東方神主伝   作:ごくでヴぁる

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第二十一話 博麗黒夢は療養中!

「あー、暇だ」

 

そう言うと黒夢は布団の中から近くに置かれているせんべいを食べている。

黒夢は前回の異変での怪我を療養中なのである。

実のところ、黒夢が大怪我をしたのは初めてではない・

そして大怪我をするたびに黒夢は慧音の家で治療を受けている。

黒夢の家(博麗神社)には確かに治療用具は備え付けられているが、所詮応急処置ができる程度である。

最初はどこか専門の治療場所で治療しようと人里に行ったのだが、そのときは人里のみんなに黒夢は口では言われなくても嫌われていたので治療場所で治療を受けることはできなかった。

そんなときに、寺子屋に行っていた人里の子供達が怪我をしている黒夢を見て慧音のところに連れて行った。

慧音は黒夢が人里のためにも動いているのを知っていたため治療を無料で行うことにした。

というところだ。

人間は自分より上の人物はできる限り避けようとする。

博麗黒夢は人間の中でも破格の強さを持っている。

それを一部の人間は恐れているのである。

そして、人里の人間達は知らない。

博麗黒夢が、どれだけ命を駆けてこの幻想郷を守り通してきているかを。

まあ、今の布団の中でごろごろしながら暇だー、暇だーと言ってる姿を見てそんな強くて命がけで幻想郷を守っている人間には到底見えないだろう。

しばらくすると、黒夢の寝てる布団の部屋にあるふすまが開いた。

ふすまの向こうには、慧音がいた。

 

「黒夢、帰ったぞ」

 

慧音はそういうと黒夢の枕元に座り込んだ。

 

「ああ、おかえり。・・・にしてもすまないな、お前は寺子屋の教師までしているというのに俺の世話まで」

 

黒夢は申し訳なさそうにしている。

慧音はそんなこと気にするなというように黒夢の傷の包帯を変えている。

黒夢もそれはわかっているようで黙って治療を受けていた。

 

 

 

 

 

慧音の家は庭のほうは森に面している。

そういう家はあまり好まれない。

なぜなら妖怪が来る可能性があるからだ。

だが、慧音は半人半獣である。

つまりそこらの低級や中級妖怪程度なら倒すことはまだできる(とは言っても幻想郷の中でもかなり強いという分類ではない)

だからこのような場所に家を設けて住んでいる。

あとはもう一つ理由があるのだが・・・

 

「慧音!いるか?」

 

すると、突如入り口のほうで女性の声がした。

その声は女性というよりは少女に近いものだった。

 

「妹紅か、すまないな」

 

すると、玄関から誰かが入ってきた。

そして部屋に白い髪をした少女が入ってきた。

 

「いいって、慧音が私に頼みごとしてくることも少ないんだし」

 

その少女は手に袋を持っていた。

どうやら薬のようだ。

 

「それにしても、こいつがあの博麗の神主か・・・」

 

少女は慧音に包帯を巻いてもらっている黒夢のことをまじまじと見ていた。

黒夢も少女を見て何らかの違和感を感じていた。

 

「・・・お前は?」

「ん?ああ、私は藤原妹紅」

 

少女、妹紅はそう言うと慧音に薬の使い方は注意事項を話しに行った。

黒夢はしばらく二人を見ていたが飽きたのか布団に寝転がった。

しばらくすると、妹紅が薬を持ってきた。

黒夢はそれを受け取るといやな予感がしたがその薬を飲んだ。

そして、この後黒夢に薬を飲んだ後吐き気や頭痛、体中から痛みが襲ってきた。

 

「・・・おい、これは・・・なんだ」

 

黒夢は痛みに耐えながら慧音と妹紅に聞いた。

そして、妹紅はこう答えた。

 

「何って、体の回復を早める薬。ただ、早めてる間は体に大きな負担がかかってしまうのが困るけどね。それで三日もすれば治る」

 

黒夢は正直これなら時間をかけて治すほうがいいと思った。

慧音の方は止めれなくてすまないという表情をしている。

 

「(次は絶対この薬は飲まない)」

 

黒夢はそう心の中で決心した後に気を失った。

 

 

 

 

 

 

三日後、黒夢の怪我は信じられないほど治っていた。

折れていた骨も元通りにくっついており、博麗としての仕事も再開できるほどだった。

だが、いまだに体に痛みが残っているのでしばらくはまだ博麗の神主として働くことはできないらしい。

その間は黒夢は神社でいるといったが慧音に無理やり帰ろうとするのをやめさせられて今も慧音の家にいる。

それは、まだ痛みが残っている黒夢を一人にするのは危険だと考えたからの判断だった。

黒夢の方は断ろうとしていたが最終的には仕方なく了承した。

だが、黒夢は世話になっている間は家事は自分がするといって家事をしている。

そして、今日は妹紅が慧音の家に遊びに来ていた。

 

「慧音、そろそろできるから食器を運んでおいてくれ」

「ああ、わかった」

 

慧音は食器を持ってきた。

妹紅はその様子をひじを机に置きながら見ている。

そして、次に妹紅が言った事がまた一波乱起こすこととなる。

 

「なんか、夫婦みたいだな」

 

そのとき、周りの時は止まった。

精神的な意味だが。

慧音は赤面し、黒夢は何を言ってるんだという風な目で妹紅を見ていた。

 

「そ、そんなわけ無いだろう!妹紅何を言っている!!」

 

慧音は顔を赤らめたまま声を大きくしていった。

 

「俺とコイツが夫婦に見えるわけないだろ」

 

黒夢の方はいつもと変わらない様子で言った。

そして作った料理を更に盛るとそれを机の上に置いた。

 

「ん~、でも普通に夫婦に見えたよ。黒夢が妻で慧音が夫という感じで」

 

再び周りと時が止まったようになった。

黒夢は眉がピクピクなっており、表情は陰に隠れて見えない。

慧音の方は少し苦笑いしていた。

妹紅は楽しそうに鼻歌を歌っている。

 

「・・・てめえ、死にたいらしいな」

 

黒夢はそう言うと妹紅が食べる料理に七味唐辛子のはこの中身を全部入れた。

妹紅はそれを見るとからしを黒夢が食べる料理にしこたま入れた。

その後、二人はにらみあい硬直状態になっていた。

だが、次の瞬間!

慧音の頭突きが二人の後頭部に直撃した。

二人の顔はそのまま見るもむざまになった料理に埋もれた。

 

「料理を粗末にするな」

 

二人は慧音の前では喧嘩をしないようにしようと思った。

ちなみに、黒夢は数日後に博麗神社に戻っていった。

そして、その帰りにあることを思い出した。

 

「あ・・・天魔のこと忘れてた」

 

 

 

 

 

天魔は雷鬼の異変のときから黒夢に情報を与えないように閉じ込められていた。

そして・・・

 

「おーい、誰かいないかー!・・・誰か助けやがれ!!」

 

異変が解決しても閉じ込められていた。

その後、黒夢が助けに行ったのだが・・・数日天魔がいなかったので誰か心配しているかと思ったがいなかったことすら知られてなかったらしい。

それを聞いた天魔がへこんだのは言うまでもないことだ。

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