ヤベぇ女、決定戦   作:泰然

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 久しぶりに書いたので、内容がうるおぼえ。


14話 ケイミラ、義妹になる シリウスのコース料理

 

 

 親睦会当日、カフェテリアを一日借りてメイドに扮しておもてなしする事になった。

 ウマ娘の数も多い為、カフェテリアだけでは無く教室にも設置する事に。そこで俺の担当は、カフェテリアに選別されて行う。

 始まるまで時間がある為、俺はカフェテリアの飾りつけを見に行く事にした。

 

 

 

鬼門

「おぉ……飾り付けがピンク」

 

 

 

 いつにも増して室内の明るさが色により増大している。

 

 ライトも明度が上がり、壁には色んな風船と紙装飾が飾られている。椅子もテーブルも薄いピンクに置き換えられて、メイドカフェにしか見えない。

 

 

 

鬼門

「人生でメイドカフェは一度しか行ってないし、どうすればいいか分からなかったな当時は……」

 

パーマー

「あれ? トレーナーじゃん。まだ開始の放送鳴って無いのに、来てたんだ」

 

鬼門

「パーマーか……。めっちゃ似合ってるな……白黒のシンプルで」

 

パーマー

「えっ!? そ、そう……/// お世辞でも嬉しいよ……///」

 

鬼門

「相変わらず自己評価低いな。よく町中で声掛けられてるくせに」

 

パーマー

「あれは、道尋ねられただけだから……関係ないと思うけど」

 

鬼門

「男の方が圧倒的に多いだろ? 道尋ねる何かは二の次で、それナンパの手法だからな」

 

パーマー

「確かに……電話番号めっちゃ聞かれた」

 

鬼門

「だって、パーマー可愛いもん」

 

パーマー

「はわわわ……/// そういうの、反則だって……///」

 

ミラクル

「トレーナーさん、あんまりパーマーを虐めないで下さいね」

 

鬼門

「おぉ……ミラクルは水色と白で清涼感あって可愛いな」

 

ミラクル

「ふふ、トレーナーさんの好みに合わせて清楚を前面に出してみました」

 

鬼門

「一概に清楚だけが好きじゃないけど、ミラクルらしくて似合ってるな。ミラクルも早めに来たのか?」

 

ミラクル

「パーマーと一緒に早めに来たんですけど、用事が出来て遅れただけです。遅れてきたら、トレーナーさんとパーマーがお互い褒め合っていたので、微笑ましく見ていました」

 

「間もなく、メイドカフェ親睦会を開催します。メイド服を着用する方は、速やかに着替えて各自部屋に待機してください」

 

鬼門

「放送が始まったな。さて、どうなることやら……」

 

 

 

 校内放送から暫くして、自分の担当ウマ娘が集まる。全員、違うメイド服で勝負服をモチーフにしている。

 シリウスは、終始しかめっ面を浮かべている。

 

 

 

鬼門

「いつまでヘソ曲げてんだ……。意外に似合ってるだろ」

 

シリウス

「くっ……/// こんな醜態を晒したのは、初めてだ……///」

 

鬼門

「前にポッキーゲームで晒しただろ、自分の記憶を消すな。折角の催しだし、楽しんだらどうだ?」

 

シリウス

「誰が好き好んで着てると思ってるッ!? カウガールに言われなきゃ、こんな姿になってないんだよッ!!」

 

アメリ

「もう敗北宣言? これじゃあ、歯ごたえ無いな~。ダービーウマ娘は名前だけか~」

 

シリウス

「お、お前ッ……言わせておけば――」

 

たづな

「お集りの皆さん、親睦会を開く前に少し説明したいと思います。後ろに食事の材料があります。これを使って、トレーナーさんたちを持て成してあげて下さい。その他は自由に接して構いませんので、赴くままトレーナーさんを癒してあげてください」

 

 

 

 説明を終えて取り敢えず、担当が多いトレーナーは一人ずつ行う事になった。一人目は、ミラクルだ。

 

 

 

ミラクル

「じゃあ、始めますねトレーナーさん」

 

鬼門

「あぁ、最初はミラクルか。ミラクルなら安心して見てられるよ」

 

ミラクル

「それじゃあ……。兄さん、食べたい物とかあります?」

 

鬼門

「ん?」

 

ミラクル

「あっ、先ずは飲み物ですよね。何から飲みます? おれは兄さんとフルーツジュースが飲みたいです。おれが作るジュース、美味しいから待っててください♪」

 

鬼門

「な、なぁ……ミラクル。何で兄さん呼びなんだ……? 普通にやってくれればいいんだぞ?」

 

