カミキヒカル「……あれ?価値ある命って散らすより育てて独占した方が良いのでは?」 作:湯タンポ
イメージ曲 ポルノグラフィティさんの『アゲハ蝶』 でお送りします。
―――私は、なんて身勝手で最低な考えを持つ女なんだろう。
ヒカル君が浮気してたかもしれない?
ヒカル君に捨てられるかも知れない?
……そんな
ヒカル君はこんなにも私を大事に思ってくれて、愛してくれているのに……
「…ヒカル君、私の事殴ってくれない?」
「はい?」
罪悪感で押しつぶされそうになった私は、ヒカル君にそうお願いする。
「…だって、私はヒカル君の事情や気持ちを知りもしないで、ヒカル君の事を疑ってたんだもん……ヒカル君はこんなに私の事を大切にしてくれてるのに、私はヒカル君の事を信用してなかったんだよ……こんな最低な私は殴られるくらいがちょうど良―――」
「アイさん」
――次の瞬間、私はヒカル君に抱きしめられていた。
「……え…?」
「……良いんですよアイさん、紛らわしい事をした僕が悪いんですから……アイさんは何も悪く有りませんよ。」
「で、でも……私はヒカル君の事を信じきれなくて……」
「……そうですね。確かにアイさんは僕の事を"信用"はしてくれませんでしたね。」
「うっ……」
「そう思われていたとしても……僕はそれで構いません。」
ヒカル君は優しい口調でそう言ってくれるけど、私は罪悪感で死にそうになってきた。
そんな私を見兼ねたのか、ヒカル君が口を開く。
「……まぁアイさんが"どうしても"と言うのなら、叩くくらいならしますが……本当に良いんですか?」
「う、うん……そうしてくれた方が、私もヒカル君スッキリすると思うし……」
「……アイさんがそう言うなら分かりました。」
ヒカル君はそう言うと、私の目を見つめてから口を開く。
「……じゃあアイさん、いきますよ?」
「う、うん……お願い……」
私は覚悟を決めて目を瞑る。
すると、ヒカル君が抱き締めていた手を離して、私の頬に添えてきた。
「……?」
すぐに来ない衝撃に不思議に思っていると――
バチィン!!
「っ!?」
頬に強烈な衝撃と痛みが走る。
「いっ………たいけど…これで良いの……?もっと強くても……」
「…………」
「……ヒカル君…?」
頬がヒリヒリと痛むが、この程度でホントにヒカル君が満足してくれたのか聞いみる。
……だが、ヒカル君は叩いた方の私の頬に手を添えると、無言のまま私をじっと見つめてきた。
「ど、どうしたのヒカル君……やっぱり、まだ満足してなかった……?それならもう1回、くらい…」
「……いえ、これで良いんですよ」
「そ、そっか……」
……正直、ヒカル君に叩かれるのは物凄く怖かったし……それ以上に、精神的に来るものがあった。
でも、ヒカル君の為ならこのくらいどうってことない。
ヒカル君になら暴力を振るわれても、痛みを与えられるとしても……私は大丈夫。
―――だって、ホントの私を愛してくれるのは……愛してくれる人は、
だから、私は
「……アイさん」
「…ん?ヒカル君ど…んむっ…!」
ヒカル君に名前を呼ばれて、私は顔を上げる。
すると突然――私の唇に柔らかい感触が走った。
「んっ……んむ……♡…れ…る…♡」
口をこじ開けられ、舌同士が絡み合う。
ヒカル君の舌が、私の口内を蹂躙していく。
歯茎や上顎をなぞられ、私の舌もヒカル君の舌で絡め取られる。
「んちゅ……♡……れりゅ……♡」
次第に頭がボーッとしてきて何も考えられなくなる。
私はただ本能のままに、ヒカル君を受け入れ続けた。
「…ぷはっ…♡……はぁ……♡……はぁ……♡」
長いキスが終わり、お互いの口が離れる。
私は息を荒らげながら、ヒカル君を見つめる。
「アイさん……」
「……な…なぁに?」
「僕はアイさんの事が大好きです。心の底から愛しています。」
そんなの、私だって同じだ。私もヒカル君の事を心から愛してるし、誰よりも信頼してる。
「うん……知ってるよ……?」
「いえ、多分ですが伝わっていませんよ、僕がどれだけアイさんを愛してるか。」
「そ、そんなことないよ……ちゃんと伝わってるよ?」
「いえ、絶対伝わってません。」
ヒカル君はそう言うと、私の身体を更に強く抱き締めてきた。
「…僕は、アイさんを失うことが一番怖いんです。」
「ヒカル、君……」
「アイさんを失うくらいなら、僕はなんでもします。お金だって幾らでも稼ぎますし、アイさんの為なら命だって賭けられます」
「そ、そんな大袈裟な……」
「いえ、本気ですよ。それくらい本気で愛してるんです。……だから僕がアイさんを捨てる事も見捨てる事も絶対にありません。」
ヒカル君は私の目を見つめながら、真剣な声音でそう告げる。
「そっか………っ!ごめん…ごめんね…!ヒカル君の事、疑ったりしてごめんね…! …私、私ね…怖かったんだ……ヒカル君に捨てられるんじゃないかって」
「はい」
「私なんか、ヒカル君の隣に立つ資格なんてないんじゃないかって……」
「はい」
「……私なんか、ヒカル君に愛される価値なんて無いんじゃないかって……!」
「はい」
私の言葉を肯定する訳でも否定する訳でもない。ただ、優しく相槌を打ってくれるヒカル君。
そんな優しさに甘えて……私は今まで溜め込んできたものを吐き出し続ける。
「私ね……?ホントに怖かったんだ……ずっと…ずーっと…ヒカル君に捨てられるんじゃないか…私なんかヒカル君はいらないんじゃないか…って。」
「はい」
「……でも、ヒカル君はそんな私の不安を吹き飛ばしてくれた。」
「はい」
「……ヒカル君、私はね?…ヒカル君さえ居てくれれば、他には何も要らないんだよ?ヒカル君が私を愛してくれるなら……私はそれだけで幸せなんだよ……?」
「はい」
「……だからね、ヒカル君。もう不安になんてさせないでね……?ずっと私の傍に居てね……?私を捨てないでね……?」
「ええ、勿論です」
私がそう言うと、ヒカル君は私を抱き締める力を一層強めた。
その抱擁が心地よくて……私はまた涙を流してしまう。
「仮にアイさんが離して欲しいと思っても、僕は絶対にアイさんを離しませんよ。」
「うん……離さないでね……?」
「ええ、絶対に離しません。」
ヒカル君はそう言うと、私の頭を優しく撫でてくれる。
「えへへ……ヒカル君、大好きだよ……愛してる…♡」
「僕も大好きですよアイさん……僕も貴女の事を愛しています。」
「えへへ……嬉しいなぁ……♡」
ああ……やっぱり"これ"だ…これが無いと、私はもう何も出来ない。
ヒカル君に愛されないと、私は生きていけない……。
だから…神様でも悪魔でも何でもいい、この時間が1秒でも永く続くようにして下さい。
――私は、心の底からそう願う。
「……ヒカル君……愛してるよ…」
「僕も愛してますよ…アイさん…
貴女は世界で
今回のお話の要約
アイ「私はヒカル君の隣に居ていいの?…だったらもう私を離さないでね…?」
カミキ「アイさん可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」(勿論です。アイさんが嫌になっても絶対離しませんよ…ていうか離れようとするなら殺して永遠に僕の物にします)
次回 視点K