ええんか……?確実にドラゴンボール超を見ていなければ理解できない内容なのにええんか……!?
拳の応酬が繰り広げられる。
予想外だった。
パワーとスピードはともに、俺が勝っている。だが、経験の差というものが如実に出ていて、俺はまだベジータ相手に優位を保つことができていなかった。
年の功だなこりゃ。
碌に戦闘経験など積めなかったし、傭兵の仕事も敵は大抵弱かった。常時無双状態でいたツケが回っている。
「ハァッ──!!! そんなものか!!」
「流石に……ッ、強いですね……!」
だからこそ分かってしまう。
ベジータは俺に勝つことができない。
技術で勝っていても、未だに決定打を与えられていないこと。ブルー形態は体力の消耗が激しいこと。これらの要因が、紛れもなく彼の負けを決定づけてしまう。
──ムカつく。
それは最早俺の負けである。
無論、体力の差も実力のうちに入ると思う。だが、力頼りを嫌っている俺が力頼りで勝ってしまうことは許せない。
確かに年の功で長い間技術の研鑽と、血だらけになってまで鍛え上げた過去があるベジータに、たかが19のガキが勝てるとは思っていない。
せめて……せめて爪痕を残して見せる。
「ハァァッ!」
「くっ」
気合いでベジータを跳ね除け、距離を取る。
再び取るのは、受けの姿勢。
「アレか……だが、下手な受けではこの俺を倒すことなどできんぞ!!」
「分かっています。ですが、最も鍛え上げたこの技術で貴方と戦いたい」
「ふん。上等だ」
恐らく、修行と雑魚狩りをした上で、最も鍛え上げた技術は受けの姿勢だ。自分から攻めることは、相手の脆弱さもありほとんど無かった。だからこそ、俺には攻める気概と技術が足りない。
ならば受けだ。
体力消費云々など、ブルー形態のベジータを相手に言えない。どのみち最初に体力が尽きてしまうのはベジータの方なのだ。
「どうぞ。どこからでもかかってきてください」
「舐めるなよ……!! その澄ました余裕面を剥がしてやる!」
ゴッド形態での受け。
ベジータの拳を避けることなく、流水のような動きで運動エネルギーを逸らし、捌いていく。
……当たり前のことに気が付かなかった。
通常形態よりも、ゴッド形態の方が受けに重厚感が出る。それ故に、重い攻撃を逸らすことが容易にできた。
俺はまだ心の何処かでゴッドへの変身を、力とスピードの強化だと思い込んでいた。それは間違っていない。
だが、ゴッドへの変身は、研鑽を積んできた技をも強化してくれる。動体視力が上がれば、当然のように受けへの理解度も高まる。
つまりは総評。
──見える! 見えるぞぉ!!
的な感じである(雑)。
「貴様は液体か……!!!」
ベジータが謎のツッコミをするくらいには、なかなか良い動きができていると思う。
まあ、擬音で表したら多分『にゅるん』だと思うし。
さて、決着を着けようか。
先程と同様に、運動エネルギーを逸らし、ベジータの態勢を崩す。しかしベジータはきっと二度目のコレには対応してくることだろう。
強者への信頼。
それ故に、その動きはフェイントだ。
「────ッ!」
掌底のポーズを取ると、ベジータは咄嗟の反応で鳩尾を守る。
それを見越していた俺は、一拍攻撃を遅らせ、蹴りをベジータの首筋に叩き込んだ。
伝わる人には伝わるかもしれないが、ドッカンバトルのメトロアタックである。
空中機動が幅広くできるドラゴンボール世界ならではのフェイントだ。でなければ咄嗟に攻撃方法を変えることなどできない。
「ぐぁぁぁっ!!!」
苦悶の声をあげ、ベジータは闘技場に叩きつけられた。
数秒後、気を失っているベジータに、レフェリーが俺の勝ちを告げた。
「勝者、キャベ選手!」
「良くやったキャベツ!!」
「キャベです」
シャンパ様の本気か冗談か分からない称賛を受け取りつつ、俺は軽く息を整えて、気を取り戻したベジータに近づく。
「とても楽しい戦いでした。目を見張るようなベジータさんの技術は、今後の糧とします。今回は僕の勝ちでしたが、また貴方と戦いたいです」
「……下手な慰めはいらん。俺の修行が足りなかった。ただそれだけだ。だが、次は負けんぞ」
「ええ」
互いを認め合うような笑みとともに握手を交わした俺達に、観客席からは大きな拍手が送られた。何だかんだ嬉しい俺である。
ベジータは強かった。
受けに回ったことで得た経験と、それでも少しヒヤッとする場面があったこと。改めてベジータという漢の強さを再認識した俺は、さらなる修行を誓う。
さて、と……。
「次はピッコロさんか悟空さんですね」
「俺は棄権する。……次元が違う」
「じゃあ、次はオラか」
ピッコロは早々に棄権をした。強さへの渇望はあるにしろ、無理な戦いは避けていくのがピッコロである。先代神様と融合していなければ果敢に挑んだかもしれないが。
ベジータとの戦いは楽しかった。
ならば悟空はどうだろうか。
きっと──ワクワクするような戦いが繰り広げられるのではないか、と俺は期待に胸を膨らませた。
お気に入り、好評価、感想ありがとナス!
コメントのブロリー二世扱いに朝から爆笑しちまったぜ!
……間違ってはいないんだよなぁ……。自制が少しできるブロリー……的な。
作中のドッカンバトルの技は無視してくれても結構です。
まあ、首に蹴りを叩きつけたことが分かれば……。
作者はドッカンバトルに今更ハマってるもので。