ミラクル

「やだなぁ……兄さん。おれは妹なんだから、ケイちゃんですよ? 忘れました?」

 

鬼門

「おい、ミラクルに入れ知恵した奴は誰だ? ここはコンセプトカフェじゃないぞ」

 

ミラクル

「やだなぁ……兄さん。コンカフェって何? 頭冷やす為に、今からジュース作ってきますね」

 

鬼門

「おい、アイツ……略称で言ってるぞ? しかも辛辣に言いながら台所行ったし……」

 

ミラクル

「はい、兄さん。この中から好きなフルーツを選んでください」

 

鬼門

「ミキサーとフルーツそのまま持ってくんのかよ!? ん~……じゃあ、桃と葡萄とオレンジかな」

 

ミラクル

「桃と葡萄とオレンジだね。それじゃあ、入れますね? ……はい、どうぞ♪」

 

 

 

 葡萄を多めに入れた為、そこまで変な色はしていない。しかも美味い。

 

 

 

鬼門

「美味い……。いや、それよりもなミラクル。何でこんな設定で進めるんだ? 突然言われたら混乱するだろ……」

 

ミラクル

「設定……? 兄さんが今何を言ってるのか分からないけど、今はケイちゃんですよ?

 

鬼門

「設定指摘するだけでキレるの? なぁパーマー、ミラクルってこんなことするタイプだっけか?

 

パーマー

トレーナー相手だと、やっぱり張り切っちゃうんじゃないかな……。ここは乗ってあげるのも、優しさだと思うけど

 

ミラクル

「やだなぁ……兄さんは誰と話してるんですか? 今ここに居るのは、おれと兄さんだけですよ?」

 

鬼門

「はい、すいません……。じゃあ、取り敢えずミラクルの料理が食べたいな~……」

 

ミラクル

「はい! 今、作ってきますね♪」

 

 

 

 ニコニコしながらミラクルは、厨房の方に尻尾を振りながら小走りで向かって行った。

 

 

 

鬼門

「はぁ……何でこれで疲れなきゃいかんのだ」

 

ヒシアマ

「いいじゃないか。折角ミラクルが作ってくれる料理だよ? 有難く頂きな」

 

鬼門

「料理は良いんだけどなヒシアマ、兄妹設定にする理由ってなんだ? ミラクル、不満でも抱えてるのか?」

 

エース

「そう言う欲求があるんじゃないか? あたしは、ミラクルが妹なのか義妹なのかが気なるけどな」

 

鬼門

「どうでもよくないか……?」

 

 

 

 厨房はウマ娘でいっぱい居る為、作るまで時間が掛かると思ったがミラクルはニコニコ顔で直ぐに戻ってきた。

 

 

 

ミラクル

「はい、兄さん♪ 豆乳バナナのほかほかスープです。召し上がれ」

 

鬼門

「おぉ、早いな。それじゃ、いただきま――」

 

 

 

 俺がカップを口に運ぼうとした時、ミラクルが自分の隣に座る。

 

 

 

鬼門

「どうした? ミラクル……」

 

ミラクル

「兄さん、猫舌ですよね? おれがフゥフゥして飲ませてあげますよ」

 

鬼門

「えっ……そこまでしなくても――」

 

ミラクル

「その後、一緒にお風呂で温まりましょうね♪」

 

鬼門

「おい、エース。ミラクルは欲求不満なのか……?」

 

エース

「あたしに聞かれてもな……誰にでも欲求不満なことはあるだろ///」

 

鬼門

「おい、何照れてるんだ。助けろ、おい!」

 

ミラクル

「さぁ、兄さん。口を開けて……」

 

 

 

 虚ろな瞳で、ミラクルは顔を近づけてスープを口元に運ぶ。

 

 

 

鬼門

「……温かくて美味しい」

 

ミラクル

「よかったです。温まった所で、お風呂でもベットでも一緒に――」

 

たづな

「はーい! 切りのいい所で次の方と入れ替えて下さーい!」

 

ミラクル

「嫌だなぁ……時間って。熔けて無くなればいいのに……」

 

鬼門

「はぁ……よかった。理性が飛ぶところだった……」

 

ミラクル

「楽しかったですね、トレーナーさん♪ 次もまたやりましょうね」

 

鬼門

「次なんかがあるのだろうか……?」

 

 

 

 そして、次に選ばれたのはシリウスだった。

 

 

 

鬼門

「シリウス、スカート押さえて黙るな。気まずいだろ……」

 

シリウス

「少し黙ってろッ/// 足下がスゥスゥすんだよッ!」

 

