同好怪!?   作:阿弥陀乃トンマージ

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第8話(3)生徒怪の脅威

「うっ……」

 

「だ、大丈夫か⁉ 雷電!」

 

「ううっ……」

 

 俺の問いかけに対し、雷電はうめくのみである。

 

「戻れ、ジョアンナ」

 

「……」

 

 帽子の女子の呼びかけに応じ、フェルナンデスは人間の身体に戻る。

 

「……今、謝るのなら、仕置きはこれくらいにしてやっても良いぞ?」

 

「あん⁉」

 

「どうする? 紅蓮龍虎?」

 

「寝ぼけたこと言ってんじゃねえぞ、誰が謝るかよ……」

 

「ふむ、まだ仕置きが必要なようだな……」

 

「上等だ! 行くぜ!」

 

「お待ちなさい!」

 

 疾風が紅蓮を制止する。

 

「ああん⁉」

 

「……貴女が出るまでもありません。ここは私にお任せ下さい……!」

 

「お、おう……」

 

 疾風が前に進み出る。上手い事紅蓮をコントロールしたな……いや、感心している場合じゃないだろう、俺。

 

「ま、待て、疾風! 校内で揉め事は……!」

 

「ご心配には及びません」

 

「え?」

 

「さっさとケリをつけます……!」

 

「あ、ああ、なるほど……って、そういう問題じゃなくてだな……」

 

「変化!」

 

「ああっ!」

 

 疾風が怪異に変化してしまった。

 

「………」

 

 疾風が右腕の鎌をクイっと上げる。

 

「へっ、一瞬で終わらせるってよ」

 

 紅蓮が笑みを浮かべながら告げる。

 

「面白いことを言う……」

 

 帽子の女子も笑みを浮かべる。

 

「シャアアア!」

 

 疾風が生徒怪の連中に向かって物凄いスピードで襲いかかる。

 

「おっと!」

 

 生徒怪の3人が廊下に飛び出して、疾風の突撃をかわす。疾風は身を翻してそれを追いかけ、俺と紅蓮もそれに続く。

 

「シャア!」

 

「む……」

 

「待て、ジョアンナ。蘭」

 

「は……」

 

「お前が行け」

 

 帽子の女子に促されて、小柄でおかっぱ頭の女子が前に進み出る。

 

「シャアア!」

 

 疾風が飛びかかろうとする。

 

「……変化!」

 

「!」

 

 疾風だけでなく、俺と紅蓮も驚く。

 

「変化した⁉」

 

「あいつも怪異かよ……」

 

 おかっぱ頭は身体が緑色の鱗に包まれ、まわりにボサボサと毛の生えた頭頂部には、まっさらとしたお皿が載っている。

 

「あ、あれはひょっとして……」

 

「ひょっとしなくても“河童”だぜ、村松っちゃん……」

 

「カ、カッパ⁉」

 

 紅蓮の言葉に俺は素っ頓狂な声を上げてしまう。

 

「へっ……」

 

 紅蓮が鼻で笑う。

 

「紅蓮……?」

 

「カッパなんざ河のもんだろうが。陸に上がって何が出来るよ……やっちまえ!」

 

「シャア‼」

 

 疾風が両腕の鎌を素早く振るって、斬撃を飛ばす。

 

「パッ!」

 

「‼」

 

 かっぱと化したおかっぱ頭が、軽い身のこなしで斬撃をかわす。

 

「か、かわした⁉」

 

「す、素早いじゃねえか……」

 

 驚く俺の横で紅蓮が意外そうに呟く。

 

「小森蘭河(こもりらんか)……我の右腕の怪異、いや、怪童と言った方が良いか……」

 

 帽子の女子が淡々と呟く。

 

「怪童だあ? へっ、所詮はお子ちゃまだろうが! 怯むなよ、眼鏡!」

 

「シャアア‼」

 

 紅蓮を皆まで言うなというように制してから、疾風が小森に迫る。

 

「パッ‼」

 

「シャアア⁉」

 

 疾風の振り下ろした鎌を小森が飛び上がってかわす。

 

「……パアッ!」

 

「シャアアア⁉」

 

 小森がかかとを振り下ろす。凄まじい勢いのキックが疾風の右腕に当たる。疾風は思わずのたうちまわってしまう。俺は声を上げる。

 

「は、疾風!」

 

「水の重さから解き放たれた河童を甘く見るなよ……」

 

 帽子の女子が低く鋭い声で告げる。

 

「シャア……」

 

「眼鏡! 一旦距離を取れ!」

 

「シャ、シャア!」

 

 紅蓮の声に応じ、疾風が起き上がって、体勢を立て直しつつ、距離を取る。

 

「多少の距離など関係ない……」

 

「パアアッ!」

 

「シャ⁉」

 

 小森が鞭を疾風の左腕に巻きつける。

 

「……パアアアッ!」

 

「シャアアアアッ⁉」

 

「パアアアアアッ‼」

 

「シャアアアアッ‼」

 

 小森によって持ち上げられた疾風は、天井と床に交互に思い切り身体を叩きつけられて、動かなくなる。

 

「は、疾風!」

 

「む、鞭を使うカッパちゃんとか、無茶苦茶だし……」

 

「金剛!」

 

 目を覚ました雷電が廊下に出てくる。俺が声をかける。

 

「だ、大丈夫か⁉」

 

「な、なんとか……」

 

「貴様らのしょうもない物差しで我々生徒怪を測るな……おこがましい!」

 

 帽子の女子が帽子を被り直しながら吐き捨てる。

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