もっともな戦隊はごもっともな変態!? 作:阿弥陀乃トンマージ
「つ、追加戦士?」
「そうだ」
強平が頷く。
「ど、どういうことですか?」
美蘭が尋ねる。
「戦隊ヒーローには、途中から戦士が増えるのが定番なんだよ」
「そ、そうなのですか?」
「そうなんだよ」
「はあ……」
「どうだ?」
強平が他の4人に問う。
「いいな!」
速人が右手の親指をビシっとサムズアップする。
「うちにも欲しいと思ってはいたんだよね~」
雄大がうんうんと頷く。
「なかなか良いと思うな」
愛一郎も頷く。
「……悪くない提案です」
正高が眼鏡のブリッジを抑えながら首を縦に振る。
「えっ⁉」
美蘭が戸惑う。
「どうしましたか?」
「い、いや、皆さん、そこは同意する感じなんですね……」
正高の問いに美蘭が答える。
「非常に単純な考えではありますが、頭数を増やすということが戦力増強へのなによりの近道ではあります」
正高が淡々と述べる。
「は、はあ……でも……」
「でも?」
正高が首を捻る。
「誰を増やすんですか?」
「ああ、そういうことですか。それはもちろん……」
「もちろん?」
「貴女ですよ」
「ええっ⁉」
美蘭が驚く。
「……そんなに驚くことですか?」
「え、ええ……」
美蘭が首を縦に振る。
「生徒会の一員であり、戦隊としての秘密もしっかり把握している……貴女が誰よりも適任ではないかと思いますが」
「い、いや、わたしは新参者ですし……」
「それは関係ありませんよ」
正高が首を横に振る。
「ええ?」
「ねえ?」
「ああ、そうだな」
速人が正高の問いに答える。
「なんだかんだ言って皆……出逢って一年ちょっととかだよね?」
「短っ⁉」
愛一郎の言葉に美蘭が驚く。
「そんなにビックリすること~?」
雄大が首を傾げる。
「え、ええ……てっきり数年くらいのお付き合いかと……」
「それぞれ生徒会にスカウトされたんだよ」
強平が美蘭に告げる。
(そ、そこまでは知らなかった……)
美蘭が顎に手を当てて考え込む。
「亜久野さん?」
正高が声をかける。
「!」
「なにか気になることでも?」
「い、いや……! そ、そういうことなら……!」
「はい?」
「だ、誰が最初に誘われたんですか?」
「最初に?」
「はい!」
「ええっと……」
正高が4人の方を見る。
(これはベストセイバーズのより中枢に迫るチャンス!)
美蘭がほくそ笑む。
「どうだったでしょうか?」
「自分は愛一郎から誘われて……」
速人が愛一郎に視線を向ける。
「ぼくは雄大くんに声をかけられて……」
愛一郎が雄大の方を見る。
「オイラは強平に呼ばれたんだよ」
雄大が強平に顔を向ける。
「……俺はこの眼鏡に勧誘された」
強平が正高の方に顎を向ける。
「……私は文緑さんにお声がけをいただきました」
正高が眼鏡の縁を触りながら呟く。
「えっ⁉ ど、どういうこと⁉」
美蘭が混乱する。
「いや、つまりはそういうことです……気が付いたら、5人がこの生徒会室にいたのです」
「そ、そんなことが……」
「あり得たのですから仕方がありません」
正高が両手を広げる。
(ちっ、肝心なところは分からずじまいか……)
美蘭が内心舌打ちをしながら顔を俯かせる。
「……美だな……」
「え? 美?」
美蘭が強平の呟きに反応し、顔を上げる。
「い、いや、なんでもねえよ……」
「なんでもないことはないじゃない」
「と、とにかく! おい、副会長、例のものを!」
「はい……どうぞ」
正高が金庫から取り出した腕時計を美蘭に渡す。
「こ、これは……⁉」
「セイバーチェンジ出来るための道具です」
「そ、そんな簡単に……」
「予備ですから、後いくつかはあります」
「ええっ……⁉」
室内にブザーが鳴り響く。強平が声を上げる。
「よっしゃ! 最上戦隊ベストセイバーズ、出動だ!」
「「「「おう!」」」」
「お、おう……」
戸惑い気味に腕時計を付けながら、美蘭が5人の後に続く。