鬼門

「ピンクのメイド服で可愛いだろ」

 

シリウス

「皮肉で言ってるだろ、お前ッ///」

 

鬼門

「いや、可愛いが?」

 

シリウス

「――ッ/// 早く注文しろ! 何が食べたいんだ……」

 

鬼門

「フランスのコース料理」

 

シリウス

「ふざけてんのかお前ッ!! メイドじゃなくて、シェフに頼め!」

 

鬼門

「いや~、普段から揶揄われてるから気分がいいな」

 

ルドルフ

「おいおい、トレーナー君。それくらいで留めてくれよ……」

 

シリウス

「クソがっ……。コース料理、作ればいいのか?」

 

鬼門

「えっ、作れんの?」

 

シリウス

「作れないとは言ってないだろ? 待ってろ」

 

 

 

 そのままの姿で、シリウスは厨房に行く。

 

 

 

鬼門

「冗談で言ったのに、何だかんだ優しいな」

 

ルドルフ

「ああは言うが、彼女は面倒見がいい。トレーナー君の言う通り、思いやりがある。放って置けないのさ」

 

シービー

「この間も、宿題見せてくれたしね」

 

鬼門

「シービーはちゃんとやりなさい」

 

シービー

「見せてもらった方が楽じゃん?」

 

鬼門

「そうだけど、そうじゃない」

 

シリウス

「ほら、出来たぞ」

 

鬼門

「はやっ!?」

 

シリウス

「本来なら食前酒だが、今回は白葡萄のジュースだ。品種はシャルドネ、酸味とコクのバランスが特徴だ」

 

鬼門

「へぇ……本格的」

 

シリウス

「先ずは前菜、ラ・フランスの生ハム巻き。よくジュースに合うはずだ」

 

鬼門

「これ……美味しいの?」

 

シリウス

「食ってみろ」

 

鬼門

「あむ……あっ、意外と美味い」

 

シリウス

「ジュースと一緒に飲んでみろ。多少、甘いからクドイかもしれんが……」

 

鬼門

「ん……はぇ~、こんなに変わるもんなんだな」

 

シリウス

「次もあるから、残すなよ」

 

 

 

 シリウスの終始変わらない態度に、俺は少し疑念が湧き、趣旨を戻すように指示する。

 

 

 

鬼門

「シリウス。もう少し、メイドっぽく出来ないか? 食べさせてもらって悪いんだが、一応、親睦会だし」

 

シリウス

「うっ……」

 

 

 

 シリウスは拳を小刻みに震わせ、今にも殴り掛かりそうになった時、他のメンバーが止めてくれた。

 シリウスはスカートを掴み、頬を染めながら俺に向き直る。

 

 

 

シリウス

「少々お待ちくださいませ、ご主人様……」

 

 

 

 笑顔を向けてくれるのだが、何故か殺気がこもって恐い。

 

 

 

鬼門

「こわっ……」

 

シリウス

「何でだよっ!? だぁっ……やり損じゃねぇかっ///」

 

 

 

 そう言いながら、シリウスは次の料理を持ってくる。

 そこからはタラのポワレなど、ジャガイモのスープ、デザートが出されて食事は終わる。

 俺はお腹を撫でながら、シリウスに感想を述べる。

 

 

 

鬼門

「シリウス……」

 

シリウス

「な、なんだよ……?」

 

鬼門

「これから毎日、俺に料理を作ってくれ」

 

シリウス

「はぁっ!? 何だよ、急に……///」

 

鬼門

「このクオリティだったら、毎日食べたいだろ。普通に」

 

シリウス

「お、お前が望むなら、やぶさかじゃないが……///」

 

ルドルフ

「シリウス……トレーナー君の言葉を真に受けすぎだ。君が思っているような事は、何もないぞ?」

 

シリウス

「わ、分かってる……。それで仔犬……今日、トレーナー寮に行っていいか///」

 

ルドルフ

「掛かり過ぎだろっ!?」

 

 

 

 ルドルフがツッコミを入れている最中、アメリは神妙な面持ちでシリウスの側に近付く。

 

 

 

アメリ

「アタシの負けだよ……シリウス」

 

シリウス

「は?」

 

アメリ

「アンタが素直に気持ちをぶつける事が出来るなんて、思わなかった。それに、この料理。細部まで手を抜かないこだわり、料理への愛情が伝わるよ」

 

シリウス

「お、おう……」

 

鬼門

「これって何の勝負だったっけ?」

 

 

 

 その後は親睦会は終了し、シリウスが本当に寮に遊びに来た。

 

 

 

 

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