機動戦士ガンダムJ   作:あかつきp dash

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第十七話『夜明け』

「お嬢さんはノーマルスーツに着替えて、スタンバイしてください」

 

「新型の調子は?」

 

「おまかせください」

 

 二人がエレカを降りると、廃工場の中は騒然としていた。十人ほどの作業着を着た、男たちが忙しそうに動きまわっているのだ。

 

「実戦は初めてになるので、ご迷惑をかけるでしょうけど?」

 

「俺とオクトーが脇を固めます。大丈夫、そのための俺たちですから。お嬢さんは戦場の空気に慣れるところから、はじめてもらいます」

 

「わかったわ」

 

「ぼさぼさしてるんじぇねえ! 夜明けまで一時間もねえぞ! オクトーは準備できてるんだろうな!?」

 

 オズベルトの怒号が廃工場に響く。その声で廃工場の中の空気がより引き締まったような気が、シャルナにはした。

 

 シャルナはすぐさまに廃工場のロッカールームに入り、自分用のノーマルスーツを手にとる。

 

 ノーマルスーツに着替えたシャルナは、ロッカールームをでて、大広間にでる。そこにはキャリーの上にモビルスーツが寝かせてあった。

 

「ご苦労様。アルエットの調子はどうですか?」

 

 シャルナがモビルスーツの点検を行っていた男にねぎらいの言葉をかける。

 

「システムオールグリーン、いつでも行けますよ」

 

 男は誇らしげに指を立てて応える。

 

「少佐の思いつきには困ったものね?」

 

「モビルスーツの性能を試すには、もっとも効果的ですがね」

 

「そうね……」

 

 シャルナはそういって、モビルスーツのコクピットに乗りこむ。

 

「アルエットは、従来のモビルスーツの規格とは異なりますので、扱いにはお気をつけください」

 

「わかったわ」

 

 本来の任務というのは、フロンティア4でアルエットを受領して、グリュ・プランセッスに持ち帰ることだった。

 

 しかし、アーガマRが入港してきて、予定が変更されることとなった。

 

 グリュ・プランセッスの艦長である、アレン・ラッティがアーガマRに攻撃を仕掛けるといいだしたからだ。彼はアトラス隊を何度も退けたというアーガマRに興味を

持ったのと、新型のテストを兼ねてという意味合いがあった。

 

 聞いた話だとアーガマRに配備されているモビルスーツは全部で四機。対して、フロンティア4に潜ませてあるモビルスーツは新型を含めて三機。さらに外で待機して

いるグリュ・プランセッスには四機のモビルスーツがある。しかし、フロンティ4に駐屯している連邦軍もいるので、数で押し切られれば、不利はいなめない。

 

『最初にグリュ・プランセッスが港に砲撃をしかけ、封鎖します。それから我々は

《河》を突き破って本隊と合流、迫りくる敵は実力を持って排除という流れです。なにか質問は?』

 

 フロンティア4の夜明けまで、あと三十分。

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