第六宇宙、不遇じゃね?   作:恋狸

8 / 10
孫悟空のキャラの解像度が低くて書きづらいンゴ


vs悟空①

 相対して感じたことは、ベジータとは真逆の性質だな、ということ。勿論、真正面にいるのは笑みを浮かべている悟空であり、戦いを楽しみにしていることが目に見えてわかる。

 

 さて、真逆の性質というのは、悟空が『武』の極地にいるということ。武道家としての孫悟空が、俺の目の前にいた。

 

 対してベジータは生まれながらの『戦士』である。

 

 武道家としての悟空と、戦士としてのベジータ。

 どちらも全く違う技術を極めている。

 ……なるほどな。ベジットやゴジータが強い理由が極めて分かる。二人合わせて最強なのは、上手い具合にこの真逆の性質のいいとこ取りをしているからなのだろう。

 

「キャベ選手vs孫悟空選手──はじめっ!!」

 

 ベジータとは違い、最初は両者動かずだった。

 俺は通常形態のまま、受けの姿勢を形作る。悟空も通常形態のまま、油断ない瞳で構えている。

 

「へへっ、おめぇとの試合楽しみにしてたんだ」

「光栄です。僕も貴方との試合を楽しみにしていました」

「オラはスロースターターなんだけどよ、そんなこと言ってられなさそうだ────ハァッ!!!」

 

 悟空が選択したのは──超サイヤ人ゴッド。

 やはりベジータの試合を見て、ブルーの体力の消耗具合が懸念点だということを理解したのだろう。徐々にパフォーマンスを失うブルー形態よりも、100%の力で長く戦うことのできるゴッドの方が理に適っているとの判断か。

 受けが主流の俺に対する戦い方としては満点だろう。

 こういうところは、武道家としての勘が働いているのだろうなと思う。

 

「では僕も──ハァッ!!」

 

 俺も同じく赤髪のゴッドに変身する。 

 全能感というよりは、万能感が体中に広がる。自分の出せるパフォーマンスが引き上げられたような……存在としての位階を昇るような感覚。

 

 俺は煽るようにクイッと指でかかってくるように伝える。

 悟空はニヤリと笑いながら敢えて俺の挑発に乗ってきた。

 

「ていゃぁぁぁ!!!」

「なるほ……ど!」

 

 やはり戦っている感覚がまるで違う!

 ベジータが野性味のある戦士として極まった技術とすれば、悟空はさながら武術を極めた繊細な戦い方だ。決して力任せではない技巧が尽くされている。

 セル編でも悟空が言っていたように、筋肉が膨れ上がりスピードが殺されてしまう──これが当て嵌まるわけではないものの、謂わばブルーは諸刃の剣。パワーもスピードも兼ね揃えているが、如何せん体力消耗が激しい。元々悟空は一撃必殺に賭けるような戦い方はしない。

 

 武術。俺は今それを目の当たりにしている。

 

 ──運動エネルギーを逸らすことはできているものの、すぐに次点の攻撃が別の箇所からやってくる。

 俺の受けは基本的に一箇所のみしか対応できない。故に、同時に別の方向から攻撃が飛んでくると、受け流す方向が交錯してしまい、ミスの確率が上がってしまう。

 悟空はそれを看破している。

 

「……くっ、流石に巧い……!」

「へへ、おめぇ、同時方向の攻撃は受け流せねぇんだろ?」

「ええ、その通りです。ですが、弱点を弱点のままにしておく理由がありますか?」

「まだ実力を隠してんだろ?」

 

 俺は一度距離を取る。

 悟空の弱点であるバトルジャンキー。それを逆手に取って、会話パートを挟むことに成功した。

 

 ──思考を動かせ!

 ブルーの消耗が弱点なのは俺も同じことだ。

 完成ブルーは力の上昇はあれど、体力の消耗具合は通常ブルーよりも遥かに上。体力には余裕があっても、某ブロッコリーのように無限にあるわけではない。

 だからと言って────

 

「出し惜しみして負けるのは……ダサいでしょうッ!!!」

 

 気を解放する。

 大気が揺れ、所謂ゴゴゴ……という謎の擬音が鳴り響く中、俺は超サイヤ人ブルーに変身した。

 

「やっぱりおめぇもなれたんだな。超サイヤ人ブルーに」

「ええ。別にベジータさんの時はゴッドが最適解だったのであって、隠していたわけではありませんよ」

「分かってるさ。おめぇは相手に礼儀を尽くすタイプだとオラは思う」 

「初対面なのに?」

「拳を交わして分かることもあるだろ?」

「ふふ、ですね」

 

 戦いは加速していく。

 俺が受けの姿勢を崩さないのを見て、悟空はゴッド状態が正解だと感じたのだろう。そのまま猛烈な速度で向かってきた。

 

「だららららぁぁぁあ!!!」

 

 連打連打連打連打!!

 悟空の拳のラッシュを、俺はあくまで冷静に捌いていく。

 気を乱せば、心を乱せば、たったそれだけで受けは崩れる。心の在り方が拳に映る。これぞ技術の応酬。俺は凄まじい満足感と、内に秘めた闘志を抱えながら戦う。

 

「シッ──! ここ。ここ! 今ッ!」

「ぐっ、へへ、効かねぇぞ!」

「こんなものじゃありませんよ」

 

 徐々に俺のカウンターが刺さるようになってきた。

 悟空は笑みを浮かべながら挑発するが、ダメージが蓄積しているのは明らかである。

 虚勢だ。だが知っている。

 

 孫悟空という男は──逆境に強い。

 

 

「なっ……!?」

 

 受け流したはずの拳が、なぜか俺の鳩尾に刺さっていた。

 

 




悟空ならこれくらいやってくれるだろう、と思っている。
キャベジンはベストは尽くしているものの、本気を出しているわけではない。
※本気を出すにはちょっとした条件が必要のため
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