祓っていいとも!   作:阿弥陀乃トンマージ

39 / 39
第10話(1)またまたまたまたまたまた悩む

                  10

 

 一応名乗っておくとわたしの名前は最寄田静香。16歳。この春から高校二年生だ。

 

 さて、つい先日、『新宿オルタナティブ学園』の二年生に晴れて進級して約一ヶ月……なんとも驚くべきことがあった。学園名変更ではないのだ、まったくもって残念ながら。

 

 ……なんと6人目のイケメンとお知り合いになったのだ。断っておくが非モテの方に対するマウント発言では決してない。簡単に振り返ってみると、わたしには突発的に人一倍強い霊感が備わっていて、選ばれし存在で、運命的な勇者で、スペースポリスマンの適性が高く、エクソシストとして特異な素質を持っているそうだ。昨日、搭乗者ライセンスの保有者であるということも判明した。一体全体、何を言っているのか?と聞かれたら、「さあ?」と全力で首を傾げる他ない。

 

 この春になってから、わたしにはやたらと肩書が増えた。華のJK2年生だけには留まらず、祓い屋兼スーパーヒロイン兼勇者兼スペースポリスマン兼エクソシスト兼ロボットパイロットだ。夢見がちなキッズでもここまでは妄想を膨らませたりはしないだろう。

 

 そういえばだ、昨日お会いしたイケメン……というか、まだ少年の面影を残していたサイボーグ、矢村九十九くんが脳内に語り残していった。

 

 (ロボットは恐るべき悪の組織的なテロリストグループが開発したものです。新宿あたりに眠っているとされる強大なエネルギー源の確保に徐々に動き始めたのを我々の協力者だと思われる存在からそれとなくリークされました。我々としては新宿を防衛しなくてはそれなりにマズいことになります、多分……)

 

 ……なんで、全部漠然としているんだ。脳内にふわっとした情報を刻み込まないでくれよ、お姉さんはショタコンの気はさほどないから、そこまで大目には見られないよ?

 

 まあ、それはともかくとして、土曜日に続いて日曜日に通学しなくてはならないというのは、ちょっとどうなのだ。重要な要件なら昨日まとめて伝えておいてくれよ。だが、こちらは内申点を人質に取られた悲しい身の上だ。休むわけにもいかない。内心でこれでもかと舌打ちをしながらも、今日もわたしは学園の門をくぐる。……皆もちゃんと来ているな、真面目で結構なことだな。……うん?

 

「……」

 

 何やら校舎前がざわざわとしているな……。平和に過ごしたいところなのだが……む?

 

「ふむ、ようやくお逢い出来ましたな……姫様」

 

 おかっぱ頭で、髪色を青・赤・桃・黄・緑と五色に染め分けたアバンギャルドな髪型のイケメンがわたしを見つけて、さっと跪いてきた。

 

「ど、どなたさまでしょうか……?」

 

 わたしは困惑気味に応じる。新年度約二か月と二日目、またしても予想外の幕開けだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。