この素晴らしい世界において、私の治療はこの上なく効果的なのだよ   作:牛乳に浸した餅

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1万字とか書いてる方って本当にどうやって小説書いてるんですか・・・???
僕、3000文字書くのも精一杯何ですが・・・
というかクロスオーバー小説ってすっごい難しい・・・
あ、今回はほぼほぼ状況説明とかです


第2話 状況整理とドクターとの取り引き

・・・さーて困ったことになったぞ?

あれから数十分の時が過ぎ、自己紹介も済ましておいた

私はペスト医師さんの事を【ドクター】と呼ぶことにした。

ペスト医師さんは私の事を【ユウカ嬢】と呼ぶことにしたらしい

それと、この場所が分からず困惑していたドクターに、ここは異世界だという事、私の手違いで連れてきてしまったを教えておいた。

怒られるかと思ったが、どうやらドクターは財団から逃れる事が出来たからと許してくれた。ありがとうございます・・・

 

さて、私とドクターは今の現状を色々探っていた。そうして分かったことを、纏めてみようと思う

 

まず第一に、ドクターはどうやら私の中に憑いてしまっている状態の様だ

ざっくりとした説明になってしまうが、体の主導権は私のまま、視覚、聴覚、嗅覚を共有している状態らしい。触覚と味覚は非対応らしい

ドクターから聞いた話だと、どうやら私の同意があればペスト医師さんに体の主導権を一時的に渡す事もできる・・・らしい

これらはあくまでドクターの推察なので、本当かどうかは分からない

 

そして第二に、ドクターが主導権を得ていない間、彼の声は私だけに聞こえるらしい。私から彼に話しかける為には、意識を集中させて彼自身に頭の中で語り掛ければ良いようだ、考えることがそのまま伝わるとかじゃなくて良かった・・・

また、聴覚を共有しているから口頭でも伝わるようだが、他の人から見たら虚空に話しかける不審者になってしまうので・・・意識を集中できないような緊急事態以外では口頭でドクターと話すことは無いと思う

 

次に第三に、私の着けている手袋とローブはちゃんと着脱できる様だ。

本家記事ではローブやマスクは皮膚の上から生成されていて取れないから、私もそうだったらどうしようかと悩んでいたが、ちょっと引っ張っても服に異常性が無さそうなので安心した

 

そして最後だが、触れた物を殺す能力は手袋越しでは発動しないみたいだ。裏路地に居たネズミで能力を実際に試そうとして触れたのに何も起こらなくてビックリした。

ただ、よくよく考えれば能力の発動条件は「直接の皮膚接触」だ。ドクターの手袋は体の構成物の1部で、皮膚と同じ材質である為能力が発動するが、私の皮膚と手袋は別々の為、能力が発動しないらしい。これは非常にラッキーだった。ミスって殺害とか笑い話にもならないですからね・・・どうせならもっとこう・・・いやこの話はやめにしよう

 

・・・さて、現状はこんなものだろうか?まぁ総じて纏めると、能力自体は非常に使い勝手も良く、流石女神様と言ったところだ

 

だが!だがしかしだ!問題はドクターご本人だ!

 

何故ご本人様が居るのだ!いや嬉しい、嬉しいよ?私ペスト医師大好きだし。あの素晴らし過ぎる声で話しかけてくれるのはファンとしてテンションが上がらない訳がない

 

だけれど!だけれども!異世界生活を送る上で危険過ぎる!

 

い、いやね?私はパニックホラー系大好きだから「ドクターの力を使い世界を大混乱に陥れてやるぜぐへへへへへ」という思考にも一瞬だけなった、いや一瞬だけだよ?

でも、それはドクターを騙す事になるのだ。ドクターは殺人欲求など無い。むしろ平和を望んでいる人なのだ。それを私自ら世界の敵に仕立て上げるのは・・・無理だ・・・

 

それにこの世界の人めっっっっっっっちゃ優しい!

私が周りを見渡してたら心配した人が声かけてくれて冒険者ギルドとやらや宿屋の場所教えてくれたし

裏路地でネズミ仕留めてたら空腹なホームレスと間違えられて干し肉くれたし!

 

何だこの優しい異世界は!流石にこんな優しい人達殺せないよ!

 

それでだ、問題はドクターである

先程彼が優しい人間だと言ったが、それは彼の心の問題であり人を殺さないとは言ってない

彼は【悪疫】をとても憎んでいて、その悪疫に冒されているとみなした人を能力で殺してしまうのだ。

で、問題は・・・その【悪疫】の判断基準が分からないのだ。

そもそも、彼がどのペスト医師なのか私には分からない。本家記事のみのペスト医師かもしれないし、無数にあるtaleのうちどれかの道を歩んできたペスト医師かもしれない。もしかしたらペスト医師ご本人では無かったりする可能性も・・・?

