東方神主伝   作:ごくでヴぁる

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第十三話 鬼ノ異変 ~決闘~

博麗神社に近い森の中で、三人の人影が見えた。

一人は博麗神社の神主である博麗黒夢。

そしてもう一人は・・・鬼の四天王の一人である伊吹萃香。

そしてその様子をみているのは黒夢に手を出すなと言われた茨華扇。

 

「じゃ、行かせてもらうね」

 

萃香はそういうと黒夢に一瞬で近づいてきた。

黒夢は萃香に向けて数枚の札を投げつけた。

だが、その札は素手で弾かれてしまった。

黒夢は萃香が殴ってくるのを感じるとすぐに避けた。

 

「へえ・・・私の攻撃をかわすなんて、やるわね人間!」

「まあ・・・な!」

 

黒夢は再び数枚の札を萃香に投げつけた。

しかし、それもさっきのように素手で弾かれてしまった。

黒夢はそして弾かれたのをみると懐から一枚の札を出した。

 

「霊符「五十結界」」

 

萃香は焦って周りをみた。

すると、萃香を中心にして札が周りの木に刺さっているのが見えた。

すぐに移動しようとしたが、

 

「遅い!」

 

周りに結界が張られて中心から大きな爆発が起こった。

 

「(・・・・やったか?)」

 

煙で視界か見えにくくなってはいるが、手ごたえはあった。

しかし、黒夢は今まで鬼という生き物と戦った事は無かった。

そのせいなのか、油断を一瞬でも作ってしまった。

煙の中から、一瞬で出てきて黒夢に近づいてきた・・・萃香。

一瞬の油断が命取りとなるとは、正にこのことだ。

黒夢は反射的に自分の目の前に霊気で作った安易な結界を張った。

しかし、それは萃香の拳によって一瞬で砕かれてしまった。

黒夢は再びお払い棒で攻撃を受け止めようと構えた。

しかし、右手から放たれた拳は・・・お払い棒で受けたが弱々しかった。

萃香は左手で、黒夢のわき腹を殴った。

黒夢は直接わき腹に萃香の拳を受けたせいで、血を吐きながら地面に叩きつけられた。

 

「黒夢!」

 

少し離れたところからは、華扇の悲痛な叫びが聞こえた。

黒夢はしばらく地面に倒れていたが、木を支えの代わりにして立ち上がった。

黒夢は頭や腕から流血していた。

 

「(・・・まずいな、さっきの一撃でアバラの三四本はもっていかれたか。さっ

 

きの一瞬、霊気で結界を作ってなかったらやられていた)」

黒夢は息切れしながら萃香の方を見た。

少し肩や頭から流血はしているようだが、致命傷では無いみたいだ。

 

「(くそっ、油断しちまった)」

 

黒夢は再び懐から複数枚の札を出して投げつけた。

 

「同じ攻撃が効くとでも?」

 

萃香は今度は掌から妖気の塊を出してそれで消そうとした。

だが、黒夢にもそれは十分分かっていた。

黒夢は懐から札を出した。

 

「霊符「霊破槍」」

 

すると投げた札が霊気によって作られた槍に変化した。

 

「なっ!」

 

萃香はそのまま妖気の塊を放った。

しかし、まだ数本霊気の槍が残っていたらしくその槍が萃香の肩と腹部を貫いた。

萃香は血を吐きながら地面に叩きつけられた。

黒夢はよろけながら萃香に近づいた。

萃香を貫いた槍は地面にまで刺さっているから心配は無いだろう・・・と一瞬思ったが鬼の腕力を思い出しそう考える事はやめた。

念のため、札の一枚を霊破槍に変えて手に持ちながら近づいていった。

すると萃香が刺さっている槍を素手でつかんで、砕いた。

黒夢は警戒して槍を構えた・・・が萃香が次に言った事は思ってもいなかったことだった。

 

「・・・ふふっ、人間・・・いや黒夢か。中々面白かったよ!」

 

そういって笑っていた。

黒夢は本で読んだ鬼についての記述の中に、鬼はうそをつかない種族で人間を試すように戦い面白いと判断したらつれて変えるとかかれていたのを思い出した。

とにかく、今は安全だと気づくと黒夢は霊破槍を解いた。

 

「・・・・・疲れた」

 

そういって地面に座り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、黒夢は萃香と華扇をつれて博麗神社に戻ると博麗神社にあるコルテスが置いていった救急箱で・・・華扇に治療されていた。

とは言っても、骨のひびなどは治せないので応急処置程度の治療しか出来なかったが。

 

「もう、黒夢はいつも無茶ばかりして。それにあなたには注意力が足りません!」

 

・・・そして、いつものように説教を受けていた。

その時に萃香が中に割り込んできて、

 

「まあまあ、落ち着きなって華扇」

 

といって華扇の説教に止めに入ってきた。

華扇はしばらく無言になっていたが、萃香の服の襟をつかむと

 

