「ああ」
「ノリで連れてくるなよ、大体ここはどこだ?」
俺は周囲を見回す。
「ここは旧校舎だな」
「あ、ああ……一部分は残された……こんな感じなんだな、入ったことが無いから知らなかった……ってか、あれは大丈夫なのか⁉」
「どうした急に?」
織田桐が首を傾げる。
「ひ、昼間からあんなに派手に暴れ回って……!」
「なんだ、そんなことか……」
「そ、そんなことって……」
「人払いは徹底してある」
「そ、そうなのか?」
「ああ」
「い、いや、そう上手くいくか?」
俺は首を傾げる。
「一瞬の出来事だったからな」
「いや、数分は経過していたぞ!」
「目撃者が居たとしても、記憶を消すから問題ない」
フェルナンデスが拳を握って見せてくる。
「いや、物理的にかい!」
「他に方法が?」
「なんかこう……強い光を見せるとか……」
「面倒くさいな……」
「そっちの方が面倒だろう!」
「情報を拡散しようとしたら……壊す!」
小森が鞭を振るう。
「いや、直接的にかい!」
「他に手段が?」
「なんかこう……ハッキングして、嘘の映像データを流すとか……」
「まだるっこしいな」
「デバイスをぶっ壊すよりマシだと思うぞ!」
「……仮に見られたとしてなにか問題があるか?」
織田桐が口を開く。
「い、いや、混乱が起こったり……」
「混乱は我々が直ちに収束させる……!」
「そ、そうは言うが……」
「あまりそこら辺に気を回す必要はない」
「え?」
「基本的に、怪獣などが現れるのはこの限られた地域だ……」
織田桐が両手を広げてくるりと回る。
「が、学園付近か……」
俺はは周囲を見回す。
「出現する時間帯も集中している……」
織田桐が腕時計をトントンと叩く。
「ゆ、夕暮れ以降か……」
俺は周囲を見回す。いつの間にか日が暮れている。
「よって、我々としては、怪獣などへの対応に力を注げば良い……」
「そうなのか……」
「そうなのだ……ん?」
建物が激しく揺れる。
「じ、地震⁉ 結構デカいぞ!」
「外へ出るぞ!」
俺は織田桐たちに続いて、旧校舎の外へ出る。
「ああっ⁉」
俺は驚く。そこにはワニのような怪獣、大きな煙が塊となった怪異、クモの顔をした怪人がいたからである。
「これはこれはお揃いで……」
織田桐がニヤリと笑う。
「ど、どうするんだ⁉」
俺の問いを織田桐は鼻で笑う。
「はっ、知れたこと……打倒するだけだ!」
「……!」
「……‼」
「⁉」
「バウ!」
「パッ!」
「ガエッ!」
フェルナンデスがヘルハウンドの怪人に、小森が河童の怪異に、織田桐がフェニックスの怪獣にそれぞれ変わった。
「お、おおっ……」
俺はあっけにとられてしまう。
「……⁉」
「バウウ!」
「ギャッ!」
フェルナンデスがクモの怪人を一瞬で噛み千切ってしまう。
「………⁉」
「パアアッ!」
「ブオッ!」
小森が頭頂部の皿をピカリと光らせる。その眩い光によって、煙の怪異は霧消する。
「…………⁉」
「ガエエッ!」
「グエッ!」
織田桐がワニの怪獣に飛びかかる。ワニの怪獣はあっという間に火だるまと化す。
「あ、ああ……」
「ふん……」
「へっ……」
「ざっとこんなものだ……」
フェルナンデス、小森、織田桐が元の姿に戻る。
「あ、圧倒的だな……」
俺は感心したように呟く。
「褒めてもなにも出んぞ?」
織田桐が笑みを浮かべる。
「い、いや……それにしても……」
「うん?」
「やることは同好怪と変わりがないような……」
「まあ、それはそうだな」
「そ、それならば……力を合わせても良いんじゃないか?」
「笑止……!」
織田桐が俺を睨み付けてくる。笑ってないじゃないか。
「お、おっと……」
「下位互換と手を合わせても仕方がない……!」
織田桐が吐き捨てる。
「し、しかし、それぞれ別々に活動するよりは……」
「他と差を付けるキーパーソンは貴方……!」
「うわっ⁉」
「むっ⁉」
俺がいきなり何者かに連れ去られる。自分で言うことでもないか。