つまりだ、ドクターは、制御不可能な爆弾だという事になってしまうのだ

幸い、体の主導権は私にあるが、「私の許可があれば主導権を一時的に渡せるようだ」というのはドクターの推察であり、真実とは限らないのだ。「実は本気出せば無理矢理奪える」とか「主導権1回渡したら二度と戻ってこない」等があってもおかしくはない。

 

後これは上記の話に比べれば些細な問題なのだが、視覚を共有している為プライバシーが無い。・・・まぁそこはご本人様の紳士性を信じよう。

 

 

・・・と、そこで私は1つ名案を思い付いた

こうなれば一か八かだ。思い付いた案に賭ける為に私は頭の中のドクターに話しかけた

 

(すみませんドクター、1つ提案があります)

 

『ふむ、言ってみてくれ、ユウカ嬢』

 

(実は、この世界には魔王と言われる存在が居て、その魔王が人々を苦しめているらしいのです)

 

『成る程、その様な存在が実在するというのか』

 

(えぇ、そして・・・魔王を倒した者は、どんな願いでも1つだけ叶えることができるらしいのです)

 

『それは、本当か?ただの御伽噺じゃないのか?』

 

(はい。間違いありません、ここに送られる前に、魔王を倒したら願いを叶えると、ドクターを授けた方に教えてもらったのです)

 

ドクターは黙り込んでしまった。数秒間の沈黙の後、私は彼に、提案の本題を告げる

 

(それで、お願いがあります。その願いを叶える権利をドクター、貴方に譲ります。だから、私に協力して欲しいのです)

 

・・・そう、これが私の提案・・・いや、【取引】だ、ドクターはきっと叶えたい願いがあるはずで、それを利用して無茶な要望を通すのが目的だ

確かに、私も自分の願いを叶えたい。

しかし、ドクターは常に「人々を助けたい」という考えを持っているのだ・・・私が私欲の為に願いの権利を使うより、ずっと良いと思っている。それに、私の望みはもう1度叶えられた

だからこそ、私は感情的にも利益的にも、この提案が最善だと思った

 

『つまり、魔王を討伐する事に協力して欲しい・・・と?』

 

(はい、その為になるべく私の言う事を聞いて欲しいです)

 

『・・・そうか、すまない。少し考えさせてほしい』

 

ドクターはそう言ってしばらく黙ってしまった

私としても、特に彼に掛ける言葉も無い以上、2人の間には沈黙が続いていた

 

 

 

しばらく時が経ち、答えが決まったようでドクターの声が響く

 

『分かった、ユウカ嬢に協力するとしよう。だが私は救済でなくてはいけない、人々をわざと苦しめるような事には、絶対に協力できない』

 

(えぇ、それで大丈夫です、ありがとうございますドクター)

 

『あぁ、これからよろしく頼むよユウカ嬢』

 

・・・良かった、何とか提案を呑んでくれるようだ

これなら何とかドクターと協力して異世界で生きていけるはずだ

でも、ラベンダーは早いところ入手しておきたい。これではまだ口約束に過ぎないだろうから

 

 

(それじゃ、早速行動をしましょ!まずは教えてくれた冒険者ギルドって所に行きませんか?)

 

『あぁ、ユウカ嬢がそれが良いと思うなら行こう』

 

という事で、長々とした状況整理と交渉が終わったので私達は早速冒険者ギルドに向かうことにした

教えてくれた場所に向かって歩くこと数分、[冒険者ギルド]と書かれた看板のある建物を見つけたので、早速入ってみる

 

「いらっしゃいませ~。お仕事は奥のカウンターへ、お食事は空いている席へどうぞ~!」

 

入って早々声を掛けられた・・・冒険者ギルドというのは、食事処も兼ねているらしい。初めて知った・・・

 

それで・・・この場所を教えてくれた人が言ってた冒険者登録?というのは奥のカウンターに行けば良いのかな?

 

空いているカウンターの方に、早速向かってみることにした

 

「あの~・・・ここで冒険者登録って出来ますでしょうか・・・?」

 

「大丈夫ですよ~、登録手数料として1000エリス掛かりますが大丈夫ですか?

 

 

・・・・・・・・・・

 

え?

 

登録・・・手数料・・・?1000・・・エリス?

 

・・・異世界のお金なんて持ってないよぉぉぉぉ!

 

『あぁ・・・確かに、国が違えば通貨が違う様に、世界が違えば通貨も変わるだろうな・・・どうするユウカ嬢?』

 

(ど、どうするも何もお金が無い状況はどうしようも・・・うぅ・・・)

 

マズイ、非常に・・・非常に困ったことになった、どっ、どうし・・・

 

 

「お困りの様だね~新人君」

・・・ふと、銀髪の女性が、私の背後から話しかけてきた

 

・・・え?誰・・・?

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