「受験生のリスナー、今日は俺のライヴにようこそー!エヴィバディセイヘイ!!!」
シーン...
「スベってんな」
「そう...みたいだね」
集まってる生徒を前に、プレゼントマイクは絶賛スベっていた。
「いつもあんな感じなのか?」
「僕たち先生の前でもあんな感じだよ」
「あの人マジで学生時代から変わってねぇな」
俺と亜南、その他の先生は舞台袖から会議室を眺めている。それにしても人数エグいな。流石天下の雄英。お、男の子が手上げたな。
「プリントには四種のヴィランが記載されております。誤載であれば、日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!」
お、あのクソデカロボットのことだな。あれはマジで倒す意味ないな。パワーで捻じ伏せるか電気系統の個性で不具合起こさせるぐらいでしか無効化はできない。
「ついでにそこの縮毛の君!」
男の子はそう言いながら後方の少年を指差す。あれ、指差されたの緑谷じゃね?試験間に合ったんだな。
「先程からボソボソと気が散る。物見遊山のつもりなら即刻ここから去りたまえ」
あーそんな言い方して、緑谷委縮しちゃったよ。
「す、凄い子だね...」
「なんか、典型的な委員長タイプって感じがするな」
しばらくすると説明が終わり、受験生たちが移動を始める。
「俺らも移動するか」
「うん」
その流れに合わせ教師陣も場所を移す。移動した部屋にはモニターがいくつもあり、画面には広大な演習会場がいくつも映っている。
「なんでいち高校がこんな広い敷地を持ってんのかね」
「演習会場一つで並の高校ぐらいあるもんね」
そうこう話しているうちに受験生が走り出した。こうして見てみると個性って多種多様だよな。
「あの子いいわね」
「今ノ動キハ良カッタ」
他の教師たちも受験生の一挙手一投足に注目し、目を光らせている。
「今年はなかなか豊作じゃない?」
「いやーまだ分からんよ」
「真価が問われるのは...これからさ!」
制限時間も残り少なくなり、ついにでっかいお邪魔ヴィランが出てくる。やっぱり皆逃げるよな。そりゃそうだ。倒しても意味がないのだから。
お、見覚えのある影が...!
「!?」
モニターに映った少年は、大きく跳躍し―――
(何!?)
ヴィランを殴り飛ばした。教師たちから驚きと歓声の声が上がる。いや、殴り飛ばしたこともそうだが...
「今ロボットの進行方向にいた少女を助けるために飛んだぞ...」
...ハハッ、そりゃオールマイトが認めるわけだ。自分のポイントと赤の他人の危機、それらを天秤にかけてなお一切の躊躇無く飛ぶ。
「最高じゃねぇか...!」
まったく、八木先生もいい後継を見つけたもんだよ。
朝の
『人を助ける時には痛みを、恐怖を我慢しなきゃいけないときがある』
『そういう時こそ、ケツの穴グッと引きしめて心の中でこう叫べ!!!』
『『