この素晴らしい世界において、私の治療はこの上なく効果的なのだよ 作:牛乳に浸した餅
皆様方のお陰で、私としてもこの作品を続けていけますので・・・
それと、前回のアンケートではドクターと2人で自由に動く、という票が1番多かったですね。夕夏とドクターは今後自由にのらりくらり動く事になりそうです。まぁ、ちょくちょく原作の事件とは絡ませて行きますが・・・
「それじゃあ、また今度会おうね~!」
そう言って、クリスさんとダクネスさんは何処かに歩き出していった
さて、私は今クエストを終え、報酬を山分けとして3万5000エリス貰った所だ
今日はもうこれ以上クエストを受ける・・・というのは体力的にも厳しいと思う
ならば、この貰った報酬を使って、アクセルの街を歩いてみようと思う。まだ知らないところだらけだし・・・
・・・ただ、正直私はアクセルの街に何があるのか知らない
まず何処から行こうかな・・・
そう考えていると、突然腹の音が鳴った、自分から
・・・この世界に来てから現在まで5時間。前世で最後にご飯を食べたのは死亡時刻から約4時間
丁度お腹も空く時間だ
そういえば、ギルドでご飯を食べれると聞いたような気がする・・・どうせなら、ここで食べてみよう
そう思い、空いている席に座ってメニュー表を眺めてみる
「・・・ジャアントトードの唐揚げ・・・?美味しいの・・・?」
あれって食べられるのか・・・蛙は食べられるとは聞いたけど、どんな味かは知らない故に、未知への恐怖心が湧いてくる
『ユウカ嬢、蛙肉は昔から食べられる事もあった立派な食用肉だ。私も食べた事があるが、かなり美味だった。日本ではあまり馴染みが薄いかもしれないが・・・この機会に是非食べてみて欲しい』
(美味しいんですか・・・蛙・・・)
まぁ、ドクターにこんなにも勧められたのなら勇気を出して食べてみよう
「すいません、ジャイアントトードの唐揚げください!」
恐怖心を振り払い、私は蛙を注文したのであった
意外と美味しかった・・・淡泊だが良い味をしていた、機会があればまた食べてみよう・・・
(ドクターの言った通り、美味しかったです・・・蛙)
『そうだろう?今度、唐揚げ以外の蛙料理も教えよう、食べてみると良い』
わーお・・・それまた楽しみだ・・・
さて、腹ごしらえもした所だし、早速アクセルの街を散策してみよう!
蛙で腹を満たした私は、意気揚々とギルドの外に飛び出したのだった
こうして少し歩いても見た事も無い種類の店があったり見た事のない種族が居たりと、散策するだけでも面白い。まぁそもそも、ドクターと違って私はヨーロッパに行った事が無いのでレンガ造りの家々を見るだけでも新鮮なのだが・・・
しかしこうしてみると、中世ヨーロッパの街並みという物は良い物だ、後はジャックザリッパーさえ居れば完璧なんだけど・・・
そうして建物を見渡しながら歩いていると、1つの木造の不思議な店を見つけた
「・・・ウィズ魔道具店?」
魔道具・・・ファンタジー系異世界だとそういう物もあるのか・・・
というか売ってる物なのか、魔道具とかはてっきりダンジョンとかでドロップするのかと思ってたけど・・・
いや、冒険者カードを見た感じ魔道具っぽいけど沢山ありそうだったし、作れるのかな、魔道具
『魔道具?聞いた事の無い言葉だな・・・』
(私もあまり分かりませんが、多分魔法の道具的な、私達が元居た世界には無い様な不思議な道具が売ってるんだと思います)
一応私とドクターの世界は違うのだけれど、ややこしいので括っておこう。多分ドクターは他のSCPを見てたりはしない・・・はず
『成る程・・・どうするユウカ嬢、少し見てみるか?』
(そうですね、折角ですし見てみましょう!)
