もっともな戦隊はごもっともな変態!?   作:阿弥陀乃トンマージ

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第6話(1)意識の共有

 生徒会室にて……。

「……どうなんだ、眼鏡?」

 強平が正高に問う。

「……聴こえていたでしょう? いつものように校内放送で亜久野さんをこちらに呼びだしましたよ。すぐにこちらにいらっしゃるはず……」

 正高が眼鏡の縁を触りながら、強平の方を見ずに答える。

「そうじゃねえ」

「え?」

 正高が強平に視線を向ける。

「どう思っているんだよ? あの女のことを……」

「あの女とは……亜久野さんのことですか?」

「他に誰がいるよ」

「ふ……」

 正高が笑みを浮かべる。

「な、なにがおかしいんだよ?」

「……貴方と同じようなものです」

「あ?」

 強平は首を捻る。

「そうお答えすればお分かりでしょう?」

「そ、その答え方はちょっとばかりズルいんじゃねえか?」

「ズルいのはそちらでしょう」

「あん?」

 強平は再度首を捻る。

「己の考えは明かさずに、相手の答えだけを引き出そうとするのはいかがなものかと……」

「そ、そりゃあお前、あれだ……一種の駆け引きみたいなもんだよ」

「なるほど、駆け引き……」

 正高が頷く。

「そうだ、分かったか?」

「いかにも貴方らしい稚拙な会話術ですね」

 正高が呆れたように両手を広げる。

「ああん? 稚拙だあ?」

「駆け引きをそのまま駆け引きだと言ってしまったら、それはもはや駆け引きとは言えません。まったくもって愚かですね」

「愚かだと……?」

 強平が自身の机から身を乗り出そうとする。

「ああ、待った待った……!」

 雄大が強平を制する。

「……雄大はどうなんだよ?」

 椅子に座り直した強平が雄大に問う。

「え? オイラ?」

「ああ」

「う~ん……」

 雄大が腕を組んで考え込む。

「……」

「………」

「…………」

「……………」

「おい……」

「………………」

「そうやって誤魔化そうとしても無駄だぞ」

「あ、バレた?」

 雄大が舌を出す。

「バレバレなんだよ……」

「へへっ……」

「で?」

「まあ……好ましく思っているよ」

「好ましくね……」

「うん」

「速人は……」

「好意を抱いているぜ!」

「は、早いな……」

 速人の素早い返答に強平は面食らう。

「ここで焦らしてなにか意味があるか?」

「……いや、無えな」

「だろ?」

「お前は話が早くて助かるぜ」

「……話題が話題です、もっと慎重を期した方が良いかと思いますがね……」

「そ、それはちょっと同感かな……」

 正高の呟きに雄大が頷く。

「はあ? なんだい、お二人さん、文句でもあんのか?」

 速人が正高と雄大を睨む。

「ああ、速人君、落ち着いて……」

 愛一郎が速人を落ち着かせる。

「愛一郎、お前はどうなんだ?」

 強平が愛一郎に尋ねる。

「え? ボク?」

「ああ……」

「愛しているよ」

「なっ⁉」

 愛一郎のストレートな言葉に強平が驚く。

「ライクではなくてラブの方ね」

 愛一郎がにっこりと微笑む。

「む、むう……」

 正高がズレた眼鏡を直す。

「な、なんと……」

「自分が出し抜かれるとは……」

 雄大と速人が揃って困惑する。

「……とにかくさ」

 愛一郎が自らの席を立ち、生徒会室の中央に進み出る。強平が首を傾げる。

「……うん?」

「みんな考えていることは大体一緒ってことでしょ?」

 愛一郎が四人の顔を見まわしながら小首を傾げる。

「え、ええ、まあ……そのようですね……」

 正高が頷く。

「それじゃあ、フェアに争わないとね♪」

「フェアか……」

 雄大が呟く。愛一郎が頷く。

「そう、ただ、その前にまずは……」

「まずは?」

 速人が首を傾げる。

「亜久野さんに正式に生徒会に入会してもらわないといけないよね?」

「それは……そうだな」

 強平が頷く。

「入会してもらうにはどうすれば良いのか……各々方、よろしくね♪」

 愛一郎がウインクする。

「……亜久野、参りました」

 美蘭がドアをノックし、外から声をかける。

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