同好怪!?   作:阿弥陀乃トンマージ

14 / 30
第4話(1)部室にて

                  4

 

「はあ……」

 

 部室で俺はため息をつく。

 

「どうした村松っちゃん、ため息なんてついてよ」

 

 二つずつ、二列に並べた机で俺の前の席に座った紅蓮が話しかけてくる。

 

「いや……」

 

「疲れているの~?」

 

 俺の隣に座った雷電が尋ねてくる。

 

「疲れか……そうかも知れないな……」

 

「どうして?」

 

「眠れないとかか?」

 

「まあ、最近の睡眠は確かに浅いかもな……」

 

 俺は首を抑える。

 

「へ~疲れているのかな?」

 

 雷電が首を傾げる。

 

「疲れ……それはそうだろうな……」

 

「なんでまた?」

 

 紅蓮が首を捻る。

 

「なんでまたって……」

 

 俺は顎をさする。

 

「……ストレスなどが溜まっているのではないですか?」

 

 俺の斜め前の席で本を読んでいた疾風が目線を本に落としたまま、口を開く。

 

「ストレス?」

 

「ええ」

 

「ああ……そう言われるとそうかもしれないな……」

 

 俺はうんうんと頷く。

 

「なにをストレス溜めることがあることがあるんだよ?」

 

 紅蓮が疾風に問いかける。

 

「それは……」

 

「それは?」

 

「例えば……問題がある生徒への対応とかではないでしょうか?」

 

 疾風が視線を紅蓮に向ける。

 

「ああん? それって、もしかしてオレのことか?」

 

「もしかしなくてもそうです」

 

「なんだと……」

 

 紅蓮が疾風を睨み付ける。

 

「わわっ、やめなよ、二人とも……」

 

 雷電が二人を取りなそうとする。

 

「……言っておきますが」

 

 疾風が眼鏡のフレームを抑えながら、雷電に視線を向ける。

 

「え?」

 

「問題がある生徒……貴女も該当しますよ、金剛さん」

 

「ええっ⁉」

 

 雷電が驚く。

 

「そんなに驚くことですか……」

 

 疾風が呆れる。

 

「し、心外だよ!」

 

「そうだそうだ!」

 

 雷電の言葉に紅蓮が同調する。

 

「龍虎ちゃんと一緒くたにされるのは!」

 

「ああん⁉」

 

 雷電の発言に紅蓮が驚く。

 

「大体同じカテゴリーですよ……」

 

 疾風が呟く。

 

「大体って、大雑把な分け方やめてよ」

 

「ちょっと待てよ金剛、オレと一緒くたにされるのが心外ってどういうこったよ?」

 

「まあ、それは別にいいじゃん」

 

「良くねえよ」

 

「同じカテゴリーって……晴嵐ちゃんはウチらと違うの?」

 

「全然違うでしょう」

 

「どこが?」

 

「……主に成績など」

 

 疾風が眼鏡をクイっと上げる。

 

「むむっ、それを言われると……」

 

 雷電が腕を組む。

 

「けっ、多少成績が良いからなんだってんだよ……」

 

 紅蓮が頬杖をつく。

 

「勉学こそ学生の本分です」

 

「ちっ……」

 

 紅蓮が舌打ちする。

 

「あ、あの……」

 

 俺が口を開く。

 

「なんですか、先生?」

 

 疾風が俺の方を見る。

 

「非常に言い辛いことなんだが……」

 

 俺は鼻の頭をポリポリと擦る。

 

「どうぞ、遠慮なくおっしゃってください」

 

 疾風が俺を促す。

 

「……ストレスと言うのは多少語弊があるかもしれないが……」

 

「はい」

 

「いや、やっぱりやめておこう……」

 

「なんですか、それは……」

 

 疾風が眉をひそめる。

 

「村松っち、気になるって~」

 

 雷電が俺の肩を揺らす。

 

「そうだ、はっきり言えよ」

 

 紅蓮が俺を見つめる。

 

「あ、ああ……」

 

 俺は気を取り直して口を開こうとする。

 

「……なんなのですか?」

 

 疾風が首を捻る。

 

「……落ち着いて聞いてくれるか?」

 

「もちろん、大丈夫です」

 

 疾風が首を縦に振る。

 

「紅蓮」

 

「ああ」

 

「雷電」

 

「うん」

 

「そして、疾風も含めてだが……」

 

「ええ」

 

 俺は順に三人の顔を見る。三人はそれぞれ頷く。

 

「三人とも……」

 

「三人とも?」

 

「かなり……俺の心痛の要因の大半を占めている……」

 

「ああん⁉」

 

「えええっ⁉」

 

「わ、私もですか⁉」

 

 紅蓮、雷電、そして疾風が驚いて立ち上がる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。