機動戦士ガンダムJ   作:あかつきp dash

46 / 78
第六十話『分かれ道』

 第二戦の開幕はアルバトロスのバッファの破壊からはじまった。

 

 JのBWCSによって、バッファの場所を探し当てたのである。シンクとシャルナとの相性がよかったようで、いままでで最高の感度を示してくれていた。

 

「相変わらず、シンク・アルファードは……!」

 

 舌打ちしたアイラは剣で斬りかかるのを、シンクはビームサーベルでいなす。

 

「アイラ・ハイヤームこそ」

 

 アルバトロスの実剣はJのビームサーベルを切り裂けず、Jは間合いをとることに成功する。いかにビームシールドを打ち破る兵器といえど、瞬時に切り裂けるわけではない。

 

 Jはビームサーベルをアルバトロスに向かって投げつけると、右手をすぐにビームライフルに持ち替える。投げつけたビームサーベルはアルバトロスに届かず、剣でたたき落としてしまう。

 

「シャルナ、フェイズ2に移行するぞ」

 

「いいわよ」

 

 シャルナに火器管制をまかせ、シンクはJを動かすことに集中する。アルバトロスに対して機動力で負けるJでは、逃げることもままならない。ならば、つかず離れずに間合いを計りながら戦おうというのである。たしかに勝つことはできないが、それなら負けることもない。

 

 それでもアルバトロスとJの性能差は埋めるには、限界がある。アルバトロスのエネルギーが尽きる前にやられるのは、確実にJのほうだと断言できた。

 

「とらえた!」

 

 アルバトロスがJの頭を掴みとる。BWCSはJの頭部に組み込まれているものだ。頭部を潰されることは、Jの根幹を支えるBWCSを失うことだった。しかし、シンクは構わず頭を切り離す。

 

「アイラは夢中になりすぎだ。だから自分が誘きだされたことにも……!」

 

 アイラが気づくとそこはアステロイド帯の付近であった。Jを追いまわすにつれて、石ころが増えだしたのはそのためだった。

 

 そしてアイラはハッとなって後ろをふり向く。背後に機影を感じたためである。

 

 それはアルエットであった。しかし、シャルナはJに乗りこんでいるために、アルエットは無人である。

 

 アイラは思わずアルエットに気をとられる。隙をつくにはそれだけで十分だった。

 

 Jの頭を徐切し、アルエットに向かってビームライフルを放つ。

 

「な……に?」

 

 アイラが驚愕の声をあげる。

 

 アルバトロスの至近距離でアルエットが爆発する。その衝撃にアルバトロスは押しだされ、右手に持っていた実剣を手放してしまった

 

「後退する……!」

 

 シンクはそういって、最大加速でアルバトロスから離れる。バッファを失っているため、迂闊に深追いはできないはずだった。

 

 つまり距離さえとってしまえば、十分に逃げられるということだ。

 

 案の定、アルバトロスは爆煙から逃れても、Jを追いかけてくることはなかった。

 

 そのかわり、アーガマRに帰還するまでの間――ずっとアイラの高笑いが響いていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。