「・・・母さん、俺人間と妖怪の架け橋になりたいんだ。・・・これは、人間を
超えた力を持って、妖怪とは違う俺にしか出来ないことなんだ」
9歳になった黒夢は紫にそういった。
紫はそんな黒夢を見て大きくなったわね。としみじみ感じながらも少し寂しく思っていた。
「・・・そう、あなたがそう思うなら・・・好きにしなさい。私には止める権利
なんてないのだから」
「・・ありがとう、母さん」
紫の返事を聞くと黒夢はうれしそうに微笑んだ。
「でも、今の今まで本当のことを隠していたのは・・・少し癪に障るわね」
「・・・やっぱり、知ってたんだね」
紫は、黒夢が見せたがってなかった・・・自分の幼少時代に奮闘していたことを最初から知っていた。
いや、見て見ぬふりをしていたといったほうがいいだろう。
しかし、そんな黒夢を見てきたからこそ紫は・・・
「もし、つらくなったら・・・またここに戻ってきなさい。ここは、貴方の家なんだから。ていうか、少しは戻ってこないと・・・」
紫は少し脅迫まがいの事を言っている。
黒夢は軽く苦笑いをしている。
「あ・・・はははっ・・・できる限り配慮はしておくよ」
「・・・そう、ならいいわ」
紫は少し安心した様子を見せた。
「・・自分の信念を、曲げないでね」
「・・・うん、分かった」
黒夢は紫に言われたことを理解できたのかは分からないが頷いた。
黒夢は紫から許可を得たので、博麗の神主となった。
なので、博麗神社に引越す準備をしている。
「・・・ま、これぐらいあればいいか」
黒夢はコルテスから貰ったかばんに自分の着替えと寝るときの服、それと少々のお金を入れていた。
黒夢はそのかばんを持つと自分の自室においてあったお払い棒を腰にさした。
「・・・それじゃあ、行って来ます」
黒夢は一人だけでいる自室にそういうと博麗神社に向かった。
飛んでいくと意外に早くついた。
博麗神社は、正直一人で住むには広すぎるほどたくさんの部屋があった。
布団は一つしかなかったが。
それと地下倉庫には多少の食料が入れられていた。
おそらくコルテスが事前に入れておいたのだろう。
黒夢は自分の自室をきめてそこに持って来た荷物をしまうと一息ついた。
「・・・ふぅ」
・・・正直、一人でこんな広い場所に住める気はしない。
「どうすっかなぁ・・」
黒夢はそういって少し困った様子で頭をかいた。
すると、近くでよく知った気配を感じた。
「・・・こりゃあ」
黒夢は自室から出て一番広い部屋のふすまを開け空を見た。
すると、箒にまたがった金髪の少女が黒夢の近くに下りてきた。
「黒夢、今日からここに引っ越してきたんだって?」
「ああ、その通りだ。佳奈美」
そう、この少女は黒夢の親友でもある霧雨佳奈美である。
彼女は少し前から魔法の本などを読んで魔法の勉強をしている。
そのせいか、箒で空を飛んだり星の形をした攻撃を放つことができるようになっていた。
さすがに、捨虫の魔法はできないが・・・いつかできるようになるかもな(by黒夢
「ふーん・・・一人で住むには広すぎるね」
佳奈美はいつもどおりの笑顔をしながら黒夢にそういった。
「まあ、たしかにそうだな」
黒夢も少し苦笑いをしていった。
「だ~か~ら~、私がたまに来てあげるからね!黒夢さびしがり屋だし」
佳奈美はそういった後に少し上機嫌に鼻歌を歌っていた。
「いや、さびしがり屋じゃねえよ」
黒夢は冷静にその言葉を否定した。
・・・前半のことは拒否しないのか。
「まあまあ、そんなに照れなくていいって!」
佳奈美はそういいながら黒夢の背中をバンバンたたいていた。
正直、体格はいいとは行かないがいつもトレーニングをしている黒夢には痛くは感じない。
それに幼少時代の頃はよく一緒に風呂に入ったり一緒に寝てたりしていたのであまり反応はしない。
・・・ある意味悲劇だ。
たとえるなら女性に一緒に入ってといわれたら入りそうなほどに(あくまでたとえの話である)
「・・まあ、たまには来てくれよ。そのときはお茶やお菓子ぐらいは出す」
黒夢はそういうと佳奈美の頭をなでながら微笑んだ。
「っ!あ、う、うん!そうさせてもらうよ」
佳奈美は少し顔を赤くして慌てふためいていた。
「修行の方もきっちりとな」
黒夢がそういうと顔を赤くしていた佳奈美の顔色が真っ青になった。
「い・・・いや・・・そっちの方は」
佳奈美は顔を引きつらせながら言った。
「まあまあ・・・そんなに遠慮すんなよ」
黒夢は黒い笑いをしながら佳奈美の方に近づいてきていた。
佳奈美はさらに顔を青くしながら苦笑いをしていた。
「あ・・・はは(黒夢の修行・・・・トラウマ物になってるから嫌だなぁ・・)」
そんな様子の佳奈美を見た黒夢は少しため息をつき、
「心配すんな、手加減はしてやるから」
それを聞くと佳奈美はほっとしたのやら、手加減されることに少し腹ただしく思うのかよく分からない心情になった。
まだ、黒夢の隣で一緒に戦うことが出来ないことを気にしているのだろう。
「・・・うん、なら頼もうかな」
佳奈美はそういうと少し笑った。
「そうか、なら今回は森の中でやるか。実戦経験に近いものは得ることが出来るだろうからな」
そういうと黒夢と佳奈美は一緒に森のほうへ向かった。
その後、森のあちこちがぼろぼろになったので二人一緒にコルテスに怒られました。