佳奈美が勇儀と戦っているとき、華扇と萃香は博麗に援護しに行くのを阻まれていた。
「・・・私を倒さないと、先には進めない」
博麗はそうつぶやいた。
声を聞いただけでも、彼女は只者ではないと言う雰囲気を出していた。
それは鬼の四天王である華扇と萃香は一番よく知っている。
「(博麗と霧雨・・・たしか雷鬼の側近だったね。さて、なら)私が行くよ」
そういうと萃香は博麗の前に向かった。
「萃香、私も」
華扇は萃香を援護しに行こうとしたが萃香は首を横に振った。
「華扇はさっきの戦いで妖気をかなり消費したんだから、ここは私に任せなさい」
華扇はいつもとは違う雰囲気を出している萃香を見ると、言うことをやめた。
おそらく承諾したのだろう。
萃香はそれに納得した様子で博麗と向かい合った。
「・・・じゃあ、はじめようか」
「ええ、そうね」
博麗はそういうと一瞬で萃香の近くに近寄っていた、それは速さと呼ぶには異常すぎたものだった。
萃香はそれに気づくと博麗に殴りかかろうとした。
だが、気づいたときには自分の体が衝撃で後ろに飛ばされていることに気づいた。
「これは?」
萃香自体あまりダメージは無かったが、何が起こったのかわからなかった。
「その程度で驚いていたらきりが無い」
すると博麗は萃香の背後に立っていた。
そして再び萃香に衝撃が走った。
しかも今度は自分の背中に衝撃がきていた。
「(さっきのは普通の攻撃のスピードじゃない。となると、まさか能力?」
萃香は再び博麗の方にむいてこぶしを構えた。
そして今度は萃香が博麗に近寄った。
「三歩壊廃」
そして技名を言うと萃香は能力によって巨大化し、博麗に殴りかかった。
「一歩!」
萃香は博麗に向かって右こぶしを放った。
博麗はその衝撃によって地面に押しつぶられた。
「二歩!」
だが萃香の攻撃はまだ終わらない。
また博麗のいる場所を殴った。
「三歩!!」
そしてとどめといわんばかりに強力なこぶしを放った。
地面にはクレーターが出来上がっている。
萃香は元の大きさに戻ってこぶしで殴ったところを確認した。
そこには・・・博麗の姿は無かった。
「博麗の姿が無い!?まさか萃香の四天王奥義をよけたというの?」
萃香はクレーターの出来た箇所を見て不思議に思った。
いくら巨大化していてもその場にいる博麗の姿を見失い攻撃をはずすことなんて・・・ありえない。
そう思っていた。
萃香は鬼の四天王である。
その所為か他の鬼達の能力を知っているのだが・・・二人だけ知らない。
一人は雷鬼、そしてもう一人は・・・博麗だ。
正直その能力が何なのか分からない限り萃香に勝ち目は無い。
すると、萃香は背後に向かって裏拳を放った。
その攻撃は何かの残像をきったように見えた。
しかし、何の感触も無い。
そして同時に萃香は気づいた。
なぜ博麗が自分の攻撃をいとも容易くよけて見えない攻撃を食らわしたのか。
正確には、反応できなかった攻撃だ。
「まさか、加速させる能力だったとはね」
そう、萃香が思いつくのはこれしかない。
攻撃を加速させて見えないうちに攻撃をあて、加速することで瞬間移動でもしたように近づいたりするのもこれで説明がつく。
「へえ、よくわかったね」
すると萃香の目の前には博麗が立っていた。
「あんたの思っている通り、私の能力は時を加速させる程度の能力を所有している」
「・・・その能力、もしかして最初から持っていたものじゃないの?」
博麗が自分の能力を話した後に、萃香はそう聞いた。
時を加速させる・・・そんな能力があればおそらく鬼の四天王の地位には入れただろう。
なのに入らなかった・・・いや、入れなかったのだろう。
自然に手に入れるには重過ぎる能力。
萃香にはそう思えていた。
「・・・まあ、その通り。この能力は雷鬼から受け取ったもの」
萃香は受け取ったという言葉に疑問を持っていた。
能力を渡すなど聞いたことの無いからだ。
もしかしたら何らかの能力を発現させる能力でも雷鬼は持っているのだろうか?
萃香は深く考えたがよく分からなかった。
「話はこれで終わり。時よ加速しろ!」
すると再び博麗の姿が見えなくなった。
萃香は今の状態を切り抜けるために打開策を考えることにした。
「(博麗はおそらく今は自分のときしか加速させることは出来ない。出来るなら今時を加速させて自分だけがさらに早く動けば止めをさせれるから)」
だが、それをしないということはまだ完全に能力がなじんではいない・・・もしくはコントロールすることが出来ないということになってしまう。
萃香は狙う隙はそこしかないと思った。
正直速さだけなら簡単に負けてしまうだろう。
それにくわえて鬼の力に速さを加えれば、とてつもない破壊力を持つ。
萃香は、勝つ方法を決めた。
萃香は鎖を振り回した。
だが、それはすぐによけられてしまう。
しかし、その鎖は周りの木に絡みついていく。
気づけば周りは鎖につながれていた。
「この範囲なら動けるところは限られる。そして動いた場所を殴っていけば私の勝ち」
萃香は鎖の中心に立っている。
たとえどこから来ても鎖の音によってどこにいるかは判断できる。
早くてもこの鎖から離れようとすると鎖の周りに張っている自分の体の一部の霧
によって離れようとしたら攻撃を食らう。
「(さあ・・・どうするかな)」
萃香はいつでも博麗が来てもいいようにこぶしを構えた。