「この化物が!」
「てめえなんか人間じゃねえ!」
これは____なんだ?
「消えろ!化物が来るな!」
やめろ・・・
「化物」
「化物」
「「化物!」」
黒夢は布団から飛び起きた。
黒夢は汗をかいており、少し息を切らしていた。
「はぁ・・・はぁ・・・・俺は、どれだけ人を恐れているんだ・・・」
黒夢はそうつぶやくと、着替えるために布団から出た。
黒夢は昔から・・・人が苦手だ。
つまり、人見知りになってしまっている。
もともとあまり妖怪と人間に親密な関係になろうとしない。
それは、おそらく初対面の相手など信頼できないということだろう。
美鈴は最初に会ったとき助けてくれたので一応関係を持っているらしい。
そんな黒夢の様子を見た紫は、ある言葉を持ちかけた。
「あ、いつも使っている調味料がないわね。・・・黒夢、人里に買出しに行ってくれない?」
母親である紫が大好きな黒夢はそれを断ることが出来なかった。
黒夢はそのまま買い物籠をもって人里に向かった。
「(能力で大丈夫だよね。・・・よし)」
黒夢は覚悟を決めて人里に入っていった。
人里はたくさんの人でにぎわっていた。
その中で、黒夢は平然なふりをしながら歩いていた。
おそらく、内心ではかなり怖がっているのだろう。
黒夢はしばらく歩いて霧雨店と書かれているお店に入っていった。
「す、すいません」
黒夢は少し緊張した様子で店の人に話しかけた。
「ん?ああ、いらっしゃい」
見たところそろそろ三十路に到達しそうな男性が一人座っていた。
そして、店の奥には温厚そうな表情をして座っている女性とそのひざに頭を乗せて寝ている黒夢と同年代に見える少女がいた。
「あの・・・母さんがいつも使ってる調味料が切れたって・・・」
黒夢は少しどもりながら言った。
「ああ、キミは紫さんのところの。まあ入りなさい」
黒夢は男性の言うままに店の奥に入っていった。
黒夢は座布団の上に座ると出されたお茶を飲んだ。
「実はね、俺と紫さんは少し仲が良くてね。紫さんに、少し頼まれたんだよ」
そういうと、その男性は女性のひざで寝ていた女の子を黒夢の近くに置いて
「・・・霧雨佳奈美と友達になってくれないか?」
「・・・えっ?」
黒夢は少し驚いた。
母親である紫がどうしてそんなことを頼んだのか分からなかったからだ。
黒夢がそんな風に少し驚いているとき、
「・・・んぅ?」
佳奈美が目を覚ました。
そして、寝ぼけた目で黒夢を見ていた。
佳奈美は日の光に当たると少し光る金色の髪に、赤い色の目を持っていた。
寝起きの姿は年相応の姿をしていた。
黒夢はそれを見てたぶん天然なのかなという風に思っていた。
そして、頭がいつもの状態にもどると
「・・・はゎ。こんにちわ」
と、黒夢に挨拶してきた。
「こ、こんにちわ」
黒夢はこういうことに慣れていないらしく、少しぎこちない笑顔を見せた。
そんな様子を見せた黒夢をみた佳奈美は、太陽のような笑顔を見せ。
「よろしくね!」
と元気よく言った。
「うん、よろしくね。」
黒夢は少し微笑んでそういった。
ちょっとしたおまけ
「紫さん、貴女も親ばかですね」
「人の事いえないでしょ」
男性が言ったことにスキマに腕を乗せて紫はそういった。
「ふふ、その通りね」
「ま、紫も親ばかってのは否定できねえよな」
その隣でコルテスと女性が笑っていた。