ソードアート・オンライン インタールード・デバッガー   作:悠旅白樹

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DD???

 

 

 

 

————俺はどこで間違えたんだろう。

 

 そんな疑問を浮かばせながら、空へと昇る血のように赤いポリゴンを眺める。

 

 きらきらと輝いているのは、それがこの世界における命の輝きだと主張しているが故だろうか。

 

 そんな輝きを嘲笑うかのように、向こう側に黒いポンチョに身を包んだ男が立っていた。

 

 その手に持った大きな包丁のような剣を弄びながら、地面に横たわっている俺へ徐々に近づいてくる。

 

 遠くで誰かが叫んでいるのが聞こえた。

 

 知っている声だが、普段よりも切迫したような、危機感を伴った悲鳴のように感じた。

 

 声の方へ視線を向ければ、顔馴染みの仲間たちの歪んだ表情と、武器で牽制している下卑た表情を浮かべた男たち。

 

————いや、俺がこんな状態なら流石にそんな表情になってもおかしくないのか。

 

 左腕は二の腕より下がなくなって、足も所々千切れかけて立つどころか動かすこともままならない。

 

 胴体に至っては何箇所も杭のような槍を突き立てられているし、片目も見えてない。

 

 ありえない状態でありながら未だ意識があるのはゲームだからか、それとも相手が死なない程度に手加減して遊んでいるからか。

 

(ゲーム……ああ、そうだった。ゲームなんだよな……)

 

————最初は本当の意味でゲームだった。

 

 運よく手に入れた友だちに誘われて飛び込んだこの世界は、どこまでも広がっていて、どこまでも残酷だった。

 

 サービス開始のあの日、一人の天才の手によって一万人もの人々がこの世界に閉じ込められたことで、全てが変わった。

 

 当然俺たちは現状に戸惑って、恐怖に煽られて、助けを願った。

 

 だけど、誰も助けには来なかった。

 

 一日、二日、一週間と、時間だけが過ぎていき、長引くほどに俺たちの生きる活力が失われていった。

 

————最初の扉が開かれたと聞いたのは、閉じ込められてから一ヶ月経ったころだった。

 

 惰性に過ごしていた友だちはその情報を知ると、息を吹き返したように立ち上がって言った。

 

『オレたちも戦おう』

『戦って、上へ登って、生きてこのゲームから出よう』

 

 そんな彼に触発されて、俺も剣を取った。

 

 この止まったままの生活から抜け出すために。

 

 生きて、現実の世界に帰るために。

 

 そうして、上を目指して戦って、冒険して————

 

(どうせなら、天辺まで昇ってみたかったなぁ)

 

————そして、赤いポリゴンが立ち昇る向こう側から、その凶刃は振り下ろされて。

 

 俺の命の残量は、欠片も残らず尽き果てた。

 

 

 

 

 

 

『————11月7日14時55分』

 

『ゲームはクリアされました』

 

『ゲームはクリアされました』

 

『ゲームはクリアされました————』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








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