明朝七時――
港の管制にいた男は、不自然な動きをする隕石がこちらに向かってくるのに気づいた。そこで哨戒中のグラップ級に連絡をとり、調査の依頼をした。
調査の依頼を受けたグラップ級が隕石に近づくと、いきなり隕石は破裂して中からアークジオンの戦艦が顔をだした。応戦しようとしたときには、すでに遅くグラップ級は抵抗する間もなく蜂の巣にされた。
さらにアークジオンの戦艦は、港の入り口に砲撃をしかけたのである。
戦艦が大きく揺れるとともに、アイラの目はを覚めた。
「いったいなにごと?」
ただごとではないと悟り、ブリッジへ連絡を入れる。
『み、港が砲撃されたようです』
管制が慌てたように答える。
「状況は?」
『入港口が敵船艦に陣どられているせいで、港は封鎖された状態です』
「哨戒にでている戦艦は?」
『返事がありません……』
アイラは嘆息をつく。状況が最悪だと理解したからだ。同時に次にやることも決まっている。
「とりあえず。モビルスーツで待機しておくわ。指示は追っておくってちょうだい」
アイラはそれだけ伝えると、服を着て、外にでる。が、それを阻む影があった。
いきなり腰のあたりと足にしがみつかれ、身動きがとれない。
犯人はマウロとティーロであった。
「アンタたちなんのつもりかしら?」
アイラは嘆息を一つつくと、二人の頭にげんこつをくらわせた。マウロは「イテーッ!」と叫び、ティーロは泣きだす。
「自分で悪いことしておいて、勝手に泣くんじゃない!」
アイラはティーロの頭にさらにげんこつをあたえた。するとティーロはよりいっそう大声を張りあげて泣きだした。
「事情を聞かせなさい」
そんなティーロを放っておいて、マウロに向きなおる。
「いや、あの……、アイラさんの腰って思ったより柔らかいなって」
薄ら笑いを浮かべるマウロに容赦なく、平手打ちをくらわせる。
「子供がませたこといってるんじゃない!」
アイラは鬼のような形相で二人を睨む。その目を見ただけで、ティーロは泣きやみ、マウロは肩をぶるりと震わせた。
「正直にいいな。でないと、裸で宇宙遊泳だよ」
その顔から、とても冗談のようには思えず、マウロはとうとう口を割った。
「ケ、ケネスがいったんだ。アイラを足止めにしてるうちに、俺がJで出撃するって……」
「ホントにそういったの?」
今にも泣きだしそうな顔で、マウロは何度もうなずく。
アイラは忌々しそうに舌打ちをして、マウロを思いっきり殴った。
「ケネスを友達だって思ってるんなら、あんたのやったことを最低のことだって覚えときな!」
アイラはすぐ近くにあるマイクを手にとって、管制に連絡をとる。
「管制、Jを出撃させてはだめよ! それにはケネスが乗っているわ!」
『なんだって? Jならもう出撃したぞ』
その一言にアイラは目眩を覚えた。