東方神主伝   作:ごくでヴぁる

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第十六話 鬼ノ異変 ~魔砲~

勇儀は魔法使いは苦手だ。

正々堂々の勝負を望んでいる勇儀にとって事前に準備するなど言語道断。

多少ならともかくそれが確実に勝つためと言うことが気に食わないのである。

今回勇儀が苦手な雷鬼にいわれてここに来た理由も、最強の人間と戦えると言われたからだ。

だが、その最強の人間と言われた博麗黒夢は今木の下で気絶している。

確かに普通の人間よりは霊気はあるが、それでも自分に勝てるほどではない。

そう勇儀は感じていた。

そして、倒したと思って油断していたのが一番まずいことだったのだろう。

 

 

 

 

 

佳奈美は正直苦戦していた。

鬼の圧倒的な力の前にやられそうになっていた。

勇儀のこぶしが当たるときに、黒夢が事前に渡しておいてくれた札によって現れた防御の自動発動結界が無ければ間違いなくやられていただろう。

そして、ために時間がかかるこれ(・・)を発動できずにやられていただろう。

 

「・・・マスター・リザスター」

 

すると勇儀の斜め下に向かってかなりの勢いで虹色をしたレーザーが放たれた。

勇儀はその勢いで空に吹き飛ばされた。

そしてしばらくすると勇儀は地面に落下した。

佳奈美の手には一つの石が握られていた。

さっきの技はこの石から放たれたようだ。

佳奈美は息を切らしながらその場に立ち上がった。

そのとき、倒れている勇儀の指が少し動いた。

そして勇儀はゆっくりとふらつきながら立ち上がった。

佳奈美は目を見開きながら勇儀の様子を見ていた。

勇儀は一歩踏み出そうとしたが、その場で倒れそうになった。

佳奈美は勇儀の手を掴んだ。

 

「・・・なんで、わざわざ倒した奴に手を貸すんだ」

 

佳奈美はそう聞くと微笑んだ。

 

「私は、貴方と勝負したことでまた強くなれたと思う。だから、これはその敬意の証」

 

そういうと佳奈美は呪文を唱えた。

すると、勇儀の傷がみるみるうちに治っていった。

 

「私の能力は、精霊魔法を使う程度の能力。精霊たちの力を借りてその傷を治した」

 

勇儀は傷のあったところを触って調べた。

どうやら本当に治っているようだと確認すると佳奈美の方を見た。

その目は、遥か昔に見た・・・一人の陰陽師の目に似ていた。

それと同時に、佳奈美の力を感じた。

佳奈美自身は自分のことを弱いと思っているようだが、それは違う。

彼女は十分に魔法使いとしての素質を所有しており魔法での物量戦ならおそらく黒夢にも勝るだろう。

だが、彼女の周りには参考となる魔法使いが存在しない。

その所為か戦い方の違う黒夢や妖怪たちと比べている所為で自分が弱いと思っているだけである。

勇儀は魔法使いと戦ったことは片手で数えるぐらいしかないが、それでも彼女の力が凄まじいものだと感じていた。

勇儀は、笑顔を見せながら佳奈美に話しかけた。

 

「傷を治してくれてありがとう。それと、・・・思っていたより楽しかったよ!あんたとの戦い」

 

そう言うと佳奈美きょとんと目を丸くしていたがすぐに、

 

「ええ、私も!」

 

と言って、黒夢のところに向かった。

勇儀はそれを見ると、突如後ろに感じた爆発音に気づいた。

それは人間に感じ取れないような音だった。

そしてその音は、佳奈美の方に向かっていた。

勇儀はそれに気づくと自分の脚力で佳奈美のところに移動し。

 

「危ない!」

 

と叫んで佳奈美をその位置から押しのけた。

すると、その位置に残ってしまった勇儀にその音の正体である直視するのも難しいほど細かく分かれた雷当たるはずだった。

だが、勇儀がその雷に当たる寸前に一枚の札が雷の前に投げられた。

そしてその札から霊気が噴出すと、強固な霊気の壁となってその雷の攻撃から勇儀を守った。

 

「これは・・?」

 

勇儀は何が起こったのかわからなかった。

すると、木に背を置きながらたっている一人の男が目に入った。

 

「・・・ちっ、気にくわないな。用が済んだら用済みってやつかよ」

 

と言っていつもより目を鋭くした黒夢がいた。

そして彼の右手には複数枚の札が持たれていた。

勇儀はまた、あの陰陽師と同じ目をした人間を見た。

そして、あの時・・・霊気の壁が出来る瞬間に黒夢のいる方から感じた爆発的に増えた霊気の感覚が今は無いことを不思議に思っていた。

 

「さて、とにかくあっちがどうなっているか気になるな」

 

そういうと黒夢は萃香たちの方を見た。

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