木製のドアを開けると、そこには見た事も無い物が棚に数多く陳列された、不思議な雰囲気の内装が待っていた
私(とドクター)が興味深そうにキョロキョロと見回っていると、店の奥の方から店主さんらしき女性の人が慌てながらこちらに走ってきていた
「お客さんですか!?いらっしゃいませ!是非見ていってください!」
「あっ…はい」
そこそこ大きな声で話しかけられ、私は思わず変な返事の仕方をしてしまった
『・・・やはりユウカ嬢は少し人見知りに見えるが、大丈夫か?』
(はい・・・初対面の人が少し苦手で・・・ある程度仲良くなればそこまで問題無いので・・・)
やっぱりドクター気付いちゃいましたか・・・
私は初対面の人と話すのが少し苦手なのだ、何を話せば良いのか分からず返答が滞ってしまう
っと、そんな事より商品だ、魔道具が一体どんな物か、早速見て行かないと
まず最初に目に映ったのは、木箱にゼンマイ・・・オルゴールの様な物だ
・・・パッと見普通のオルゴールにしか見えないのだが、一体どんな魔道具なんだ?
・・・仕方ない、店主さんに聞いてみるか・・・チョット怖いけど
「て、店主さん、コレってどういう物なんですか?」
「それですか?・・・あぁ、それは魔除けのオルゴールです」
おぉ・・・なんか魔道具っぽい名前だな
「それを鳴らすと、魔物を遠ざけてくれるんですよ。・・・ほんのちょっとの間だけ」
おぉ、魔物を遠ざける事が出来るのか・・・いつ危険な魔物と出会うか分からない冒険者には有り難い物だ。蛙に苦戦する私みたいな駆け出しには特に!
・・・しかし、店主さん、「ほんのちょっとだけ」って言った時何故か申し訳なさそうな言い方をしていたけど・・・
「・・・その・・・効果時間はどれぐらいに・・・?」
「・・・3秒・・・です・・・」
短っ!3秒じゃ遠ざけれてるのか分かんないよ!
戦闘中なら相手を除けられるのは強い・・・と一瞬思ったけど、オルゴールを巻いている余裕があるのだろうか
そう考えていると、ふと、赤色の液体が入った1本の瓶を見つける。ポーションという奴だろうか・・・初めて見た
「店主さん、この液体は・・・?」
「あ、それは爆発ポーションです!振動を与えると爆発しちゃうので触らない方が・・・」
・・・え?魔道具ってゴミしか無いの?
い、いやいや。冒険者カードも多分魔道具の類だろうから、そんな筈はない。
え?このお店がもしかしてゴミ専門店なの?
そう思いながら、ふと前世の記憶を思い出す様な物が目に入った
赤い上部と、白い下部に分かれたまんまるのボー・・・いや、もうこの際誤魔化すのはやめよう
モン◯ターボールじゃん!
この世界ポケットなモンスター居ないよね!?そこそこサツバツだと思うんだけど・・・
「・・・て、店主さん?こ、これは・・・?」
「あぁそれですか?それは、自分が使役した使い魔を入れて、持ち運ぶ事のできる魔道具です!」
まんまモンボじゃん!
というか、この世界って使い魔とか使役できるのか・・・というか、その性能は別にゴミでは無いのでは?普通に使える魔道具だと思うんだが・・・
「・・・まぁ…その、使い魔は普通に使い魔召喚で呼べば良いだけなのでこの魔道具の使い道は無いのですが・・・」
やっぱゴミじゃないか!
い、一旦落ち着こう。使い魔召喚ってアレだよね、多分魔法だよね
となると、MPとかそういうのを使うんじゃないだろうか
それを節約出来るのなら、価値はあるのでは無いか?
「因みに、お値段80万エリスです・・・」
「要りません・・・」
ビックリするぐらい高い・・・武器屋やギルドの料理屋のメニュー表から考えると、恐らく1エリス=1円とか1.2円とかそれぐらいだ、多分。つまり、このモンボは大体80万円だ。こんなにお金を使うぐらいなら、絶対普通に使い魔召喚をした方が良いんだと思う
『・・・ユウカ嬢、魔道具とは、まさかこういう物なのか・・・?』
(う、うーん・・・私は、そうじゃないと信じたいよ・・・ドクター・・・)
因みに、ドクターは医療に使えそうな魔道具を探していたみたいだが良い物は見つからなかった様だ
あの後、ゴミ専門店を後にした私は、アクセルの街巡りを再開していた
(しかし、本当に賑やかな街ですね・・・見ているだけでも楽しいです)
『あぁ、そうだな・・・こうして人々が生き生きとしているのは、私としても嬉しい限りだ。元の世界と違うと言っても、人は人だ、私が救わねばならん者達のままだ』
うーん、やっぱりドクター良い人過ぎる。推しが優しくて情緒壊れそう
『・・・む?この匂いは・・・』
おや?ドクターが何かに反応した。匂い?何か匂いがするだろうか?
