまだあるからね。いつもはぎりぎりなのに、ご飯作ったらつまみ食いしようとするのだから、のほほんさんカワユス。
「はくのんお弁当出来た~?」
うん。ハンバーグとかも入れたから楽しみにしててね。
「わ~い」
そのままのほほんさんと手を繫いで教室に向かう。
「あ、おはよう岸波さん、本音」
おはよう相川さん。
「おは~」
「今日は朝食堂に来なかったけど寝坊したの?」
私がご飯作ってあげたの。お弁当のついでにね。
「岸波さんのお弁当? へー見てみたいな」
何なら、一緒に食べる? 一杯作ってきたから、つまむくらいなら大丈夫だと思うよ。
「え、いいの?」
うん。皆で食べた方が美味しいしね。
「じゃあ、私もご一緒させてもらおうかしら。ふふ、楽しみね」
特別な料理も用意してるから、楽しみにしててね。
その後もお弁当談義をしていると、織斑先生が入ってくる。さて、席に着かねば殴られる。
「さて、もうすぐ臨海学校な訳だが、明けにあるテストの準備も忘れないように。それと岸波。一時間目からは私と来い」
ん? なんだろうか。今日の夕飯のリクエストだろうか。
「そんなわけがなかろう。ともあれ、私からの連絡は以上だ。では後はお願いします山田先生。では、いくぞ岸波」
ウィ。じゃあ、行ってくるね。
「行ってら~」
のほほんさんに見送られ、織斑先生について行く。さながら私は僧侶。もしくはスラりん。そういえば、どこに行くんですか? 研究室?
「違う。まぁ、カリス社の日本支社だ。今朝本社、というか、岸波先生から来て欲しいとの連絡があってな。悪いが、午前中は潰れてしまう」
どうやら、キアラのとこに行くらしい。キアラは先に行っているようだ。……支社の人の無事を祈る。
「向こうはお前を歓迎しているようだから心配はいらないが、最低限の礼儀はわきまえておけ」
学園から乗ってきた車の中で織斑先生に釘を刺された。そんな、私、いいこ。心配ご無用。
「本気で、言っているのか?」
ごめんちゃい。
ともあれ、織斑先生には織斑君の話題が一番だ。昨日の水着談義の件を話したら頭を抱えていた。そりゃそうか。
ともあれ、織斑君に女心を考えさせた私の頭を撫でて下さい。
「何がどうなって、そうなるんだ……」
撫でて下さい。でないと、キアラに頼んで、織斑先生の水着を貝殻にします。
「……お前たちならやりかねんな」
そういうと、織斑先生は頭を撫でてくれた。むふー。
「というか、なんでそんなことやらせたんだ。
いや、相川さん達に自慢しようかなって。
「……はぁ」
そう言えば、織斑先生は彼氏とか作らないんですか? あ、織斑君は理由にしちゃダメですよ。
「一k……、こんなとこにいるとな、出会いも何もないんだよ」
……そんなこと言ってると、本当にブリュンヒルデになっちゃいますよ? 被虐体質なんですか?
「お前な……。女子高生がそんなことを言うな」
とは言いましても。扉開けるためにパンツ脱がされたり、ラブパワー全開の輩を見ている身としましては、織斑姉弟はじれったいのですよ。もしかして、織斑君狙いとか?
「何を言っている。あいつは弟だぞ」
うーん……織斑君は茨の道かな。じゃあ、どんな人がタイプなんですか?
「……そうだな、私自身家事が苦手だからな。そういうのが得意な男がいい」
ふむ、主夫ですか。じゃあ、織斑君とかオススメですよ。
「だから、どうしてお前は一夏と私をくっつけたがるんだ」
すみません。まぁ、織斑先生は年上が似合いそうですよね。全部受け止めてくれるような。
「……第一お前はどうなんだ。お前こそそういうことを楽しむ歳だろう」
うーん。織斑君はともかく、なかなか良い人がいないのですよ。男女はどうでもいいんですけど。
「そこはどうにかしろ。手を出したら承知せんぞ」
まあ大丈夫です。あの学園にセイバー達みたいな子がいるとは思えませんし。
「セイバー? それは……」
あ、着きましたね。じゃあ、行きましょうか。
「……あぁ。時間もギリギリだからな」
目の前にそびえ立つ高層ビル。どうやらキアラは凄い会社の所属らしい。まあ、こんなISを作るくらいだから当然か。
ビルの中に入ると、沢山のメイドさんに出迎えられた。
…………。
………………、………………は?
「お待ちしておりました白野様」
先頭に立っていたメイドさんが、私に向かって頭を下げてきた。……これがご主人様というものなのか。
「私、白野様付きのヴィオリニスタ・クラヴィアと申します。ヴィーラとお呼び下さい」
じゃあ、ヴィーラさん。このメイドさん達は?
「皆、白野様のメイドでございます。数名は学園に行っておりますので、後日挨拶に向かわせます」
織斑先生織斑先生、私、ご主人様になっちゃったみたいです。
「私も驚いている。まぁ、お前も企業所属だから、この人達を雇うお金はあるだろうが」
「私たちの給金は社長からいただいています。白野様に一生涯お仕えいたします」
やべぇ、ときめく。ヴィーラさんヴィーラさん。
「はい?」
あのですね、お帰りなさいませ、って言ってくれません?
「お帰りなさいませ、ご主人様」
「「「お帰りなさいませ、ご主人様!」」」
満面の笑みとセットで言ってくれました。……私、絶対この人達を許(はな)さない。いや、離さない。
「そう言っていただけること、嬉しく思います。では、私に着いてきて下さい。社長の所にご案内いたします」
あ、織斑先生はどうします?
「私は学園に帰る。帰りは《カリス社》が手配してくれる。では、よろしくお願いします」
あ、織斑先生。もし、お昼までに帰れなかったら、のほほんさんにお弁当を食べててって伝えておいて下さい。あと、マーボーは一人一口ずつとも。
「ん? あぁ、分かった。布仏に伝えておこう」
そう言って織斑先生は帰っていった。じゃあ、ヴィーラさんよろしくお願いします。
「はい。こちらについて下さい」
はい。っと、ちょっと待って下さい。
「はい?」
皆さんにも……。皆さんも、よろしくお願いします。
ぺこり。
「「「よろしくお願いします、白野様!!!」」」
さて、今度こそよろしくお願いしますヴィーラさん。
「……はい。よろしくお願いいたしますね、白野様?」
笑顔で魅力的です、ヴィーラさん。
このお話は完全に趣味です。
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