同好怪!?   作:阿弥陀乃トンマージ

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第8話(2)生徒怪の衝撃

「! 生徒怪⁉」

 

「そうだ……」

 

 帽子の女子が頷く。

 

「な、なんの用だ?」

 

 俺はまたもやベタベタ過ぎる問いかけをしてしまう。

 

「お仕置きと言っただろう……」

 

 帽子の女子が呆れた様に切れ長の目をさらに細めて、俺を見つめる。

 

「ぐっ……」

 

「同じことを言わせるな……」

 

「……お仕置きとは?」

 

「言葉通りの意味だ」

 

「される理由が分からない」

 

「理由? ……簡単なことだ」

 

「え?」

 

「貴様らの上位互換である存在である我々にとって、貴様らは少々……いや、かなり目障りなものになってきたからだ……はあ、だから同じことを言わせるな……」

 

 帽子の女子がため息をつく。

 

「!」

 

「‼」

 

「⁉」

 

 紅蓮たちの顔色が変わる。

 

「お、お前ら……」

 

「目ざわりとか……随分ご挨拶だし……」

 

 雷電が頬をぷうっと膨らませる。

 

「上位互換……聞き捨てなりませんね……」

 

 疾風が眼鏡をクイっと上げる。

 

「要は……ケンカを売っているということだよな?」

 

 紅蓮が指の骨をポキポキと鳴らす。帽子の女子が再び頷く。

 

「概ね、そういう理解で構わん……」

 

「よっしゃあ!」

 

「お待ちなさい!」

 

 疾風が飛びかかろうとする紅蓮を制止する。

 

「なんだよ⁉」

 

「こんな時間にこんな場所で変貌したらどうなるか……」

 

「変身!」

 

「なっ⁉」

 

 疾風が驚いた。雷電が怪人に変身したからだ。

 

「ミャア!」

 

「雷電さん!」

 

「ははっ! 金剛の方がキレてやがったか!」

 

 紅蓮が笑う。

 

「こ、こんな時間にこんな場所で……大変な騒ぎになりますよ!」

 

「心配には及ばん、疾風晴嵐……」

 

「む?」

 

 疾風が帽子の女子に視線を向ける。

 

「仕置きはすぐに終わる……ジョアンナ……」

 

「……おう」

 

 帽子の女子の呼びかけに、ジョアンナと呼ばれたソフトモヒカンが応じて、雷電の前にゆっくりと進み出る。

 

「ミャア?」

 

「……変身!」

 

「ミャア⁉」

 

 雷電が驚く。ジョアンナが黒い犬の頭をした怪人に変身したからだ。

 

「変身した⁉」

 

「燃えるような赤い目……ヘルハウンド……」

 

 驚く俺の横で、疾風が冷静に呟く。

 

「ほう、さすがに多少は物を知っているな……ジョアンナ=フェルナンデス、怪人だ……」

 

 帽子の少女が淡々と語る。

 

「ウ~バウ‼」

 

「ミ、ミャア⁉」

 

 フェルナンデスが吠える。雷電がややたじろぐ。

 

「ビビんな! 金剛!」

 

 紅蓮が声を上げる。

 

「ミ、ミャア……」

 

 雷電が不安そうな声を出して、紅蓮を見つめる。

 

「猫が犬に負けるわけがねえだろう!」

 

「どういう理屈ですか……」

 

 疾風が呆れる。

 

「うるせえ、理屈なんざ関係ねえ!」

 

「無茶苦茶ですね……」

 

「……ミャア!」

 

 雷電がフェルナンデスの方に向き直り、力強い声を発する。

 

「お、気合が入ったみたいだな」

 

「単純な方々ですね……」

 

 俺が呟く横で、疾風が俯いて、自らの額を軽く抑える。

 

「……ミャアア!」

 

「バウ!」

 

 雷電は勢いよく飛びかかるが、フェルナンデスが横に飛んでかわす。

 

「ミャア! ミャア!」

 

「バウ! バウ!」

 

 雷電が立て続けに飛びかかる。それをフェルナンデスが次々とかわす。

 

「いいぞ! 金剛!」

 

 紅蓮が声を上げる。

 

「……どうやら俊敏性では、雷電さんに若干の分があるようですね」

 

 疾風が冷静に分析する。

 

「ミャア~?」

 

 どこか得意気な声を発する雷電。

 

「バウウ……」

 

 低い唸り声を発するフェルナンデス。

 

「……遊びはそろそろ終わりにしろ、ジョアンナ」

 

 帽子の女子が告げる。

 

「……バウウウ!」

 

「! 熱っ⁉」

 

「な、なんだ⁉ 急速に温度が……」

 

「あのヘルハウンドの発する熱でしょう……」

 

 戸惑う紅蓮と俺に対し、疾風が熱気でくもった眼鏡を拭きながら冷静に呟く。

 

「! ミャアアア⁉」

 

 雷電が自らの顔のあたりを抑えながらよろめく。

 

「⁉ ど。どうしたんだ、雷電⁉」

 

「猫舌を刺激されてしまったようですね」

 

 驚く俺の横で、眼鏡をかけ直した疾風が状況を理解する。

 

「バウウ!」

 

「ミ、ミャア⁉」

 

 距離を詰めたフェルナンデスに殴りつけられて、雷電は倒れ込む。変身が解ける。

 

「雷電!」

 

「うう……」

 

「野良猫ごときが地獄の番犬に敵うものか……」

 

 帽子の女子が笑みを浮かべる。

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