そう思い、少し嗅いでみると・・・嗅ぎ覚えのある芳醇な匂いがした
これは・・・ラベンダーの匂いだ
近くにあった花屋の店頭に、ラベンダーの花が並んでいたのだ
思わず駆け寄り、ラベンダーを手に取る
『・・・ユウカ嬢、ラベンダーが好きなのか?』
(えぇ、好きですよ、ラベンダーの香りを疲れている時に焚くと、落ち着くんです)
『そうか、奇遇だな・・・私も、ラベンダーの香りは好ましい』
そうだよね!やっぱりドクターはラベンダー好きだよね!
因みに、私がラベンダー好きなのはドクターに話を合わせるの為の嘘では決して無い。
{ドクターってラベンダーを嗅ぐと鎮静化するって記事に書いてあるけど・・・ラベンダーってどんな匂いなんだろう}
と思い、実際に買って試してみたら結構ハマったのだ。
・・・ドクターはラベンダーが好きで、私もラベンダーが好き。それでもって、ラベンダーがあればドクターが暴走したとしてもいざという時は鎮静化できる
うむ、買わない理由は無い!
「店員さん!このラベンダーの花をください!」
「はいよお嬢ちゃん、1本400エリスだよ!」
「ふっふふ〜んふっふ〜ん♪」
あれからしばらく経ち、現在私は宿の一室で鼻歌を歌っていた
『随分上機嫌だな』
(えぇ!この街の人すっごく優しいし、素敵なラベンダーの花に可愛い花瓶、これでテンションが上がらない訳無いですよ!)
私の手にあるのは、出店で売っていた可愛らしい花瓶と、それに植えられたラベンダーの花束だ
これがあるだけで、私の気分は上々、鼻歌の1つでも歌いたくなるのである
『そうか…それは良かったな』
花瓶をそっとテーブルに置き、ラベンダーの香りに包まれながらベッドに潜る
(いやぁ・・・今日は大変でしたね)
『あぁ本当だな、私としても、未だに実感が完全には沸かないよ』
(そう言うにしては、ドクターは結構順応しているみたいですけれど・・・)
『まぁ、ある程度は環境の変化に慣れている身だ。これぐらいはすぐに順応出来るとも』
さ、流石はドクターだ・・・言葉の説得力が違う
主に、世界中を旅していた事と財団にぶち込まれた事によって
『それよりもだ、ユウカ嬢。少し私の話に付き合ってくれないか?』
(え、えぇはい!よろこんで!)
っと、何やらドクターが話したいことがあるらしい!テンションが急激に上がってきた。眠れないかもしれない
『冒険者ギルドだったか、そこで受けたこの世界の説明の中で、興味深い物があった
・・・魂について、だ』
あっ、そういえば受付のお姉さんがそんな事を言っていたような気がする
確か・・・生き物を殺したり食べると魂の一部を吸収してレベルが上がる・・・?だっただろうか
『彼女が言った事が正しいなら、この世界には魂の存在が公に認知されており、研究も盛んに進んでいるのだろうか、実に興味深い』
・・・確かに、私の前世では魂の存在は仮説の1つに過ぎなかったが、この世界では当然の様に常識の1つとなっている
『それに、ここまで世界の前提が変わってくるのなら、ネズミの一匹でももしかしたら私の研究に非常に役に立つかもしれない』
『そこでだ、ユウカ嬢が良ければ、私の為にいくつか実験体を確保して欲しい』
(な、成る程・・・そういう事ですか)
うーん・・・正直断る理由が無い
ドクターに喜んで貰う為に、私もいっちょ協力するとしましょうか
(それでしたら、喜んで!)
『そうか!ありがとうユウカ嬢・・・おっと、話していたらどうやらもうこんな時間の様だ、明日の為に眠りに付くのが賢明だと思うぞ』
ドクターの言葉で慌てて視界の隅にある時計を見ると、もう22時の様だ
冒険者としての生活なのだから、元気に動ける様にもう眠るべきだろう
(そうですね・・・それじゃあおやすみなさい、ドクター)
『あぁ、良く眠るといい』
私はラベンダーの香りに包まれながら深い眠りに落ちていった
それにしても、今日は本当に良い日だった
明日も、こんな日でいられますように・・・
いやホンットに遅れてごめんなさい・・・
この一か月、海外旅行と引っ越しで潰れてました
ようやく落ち着けたから何とか続けていけそう・・・いけるかな・・・大丈夫かな・・・