「・・・金が手に入らない!」
黒夢は仁王立ちをして両手を腰に当てながらそう言った。
そしてその近くには、
「・・・なんでそんなに誇らしげに言ってるのよ・・・」
最近友人になった華扇と、
「それにいつも神社に引きこもってるのにお金が手に入るわけないでしょ」
幼少時代からの幼馴染の佳奈美がいた。
「む、失礼だな・・・買い物ぐらいには出てる」
黒夢はさっきまで座っていた座布団の上に座った。
華扇と佳奈美も座布団の上に座っている。
そしてそんな3人の前には湯飲みに入ったお茶がある。
「でも、それ以外ででているのですか?」
華扇がそういうと黒夢は沈黙した。
「・・・ていうか、黒夢の両親に貰えばいいじゃん」
佳奈美は紫やコルテスにお金を貰えばいいと提案した。
軽く親バカの二人なら喜んで金を出すだろう。
しかし、
「それは嫌だ。俺は一応自立してる身だからな」
と言い黒夢は頑なに拒んだ。
「じゃあどうするの?」
華扇は黒夢に聞いた。
「そうだな・・・神社と言えばやっぱり賽銭だよな。賽銭で儲けるってのは」
黒夢はそう提案した。
しかし二人からは
「こんな妖怪のでる森の奥の神社に誰が好んで行くんですか?」
「それに神社と言ってもこの神社って・・・神いないよね」
という痛い一言・・・いや二言が飛んできた。
その言葉は確実に黒夢の体に突き刺さった。
「ぐっ・・・ならば」
黒夢は勢いよく立ち上がり、お払い棒を手に持ち上に掲げると
「何かをたたえて神がいるようにみたてればいいんだ!」
・・・正直神に仕える神主が言ってはいけないことを言い放った。
「・・・しかし、そうするにしてもどうするのですか?」
華扇はしばらく黒夢と一緒にいて、言っても無駄だろうということが分かっているので説教はしなかった。
「ほら、この幻想郷って一人の神と一人の龍神で最終的には作られたでしょ」
幻想郷の管理をする中心の神と幻想郷を隔離する結界を作った龍神のことである。
ちなみに、幻想郷と外の世界はまだ完全には隔離できてはいない。
日々、龍神や紫が結界の強化をしているのだが・・・あと一息というところらしい。
そして、黒夢の役目は異変解決、人里の守護結界の作成と継続、強化。
最後に・・・結界が出来上がるまで外の世界に出ようとするやからを追い払う役目がある。
それが仕事で、そのうち異変解決や人里の守護結界などは終わったあとにはお礼を兼ねて現金が手に入る。
しかし、結界の継続のために行くのや強化しに行くのは・・・多くて2ヶ月に一回。
長くて半年に一回である。
異変もしょぼい異変ばっかりであまり現金は手に入らない。
おそらくお金が足りないと言っているのもそのせいだろう。
「確かにその通りだけど・・・まさかその神と龍神を祀るとか・・」
「ああ、その通りだ!」
佳奈美の問いかけに、黒夢はすがすがしいほど元気に答えた。
そんな答えを聞いていて、二人は最初から思っていた疑問を言うことにした。
「・・・黒夢、いつもはお金はどっちでもいいって言ってるのに今日は何でそんなにお金にこだわるの?」
佳奈美がそう聞くと黒夢は一瞬くらい表情をした。
それは、二人ともが見逃さなかった。
「黒夢!もしかして、何か重要なことが?」
華扇は飲んでいたお茶を床に置くと黒夢のことを心配してかそういった。
「・・・ねえ、悩みがあるなら相談してよ」
佳奈美は心配そうに黒夢の方を見た。
黒夢はしばらく口を閉ざしていたが、
「・・・分かった。話そう」
黒夢の少しくらいそんな言葉を聞くと、二人はごくりと息を飲んだ。
そして、黒夢が言ったことは
「・・・いい加減・・・・雑草と土生活には飽きたんだよ!」
それを聞くと、二人は口をあけたままぽかーんとしていた。
「・・・もう65日目だしな」
そして、しばらく放心状態だった二人は我に変えると
「「・・・え・・・えええええええええええぇぇぇえええぇぇえ!!!!」」
とある意味驚いていた。
「え・・・黒夢、雑草と草だけでそんなに生活してたの?」
佳奈美は慌てふためきながら言った。
「・・・後は水かな」
黒夢はいつもの態度で答えていた。
二人は、そんな姿にある意味恐怖を感じていた。
「・・・黒夢、人里に行って食べ物わけてもらいにいったらいいんじゃないですか」
と呆れ気味で華扇は考案した。
「でも・・・借りを作るには・・・」
「いや、借り以前の問題ですからね!?」
ある意味そんなところは律儀・・・て言うかありがた迷惑である。
華扇はそんな黒夢にご飯でも奢ろうかと考えていた。
「・・・そういえば、このお茶はどこから?」
佳奈美は自分達の目の前においてあるお茶を見た。
もしかしたら、雑草で作ったお茶かと思うとぞっとする。
「あー、それは俺が好んで飲むお茶だから・・・とはいっても貰い物だけどね」
と言うのを見るとある意味二人は安心した。
「・・・とりあえず、私がご飯を奢りますから私の家に来てください!」
華扇はそういうと黒夢の腕を掴んで無理やり連れて行こうとしていた。
「え・・・いや・・」
佳奈美にも強行されて結局華扇の家でご飯を食べた。
とある真実
「・・・ま、ばれなくてよかったかな」
食べ終わった後に神社に帰宅したガットはそういった。
実のところ、人里の人も里の守護の人の同行で賽銭箱にお賽銭を入れに来たりする。
それ以外にも紫たちも入れてる所為でかなりの金額が溜まっている。
しかし、黒夢はそれを使おうとはしない。
逆に神棚にこっそり全てのお賽銭をしまっているのである。
これも、黒夢なりの感謝の仕方らしい・・・というのもあるが本当は願掛けのようなものらしい。
ちなみにこのお金は、客人などが来るときは真っ先に使用する・・・が
決して自分のためには使用しない。
正直・・・雑草や土を食べるくらいなら普通に使えばいいのだろう。
ちなみに雑草や土を食べてると言うことは・・・・本当のことです。