第六宇宙、不遇じゃね?   作:恋狸

7 / 10
日間1位だと……!?
ええんか……?確実にドラゴンボール超を見ていなければ理解できない内容なのにええんか……!?


vsベジータ②

 拳の応酬が繰り広げられる。

 予想外だった。

 パワーとスピードはともに、俺が勝っている。だが、経験の差というものが如実に出ていて、俺はまだベジータ相手に優位を保つことができていなかった。

 

 年の功だなこりゃ。

 碌に戦闘経験など積めなかったし、傭兵の仕事も敵は大抵弱かった。常時無双状態でいたツケが回っている。

 

「ハァッ──!!! そんなものか!!」

「流石に……ッ、強いですね……!」

 

 だからこそ分かってしまう。

 ベジータは俺に勝つことができない。

 技術で勝っていても、未だに決定打を与えられていないこと。ブルー形態は体力の消耗が激しいこと。これらの要因が、紛れもなく彼の負けを決定づけてしまう。

 

 ──ムカつく。

 それは最早俺の負けである。

 無論、体力の差も実力のうちに入ると思う。だが、力頼りを嫌っている俺が力頼りで勝ってしまうことは許せない。

 確かに年の功で長い間技術の研鑽と、血だらけになってまで鍛え上げた過去があるベジータに、たかが19のガキが勝てるとは思っていない。

 せめて……せめて爪痕を残して見せる。

 

「ハァァッ!」

「くっ」

 

 気合いでベジータを跳ね除け、距離を取る。

 再び取るのは、受けの姿勢。

 

「アレか……だが、下手な受けではこの俺を倒すことなどできんぞ!!」

「分かっています。ですが、最も鍛え上げたこの技術で貴方と戦いたい」

「ふん。上等だ」

 

 恐らく、修行と雑魚狩りをした上で、最も鍛え上げた技術は受けの姿勢だ。自分から攻めることは、相手の脆弱さもありほとんど無かった。だからこそ、俺には攻める気概と技術が足りない。

 ならば受けだ。

 体力消費云々など、ブルー形態のベジータを相手に言えない。どのみち最初に体力が尽きてしまうのはベジータの方なのだ。

 

「どうぞ。どこからでもかかってきてください」

「舐めるなよ……!! その澄ました余裕面を剥がしてやる!」

 

 ゴッド形態での受け。 

 ベジータの拳を避けることなく、流水のような動きで運動エネルギーを逸らし、捌いていく。

 ……当たり前のことに気が付かなかった。

 通常形態よりも、ゴッド形態の方が受けに重厚感が出る。それ故に、重い攻撃を逸らすことが容易にできた。

 俺はまだ心の何処かでゴッドへの変身を、力とスピードの強化だと思い込んでいた。それは間違っていない。  

 だが、ゴッドへの変身は、研鑽を積んできた技をも強化してくれる。動体視力が上がれば、当然のように受けへの理解度も高まる。

 

 つまりは総評。

 

 ──見える! 見えるぞぉ!!

 

 的な感じである(雑)。

 

 

「貴様は液体か……!!!」

 

 ベジータが謎のツッコミをするくらいには、なかなか良い動きができていると思う。

 まあ、擬音で表したら多分『にゅるん』だと思うし。

 

 さて、決着を着けようか。

 

 先程と同様に、運動エネルギーを逸らし、ベジータの態勢を崩す。しかしベジータはきっと二度目のコレには対応してくることだろう。

 強者への信頼。

 それ故に、その動きはフェイントだ。

 

「────ッ!」

 

 掌底のポーズを取ると、ベジータは咄嗟の反応で鳩尾を守る。

 それを見越していた俺は、一拍攻撃を遅らせ、蹴りをベジータの首筋に叩き込んだ。

 伝わる人には伝わるかもしれないが、ドッカンバトルのメトロアタックである。

 空中機動が幅広くできるドラゴンボール世界ならではのフェイントだ。でなければ咄嗟に攻撃方法を変えることなどできない。

 

「ぐぁぁぁっ!!!」

 

 苦悶の声をあげ、ベジータは闘技場に叩きつけられた。

 数秒後、気を失っているベジータに、レフェリーが俺の勝ちを告げた。

 

「勝者、キャベ選手!」

「良くやったキャベツ!!」

「キャベです」

 

 シャンパ様の本気か冗談か分からない称賛を受け取りつつ、俺は軽く息を整えて、気を取り戻したベジータに近づく。

 

「とても楽しい戦いでした。目を見張るようなベジータさんの技術は、今後の糧とします。今回は僕の勝ちでしたが、また貴方と戦いたいです」

「……下手な慰めはいらん。俺の修行が足りなかった。ただそれだけだ。だが、次は負けんぞ」

「ええ」

 

 互いを認め合うような笑みとともに握手を交わした俺達に、観客席からは大きな拍手が送られた。何だかんだ嬉しい俺である。

 ベジータは強かった。

 受けに回ったことで得た経験と、それでも少しヒヤッとする場面があったこと。改めてベジータという漢の強さを再認識した俺は、さらなる修行を誓う。

 

 

 さて、と……。

 

「次はピッコロさんか悟空さんですね」

「俺は棄権する。……次元が違う」

「じゃあ、次はオラか」

 

 ピッコロは早々に棄権をした。強さへの渇望はあるにしろ、無理な戦いは避けていくのがピッコロである。先代神様と融合していなければ果敢に挑んだかもしれないが。

 

 ベジータとの戦いは楽しかった。

 ならば悟空はどうだろうか。

 きっと──ワクワクするような戦いが繰り広げられるのではないか、と俺は期待に胸を膨らませた。

 

 

 




お気に入り、好評価、感想ありがとナス!
コメントのブロリー二世扱いに朝から爆笑しちまったぜ!
……間違ってはいないんだよなぁ……。自制が少しできるブロリー……的な。

作中のドッカンバトルの技は無視してくれても結構です。
まあ、首に蹴りを叩きつけたことが分かれば……。
作者はドッカンバトルに今更ハマってるもので。
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