コンペイ島宙域に滞在する連邦軍の艦隊数は、これからアークジオンの大艦隊を迎え撃とうというには心許ない数であった。しかし、それこそが連邦側の作戦であった。連邦軍には敵艦隊を懐に誘き寄せる必要があったのだ。
つまり連邦軍はこの戦線で、劇的な逆転劇の構想を練っていたのである。
その作戦はコロニーレーザーを使ってアークジオンの艦隊を一網打尽にするという、至ってシンプルなものであった。しかし、そのコロニーレーザーを撃つまでには、いくつかの行程を踏む必要があった。
第一に敵にコロニーレーザーを察知されずに射線軸に誘導する必要があった。あとはそれにどれくらいまでの敵艦隊を巻き込めるかということだ。
しかし、コンペイ島宙域で建造していれば、嫌が応にも敵の目についてしまう。ならばと考案されたのが、コロニーレーザーを小型化し、パーツを細分化して組み立て式にするというものであった。
それにより巡洋艦一隻でも持ち運びが可能となり、かなり融通の利く兵器として期待された。
しかし、一方で急ごしらえゆえの強度の問題が立ちはだかった。高熱を発する高出力のレーザーに砲身が保たないのではないかという心配である。
そこで取り入れられたのが新技術であるミノフスキーアーマーの利用である。ミノフスキーアーマーとは機体の表面装甲にそってIフィールドを張りめぐらすというものだ。
またパーツのジョイントにもIフィールドによって接合が行われている。これはパーツのドッキング時における衝撃を軽減する措置でもあり、従来のドッキングにくらべ接合がより強くなる。その接合部分には常にIフィールドが張られた状態となり、これにより強度的な問題はクリアされた。この現象を技術陣はをミノフスキーコネクトと呼んだ。
つまりコロニーレーザーの砲身の強度をIフィールドによって制御しようというのである。
エネルギー供給は大型のジェネレーターと太陽光が利用される。そのため部隊は目くらましの意味合いもこめて、太陽を背にするようして展開される予定であった。
その具体的な作戦内容は敵艦隊に悟られずにコロニーレーザーの射線軸に誘きだし、かつ発射予定時刻まで時間稼ぎをするというものだ。
そのため誘導部隊には多大な忍耐を要することになり、それとコロニーレーザーの組み立てには迅速な行動が必要とされた。
いうなればこれは時間との戦いだった。
作戦名『サンライズ作戦』が間もなく開始されようとしていた。