「元はといえば、あんたのせいでしょうが!」

 

と言って神社の庭に向かって思いっきり投げ飛ばした。

萃香はその勢いのせいで頭が地面に刺さってしまっている。

華扇は萃香が刺さっているところに行くと萃香を蹴り続けた。

 

「・・・・・・」

 

黒夢は疲れているせいか何も言わなかった。

ただ、黒夢はあったときから華扇に角があるのは知ってるしそれを隠すために黒夢は作ったお団子頭にするための布をあげたのだから。

 

「(それでも・・・)なあ、もしかして華扇って鬼の四天王なのか?」

 

黒夢がそういうと萃香を蹴っていた華扇の動きが止まった。

そして、さび付いた機械のような動きで首を黒夢の方に向けると、

 

「ヤダナーソンナワケナイジャナイカ」

 

と片言で言った。

黒夢はその様子をみると、やっぱり嘘つくの嫌いなんだな・・・と思った。

というかこの様子じゃ嘘をついているうちにも入らない。

すると、地面に刺さったまま萃香が

 

「えー、華扇って私達と同じ四天王じゃ・・・」

 

その続きを言う前に華扇に更に地面に深く刺さっていっている。

黒夢はその様子をみるとため息をついた。

 

「(どうやらうそが嫌い・・・と言うかうそをつかないというのは本当みたいだな)」

 

黒夢がそう思っていると、空から風を感じた。

黒夢が空をみると、そこには妖怪の山の長でもある天魔がいた。

 

「天魔、なんのようだ?」

 

黒夢がそういうと天魔は博麗神社の庭に着地した。

そして、黒夢の体の具合などをみると・・・ある意味驚いていた。

 

「・・・鬼と戦ってそれだけの怪我ですんだのに加えて、その怪我で普通に過ごしているお前って・・・人間の皮を被った妖怪だな!」

 

そういってビシッ!という効果音がつくほどに天魔は黒夢を指差した。

黒夢は少しイラッと来たらしく霊破槍を天魔に投げつけた。

天魔はそれを避けると、

 

「そんだけ元気だったら大丈夫だな」

 

天魔はそういうと黒夢が座っている縁側に座り込んだ。

黒夢はしばらく黙り込んでいたが・・・口を開いた。

 

「なあ、もしかして・・・もしかしてだが、さっきの戦いは誰かに仕組まれたものなのか?」

 

天魔は少し驚いたが、すぐに口を開いた。

 

「ああ、そうだ。妖怪の山を裏から支配している鬼・・・雷鬼によってな」

 

黒夢はそれを聞くと神社の奥に入りしまっていた何枚かの札を懐に入れてお払い棒を持つと、庭に出た。

 

「・・・てめえ、まさか」

 

天魔は何かに気づいたのか、黒夢の方を見た。

 

「おそらく、俺が邪魔なんだろうよ。当たり前だよな、今まで幻想郷でルールを張ってきたのは母さんだけなんだから。なのにさ、第三者・・・それも人間なんかにそんなことされたら、消したくなるのもごもっともだ。・・だが」

 

黒夢は手にもっていたお払い棒を更に強く握った。

 

「こんな回りくどいやり方は、少し・・気に入らないかな。それに、俺を狙ってくるなららうけてたつ」

 

黒夢はそのまま妖怪の山に行こうとした。

しかし、目の前には華扇と地面から出てきた萃香が立っていた。

そして、

 

「私たちもついていく」

 

と萃香が言った。

黒夢は何故ついていこうとしているのか分からなかった。

 

「どうせ、一人で行ったら危ないでしょ。だったら、付き合うわよ」

 

華扇はそういうと黒夢に笑いかけた。

 

「黒夢は面白そうな人間だから、アイツにとられるのは勿体無いし。それに私たち三人ならアイツを倒せるかも」

「三人じゃない!四人だよ」

 

すると、突如空から声が聞こえてきた。

その声には、黒夢と華扇は聞き覚えがあった。

 

「・・・佳奈美」

 

空には箒にまたがった佳奈美がいた。

 

「また、私を仲間はずれにさせようとして!」

 

黒夢は三人をみると、・・・ため息をついた。

 

「一人で十分だって・・・でも、ついていきたいなら好きにすれば」

 

黒夢はそういうと妖怪の山に向かって飛び始めた。

華扇たちも黒夢を追いかけるために飛んで行った。

そして、博麗神社に残っている天魔は・・・・

 

「・・・ふん、まさか鬼の四天王二人が裏切るとはな」

 

天魔がそういうと天魔の周りが霧に包まれた。

すると、そこには天魔の姿は無く角の生えた鬼の姿が現れた。

 

「このままじゃ、あの天魔の野郎もやつらに味方しそうだ。早くアイツ等を始末

しないとな」

 

そういうと鬼は姿を消した。

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